いつの間にかロケット団に入っていた件について   作:レイノート

24 / 30
どーもクソ投稿者です。
今回もパロディトレーナーが登場します。
どうか暖かい目で見守ってください。
それでは本篇どうぞ!


第22話「反転」

どーも皆さんこんにちは、ロケット団特別幹部ホオズキ・シズオです。

先日はシルバー君との特訓を行い、互いの実力を高め合う事が出来た。

非常に充実した時間であったのは確かだと思う。

 

 

 

『決まったぁ!強い!本当に強い!!』

 

 

 

休憩所に設置されているテレビに映るプロリーグの試合。

どうやら決着が着いた様子。

静かに佇む黒いロングコートを着たトレーナーとサザンドラ。

その傍らには対戦相手であろう女性と戦闘不能になったジャラランガ。

この一方的な展開は僅か一分の出来事らしい。

サザンドラによる反撃も許さぬ猛攻により、ジャラランガが何も出来ずに敗北を喫した。

 

 

 

 

『地獄から復活したユキノ!!

 

このまま破竹の勢いで勝ち進むのでしょうか!』

 

 

 

正直俺はこの試合に納得がいっていない。

勝敗の結果と言うよりも、トレーナーの戦い方にある。

先程MCによって紹介されたユキノというトレーナーは、俺の古い友達だ。

昔から彼はポケモンバトルが強く、完璧なトレーナーと称される程凄い人物。

加えて互いに全力を尽くすバトルをするユキノがあんなにも一方的なバトルをするなんて信じられなかった。

 

 

 

「ユキノ……君をそこまで変えてしまったのは一体なんなんだ……」

 

 

 

友の変わり様は何が原因なのか……気になるが今は仕事に戻ろう。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

[数ヶ月前]

 

 

 

ポケモンバトルのプロリーグに若き新人が参戦した。

名をユキノという。

各地方のジムバッジを集め、多くの大会において好成績を修めたことによりスカウトされた。

当初はプロの荒波に飲まれると囁かれていたが、予想を遥かに超える活躍を見せる。

初の公式戦において、試合形式がフルバトルというなか手持ちポケモン一匹で相手選手のポケモン六体を倒すという類を見ない試合を見せた。

当時その試合を見たもの達は口々に語る。

 

 

 

「あんなに素晴らしいバトルは初めて見た」

 

 

「正しくパーフェクトと呼ぶに相応しい」

 

 

「何よりカッコ良かった!」

 

 

 

プロリーグに吹き荒れる新たなる風。

その姿は多くの人々を虜にしていった。

初試合から連勝に連勝を重ねて、20連勝という快挙を見せる。

誰もが惜しみない賞賛を送り、ユキノというトレーナーを認めていた。

あの日が来るまでは。

 

 

 

『チャンピオンVSエンペラー』

 

 

 

大きい見出しを飾るチャンピオン・シロナ対エンペラー・ユキノとのスペシャルマッチ。

チャンピオンとの対戦権を得たユキノは、即決で対戦を希望する。

これには世間は大きい賑わいを見せた。

どちらが勝つのか。

チャンピオンが防衛を果たすのか、はたまたエンペラーがチャンピオンを破るのか………

対戦の日はすぐに訪れる。

 

 

 

『会場に集まっていただいた観客の皆様!!お待たせ致しました!

 

これよりチャンピオン・シロナ対エンペラー・ユキノのバトルを開始します!!』

 

 

 

チャンピオン、エンペラーの両者がコートに入る。

会場は満員御礼状態。

この試合を自分の目で観たいと約一万超の観客が押し寄せた。

テレビ局のカメラも準備万端。

注目の一戦を一分一秒逃せまいと通常のリーグの試合よりも多くカメラマンが配置されている。

 

 

 

 

『レディファイト!!』

 

 

 

MCのゴングにより試合が始まる。

この世紀の試合により、ユキノの運命が大きく揺らぐと本人は知らない。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

勝負は驚く程あっさりと着いた。

誰も予想できない形で。

 

 

 

『サザンドラ戦闘不能!!ガブリアスの勝ち!!

 

勝者はチャンピオン・シロナだァァァァァ!!』

 

 

 

MCが告げる勝者の宣言。

熱きバトルの果てに湧くはずの歓声は起こらず、ただ静寂が会場を支配していた。

エンペラー・ユキノは負けた。ただそれだけならばなんの問題もなかったであろう。

チャンピオンのエースポケモン『ガブリアス』一体に自身の手持ちポケモン六体を倒されるという余りにも力の差が開いた結果となった。

 

 

 

「嘘だろ……」 「やべぇやべぇよ……」

 

 

「こんなのって…」

 

 

「ガブリアスは最強だな!」

 

 

ユキノ自身決して弱いという訳では無い。

公式戦20連勝という記録が彼の強さを物語っている。

運が悪い。対戦相手が余りにも強すぎただけ。

観客達はそう納得せざるおえない。

 

 

 

「…………」

 

 

 

驕っている訳でもなく、慢心しているわけでもなかった。

この日の為にポケモン達との調子も整え、万全の状態で試合に望んだユキノはこの結果を受け入れずにいる。

チャンピオンは手を抜いてなどいない。

その事実がより彼を苦しめる。

 

 

 

 

 


 

 

 

あの試合から一ヶ月程の期間が過ぎた。

そんな現在のユキノはというと……

 

 

 

『ロズレイド戦闘不能!!クイタランの勝ち!!』

 

 

 

地獄のどん底に立っていた。

チャンピオン・シロナ戦以降、彼は大きく調子を崩す。

20連勝という華々しい結果とは真逆、連敗が続き下位リーグにまで降格していた。

対戦相手もそこまでの強さではない。本来ならば負けようのない相手と言ってもいいだろう。

 

 

 

「何がエンペラーだ!」

 

 

「とっととやめちまえ!!」

 

 

「クソ雑魚野郎!」

 

 

 

空席が多い観客席から飛ぶ罵声の数々。

落ちぶれたユキノをこれでもかとアンチ達の言葉が飛び交う。

かつての栄光は地に落ちた。

もう彼をまともに見るファンはいないだろう。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「え!?契約解除ですか!!」

 

 

「すまないがあと一回でも負ければ君とのスポンサー契約を切らしてもらう」

 

 

 

 

試合後。

スポンサーとなっている会社の社長に呼び出され、最終通告を受ける。

当然と言えば当然。

負けが続く選手のスポンサーを続ければ、会社の信用問題にも関わる。

それ故に慈悲としてのラストチャンス。

これを逃せば、彼はもう立ち上がることすら出来ないだろう。

 

 

 

 

「………」

 

 

 

社長との対談が終わったユキノは一人近くの緑地公園のベンチで休んでいた。

あの日以来連敗続きという事もあって、肉体的にも精神的にも疲れ切っている。

気晴らしに足を運んだ公園の片隅で小さな子供たちがポケモンバトルをしているのが目に入った。

 

 

 

「(楽しそうだな……)」

 

 

 

純粋にポケモンバトルをしている子供達が羨ましく見える。

バトルを通じて互いを高め合うバトルを信条に、今まで戦ってきた。

全力を尽くし、相手をリスペクトする。

これがユキノが築き上げてきた全てだ。

 

 

 

「俺は一体どうすればいい……」

 

 

 

時間がどれだけ経とうとも消えないあの日の記憶。

己のポケモンが為す術なく倒される光景が繰り返される。

 

 

 

「んんん~勿体ないですね」

 

 

 

背後から聞こえる思わず胡散臭いと感じる男の声。

その声の方に振り返るユキノ。

そこに居たのは全身黒づくめの服装をした男。百人中百人が怪しいと絶対に言う程の雰囲気を纏っている。

 

 

 

「おぉと突然お声掛けして失礼致しました

 

エンペラー・ユキノさん?」

 

 

 

アンチの一人か。

そう思ったユキノは、男を無視してその場を立ち去ろうと立ち上がる。

 

 

 

「自分のバトルが出来ない…………そうではございませんか?」

 

 

「ッ!?」

 

 

 

男はユキノに対して確信を着いた一言を告げる。

正しく今の彼にとって一番の悩みを見透かされていた。

 

 

 

「それ故に勿体ないと思いました

 

貴方のような才能の持ち主をこのままにしておくのは勿体ない

 

キッカケさえあれば立ち直れると」

 

 

「キッカケか…………」

 

 

 

このままバトルをしていても結果は変わらない。

起爆剤となる何かをこの男は知っているというのか。

 

 

 

「お前には分かるのか、このスランプから抜け出せる方法を!」

 

 

「ええ勿論ですとも

 

私の後についてきてください、必ずや貴方を復活させて見せましょう」

 

 

 

ユキノは男の後に追従して着いていく。

己の現状を解消するにはなりふり構ってはいられない。

そんなふうに思えた。

 

 

 

 

 


 

 

 

「ここは…」

 

 

 

男に連れて来られたのはとある地下施設。

バトルフィールドを囲うように鉄格子で包まれていた。

そしてその光景を眺めることが出来るガラスで覆われた展望台。

通常のそれとは違う異質なものに多少戸惑うが、男に言われるがままユキノはコートの中へと入る。

 

 

 

「(貴方の調子を取り戻すには戦い続ける事

 

プロリーグでは決して得られないものでしか解消できない)」

 

 

 

答えは戦いの中にある。

ポケモントレーナーである自分にはこれしかないと思う。

ユキノがどうこう考えていると対戦相手が入場してくる。

 

 

 

「くっくっくっ……今日の獲物はお前か~」

 

 

 

気味の悪い笑顔を浮かべる見るからに軽薄な眼鏡の男。

ユキノはその男に見覚えがあった。

 

 

 

「ポイズン・ヨシダ!」

 

 

 

かつてプロリーグに所属していたトレーナー。

名前の通りどくタイプを専門として扱い、搦手を使い相手を追い詰める戦術を得意としている。

だがその過激な戦術が問題視され、プロリーグから追放されたという。

ユキノは戦ったことは無いが、相当な腕だと聞いている。

 

 

 

「ここはいい所だぜ…

 

俺の戦術に文句を言う奴はいないんだからな

 

お前も毒漬けにしてやるよぉ~」

 

 

 

嬉しそうに自身のモンスターボールを舌なめずりするヨシダ。

正直いって気色悪いを通り越して、さっさとフェードアウトして欲しい。

 

 

 

「御託はいい……さっさと始めよう」

 

 

 

両者所定の位置に着く。

モンスターボールを構え、中へと投げる。

 

 

 

「いけ!ウインディ!」

 

 

「くっくくっ!マダドガス!」

 

 

 

ユキノはウインディを、ヨシダはマダドガスを繰り出す。

 

 

 

『ッ!?』

 

 

 

ウインディは突如痛みを感じる。

まだ相手のマダドガスは何もしていない。

ユキノはフィールドを見回すと違和感を感じた。

よく見てみるとフィールドの至る所にどくびしがまき散らされている。

 

 

 

「な、なんだこれは!」

 

 

「おいおいおい、ここのルールを把握してきたのかよ

 

バトルの度にここはフィールドに仕掛けを加えるんだぜ!」

 

 

 

この地下バトルは公式戦のような細かいルールなどはない。

無法者によるルール無用のバトルがここのルールだ。

その事実に驚いて固まるユキノ。

 

 

 

「ほらほら避けないとな!マダドガス!ベノムショック!」

 

 

「避けろ!ウインディ!」

 

 

 

ヨシダはすかさずマダドガスにベノムショックを指示し、ウインディを奇襲する。

ウインディもどく状態とはいえ、ユキノの指示に素早く対応した。

ベノムショックはどく状態のポケモンにより多くダメージを与える技。

どくびしフィールドによって地を得意とする多くのポケモンはどく状態にされてしまい、最初からベノムショックの驚異に怯えることになる。

 

 

 

「(ここは早期に決着をつけるしかない)」

 

 

 

どく状態のウインディで長期戦は不可能。

長引けばヨシダのアドバンテージが拡がっていく。

であればウインディの最高火力で一撃で倒す他ない。

 

 

 

「ウインディ!フレアドライブ!」

 

 

 

ウインディは雄叫びを挙げた。

灼熱の炎をその身に纏い、マダドガスへと突進する。

 

 

 

「なっ、不味い!!」

 

 

 

ヨシダのマダドガスは反応出来ていない。

このまま決まれば大ダメージは必須。

ウインディのフレアドライブがマダドガスに着弾する直前だった。

 

 

 

「なんちゃって!バカが!」

 

 

 

マダドガスの体は突如眩い光に包まれ、そこを中心に大きな爆発を起こした。

だいばくはつ。

その身をひんしにさせる代わりに大きなダメージを与える技。

フレアドライブをしていたウインディは避けられず、爆発をモロに食らってしまい戦闘不能となる。

 

 

 

「貴様ァ!!自分のポケモンをなんだと思っている!!」

 

 

 

ヨシダの行動に怒りを覚えたユキノ。

自身の仲間とも言えるポケモンに対して下した自爆命令。

例え相手を倒すためとはいえ、マダドガスの身を犠牲にさせたことが許せなかった。

 

 

 

「何言ってんだよ……ポケモンなんてトレーナーの道具にすぎない

 

一つ倒れた所でなんの支障もない…ハハッ!」

 

 

 

ヨシダの発言に湧き上がる歓声。

観客達も賛同しているのか、更に大きな歓声をあげた。

ありえない。

この異常な光景を受け入れているここの人間達を激しく嫌悪するユキノ。

 

 

 

「違う……こんなのバトルじゃない!!」

 

 

「お得意のリスペクトってやつか?

 

つくづく甘ちゃんだねぇ……そんなもんが通用すると思うからチャンピオンに負けたんだよ★

 

さあ早く次のポケモンを出せ……次はもっと苦しめてやるからよォ!」

 

 

 

こんな奴らに負け続けてきたのか。

ポケモンを道具としてしか思わない外道に、ポケモン達が傷ついたのか………ふざけるな…………ふざけるな!!

その時、ユキノの中で何かが切れた。

 

 

 

「最早貴様に、リスペクトなど不要………俺の…俺たちの勝利の犠牲となれ!!」

 

 

 

ユキノはウインディをモンスターボールに戻し、新たなモンスターボールを取り出す。

その時眩い光がモンスターボールを包む。

 

 

 

「な、なんだそれは!」

 

 

 

初めて見る光景に驚くヨシダ。

モンスターボールが光り輝くという現象は見たことがなく、一体何が起きているのか分からないため、警戒をしている。

 

 

 

「こいつがお前に引導を渡す……いでよ……サザンドラ!!」

 

 

 

繰り出されたのは切り札のサザンドラ。

しかし通常の姿とは違い、それは大きく異なっていた。

鉄斧が付いた王冠を被るサザンドラに、会場は大きく湧き上がる。

 

 

 

「くくっ!ただのサザンドラじゃないか!

 

何が引導を渡してやるだ!ドラミドロで終わらせてやる!」

 

 

 

ヨシダはすかさずドラミドロを出す。

彼の切り札であろうが、今のサザンドラにとってそれは関係ない。

 

 

 

「ドラミドロ!ヘドロばくだん!」

 

 

 

ドラミドロは毒のエネルギーを放出し、サザンドラへと向けて撃ち出す。

サザンドラはその場から動かず、そのまま攻撃を食らう。

 

 

 

「これで俺の勝ち……だ……?」

 

 

 

砂塵が晴れ、そこに居たのは無傷のサザンドラ。

 

 

 

「馬鹿な!無傷でいられるはずがない!!」

 

 

 

ヨシダの言っている事は正しい。

不利なタイプの技でもない限り、ダメージを全く受けないということはありえないのだ。

ましてやどくタイプに対して有利なタイプでもないサザンドラが無傷に受け切れるのは不可能。

 

 

 

「サザンドラはテラスタルによってはがねタイプとなっている

 

お前のどくなど最早通用しない」

 

 

「何!?馬鹿な!!」

 

 

 

タイプそのものを変化させる技術。

まだそれは世界的に普及しているわけでは無いため、知る人間は少ない。

 

 

 

「これで終わりだ

 

サザンドラ!!ラスターカノン!サァンレンダァ!!」

 

 

 

サザンドラは両腕の頭を含め、ラスターカノンの三連打を放つ。

ドラミドロは避けることは出来ず、余りの威力に吹き飛ばされ壁に大きなクレーターを残す。

圧倒的なまでの強さ。

リスペクトを捨てたユキノの力は以前のものより遥かに強くなった。

 

 

 

「あっ…あぁ……」

 

 

 

ユキノとサザンドラの迫力に腰を抜かしたヨシダ。

最早彼に戦意はなく、勝負は着いた。

 

 

 

「くくくっ……死の皇帝(デス・エンペラー)ユキノ

 

地獄から甦りし……皇帝……」

 

 

 

死の皇帝。この異名は後にプロリーグを震撼させるほどの名となる。

このバトルからユキノの運命は大きく変わったのであった。

 

 

 

 

 

 

[to be continued]




皆さんは相手をリスペクトしてポケモンバトルをして下さい。
新たなアンケートを開催しようと思うので、そちらも良ければご参加お願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。