どうせなら勝ちたい   作:扶桑畝傍

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12月2日 夕方

「操舵者、副総帥へ移譲します。」

「受け取った、

 各員へ、これより

 『ジャブロー強襲』を行う、

 これは地球史上、

 最も自然を破壊する行為だ、

 今からでも賛同できない者は降りて構わん。」

 

 

「副総帥、『我々、転生者』は

 新たな未来を切り開く為、

 この船に乗り込んでいます。」

「ありがとう、

 では、『全リミッター解除』

 艦首『波動ラム』回転開始、

 これより。」

 

『ジャブロー強襲・ベレン、ピウラ』を

 直線状に抉り飛ばす

 

 

「なんだありゃ、デカすぎるだろ!!」

「知らねぇよ!!

 コピー部隊はどうなんだよ!!」

「今、ベレンに集まってる!

 間も無く、あの『でかい船』に総攻撃をかける!!」

 

一瞬、全ての音が止む

 

「え?」

「な、なにが?」

 

その瞬間、彼らは消失し

アマゾン川の脇に

〈推定幅、200m

 推定深さ、20km〉の峡谷が形成され

 

大西洋のベレンから始まり

太平洋側のピウラまで

直線状に消し飛んだ

 

 

「ガルマ!衛星の情報はまだか?」

『今やってるよ姉さん』

「ほっほっほ、

 貴ヤツめ、やりおる。」

「父上、感心している場合ですか?」

「キシリア、

 我々にはどうする事も出来んよ。」

「父上?」

「ギレンに繋げられるか?」

「ギレン総帥に?」

『父さん、繋いだよ、

 そして、姉さん、衛星も繋がったよ、

 とんでもない事になってる』

 

自身の座席にあるコンソールを見る

 

「な、なんだ、これは。」

『父上、この様な状況でなんのご用事か?』

「ギレン、

 ワシは《地球に残る》」

 

殺したければコロニーでも隕石でも落としに来い

 

「ち、父上?今、なんとおっしゃいましたか?」

『腐っても公国の王、か』

「老いぼれただけの公王だ、

 お前の企みを知らぬ訳が無かろう。」

「な、なにを話しているのですか?」

「キシリア、

 ギレンはな、

 《最初からワシ諸共、

  レビルを葬るつもりだったのだよ》」

「・・・父上。」

『姉さん、僕があえてその

 《ステルス艦》に乗って貰ったのは

 エイジ兄さんからのお願いでもあるんだ』

「が、ガルマ?」

『そうそう伝言を預かっているんだ』

 

キシリア、

すまんな、俺はどの道長生き出来ないようだし

独り者の方が気が楽なんだ

お前の結婚式に出れそうにないから

ごめんな、こんな事しか言えない兄で

 

『そして、姉さんと父さんが乗っている

 そのステルス艦の乗員は

 全て僕が選別し、その志を共にした者達だ、

 誰も、《父さんにも、姉さんにも》

 なびかないよ?』

 

「・・・るな。」

 

「ふざけるな!!

 私だけ安全な場所で

 じっとしていろと言うのか!!」

「そして、ワシは。」

 

お前を抑える役目だ

 

「えぇい!!どかんか!!」

士官室から出る扉には

静かな目で私を見る兵員達

 

「キシリア。」

「父上!!なぜです!!

 なぜ私をこんな!!」

 

「お前は《女》だ、

 ザビ家の垣根など考えす、

 家庭を持って欲しかったのだ、

 まぁ、アイツにやるのは論外だがな。」

「エイジ兄さんを論外とは。」

「当然だ。」

 

出自不明 経歴不明 住民登録なし

 

「そして、ジャパンの古い

 《紙媒体》の資料から見つかった

 《彼の経歴は》」

 

2025年12月31日

 交通事故により死亡を確認

  その後、《火葬》により、墓所へ埋葬

   ジャパン・トウキョウ

   ・ハチオウジレイエンへ収容

 

「彼は過去に《死んでいる》

 にもかかわらず《この宇宙世紀》に居る、

 アレは《誰なのかわからん》

 そんな男に唯一の娘を

 誰がやりたいと思うか?

 キシリア、お前は。」

 

死人と結婚する気か?

 

『ごめんね、姉さん、

 コレは僕が調べていたんだ、

 それをどうやってか

 ドズル兄さんが知ってね、

 さっき話してたんだ』

「・・・兄さん、

 エイジ兄さん!!」

 

〔なんだ?今忙しい〕

 

軋む音に鳴りやまない砲撃音

 

「兄さん!!兄さんはそこにいるんですよね!!」

 

〔さぁ?〕

 

「ふざけないで・・・お願いだ、兄さん、

 エイジ兄さん、私を撫でてくれた

 エイジ兄さんは、ちゃんと居るんだよね?」

 

〔ちっ、生き残ってたら話す〕

 

「兄さんっ!!」

『ダメだ、波動防壁を使ったみたいだね』

「ガルマ、私の軍を。」

『残念だけど、シャアが掌握したみたいでね、

 《ニュータイプ部隊》とグラナダは、

 今は』

 

敵なんだよ、キシリア姉さん

 

『父上』

「なんだね、ギレン?」

『今時は、

 俺は、貴方を殺す積りは毛頭ない』

「まぁ、一応聞こう。」

 

誠意・証明・確約、これらを実行出来るのかね?

 

『はい』

 

「ドズル。」

『うぐっ、お、親父』

「ギレン・ザビを

 《国家反逆罪》で拘束せよ、

 その後の処遇は

 《ワシが行う》」

『オヤジ!!俺が説得する!!だから!!』

「ドズル、《拘束しろ》」

 

嫌だ ソロモンと、ア・バオア・クーは

サイド3から離脱して独立する

 

「ちょ、ま、待って頂きたいドズル兄さん!!」

『・・・キシリア、すまん、

 俺は

 ギレン兄に《手錠を掛けたくない》』

 

「通信、切れました。」

「ギレンは?」

「そちらも同じく切れています、

 回線は《ガルマ様だけです》」

 

『ごめん、姉さん、

 こうなった以上、

 僕は《地球連邦軍》と』

 

ギレン兄さん

ドズル兄さんを捕まえなきゃいけない

 

「ぁああっ?!」

 

泣き叫ぶ彼女を包むのはデギン

 

「すまん、キシリア、

 アイツが言った通りになった。」

「どういう事ですか!!ちちうえ!!」

「アヤツと前に話しておったのだ。」

 

とある宙域の艦内

 

「公王。」

「なんだ?酒も飲んでいる、

 もっと砕けて話さんか。」

ゴクッ「はぁ~、

   デギンさん、

   話した内容はコレで全部です。」

「まぁ、仕方ないか、

 しかし、そうまでして

 《ガルマとキシリア》を

 生き延びさせるのに犠牲が必要なのか?」

「はい、ドズルに中立、又は独立を宣言させ

 《地球連邦》と戦える戦力を分散します。」

「そして、ギレンはほおって置くと?」

「えぇ、サイド3に送られる

 《負傷兵》は

 リユースサイコデバイスで復兵が容易ですので

 その部隊を《ギレンを隠すために使います》」

「ギレンには悪いが、

 表から外れて貰うと。」

「はい、そこで問題なのが

 《キシリアと、シャア》なんです。」

「あの金髪坊主か、

 アイツ、軍学校におったぞ?」

「覚えていないのか

 覚えていて《復讐》を考えているのか

 わかりませんが、

 彼の母親の確保を急いで欲しいのです。」

「しかし、ダイクン派中でも強硬派は

 相当骨が折れるぞ?」

「そこで

 《ランバ・ラル》と

 《シン・マツナガ》を

 ダイクン強硬派に潜り込ませるんです、

 勿論、俺の部隊も既に中に入って

 情報をかき集めている最中です。」

「ラル?あのラル家を?」

「えぇ、ドズルと喧嘩して

 ソロモンの隅にいますが

 《既にハモン》はこちら側です、

 彼女が居る限り、

 ランバ・ラルは動いてくれます。」

「それで?」

「《シャアの母親救出に木馬》を使います。」

「《木馬》を?」

「はい、ジャパンで《降伏》をし、

 それを私が受け入れまして

 《既にホワイトベースの改造も進んでいます》

 戦争では無く《救助》なら、

 彼らも動いて良いと《決意表明》の印に、

 《血印》もここに揃えてあります。」

「・・・連邦は?」

「私が直接潰しに行きます、

 例え、

 《地球を破壊した厄災のレッテルが張られようとも》」

「《過去の人間は》ここまで出来る物なのか?」

「どうでしょう?

 正直、これからやる事は

 どう釈明しても不味い事ですし、

 怖いですよ?」

 

でも、誰かが泥をかぶって終わりにしなきゃ

もう、止められない戦争になってるんです

なら、《俺がやってもいい》

 

「逃げたい、でも、

 それを解決するきっかけを

 俺は《知ってしまった》

 なら、やる、それだけです。」

「作戦書を寄越せ、

 ド素人が考えた《平和》とやら、

 ワシにも嚙ませろ、

 単なる老後よりは楽しそうだ。」

「~っ、ありがとうございます。」

 




連邦 コピー部隊

接収した
ガウの生産設備を応用し
量産されたガウ・攻撃機の事をさす

他にも《ザクⅡ》を
コピーした部隊が幾つか在り
戦争初期は
HLVの投下地点へ強襲、物資を強奪していた

ジムや陸戦型ガンダムへ
リソースを振り分けていたので
数が揃うまで
連邦カラーのザクⅡとガウが飛んでいた

ジャブロー地下工廠では、
『ジムや陸戦型ガンダム』を組み立てる
ザクⅡが居る、
なんともシュールな絵面(えづら)が見られた
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