いつの間にかロケット団に入っていた件について 作:レイノート
リアルな事情が重なり、更新頻度が遅れたことを謝罪します。
今回は物語の区切りとなります。
良かったら読んでいってください。
どーも皆さんこんにちは、ロケット団特別幹部ホオズキ・シズオです。
休日をキャンプに使い、とてもリフレッシュ出来ました。
今日も元気に業務に励もうと自分のデスクに向かおうとした時である。
「大変ですホオズキさん!!」
凄く慌てた表情をしながらアキヤマ君が此方へと走ってくる。
なんだろう……予期せぬ事が起きそうな予感しかしない。
「ぼ、ボスがジムバトルで負けたんですよ!」
………ええ!?
ボスが負けたぁ!?
嘘でしょう……ボスの強さはロケット団に所属しているものなら全員それを知っているため、驚くのも無理はない。
俺もボスとはトレーニングという形でバトルをした事がある。
無論、俺が勝てる事など出来るはずもなかった。スピアーが強いと言っても一匹で勝てる程ボスは甘くは無い。
圧倒的なまでの強さ。
己の勝利を微塵も疑わない自信。
そして極限にまで鍛え上げられたポケモン達。
正直ボスを超えるトレーナー等存在しないと誰もが思っていた。
「ボスは今どこにいるの?」
「恐らくバトルフィールドのほうかと……」
俺はアキヤマ君にお礼を言うと、そのままバトルフィールドへと向かう。
ボス程の人物が自暴自棄になるとは思えないが、一度様子を見に行く。
◇◇◇◇◇◇◇
[トキワジム・バトルフィールド]
一目見た時は思わず驚いた。
いつも綺麗に整理されているフィールドは一部が大きく地面が抉れ、強力なほのおタイプの技で付いたと思われる焦げ跡。
如何に素人目で見ても激しい戦闘が行われていたのはわかる。
強力なポケモン同士のバトルでなければ、決してこうなる事はないだろう。
「来たかホオズキ……」
そのフィールドの中心に佇む我らがボスのサカキ。
荒れているかと思ったが、どうやら杞憂のようだった。
表情は悔しいというよりも、何処か余計な憑き物が取れたような清々しい顔をしている。
「まさかあの赤い少年に敗れるとはな……」
ボスを破ったのはレッド君だという。
彼なれば何処か納得がいった。
それはボスも同じ事を思っている。
「久しぶりに敗北を味わったが、不思議と悔しさよりも純粋に楽しむバトルが出来たことに喜びを感じている
ロケット団のボスでもなく、ジムリーダーとしてでもなく、一人のトレーナーとして戦えた」
「ボスが嬉しそうで何よりです」
立場等関係なく、己の全力を尽くしたポケモンバトル。
結果は敗北かもしれないが、ボスにとって大きなナニカを得る結果となった。
純粋なトレーナーとしての姿は、何処か輝いている。
「だがらこそホオズキ、私は決めたのだ」
ボスの表情は真剣なものとなる。
「今日限りを持って、ロケット団を解散する
復活は永遠にない……各々が捧げる信念のもと、未来を歩め……」
解散。
覚悟を決めた一人の男から放たれた一言。
特に驚く訳でも無く、俺は…………
「分かりました、全団員にこの事を通達しておきます
今日までお疲れ様でした」
ごく普通に労いの挨拶をする。
ボスが決めた事にとやかく言うつもりもない。
あんなにも覚悟を決めた顔をされて、異議を唱える人などいないだろう。
「だが一つ……いや二つほどお前に頼みたいことがある……」
[数日後]
ボスの宣言通り、ロケット団は解散となった。
解散という現実を受け入れられない人もいたし、薄々感じ取っていた人もいる。
あるものは田舎でのんびり過ごしたいと旅立った人もいた。
ボスの言葉のとおりに団員各々が自分の人生を歩んでいったのだ。
一方の俺はというと…………
「社長!こちらの書類の確認をお願いします!」
「社長!業務提携の契約が取れました!!」
社長になっていた。
というのもボスの頼みの一つである、行き場を失くしている元団員達の世話を焼いて欲しい事。
元々ロケット団が万が一の時に作っていたダミーの会社を、今までやっていた業務や各事業も含めて総合商社として改めて設立したのだ。
ちなみに社名はロケット・カンパニー……無難だがこれが一番しっくりきたので採用しました。
俺と一緒にトキワジムで働いていたメンバーや解散に伴い溢れてしまった元団員達を社員として雇う形で現状は安泰している。
まさかまだ二十歳もいってない若造の自分が社長をするなんて思わなかったな……
「何はともあれ頑張るしかないか」
社員一同やる気に溢れている事もあって問題もないし、まさか元ロケット団の人間等と思う人もいないだろう。
俺が一番驚いたのは、真っ先に来ると思っていたアキヤマ君が来なかった事だ。
理由を聞いてみたところ、俺に頼りっぱなしではいけないと感じ、旅に出て自分を見つめ直したいとの事で先日に見送りをしてきた。
ちょっと心配だけど、彼の旅に幸ある事を祈る。
「おうおう、ようやく社長の肩書きにも慣れたか?」
「ラムダさん、お疲れ様です」
いつ間にか社長室に入ってきていたラムダさん。
ノックしたらしいが、俺が考え事をしていて聞こえてなかったようだ。
「ラムダさんも副社長として色々動いて貰ってありがとうございます」
「ロケット団の時とやってる事が殆ど同じだからそこまででもねぇよ
それにしてもまさかここまで規模がでかくなるとはな」
ラムダさんには副社長として一緒に会社を運営してくれないかと頭を下げて頼んだけど、二つ返事で了承してくれた。
アポロさん達から誘われていたらしいけど、面倒臭いからと断り副社長の役職に就いてくれたので良かったよ。
本格的に会社として運営するにあたって、警察にガサ入れされないか心配したが杞憂に済んだ。
「正直僕も驚いていますよ……」
各事業の売上は右肩上がりで順調な数字を残している。
団員もとい社員の皆が積極的に仕事を頑張ってくれたのが大きい。
新たな商品のアイディアも次々と進言してくれたりもしてくれて、正直嬉しいです。
「これからも頑張っていこうぜ、社長さん?」
肩に手を当て、そのまま社長室を出るラムダさん。
あの人の言う通り、とにかく頑張るしかない。
おっと……そろそろ時間だし、行かないとね。
◇◇◇◇◇◇◇
[トキワシティ郊外]
「先生お待ちしていました」
「ごめんごめん、待たせちゃったね」
近くの岩を椅子がわりに座っているシルバー君。
すぐに立ち上がり、俺の方へと駆け寄ってくる。
そう、ボスから頼まれたもう一つの事……それはシルバー君の後見人になって欲しいという事だった。
別段知らない仲でもないし、彼とは仲の良い弟の様にも思っている。
まあ師弟関係にもなっているのもあるし、二つ返事で了承した。
ボスが旅立ってしまった後は、荒れるかと思ったが意外にもそうはならなかった。
シルバー君は旅立つ直前のボスと会話をしたらしい。
内容はボスらしいものだったという。
詳しい事は言えないが、シルバー君本人は納得することが出来たというので良かった。
「今日も仕事が忙しいのに無理言ってすみません」
「いいよ、気にしないで
俺のポケモン達が戦いたいって言ってるしね」
ロケット団に入ってから今までの事を振り返る。
初めてポケモンに触れて、命を落とし掛けたり、仕事をしすぎて怒られたりもしたな。
色んなポケモンに出会って、人との縁を作り、何時しか何気ない日常の全てが楽しくて仕方がなかった。
一度きりの人生の中で、こんなにも濃い体験をできたのは何より嬉しい。
それはこれからも続いていく。
「それじゃあ始めようか」
「はい!」
互いにモンスターボールを構える。
バトルの準備は既に出来ている。
ポケモン達のやる気も充分。
さぁ、瞬間瞬間を楽しんでいこう。
「いけ!」
ここに一つの物語の序章は幕を閉じ、次なる物語への道が開く。
[第一部 [完]]
勝った!第一部完!!
というわけでホオズキ君の物語に一区切りが着きました。
彼の活躍はまだまだ続きますので、一旦の休みを彼に上げてください。
次回からはアキヤマ君が頑張りますのでよろしくお願いします!