東方回転精 作:匿さん
Wi-Fi君が死にかけて、創作意欲がなくなっていたので初投稿です。
ドアを吹き飛ばす勢いで入ってきたそいつの名前を俺は知っていた。
そう、「伝統の幻想ブン屋 射命丸文」だ。
うわー!本物だー!すげえ!やっぱ本物もかわいいなぁ......おっと、興奮しすぎて、接客するの忘れてた。まあでも仕方ないよね、今まで架空のものだと思ってたのでものがいきなり目の前に現れるんだもの。店長もだけど
その頃、相手はというと、ここに妖精がいて、しかも働いているとは思ってなかったらしく、お互い不意を突かれ気まずい沈黙が流れていた。
そんな中、俺はきちんと接客という使命を全うすべく、そしてこの空気を打開すべく口を開いた。
「いらっしゃいませ、何かお探しでしょうか?」
持っている知識をフル活用してできるだけ店員っぽくふるまってみたが、何故か目を大きく見開き、度肝を抜かれたような表情をしている。何かやらかしたのだろうか?
そう心配になっていると、いきなり表情を明るくし
「あやややや、あの香霖堂に店員が...しかも、妖精!これは一つ記事が書けますねぇ...取材させてもらっても?」
なんだこのパパラッチ!?二次創作でもこんなキャラだったけど、いざ実際に対面してみたらめんどくせぇ!文花帖らしきメモ帳も持ってるし、根掘り葉掘り聞かれるとと面倒だから断っておこう。
「いやーちょっと取材というのは難しいですね...」
「断りますか、なら...」
なんだ?何か出そうとしてるし...もしかして怒らせた?しかも、最後意味ありげな含みを持たせてたし、やべぇ、設定どおりの実力だったら間違えなく勝てないぞ...
「あ!あった。」
身構えている俺に差し出されたのは、大きな葉っぱに包まれた謎の物体、流石に怪しいので訝しげに
「なんですこれ?」
「見てのとおりです。取材を受けてくれたら差し上げますよ。」
「は?」
思わず本音が漏れてしまった。なんせ、射命丸が自信満々に差し出してきたのは、団子だったからだ。
え?舐められてる?あっそうか、妖精だから甘いものでも出しとけば喜ぶとでも思ったのかもしれない。正直食べたいけど、もらってしまったら取材を受けないといけないので断っておこう。
「申し訳ないのですか、お断りさせていただきます。」
「ぐぬぬ、団子も効かないとは、他の妖精には効果抜群だったのに...ますます興味深いですね。いいでしょう、今回はまた別の機会にということで。」
そう言って飛び立とうとするのを呼び止める
「ちょ、ちょっとまってください!」
「なんです?もしかして受ける気になってくれました?」
「いえ、結局本来の用事が何だったのか聞いてなかったので...」
「あやややや、これはうっかりしてましたねぇ。これです。」
今度は、さっきとはうって変わって、新聞が出てきた。
「霖之助さんに渡しておいてくださいね~それでは今度こそ、行きますね。」
「ええ、また。」
「またってことはいつかは受けてくれるってことですよね?」
「お断りします。」
「諦めませんからね~」
笑いながらそう言って、飛び立っていった。
ふぅ...やっと落ち着いたか、なんかイメージ通りだったな。
なんて呑気なことを思いながら先ほどもらった号外に目を通す。
「どれどれ...あっこれ裏だ。」
表にはもちろん、一番の重大記事が載っている。今回も、それは例外ではなかった。
「え?スペルカードルール制定?」