昔、女子だと思って結婚の約束までした子が転校してきたけど実は男だと発覚した(泣)   作:匿名

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繁華街それと勘違い(汗)

学校から移動して俺と千尋は繁華街に到着した。

 

「ふぅ、疲れた」

 

「疲れたじゃないですよ!まだ着いたばっかりじゃないですか。何でそんなもうやりきったみたいな顔してるんですか!?」

 

普段、この繁華街には親と車で行くことしかないから、ましてや学校から繁華街まで行くなんて今までボッチの俺にはなかった。俺はそんな理由から学校からどうやって行くか知らないし、もちろん十数年ぶりにここに帰ってきた千尋も知るはずがないのだ。

なのでスマホの地図アプリでどうにかやってこれた。

だから繁華街に着くだけで達成感というかやりきった感がある。

 

「じゃあ着いたけど今からどうする?」

 

「そうですね。適当にぶらぶら見て回りましょう!と言いたいとこなんですが、この繁華街に来たら最初に行きたい所があったんです」

 

「行きたい所か、何処にいきたいんだ?」

 

「喫茶店なんですけど、名前もそれどころか今もあるのかすら分からないんですが、小さい頃それこそ僕がここを引っ越して、まっくんと別れる前の話です。その時に1回お母さんと行った喫茶店があったんです。そこで出てきたチーズケーキがとても美味しくて今でも覚えてるんです。だからそのチーズケーキが食べたくてここに戻ってきたら行きたいなと思っていた場所なんです。

でも名前が分からないので地図アプリで探すことも出来ないですし、もしかしたらまっくんが分かるかなと思って聞いたんですが」

 

そう言って僕の顔を千尋は見る。

 

でも良かった。これは期待に応えれそうだ。

 

「もしかしたら分かるかもしれない」

 

「本当ですか!?」

 

「あぁ」

 

この繁華街で少なくとも十数年前からあって喫茶店、チーズケーキが美味しいという時点でひとつ心当たりがあった。

 

「覚えていたらでいいがその喫茶店本が沢山置いてあったりはしてなかったか?」

 

千尋はんーと唸り考え込む。

しばらくして顔をバッと上げ「そうでした!まっくんの言う通り本が沢山あったような気がします!」と言った。

 

俺は指をパチンと鳴らす。

「分かったぞ。そこ」

 

千尋は顔をパァと輝かせる。

 

俺はその場所をよく知っている。行き方もマップアプリを見なくてもしっかり覚えている。

 

 

 

 

「着いたぞ、ここだ。」

 

その喫茶店は繁華街から少し外れた狭い道を通った所にある。

その喫茶店の外観は古びた見た目にツタが巻き付き覆われている。

言い方が悪いが初見だと入りずらい店だと言っていい。

看板にはデカデカと「喫茶 みや」と書かれている。

 

「言われてみればこんな外見だった気がしますが店の外見はそこまで記憶にないんですよね」

 

「なら中に入るか」

 

俺は入りずらい店に躊躇いもなくドアノブを回わして入る。

千尋は自分でドアノブを回して入る勇気がないのか俺にくっ付いて来るような形で一緒に入ってくる。

 

ドアを開けた事でドアベルがカランカランと音を鳴らす。

その音に気づいてカウンターの前で皿洗いをしている初老で白髪混じりの髪を後ろで括った男性が、一瞬こちらに目を向けて「いらっしゃい」と口にしまた皿に視線をもどす。

 

俺はその男性、店長さんに「和史の息子です。お久しぶりです」と軽く会釈をしてテーブルに先に座ってるように行った千尋と向かい合って席に座る。

 

「でどうだ?ここであってそうか?」

 

千尋は俺にそう言われて店内をぐるりと首を回して見渡す。

落ち着いた店内は歴史を感じるよく言えばレトロな、悪く言えば古びた店だ。

店の壁にある本棚にはずらりと古本が並んでいる。

 

「なんかここっぽそうです!あとはチーズケーキで完全に分かりそうです!」

 

「そうか」

 

俺らはここの看板メニューであるチーズケーキを2つとそれぞれに飲み物を頼む。

千尋はコーヒーを頼み俺はオレンジジュース。どうも俺はコーヒーが苦手だ。子供舌とか言うんじゃないぞ。

 

「でも自分で聞いちゃって何ですが以外です。まっくんがこういった店を知ってるなんて」

 

チーズケーキより先に持ってこられたコーヒーをすすりながら千尋がそんな事を言ってくる。

 

まぁそうだよな。俺だってこんな奴がこういった落ち着いた店を知ってたらビックリする。

 

「ここは俺の父さんがこの喫茶店に置いてある本を目当てに、若い頃からよく来ていた思い出の場所らしいんだ。だから今もここに来るらしいんだが、俺も少し前まではよく連れて行って貰ってたよ。今はなんだか親と行くのが恥ずかしくて行っていなかったけど」

 

そんな話をしているとお盆に乗せて2皿分のチーズケーキが運ばれてきた。皿の端っこにクリームが載せられ真ん中には金色に輝く蜜がかけられたチーズケーキがのっている。

 

それを見た瞬間千尋は「あっ」と声を上げるが店長さんの目の前ではしゃぐのは恥ずかしいのかそれ以上は何も言わなかった。店長さんが去ってから目を輝かやかせて鼻息も荒く興奮気味に「これです!これです!」と言ってくる。

 

さっそく千尋はスプーンで一口サイズに切り分けて口に入れる。

 

咀嚼し飲み込んだ状態からしばらく固まる千尋。この間の時間はただただ俺らの中で沈黙が流れていた。沈黙が2、3秒が経って千尋の顔が徐々に綻びていき頬に手を当てる。

 

「ん~とっても美味しいです。これは僕が求めていた味で間違いありませんよ!」

 

「それは良かった。」

 

まだ興奮が覚めやらないのか声からも嬉しさが滲み出ている。そんな千尋を見てるとなんだか微笑ましく感じる。

 

「このチーズケーキって自家製なんでしょうか」

 

食べてる途中ふと千尋がそんなことを聞いてくる。

 

「あぁ、そうみたいだ。店長さんが作っているらしい」

 

「ならこのチーズケーキはここでしか食べれないって事ですよね。今後もここに足を運ぶことになりそうです。もう普通のチーズケーキには戻れません」

 

 

 

 

 

 

それから俺と千尋はチーズケーキを存分に味わって食べ終えた後お会計に移る。

 

俺は千尋に何か奢ることになっていたので、この喫茶店で千尋のも一緒に支払いをすることになった。

俺が店長さんにお金の支払い終えると、俺の隣で待機していた千尋が「ここのチーズケーキはとても絶品でした!また来ようと思います!」と店長に元気よく伝えて、それを聞いた店長は仏頂面の顔がほんの少しだけ緩み「はい。また是非来てください」とだけ言った。

 

 

 

 

俺達は喫茶店を後にして繁華街を歩いて見て回っていた。

 

しばらく見て回っていると千尋がいきなり足動きをピタッと止めある方向をじっーと見ている。

その方向に目を向けるとゲームセンターがありufoキャッチーのコーナーに目線をやっていた。

 

「どうした?ゲームセンター行くか?」

 

「はい!したい台を見つけました!行きましょう」

 

そう言った千尋は早かった。千尋に手をぐいぐいと思いっきり引っ張られながら俺はゲームセンターの中のあるufoキャッチーの台に到着した。

そのufoキャッチャーに入っている景品はミジンコのぬいぐるみ。

ん?なんかこのミジンコのキャラクターどこかで見たことあるぞ。あっ、そういえばこれ千尋がチャットアプリのスタンプに使ってたな。

 

「これ僕が好きな推しキャラで今、世間でも流行りだしたキャラなんですが名前をミジン子ちゃんと言うんです。とっても可愛くないですか!?」

 

いやミジンコにリボンが付いているだけなんだが?しかも名前安直すぎでは?これが世間で流行ってるってマジ?やはり俺は時代についていける自信がない。

まぁここで機嫌を悪くさせてもいいことがないのでここは無難に「おっ。そうだな!」とでも言っておく。

 

「このぬいぐるみは、このゲームセンターの限定グッズらしいんです!推してる者としてこれは取らなければなりません!」

 

 

 

※※※数十分後

 

 

千尋はまだあのミジン子ちゃんとやらを取るために悪戦苦闘していた。もう40回くらいはしてるんじゃなかろうか。引くにも引けない状況だと思う。

 

「なぁ俺が代わりにとるよ。」

 

流石にこれ以上千尋にやらせると千尋が破産してしまうと考えた俺は、自分が代わりにお金を払って取ってあげることにした。

 

「俺もそこまでufoキャッチャーの腕に自信がある方じゃないけど少なくとも千尋よりかは上手い自信があるからな」

 

こういうのは大体確率機だと聞く。

一定の金額を入れれば取れる仕組みのことだ。

だからもう40回もしてるならもう取れてもおかしくないと思うだろう。だが違うのだ。千尋は絶望的に下手すぎてそもそも全然ぬいぐるみを掴めてすらいないのだ。

 

今までは千尋が一生懸命だったため黙って観戦していたがもうこれ以上はダメだ。

 

「なんかそれ僕が下手みたいな言い方じゃないですか!」

 

千尋は頬を膨らませる。

 

何だそれ、可愛い。本当に男だよな?俺は唾をごくんと飲み込む。

 

「なんか時々俺はお前を信じれなくなる」

 

「何を言ってるんですか」

 

そんなこんなで俺は100円玉達を犠牲にしてアームを動かし続けた。

そして八回目俺と千尋は固唾を飲んで見守る中その時が訪れた。ミジン子ちゃんがアームに捕まり上に持ち上がる。そして景品が落ちる穴に向かっていく。俺らはそれが途中で落ちないようにと願う他ない。そしてアームはスーと進んでいき、ミジン子ちゃんを放す。

重力に従い落ちてくるミジン子ちゃん。景品が落ちる穴のギリギリ横に落ちてしまいまい、台に戻されたかと俺達がガッカリしたその刹那バランスが悪かったのかそのまま傾き景品が穴の中に落ちていったのだ。

 

俺達は一瞬何が起こったのか分からず固まってしまう。

 

「……や、やったか」

 

「…それ死亡フラグなんでやめてください」

 

俺達は恐る恐るクレーンゲームの下の落ちた景品を受け取る所を覗き込む。

 

そこにはミジン子ちゃんの姿が。

 

俺はそれを見た瞬間ジワジワと嬉しさが込み上げてくるのを感じた。千尋も同じなようで俺らはこの喜びを分かち合うべく両手でハイタッチをする。

 

「やりました、やりましたよ!まっくん!」

 

「あぁ、そうだな千尋!やったの俺だがな!」

 

千尋はゲットしたミジン子のぬいぐるみを手に取る。

 

「これで僕のコレクションが増えました!本当にありがとうございます。これはもう一生捨てれませんね。まぁ、捨てる気は鼻からありませんが」

 

にしてもぬいぐるみの種類が一種類で本当に良かった。千尋のこの食いつきぷっりだと数種類あったら全部取ろうとか言いかねない。一種類だけでもこんなに苦戦したのに数種類あったらと考えるだけでも恐ろしい。

 

「じゃあ行くか」

 

「そうですね。ミジン子ちゃんを取った今、もうここに用はありません。それにしてもまっくんの望みを叶えるため一生懸命頑張るつもりでしたが、これを取ってもらった以上一生懸命を超えた一生懸命で頑張って恩返ししないとですね」

 

「それでいくと俺はこのたった2日で既にお前にどれだけ恩を返さないといけないのやら」

 

人に聞こえないくらいの小さな音量でぼそっと呟く。

 

「ん?何か言いました?」

 

「いや、何も」

 

当然千尋には聞こえていない。

 

 

 

 

 

私には二つ年上の兄がいる。

友達が1人もおらず、もちろん彼女だっていない。どちらの存在も兄に今までに見たことがない。それなのにプライドだけは無駄に高くて捻くれた兄だ。

そんな兄を持つ私だからこんな人間にはなりたくないと兄を反面教師にして生きてきた。そのおかげもあって私は表では誰もが憧れる優等生を演じ、男女問わず私の虜にしてきた。大勢の私を慕う友人に囲まれた。私を頼って悩み事を相談してくる女子生徒達。私に恋をして告白をしてくる沢山の男子生徒達。まぁ私に合いそうな人は今までいなかったから全員告白断ってるけど。

 

今日は2人の友人と一緒に巷で話題のスイーツ店に繁華街まで訪れていた。

 

「とても美味でしたね。お姉様と美玖さんはどうでしたか?」

 

「私も美味しかったですわ。お姉様のお口には合ったでしょうか?」

 

「…うん、あったよ。ほっぺが落ちるかと思ったよ」

 

正直に言うと巷で話題な割にはそこまで美味しいとは思えなかった。金額も割高だし。喫茶店 みやのスイーツの方が全然美味しい。

あと私は女子から同級生、先輩関係なくお姉様と呼ばれている。イジメとかではなく、むしろ逆なのだが私は、こんな呼び名恥ずかしかったので一度断った事がある。皆は「あなた以上にお姉様という名前がぴったりな方はいません」と言ってみんなやめてくれない。人が沢山いる繁華街でも周囲の目を気にせずこの呼び名で呼んでくるので本当に困ってる。

 

この2人は私が中学で最初に友達になった女子生徒で最初は、気が弱そうな2人だったので簡単に友達になってくれそうという浅ましい考の基、友達になるべく私がぐいぐい行ったら、私のことを「お姉様」と言い出して2人の喋り方も変わってしまった。この2人の性格は初期は内気な感じの子だったのに今では私に近づく輩は絶対撲滅マンになってしまったのだ。

内気な女の子はどこへやら私を神のように扱ってる節がある。何だか心配になってくる。どこで私間違えたんだろう。

 

スイーツ店に行った後繁華街にある古代に流行ったタピオカジュース店でタピオカジュースを買った。そのタピオカジュースを手に持ちながら繁華街の道を歩いていたら、少し先にあるゲームセンターに知った顔を見つけた。

それを見た瞬間頭が真っ白になり目が自分でも大きく目が見開かれるのが分かった。ついでにタピオカジュースも落としそうになる。

 

「…っえ?」

 

兄がゲームセンターで超絶美少女とハイタッチをして互いに楽しそうに喋り合ってるではないか。

いや、おかしいそんなわけがあるか。あの兄にだぞ!?もう一度言う。あの兄にだぞ!?私は目を擦ってもう一度見るがあれは兄に間違いない。

 

明らかに様子のおかしい私を見て2人の友達が心配してくるが今それどころじゃい。

 

私の世界を覆す事件が起こっているのだ。人が呼吸するように、1+1が2になるように、私の兄は友達も彼女もいないというのが私にとって常識だったのだ。

 

というか何だよあの美少女。私が必死に美容とかも努力してるのに軽く越していくじゃん。

 

そういえば今朝友達と電話とか兄がほざいてた気がする。

ハッキリ言ってあんなの信じていなかったがあれが兄の友達?

にしては男女だというのに距離が近い。見た目もスタイルも高スペックな女の子があんな冴えない兄なんかに?なぜ?

 

あーもう何もかもが分からない。

 

「…もうダメ」

 

私は地面に倒れそうになり、すんでのところで友達が受け止める。

「ごめん…ね。」

 

ガクン。私は友達の腕の中で意識を手放した。

 

「み、美玖お、お姉様が急に」

 

「ひぃっ」

 

「「お姉様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」

 

 

 

 

幸か不幸か、その声は琥珀がフリーズしてる間に建物の中に消えてしまった真城と千尋には届かなかった。

 




すいません。誤って削除してしまいました。再投稿です。
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