どうせなら勝ちたい   作:扶桑畝傍

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広げた風呂敷が広すぎたけど

さ~、しまっちゃおうね~

『悪い子はみんなしまっちゃおうね~』


宇宙、閃光の『先に』何を見る?

「現在、ルナツーとの距離、約100km。」

「減速は?」

「しています、

 恐らく月軌道でフライバイして

 サイド3へ最終進路変更をするようですが。」

「どうした?」

「張り付いていた艦艇が

 急激な運動を始めっ!?」

 

その瞬間

 

ルナツーが蒼白い光状の何かに

 

焼かれ えぐられ 溶け 弾け飛んだ

 

「き、緊急回避っ!!」

減速とザンジバル級ならではの

機動力の高さを生かし

飛び散る破片を全力で避ける

「総員、対ショック姿勢っ!!」

 

シャアは咄嗟に側に居たララァを抱える

 

破片が虚空の彼方へ飛び散り

ある程度落ち着いて来た

 

「っ~。」

(軽く何処かを打ったか)

ぐらつく頭を振り何とか指揮を執る

 

「各員、損傷チェック、

 ノーマルスーツを着用、

 酸素漏れはないか?」

「操艦機器、異常認められず。」

「各エアロック、信号確認、

 気密は保たれています。」

「MS準備、外観チェックを進めてくれるか?」

「了解。」

 

ここで、一切発言をしないララァを見る

 

「ララァ?大丈夫か?」

「・・・大佐、アレは何ですか?」

「わからん、副総帥の新しい玩具と思うが。」

「《感じ取れませんでした》」

 

「なに?」

ニュータイプならではの《悪意》は

私にも感じられるようになりつつあるが

「大佐、あの光に《意志を感じられません》」

「純粋なエネルギーと言う事か?」

「大佐!」

ナタリーもノーマルスーツで飛び込んで来る

「ナタリー、ララァのノーマルスーツを。」

「はい、持って来ています。」

「シャア、アレはなんだ?《見た事が無いぞ?》」

「それは私もだ、

 月軌道艦隊と連絡は?」

「ダメです、既にミノフスキー粒子増大、

 月の裏で戦闘中の模様。」

「全機、出撃準備、

 ザンジバルは、

 サイド3と連絡を取り続けろ、

 近隣で活動している部隊の詳細を受け取れ。」

「はっ!」

 

 

「ぐっ。」

艦長席にしがみついていたのが功を奏し

身体が痛むが、宇宙に放り出されていない様だ

 

サラブレッドの艦橋は《真空状態》の

モニター表記

 

『各員、損傷知らせ』

ロンバードは

艦内通信に呼びかける

『こちらMSデッキ、

 酸素漏れが酷く、

 全体にノーマルスーツと

 ハードスーツを着せています』

『動けそうな隊員は?』

『見える範囲で数人です、

 MSデッキは、

 資材がクッション材となってくれたおかげで

 粗方いますが、幾人か、吸い出されました』

『エアロック内まで貫通されたのか?』

『はい、艦中央部の重力区画は

 辛うじて気密を確認しています』

『こちら機関部、

 右エンジンが死んだぞ!』

 

最悪の連絡だった

 

『復旧の見込みは?』

『このまま漂流を装って

 修理しても

 何日掛かるかわからん!』

『他の部署はどうだ?』

『現在、負傷者の集計中、

 通路や、待機所にいた幾人かが

 吸い出されました』

 

 

「くっ、各員、損傷チェック、

 エアロックを確認しろ。」

「艦橋のエアロックは確認しました、

 丁度、ルナツーと本艦の間に、

 『サラブレッド』が。」

「サラブレッドへ、動けそうか?」

 

「ダメです、応答無し。」

「ゼファーより短波通信、

 【敵機多数、対処するも

  圧倒的に不利、

 月基地へ撤退を進言す】です!」

「くそっ。」

 

艦橋から見える範囲に

サラミス・マゼランが回転しながら浮遊していた

数隻が動き出し、

《トリビューンとサラブレッドの前に出る》

 

「通信は?」

「発光信号を確認!」

 

 ワレ、エンゴス、月へ

 

「~っ、すまん。」

『こちら機関室、推力復旧!動けるぞ!』

「転進、サラブレッドを牽引する。」

「了解、転進、左回頭140度。」

 

 

『なんだ、引き際をわきまえてるのか』

 

残念がるダリルの前に

フルアーマーガンダム・サンダーボルトが

肉薄して来る

 

〈さぁ!やりあおうぜ!!〉

 

 

「司令、ルナツー作戦失敗です、

 ルナツーその物が破壊されたそうです。

 『トリビューン』『サラブレッド』より

 撤退、離脱の要請が出ていますが。」

「・・・無視しろ。」

「は、了解しました。」

 

 

「なっ?!」

何度もコールする通信は切られ

艦橋内に言いようの無い不安がよぎる

 

「やはり。」

リチャードは独自にジャブローを調べていた

そして『例の地下施設』の存在を確認した所で

《ルナツー作戦》へ招集された

 

「ゼファー、貴方はどうしたい?」

【戦闘中止命令を】

「そぅ、ね。」

 

サラブレッドの被害は大きく

応戦している

ガンダム4号機5号機6号機からも

劣勢の報告

 

唯一、突っ込んで行った

フルアーマーガンダム・サンダーボルトが

ザクのような何かと

 ドックファイトを繰り広げていた

 

「更に後方、ザンジバル級です!!」

 

そして、見た目はゲルググMだが、

背部に『ファンネルラック』を搭載したMSが現れる

 

〔私はジオン公国、ニュータイプ部隊、

 シャア・アズナブル大佐だ、

 降伏を進言する。〕

 

損傷を物ともせず、ゼファーが超起動で戻って来る

 

〔・・・これ以上の戦闘は無意味だと思うが?〕

 

サラブレッドにも何機か張り付いており、

降伏を促していた

 

【艦長、降伏を】

「艦長、ゼファーからです。」

「・・・通信を。」

「はい。」

「こちらはトリビューン艦長、リチャードだ、

 降伏を受け入れる、

 味方艦が酷く損傷していてな、

 幾人か〈吸い出された〉のだ、

 周辺の救助要請を願う。」

『了解した、

 ニュータイプ部隊の腕の見せ所だ』

 

白い発光弾が連続で撃ちだされる

 

意味は『トリビューン、サラブレッド、

    降伏を受け入れる

    戦闘行動を中止し、生存者の捜索を始めよ』

 

 

しかし、サラミス、マゼラン、サンダーボルトが

受け入れを拒否

 

ニュータイプ部隊に瞬く間に蹂躙され

宇宙の塵に変わって行った

 

その際、サンダーボルトが相手のサイコザクと

キリモミ状態となり

『行方不明』となってしまった

 

 




「発見、収容出来た人数は?」
「はい、40人程です、
 ニュータイプ、便利ですね。」
「そうでも無いさ、
 副総帥にそう言われてなければ
 『ニュータイプの能力』を
 人命救助になんて使いもしなかっただろう。」
「大佐、先程は助かりました。」
「上司として、男として
 当然の行動を取ったまでさ、ララァ。」
「っ!?」
「ララァ?」
「いえ、その、ペズンで作られた
 『サイココミュニュケーター』搭載の
 ザメルが。」
「ザメルが?」
「・・・大佐、
 『サイコフレーム』を
 《どちらで手に入れたので?》」
「ふふっ、ララァにはバレてしまったか。」
「シャア、ギレンからだ、
 一旦、グラナダへ行けだそうだ、
 なんでも《新型の受領とサイド3》に
 運んで欲しいそうだ。」
「グラナダに?」
「あ、大佐、そのグラナダのキシリア姉様からです、
 《拿捕した
 〈連邦軍の艦艇、MS、
  人員も運んで来て欲しい〉》と。」
「総帥、いったんほきゅうもしたほうがよろしいかと。」
「・・・わかった、
 ザンジバル、進路をグラナダへ
 『サラブレッド』と『トリビューン』へ
 グラナダにて、今後の進路を決めると。」
「了解。」

(さて、副総帥、
 このような『混ざり物だらけの世界』
 ある意味感謝こそすれど)

過去の人間にはそろそろ引っ込んで貰おうか
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