いつの間にかロケット団に入っていた件について   作:レイノート

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今回は20話記念ということで、普段の一般男性シリーズとは別のトレーナーの話を書いていきます。
そこのところをご了承ください。
それでは本編にどうぞ。


第20話「タンクトップは最強」

 

[???地方・チャンピオンロード]

 

 

 

やあ皆、俺だ。

え?俺が誰かって?

おいおいおい笑、俺だよ俺……タンクトップ小僧のヒロミだよ。

実家がチャンピオンロード付近にあるから、物心ついた時から強力なポケモン達と時間を過ごしていたな。

ある時はバンギラスと死闘を繰り広げたり、オニドリルに攫われそうになったりと普通の人間では考えられない生活をしていたのさ。

今となってはいい思い出だし、強くなれたし結果オーライ。

 

さて今日も日課の丸太の素振りでもやるか。

これも最初の頃には全然持ち上げられなかったけど、コツを掴めば意外と簡単だった。

人間、努力すればいけるんだなと感じるこの頃。

 

 

 

「ん?」

 

 

 

いつも素振りをしている場所に誰かが立っていた。

この辺りでは見かけない青年、もしや道に迷ったのか?

 

 

 

「すみません~どうかしましたか?」

 

 

「ちょうどいい、アンタこの辺で強いって噂になっているトレーナーを知らないか?」

 

 

 

強いトレーナーか……この辺だと最近トレーナーが少ないって聞いたんだけどな……。

俺も一時期この近辺のトレーナー達に勝負を挑んだことはあるけど、皆怯えた目で逃げてたけどなんでだろうな?

もしかして本当に強いトレーナーがいるのか?

 

 

 

「うーん、知らないですけど俺も探すの手伝いましょうか?

 

俺もそのトレーナーに興味があるんで」

 

 

「お?いいのか、頼むよ~」

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

この青年の方はホルドさんというらしい。

最強のトレーナーを目指して、各地方を旅しては強いトレーナーと戦う生粋の戦闘狂と本人は豪語していた。

そんな彼と一緒に件のトレーナーを探している訳だが、全くと言っていいほど見つからない。

かれこれ一時間は経つが、影も形も掴めないとは困ったな。

 

 

 

「ホルドさん、そのトレーナーについて何か情報はないんですか?」

 

 

「そうだな……黒いタンクトップを着て、丸太を抱えてると聞いたことが……ある……」

 

 

 

タンクトップに丸太か……なんか俺みたいだな……ん?

 

 

 

「お前やぁ!」

 

 

「俺だァ!」

 

 

 

噂になってるトレーナーって俺の事かよ!

えぇ…………色んな人とポケモンバトルしてるだけなんですが……

酷いな……人を蛮族みたいに呼ぶなんて失礼だな。

 

 

 

「灯台もと暗しとはこの事か……まあいい

 

とりあえずポケモンバトルだ!」

 

 

 

その言葉を待っていた。

ポケモンバトル……俺の好きな言葉です。

三度の飯よりバトルが好きだ。ポケモン達と一緒に戦い、強くなる。

そしてよりタンクトップが似合う男に成長するのさ。

 

 

 

「うん!やろう!

 

でも最初に言っておく!俺はかなり強いよ?」

 

 

「ハッ!上等だぜ!」

 

 

 

互いにモンスターボールを取りだし、中に向かって投げる。

相手はハッサムを繰り出し、俺はウルガモスを出す。

タイプ的には俺が有利だが、相手のハッサムはよく育てられている。油断する訳にはいかない。

 

 

 

「ハッサム!つるぎのまい」

 

 

 

ハッサムは独特な舞をすると、攻撃力を高めていく。

成程、向こうも積み技をしていくタイプか。

ならばこちらもいくとしよう。

 

 

 

「ウルガモス!ちょうのまい!」

 

 

 

つるぎのまいとは違う煌びやかな舞をするウルガモス。

こちらも負けじと能力を上げていく。

 

 

 

「ハッサム!バレットパンチ!」

 

 

 

ウルガモスに向かって放たれる高速のパンチ。

流石に早いため、避けきれずに防御の姿勢で耐える。

元々威力が低いバレットパンチだが、つるぎのまいにより決定打にもなりうる威力まで引き上げられており、タイプ相性で不利でも着実にダメージを与えていた。

 

 

 

「ウルガモス!ねっぷう!」

 

 

 

ウルガモスは大きく翼を広げて、熱気を纏った突風を放つ。

むしはがねという複合タイプの弱点であるハッサムにとって、ほのおタイプの技は一撃でも戦闘不能に陥る可能性がある。

勝ったとまでいかないが、痛恨の一撃が入る……そう思っていたが、

 

 

 

「ハッサム、姿勢を低くして避けろ!」

 

 

 

ハッサムはホルドさんの指示に従い、素早く姿勢を低くしてねっぷうを避ける。

これはまた予想が大きく外れた。

相手のハッサムがあそこまで素早く動けるとは……凄く心が踊ってくる。

強いポケモンとの戦いはいつどんな時も楽しい。

相棒と一緒にバンギラスやハガネールにステゴロで挑んだあの時を思い出すな。

どんな相手でも恐れずに挑む。いつだってそうだ。

 

 

 

「ウルガモス!もう一度ねっぷう!」

 

 

 

再び翼を広げてねっぷうを放つ。

今度は角度を調整し、ハッサムの周りを囲う形である。

 

 

 

「っ!ハッサム!耐えろ!」

 

 

 

流石のハッサムも避けきれずに、防御の姿勢を取った。

ねっぷうは直撃し、大きなダメージを与える。

 

 

 

「そのまま追撃のねっぷうだ!」

 

 

 

勝機を逃すまいとウルガモスに指示を送る。

ウルガモスは素早く対応し、再びねっぷうを放った。

 

 

 

『サム!!』

 

 

 

ダメージが抜けきれずに動けなかったハッサムに追撃の一手が決まる。

攻撃を受け、糸が切れた人形のように地面に倒れた。

戦闘不能、まず何とか一勝をもぎ取る。

 

 

 

「なかなかやるな……驚いたよ……

 

正直ここまでやるとは思ってなかった……返礼に俺の相棒を見せてやる」

 

 

 

ホルドさんはハッサムをモンスターボールに戻すと、別のモンスターボールを取り出し中へと投げる。

 

 

 

『…………』

 

 

 

現れたのは蒼炎を纏いし、剣士のようなポケモン。

初めて見るポケモンに目を奪われた俺は一瞬の隙を作ってしまった。

 

 

 

「ソウブレイズ、むねんのつるぎ」

 

 

それは刹那の瞬間。

ウルガモスは決して油断も隙も見せてはいなかった。

ただ……相手が悪すぎただけに過ぎない。

あまりにも早すぎる一撃は、ウルガモスを瞬時に戦闘不能にした。

 

 

 

「ウルガモス!!」

 

 

 

流石に驚きを隠せなかった。

一瞬でやられる程ウルガモスは弱くは無い。

あのポケモン……相当に強いぞ。

だからこそ…………ワクワクしてくるぞ!

アイツを倒してこそ、意味がある。そんな気がするのだ。

 

 

 

「やりますねえ……じゃあ俺も戦いたがってるコイツを出しますよ!」

 

 

 

ウルガモスを戻し、新たなモンスターボールを中へと投げる。

 

 

 

 

『ヌチャン!』

 

 

 

中から出てきたのは、とても可愛らしい見た目をしているピンクのポケモン。名をデカヌチャン。

その可愛い見た目とは裏腹に、自分の身の丈を超える程の武器を扱えるパワーがある。

しかしこのデカヌチャンは通常持っているハンマーではなく、もっと大きな何かを持っていた。

 

 

 

「おいおいおい!そのデカヌチャンが持ってるそれはなんだ!!」

 

 

ホルドさんが驚くのも無理は無い。

それは ハンマーと言うには あまりに造形が違いすぎた

大きく ぶ厚く 重く そして デカすぎた

それは 正に 大剣だった

 

 

 

「何って……大剣ですよ?」

 

 

「いや普通はハンマーだろ!その可愛い見た目で大剣は物騒だろうが!

 

教えは!お前の教えはどうなってんだ!!」

 

 

 

教えって言われてもな……

デカヌチャンがいたく気に入ってるから文句言えないんだよね。

それに普通に使いこなしてるし、伝説のポケモン相手でも負けない気がする。

とまぁそんなことは後だ後。

 

 

 

「いけ!デカハンマーだ!」

 

 

 

デカヌチャンは大剣を構え、大きく横薙ぎ払いをする。

わぉ!流石のパワーだと褒めてやりたいところだぁ。

 

 

 

「避けろソウブレイズ!」

 

 

 

ソウブレイズは紙一重でデカハンマーを躱す。

流石に大振り過ぎたか、次は小回り利くように調整しないとな。

 

 

 

 

「なんて威力だよ……」

 

 

 

デカヌチャンが放った横薙ぎ払いは、近くにあった大岩を豆腐のように軽く切り裂いているどころか抉れてる。

規格外の威力に驚いてはいたが、寧ろホルドさんは喜んでいた。

まるで自分と対等に戦える相手がようやく見つかったと言わんばかりに。

 

 

 

「このままいきま)」

 

 

「よそう……ヒロミ」

 

 

 

とホルドさんは右腕を出して俺を静止させる。

一体どうしたというんだ……これからが盛り上がる時だと言うのに。

 

 

 

「周りをよく見ろ……ここには俺たち以外にも他のポケモンがいる

 

このまま戦えば巻き込む危険がある」

 

 

 

成程……バトルに夢中になって周りが見えていなかった。

これは反省せねばいけない。

 

 

 

「それに俺たちが戦うにもっと相応しい所がある」

 

 

 

そういうとホルドさんは懐から1枚の紙を取り出す。

 

 

 

「ポケモンワールドトーナメント……

 

あと一年後にポケモントレーナーの世界一を決める大会がある」

 

 

 

何!?そんな大会が開かれるなんて知らなかった!

最近、修行してばっかだったから最新の情報仕入れてなかったわ。

 

 

 

「各地の有力なトレーナー達が一同に集まるこの大会が、俺たちの決着をつけるに相応しいと思わないか?」

 

 

 

確かにそうだ。

俺も……ポケモン達ももっと戦いたい。

ポケモンワールドトーナメントか……よし決めた。

 

 

 

「分かりました

 

俺もホルドさんとこの舞台で戦いと思ってます!」

 

 

「なら……今度は全力でぶつかろうぜ!

 

俺は必ずお前を倒すぞ!」

 

 

 

互いの健闘を祈り、握手を交わす。

ポケモンワールドトーナメントという新たな目標ができた。

これはよりタンクトップに磨きをかけて挑まないと勝てない。

それにまだ見ぬトレーナーとの戦いに心が踊る。

新たなる挑戦……我がパワーを懸けて全力で遂行する!

 

 

 

[to be continued]




短パン小僧がワープ進化したことで誕生したのがタンクトップ小僧です。
何言ってるか分からないだろう……作者も分かりません。
というわけで新トレーナーの紹介でした。次回からはロケット団に入ってしまった一般男性シリーズに戻るのでお願いします。

また新たなアンケートを作ったので良かったらそちらもお願いします。
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