(一年で納まるか、コレ?)
「ルナツー、第二変更点に入ります。」
「月軌道まであと500km。」
「再減速、最終コース調整。」
「いよいよだな。」
「はい。」
「MS各機、出撃準備、
最終コース調整までルナツーを守れ。」
▽
『なぁ、ルース』
『なんだ、フォルド』
『本当にルナツーをサイド3に
当てる事で戦争は終わるのか?』
『・・・接触回線に切り替える』
『ぉ、おう』
〈フォルド、
俺はコレが戦争終結に結びつくとは思えない〉
〈やっぱお前もそう思うか?〉
〈おい俺も混ぜろ、
大体よぉ、
サイド3ってただの住居コロニーだろ?
民間人を殺すのは俺達軍人の範囲外だろ?〉
〈〈うわ、エイガーがまともな事言いやがった〉〉
〈お前らに言えるのかよ〉
〈俺はコイツより〉
〈俺はフォルドより〉
〈〈馬鹿じゃねぇ!〉〉
〈〈あぁんっ!!〉〉
〈ぁ、やべっ〉
3機のガンダムの前に立つ
キルスティン・ロンバート
「貴様ら、減俸以外の処分も覚悟して置けっ!!」
▽
リチャード・チェンバレンは
《なぜか懐かしむように
『ガンダム・ゼファー・フォームⅣ』を眺める》
エリシア・ストックウェルも同じように
「艦長。」
「なにかね?」
「ゼファー、この作戦以外で見た事はありますか?」
「《ない》そう言いたいが、
どこか懐かしい、そう思っているよ。」
「私だけでは無かったのですね。」
フォームⅣは
シールドをビームコーティング仕様に変更し
《ガンダムNT1》の起動データにより
ブラッシュアップを重ね
各モーターはフィールドモーター最新型で
運動性は連邦随一の機動力を誇り
各種装甲も《ルナチタニウム超合金製》で
重装甲の見た目とは裏腹に驚くほど軽い
背中のブーストポッドは
《無人機前提の推力を与えられて居る為》
人が乗れば一瞬で肉片と骨に分けられる
「ゼファー、出れるぞ。」
「了解、ゼファー・フォームⅣ
発進許可します、
FCS解除、トリガー
ゼファーに委譲します。」
コンソールに【OK】の文字
【オペレーター】
「なぁに?ゼファー?」
【今作戦は成功しない方が良いと判断します】
「・・・そうね、
でも、連邦軍としての作戦なの、
最悪、アナタの判断で
『私達を撃ちなさい』」
【・・・承服出来かねます】
「これは命令じゃないわ、『お願いよ』」
【戦争よりも太陽系外の調査に早く行きたいです】
「そぅね、アナタの本来のシステムは
その為の物だものね。」
【チェック完了、出撃します、
オペレーター、必ず一緒に行きましょう、
アナタ方以外と旅に出たくはありません】
「ありがと、ゼファー。」
「ゼファー離床、本艦は退避行動に入ります。」
▽
~~♪~~~♪
サイコザク・ウルフヘッドのコクピットに
流れる《ポップス系ラブソング》
『ご機嫌だなダリル』
『フィッシャーコイツにナニ言ってもダメだよ』
『ショーンに言われたくはない』
警報が鳴る
『目標確認』
『あいよ』
『さ、お仕事お仕事』
ザクⅡカスタムとリックドムカスタムが
サイコザク・ウルフヘッドから離れる
『副総帥のオモチャ、
どうしてこうして、
気持ちのいいじゃじゃ馬なんだろうな』
誰に聞こえる訳でも無い
既に月近辺、サイド3と月の間も
ミノフスキー粒子は万遍なく撒かれており
接触回線以外は細い有線通信しか通じない
『ミタデラ、準備良し』
『ネス、同じく』
ダリルは
《46cm60口径3連装ショックカノン砲》の上で
サイコザク・ウルフヘッドを
《狙撃姿勢にする》
『デカい的だな』
両手・両脚は既に無い
リユース・サイコデバイス
知っての通り
《俺の理想の通りにサイコザクを動かしてくれる》
▽
「ミノフスキー粒子増大、
ルナツー、自動調整に入ります。」
「各員、警戒、
ガンダム、4、5、6、
サンダーボルト、周囲警戒を怠るな。」
「あ。」
『ーー♪ーーーっ!!』
「通信、切れ。」
「はい。」
「はぁ~、あの出向パイロット、
なんとかならんの?」
「ムーア財団の方でも
手に負えないとか聞いてますけど?」
「それでいながらMSの腕は一流か、厄介者め。」
「同意します。」
『こちら4号機、
____範囲に__なし』
「もう通信が。」
「ジオン軍め、
読んでいたのか。」
▽
内太陽系鉱石で作られた波動エンジンが6機
一つの主砲に集約されていた
『見えた』
サイコザクはトリガーに指をかける
『まずは、邪魔な石っころだな』
発射される《3本の渦を巻く青い光は》
ある程度並走すると
回転を始め
《一つに纏まり更に加速して行く》
▽
『サラブレッドっ!?』
「艦長!!」
発見は、ほぼ同時だった
「各艦、ルナツーより退避っ!!」
サラミス・マゼランも動くが
《トリビューン》《サラブレッド》の様な
戦闘機動はとれなかった
サイコザク・ウルフヘッド
全体はサイコザクから大きくは変わっていない
ただ、頭部の
ザク頭+専用バイザーを被っている
その形がオオカミに似ている事から
そう呼ばれている
ビッグ・ガンも付近に隠しており
何時でも撃てる
今は、
《46cm60口径3連装ショックカノン砲》用
スナイパーを構えている
照準装置として本来は
《タキオンレーダー》と連動するが、
推進器として使い始めたばかりの
波動エンジンを理解しきれておらず
《タキオンレーダー》の開発は
全く進んでいない為、
ザクスナイパーのライフルを
照準器代わりにリファインした物
射程距離、最大450kmと破格の性能だが
内太陽系鉱石で造られた
波動エンジンではコレが限界値
木星の《イオ》で採れた新鉱石であれば
素のパワーが違う為
少なくても3倍の射程距離と
連射能力を得られると試算されている
現在、艦艇用主砲として、開発が進んでいるが
波動エンジンを
内太陽系鉱石と
外太陽系鉱石のタンデムで
専用艦艇を造船した方が早いと言われている
イオ・フレミング
今回はムーア財団法人の
(名前だけで本体は
地球連邦軍のダミー財団)
民間軍事会社から出向している形
ガンダム・サンダーボルトは
若干の変更で
フィールドモーターは
マグネットコーティングのみ
それ以外は
《サンダーボルトの最終決戦仕様》
煩いフリー・ジャズは
同財団からも《呆れられており》
財団内が静かになるし
機動データも取れるので
放出した、と言うのが正しい
ガンダム・ゼファー
ファントムシステムの派生型で
一番《人間臭い性格になった》
他にも幾つか派生型があったが
ジャブロー基地の
《ラサの魔獣》が破壊した範囲で巻き込まれ
ガンダムに
積込み済みだった本機だけが無事だった