いつの間にかロケット団に入っていた件について 作:レイノート
リアルやバレンタインイベントで書くのが遅れました!!
今回はいよいよあのポケモンの進化です。
刮目せよ!王の誕生を!
どーも皆さんこんにちは、ロケット団特別幹部ホオズキ・シズオです。
先日はグレンタウンにて、化石の復元を生で見ることが出来ました。プテラの復活はとても心に残りました。
そんな今日も一日頑張ろうと思った矢先の事。
タマムシシティにあるアジトが何者かによって襲撃されたという知らせが入ってきた。しかも年端もいかない少年の単独犯だと言う。
当然ながら事務所内はざわつき始める。
「おいおいマジかよ……」
ラムダさんはその一報に頭を抱えていた。
それもそのはずだ。タマムシシティにあるアジトはパスワードとセキュリティカードの二種類を使わなければ入れない。
幹部であろうともこの二重ロックは守らなければならない為、一般団員は尚更これらの扱いは厳重にしていた。
故に簡単に侵入できるものでは無い。
「そういえば、その日はボスがアジトに来訪していたはずだけどどうしたの?」
「それなんですが……」
多くの団員を倒した侵入者の対応に当たったという。
結果は引き分け。
ボスは本気のパーティでは無いとは引き分けに持ち込むほどの実力者という事だ。
侵入者が立ち去った後、機密情報等は削除し証拠は隠滅。
団員も全員脱出は完了したという。
「良かった……全員無事か」
全員の安否が分かって思わずホッとする。
暫くは活動自粛をするに越したことはないとは思うが、生憎と我々トキワジムに勤めている者達は仕事のセーブは無い。
だからといって働きすぎないようにも注意している。
要するにいつも通りにしようということだ。
「(でもいったい誰がアジトを)」
ロケット団が活動しているこのカントー地方において、アジトを襲撃出来る程の勢力はいない。
その他の地方では活動している組織があるとは聞く。
だが、それらの組織の人間が地方を越えてカントーに来てアジトを襲撃するメリットは全くと言っていい程ない。
あるとするならば動向を調べる程度に収まるだろう。
であれば考えられるのは、単に正義感の強い子供が通りすがりにアジトに侵入した。
…………うん、ないわ。流石にそんなゲームみたいな事はありえない。
いくらこの世界がポケモンという特殊な存在がいたとしてもだ。
たった一人で悪の秘密結社に戦いを挑むなんてないな。
この話はここでやめよう。
◇◇◇◇◇◇◇
「やっぱり落ち着くな……」
時刻は既に深夜を迎えている。
月は天へと昇り、闇夜を照らす満月が輝いていた。
俺は今、ニビシティとハナダシティの間にある山、おつきみやまに来ている。
二日ほどの休日を貰い、ポケモン達とキャンプの為にここまで来た。
人を無闇に襲うポケモンは少なく、落ち着いた場所である。
滅多に見ることは出来ないがピッピを見ることが出来たりするといわれているが、目撃情報は少ない。
そんな淡い期待もあるが、何よりメインはこの満月の空の下でキャンプを楽しむ事だ。
「はぁ~静かでいい場所だな」
都会の喧騒から離れたのは久しぶりかもしれない。
ココ最近はあっちこっちを歩き回っていたから、こうやって一人で静かに過ごす事は少なかった。
前職の時なんか心の余裕なんてなかったし、今のロケット団の方が居心地がいいのは何たる皮肉だろう。
「皆もゆっくり出来ているようで良かった」
遊び疲れて寝ているイーブイとタツベイ。
互いに追いかけっこをしては繰り返していたが、いつの間にか疲れて寝てしまっている。
ヌオーは枝に刺したマシュマロを焚き火で焼いていた。
なんか君だけやけに人間臭いな?
「スピアーは相変わらずだな」
スピアーはいつもと変わらず、少し離れた位置で警備にあたっている。キャンプなんだからゆっくりしようと言ったが、スピアーなりのルーティンであるために無理矢理するのは良くない。
でも最低限、皆で一緒に食事は取ってもらった。何だかんだで嬉しそうで良かったよ。
一方のニドリーノはというと……
「………………」
ずっと月を見つめている。
テントの用意をしている時から変わらず、月を見つめていた。
理由はよく分からない。
俺自身ポケモンに対する知識はまだまだ足りないし、一概にこうすればいいという決断も出来ない。
月……月か……ん?待てよ
「もしかして……」
俺は胸ポケットにしまってある物を取り出す。
つきのいし。
エリカさんから譲り受けてからお守り代わりにずっと肌に離さず持ってたけど、ニドリーノはまさか。
「ニドリーノ、君はもしかして進化したいのかな?」
ニドリーノは俺の声を聞くと、振り返り首を縦に振る。
月を見ていたのは、進化への意思表示という事か。
いやニドリーノの自身の気持ちの整理をしていたのかもしれない。
進化とは必ずしもいいものだけとは限らない。
今の姿と殆ど変わらないポケモンもいれば、大きく変化の異なるポケモンも存在する。
ニドリーノもそれを自覚していてるのだ。
俺が進化を受け入れてくれるかどうかも伺っていたのだろう。
『ニドォ……』
既に覚悟が決まっている目をしていた。
ただ強さを求めるだけではない、俺と一緒に強くなりたいと願っている。
ならばこちらも覚悟を決めなきゃ、無作法というもの。
「わかったよ、ニドリーノがやりたいって言うんなら
それが……本当にやりたいことなんだろう?」
静かに首を縦に振るニドリーノ。
迷う必要は無い。
俺はつきのいしを近づけ、
「ニドリーノ…………行くよ!」
俺はニドリーノの額につきのいしを当てる。
瞬間、辺りが光に包まれた。
進化の光……とても温かく神秘的なものを感じる。
『ニドォォォォォォォ!!』
光は消え、王者が咆哮する。
ニドキング……祝え、新たなる王の誕生を。
「凄い……すっごくカッコイイよ!」
嬉しさの余り、ニドキングに抱きつく。
ニドキングも満面の笑みで抱き締め返してくれた。
ニドキングは結構身長低いって聞いたけど、うちの子は結構高いんだよね……俺より少し低いぐらい。
でもこうしてハグできるからOKです。
『ピッ』
その時、物陰からピッピもといピッピの群れが現れた。
な、なんだ!?俺たちをどうするつもりだ?
ピッピ達ははそのまま俺達を囲み、踊り始める。
どうやら戦闘という訳ではなく、ただ俺たちの中心に踊っている。
ニドキングの進化を祝福するかの如く、ひたすらに踊りを続けていた。
『ピッ』『ピッピ』『ギエピー!!』
途中変な鳴き声が聞こえたが気の所為だろう。
ピッピ達は踊りを終えるとそのうちの一匹が俺の前に立ち、何かを渡してきた。
それはつきのいしではなく、太陽のような形をした石。
渡し終えるとピッピ達は山の奥の方へと去っていく。
「今日も凄い出来事に遭遇出来たな……」
ニドキングへの進化、ピッピ達の踊り……とても貴重な出来事をこの目に焼き付けられて良かった。
「改めてよろしくね、ニドキング」
『ニドォ!』
相棒の新たな進化。
俺はとても心が踊った一日だった。
[to be continued]
ニドキング……私のマイフェイバリットポケモンです。
赤緑、ファイアレッド・リーフグリーンで使い続けた相棒ですよ。
いやぁようやくかけて嬉しいです。
新しいアンケートを開催しようと思うので、良かったらご参加ください。