昔、女子だと思って結婚の約束までした子が転校してきたけど実は男だと発覚した(泣)   作:匿名

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謎多き紙切れ(謎)

千尋が男だと知ってから数時間が立ち昼休みになった。

昼休み中に昼食を済ませないと行けないので、俺はいつもの所で弁当を食べることにした。

いつもの所というのは、屋上……ではなく屋上につながっているドア付近だ。屋上での弁当は青春の漫画や小説の定番だが、現実では屋上が解放されてる学校なんて滅多にない。理由は単純で危険だから。この学校も例に漏れず屋上の立ち入りは禁止になっている。

俺が今いるここは屋上に行く人以外は通らない場所のため、ここには人がほとんど来ない。少なくとも俺がここを食事場として利用し始めて1年間は、俺以外にここに来ている人間を見たことがない。

そのためここは人が俺以外居らず静かな場所となっていて、静けさを好む俺には最適な場所だと言えるだろう。

決して教室や食堂で沢山の人が友達と一緒に食っている中、1人で食べる寂しい姿を見られたくなかったから、ここに来たとかそういう訳では無い。決して便所飯には抵抗があってここを選んだとかそういう訳でもない。断固として否だ。

 

それはさておき1人で弁当を淡々と箸でつまんで食べていると、この場所に来る人影が見えた。こんなところに人が来るなんて珍しいなと思っていると、その正体は竹野だった。そういえば竹野にはこの場所で弁当を食べている事を教えていたなと思い出す。だが竹野がここに来るのは初めて見た。

 

「なんだよ竹野」

 

「おうおう、今日は随分と機嫌が悪そうじゃないか。どうしたんだよ。そんな死んだ目をして」

 

「ほっとけ」

 

「もしかして今日お前のクラスに転校してきた子と関係ある?」

 

「……がふっ」

 

いきなり痛い所を衝かれご飯を喉に詰まらせる。

 

「ははーん。アタリか。そういえばその転校生お前が言ってた例の幼馴染と同じ名前をしてたよな?あとお前が俺に見せてくれたような缶バッジを胸ポケットにつけてるって聞いたぞ」

 

「ゲホッ、ゲホッ……まさかこれを聞きたいがためにここまで来たのか。さっさと帰りやがれ!」

 

「でもその転校生、男って聞いたんだよな。性別以外はお前の言っている例の転校生と一致するんだけど、どうなんだ?そこんとこ?」

 

もうそこまで知られているなら言い逃れすることは難しい。俺は諦めて正直に話すことにした。

 

俺が話すにつれ竹野の頬がひくついていたが笑いを堪えきれなくなったのか大爆笑し始めた。

 

しばらく笑って落ち着いたのか竹野は喋り出す。

 

「……はぁ……はぁ お、俺を笑い殺す気かよ」

 

「笑って死ねたらお前も本望だろ」

 

「そりゃあ違いないけども…………ってことはなんだ、お前が少なからず思っていた昔結婚の約束までした幼馴染は、今日まで女だと思っていたけど本当は男だったと。……うん。ここ最近で1番面白かったわ。やっぱりお前と友達になっといて正解だったよ。褒めて遣わす」

 

「竹野なんかに褒められても嬉しくないわ!これで大体は分かっただろ。……もう俺を1人にしてくれ。俺は今結構落ち込んでいるんだ」

 

そう言って人参を口に運ぼうとしたら竹野に肩をバシンバシンと叩かれ人参を箸から落とす。

 

「何するんだよ」

 

俺は竹野を睨む。

 

「まぁまぁ、こんだけ笑わせてもらったんだ。お礼としてジュース1本奢ってやんよ。お前は滅多に人に奢らない俺に奢ってもらうんだ。こんなに貴重なことは無いと思え」

 

そう言って竹野は二ヒヒと口角を上げて白い歯を見せつける。

 

そうしてなんだかんだで奢ってもらえる事になったが、俺はこの件で結構本気でショックを受けていたが、竹野にその事で笑われたのは、少なからず苛立ちを覚えていた。なのでその腹癒せに校内に取り付けてある自販機で一番高い飲み物を奢ってもらうことにした。

だが竹野は眉ひとつ動かさずそれを買って渡して来たので、腹癒せとかそんなのを企んでいた自分が急に惨めに感じて何とも言えない敗北感を味合う羽目になった。

でも他人の金で飲む飲み物は格別にうまかったから全てよしとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休みが終わり教室に戻ると俺の席の机の中に、ノートを小さく切り取ったと思われる紙切れが入っていた。その紙切れには綺麗な字で『放課後残っといてください』とだけ書かれてあった。

 

こういった者を書きそうな人間の心当たりがないか考えてみるが全く出てこない。そもそもこの学校に友人と言えるやつは竹野くらいだが、あいつならわざわざこんな回りくどい手を取らなくても俺にひと声かければいいだけだ。あいつは人の視線を気にする人間じゃないから今までも俺と絡んでこれたわけだし。

 

となるといじめか。期待させて待たせておいいて、いくら待てど誰も来ません!みたいな。まぁ確かに俺のカーストは下の方だしあの件もあるから、いじめられてもおかしくはないけど。でも俺なんかをいじめるなんて互いに時間の無駄だと思うがね。

 

まぁなんにせよだ。超極薄の可能性ではあるが放課後、本当に俺に用事があって書いている可能性も捨てきれないのだ。どんな結果になろうが俺はとりあえず放課後しばらく待つことに決めた。

 

 

放課後になり俺は自分の席でスマホゲームをしながら時間を潰すことにした。教室にいた生徒は徐々に減り始め、30分程度で俺と転校生である千尋の2人だけどなった。

 

それからまた10分ほど経ったが何も起こらず、ただ時間が過ぎるだけ。もう40分も待ったし充分俺は待っただろうと席を立つ。こんだけ待ったんだ、俺が文句を言われる筋合いは無いと思う。いじめのひとつだったのかなと思いつつバックの中に教科書等を詰め込んでいると前から声をかけられた。帰る準備を一旦やめて顔を上げるとそこにはーー

 

「待たせてごめんなさい。2人っきりになるために様子を伺っていたんです。」

 

そう言って微笑んで見せる結婚の約束までした幼馴染(男)が居た。

 

窓から差し込む夕日が千尋を真っ赤に照らし色っぽく見えるが、こいつは男なんだ。騙されてはいけない。

 




誤字脱字多くてごめんなさい。
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