昔、女子だと思って結婚の約束までした子が転校してきたけど実は男だと発覚した(泣)   作:匿名

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人間目覚まし (呆)

「~~~~~~~~~♪」

 

「………っん」

 

朝、スマホからなる音で俺(真城)は目を覚ました。スマホの目覚まし時計をセットした記憶はなく不思議に思いながらも枕元にあるスマホを手に取る。

するとスマホ画面には先日連絡先を交換した千尋の名前が表示されており千尋からの電話だということがわかった。

 

昨日図書室であんなことがあってからあの後千尋とは改めて友達として仲良くしようということで、連絡先を交換したのだ。

家族以外の初めての連絡先だったので昨日は結構上機嫌で家に帰って来たのを覚えている。

 

にしてもこんな朝から電話ってどうしたんだろ。

そんなことを思いながら電話に出る。

 

「もしもし真城だけど」

 

『おはようございます!いい天気ですね!』

 

大きな声がいきなりスマホから聞こえて思わず顔をしかめる。

 

寝起きの俺にこの声の大きさはちょっとキツい。

 

俺はカーテンを開けて千尋の言ったことを確認する。窓から見て雲ひとつない快晴。千尋の言う通りいい天気と言って間違いないだろう。

 

「まぁいい天気ではある。でどうしたんだ?こんな朝ぱっらから電話して来て。まさかそんな事を言うために連絡した訳じゃないだろ?」

 

この【まさか~~~訳じゃないだろ?】のくだり1度やってみたかったんだよね。なんかかっこいいし。だからと言ってこれを家族相手にやる勇気はない。ただでさえ家族の中で俺がボッチだということは共通認識になっているのにその上、中二病のレッテルまで貼られたくない。

 

それに本当にそんな事を言うために千尋が連絡したとは思わないし。

 

『え?いえ、そのまさかでそんな事を言うために連絡しましたけど?』

 

「はえ?」

 

はぁー。本当千尋って奴は!!

俺はこめかみをぎゅっと押さえる。

そしてひと呼吸。すこしの間を開けて言い放つ。

 

「千尋。お前馬鹿だろ」

 

『何言ってるんですか。僕は自分で言うのもなんですが結構頭良いんですよ。前の学校では学年10位以内には毎回入ってましたし!』

 

「それはすごいな。ーーじゃなくてっ。別の方向で馬鹿って言ってんだよ!」

 

『もー。酷いですよ。人を馬鹿呼ばわりなんて!これはあなたの為でもあるんですよ!』

 

「俺の為?」

 

『そうですよ!青春ぽいことをしたいと、まっくんは言ったじゃないですか。これは”青春ぽいこと”の1つなんです。』

 

青春ぽいことの1つ?これが?

 

『友達に朝弱いから電話で起こしてもらう。という友達が居ないと出来ないシュチュエーションを再現したんです!あれって明らかに目覚まし時計で起きた方が効率いいですよね。ま!青春ぽいから良いんですけど!』

 

「はぁ。」

 

『ということで私の任務は完了したので今日の学校で会いましょう!』

 

ブチツと電話が切れる。

とにかく最後の方は勢いで押された感が半端ない。

 

もう今ので完全に目が覚めたし二度寝の気分にはなれない。学校に行く準備でもするか。

俺はクローゼットから制服を取り出し着替え始める。

 

着替えているとバンッというドアの開ける音がして、俺の部屋に妹 |本田 來珀(ほんだ こはく)| が入って来た。

 

「兄ぃ早よ起きろ。母さんが目を覚ませってさ」

 

そう言って入ってきた妹は制服のズボンを履こうとしている俺と目が合う。

 

妹は目を見開き信じられないものを見たと言わんばかりの顔をする。

 

「あ、兄が私が起こす前に起きてるだとっ…!てっきり私に起こして貰う為に毎回目覚ましもせずに寝てるんだと思ってた。」

 

妹は冗談めかしてそう言った。

 

「………」

 

俺は気まずげに顔をぷいっと背ける。

 

「……え。待ってマジなの?いつもキモイけど今のは、断トツでキモイよ…」

 

妹は1歩後ずさる。

 

俺はこの気まずい空気から逃れるため、声を上げて話を無理やり変えようとする。

 

「とにかくだ!今日は友達から電話がかかって来て、それで起きたんだよ!」

 

「……!トモダチ?…マイフレンド?えっ今そう言った?は?友達って私が思ってる友達という単語と一緒だよね?別の意味の国の言葉とかじゃないよね?」

 

今の俺のセリフに衝撃を受けたのか話を変えることに成功するが、なんだか複雑な気持ちだ。

 

「ハハハハ。兄。冗談だけはエイプリルフールの時だけにしときな?ボッチで年齢=彼女いない歴でそれなのにいっちょ前にプライドだけ高い兄にそんなの出来るわけないじゃん。私は今日早く家出ないとだからもう行くね。」

 

最後妹は可哀想な人間を見る目で俺を見て去っていった。

 

 

 

 

俺は学校に向かって自分の教室の前まで行くとなんだか、いつもより教室の中がざわついているように思えた。

どうしたんだろ。

俺は不思議に思いつつ引き戸を開ける。

すると教室は1人の席を中心に人集りが出来ていた。中心にいる人物はその人集りで死角となり誰か分からないが、人集りの出来ている場所から大体予想するに千尋の席だと思われる。

恐らく昨日の続きで転校生に興味がある人が近寄っているのだろうと俺は判断したが、一瞬人集りの隙間から見えた千尋を見て今思ったこともすぐ頭からすっぽ抜ける。

それどころじゃなかったのだ。

 

俺はすぐに人気のない場所の廊下に移動して、千尋をチャットアプリで1人で来てくれと呼び出す。するとすぐに既読が付き、何故かミジンコのキャラクターが了解と言っているスタンプで返信がきた。

 

結構マイナーなスタンプではあるが、俺はそれに気にする余裕がなかった。

 

しばらく待っていると千尋がやってくる。

 

「どうしたんですかー。こんな人気の無いところに呼び出して。」

 

やって来た千尋自身は至って普通だが、俺からすれば全然普通じゃない。

 

ーーだって千尋は何故か女子制服を着ていたのだから。

 

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