勝秋に連れられて美浦寮へやって来た。
T「勝秋、トレーナーは寮への立ち入り禁止だぞ」
勝秋「そんな事言ってる場合じゃないんですってば!」
T「そんなにやばいの?」
勝秋「あのライスちゃんがキレてるんですよ?!やばいに決まってるじゃないですか!?」
勝秋と僕は急いで階段を駆け上がり、ライスの部屋へと向かう。
部屋のあるフロアに出ると、すぐにライスの部屋がどこかが分かった。
なぜなら、部屋の前に人だかりができていたからだ。
ヒシアマゾン(ヒシアマ)「ん?やーっと来たねぇ。さっさと声かけてあげな」
T「ヒシアマゾンか。中はどんな感じなんだ?」
ヒシアマ「ここの隙間から見てみなよ」
T「どれどれ....?」
ライス「 」
ゼンノロブロイ(ロブロイ)「ラ、ライスさん...」
ライス「....」
ロブロイ「そんなに怒らなくても...」
ライス「ライス、怒ってなんかないよ 」
ロブロイ「うぅ...ごめんなさい」
ライス「 」
T「あちゃー滅茶苦茶怒ってるなライス」
ヒシアマ「アンタ一体何をしたのさ?」
セイウンスカイ(ウンス)「ま~たクソボケかましたんじゃないですか~?」
T「....もしかして他の子を優先したのがいけなかったとか」
一同『(絶対それだよ!!!!)』
ヒシアマ「アタシらが見守ってあげるからさ、早く謝ってきな!」ドンッ
T「うぉいっ?!」
僕はヒシアマゾンに背中を押され、ライスとゼンノロブロイの部屋に飛び込んだ。
ライス「......」
ロブロイ「わ、私はこれにて!」
ライスと目が合う。その瞬間、一気にライスの表情が怒りと悲しさの混じったものに変わる。
T「ら、ライス...その、セントライト記念は惜しかったな」
ライス「見に来てくれるって約束してくれたよね どうしてきてくれなかったの。ライス頑張ったのに! 」
T「ごめん、あれはテレビで応援するって意味だったんだけど...」
ライス「....!!!もういいっ!お兄さまは忙しいんだもんね もうライスのこと見に来なくていいよ! 」
T「きちんと伝えなかったことは謝るよ。ただ、僕の話を聞いてくれないか?」
ライス「..... 」
T「....僕の理屈はこうだ。ライスはもう必要な事をすべて覚えてくれたから、その点では誰がトレーナーになっても大丈夫。でも新人の子はそうはいかない。何かのきっかけでレースが嫌いになったり悪い癖がついちゃったりするかもしれない」
ヒシアマ「(おいおいおい死ぬわあのトレーナー)」
T「能力があるのに、発揮できないまま契約できずに終わってしまう子もいるんだ。どうしても『僕ら』は心配性になるし、先々のことを考えて決めたつもりだったんだよ」
勝秋「(僕はそんな事怖くてできません)」
ライス「....まだライスは覚えてない事の方が多いよ。それに...」
T「それに?」
ライス「マヤノペトリュースさんにお願いされたの。お兄さまと2人でブルボンさんを必ず倒してね、って.....」
T「....!」
ライスは僕に面と向かって座り直して続ける。
ライス「お兄さまも気が付いてたでしょ?マヤノペトリュースさんがブルボンさんを捉えにいってたから最後に疲れて、ライスが2着になれたって」
T「そ、それは....そうだ」
ライス「それにマヤノペトリュースさんはあれが引退レースだったのも知ってる.....確かに他の子も大切だよ?でも、お兄さまはそれ以上に大切なことを思い出して欲しいな」
T「.....僕も、一緒に戦うべきだ...ブルボンと。あの日、キミのトレーナーだった者として」
ライス「分かってくれたんだね。ライス1人じゃ背負いきれないから」
ライスは、僕の手を握って真っすぐな瞳をこちらに向ける。
ライス「こ、これからもお兄さまと一緒にいたいの!....///」
その日を境として、僕は再びライスの専属トレーナーとして練習に帯同するようになった。