ジャスティスダンガンロンパX4 強くてコロシアイ再履修 作:M.T.
玉越さんが死んだ。
私達は、その現実を受け入れられずにいた。
私と聖蘭さんが目野さんと古城さんを連れて保健室に戻ると、既に男子達が知崎君を連れてきていて、小鳥遊さんと響さんもマナを連れてきていた。
改めて玉越さんの死を目の当たりにした6人は、その場で立ち尽くしてそれぞれ感情を露わにしていた。
「ひぎゃああああああ!!!ほ、本当に玉越さんが…!!」
「ひいいいいいいい!!の、呪いじゃあ!!悪霊退散!!」
「うわあああああん!!翼おねえがぁぁぁ!!なんでぇぇぇ!!!」
「………っ」
目野さんと古城さんはパニックを起こして叫び、知崎君も大声で泣いていた。
玉越さんと親友だった小鳥遊さんは、玉越さんの遺体の前で座り込んで俯いたまま震えていた。
でもマナと響さんは、この状況をまだドッキリか何かだと思っているみたいだった。
「嘘やろ…!?ねえ、起きてよ玉越ちゃん!!そんな、嘘だよね…!?これ、ドッキリか何かなんやろ!?ねえ!!」
「クソッ……テメェ、冗談もいい加減にしろよ!!いつまでも猿芝居続けてねえで起きろやクソが!!」
二人は、必死に玉越さんを起こそうとした。
でも本当は二人ともわかっているはずだ。
玉越さんはもう二度と目を覚さない事を。
わかっているけど、わかりたくないんだ。
それ程に、彼女を失うのはつらい事だった。
玉越さんは、いつでも私達を明るく引っ張ってくれて、皆から歳の近い姉みたいに慕われていた。
私は彼女を亡くして初めて、彼女の存在が私達にとってどれほど大きいものだったかを思い知った。
『ジョーダン?うぷぷぷ!響さん、それってキミの格好の事?』
突然後ろから、モノクマとモノDJが現実を受け入れられない二人を嘲笑いながら登場した。
『ギャハハハハハ!!!こいつぁケッサクだぜ!!このご時世、実は生きてましたとかそんなオチが許されるワキャねーーーだろがァァァ!!!翼ガールはもうとっくにゴートゥーヘルさ!!』
「テメェら…今更どの面下げてここに来やがった!!」
「テメェら、よくも玉越ちゃんを…!!テメェらがやったんだろ!?」
「殺人に関与しないと仰っていたのに…騙したのですね!?」
『そんなわけないじゃーん!』
響さん、越目君、聖蘭さんは真っ先にモノクマ達を疑った。
私だってそうだと信じたかった。
でもこれがダンガンロンパのシナリオ通りなら、玉越さんを殺したのは………
『ギャハハハハ!!ホントはどうせもうわかってんダロォ!?翼ガールは、テメェらの中の誰かに殺されたんだYO!!』
「そ…そんな馬鹿な……!!」
「嘘…!!いやっ、いやあ!!」
「下衆がっ………」
モノDJが嘲笑うと、闇内君は目を見開いて狼狽え、マナは信じたくないと言わんばかりに泣きながら頭を振った。
館井君も、仲間の死を嘲笑うモノクマ達や真犯人に対して静かに怒りを募らせていた。
「ホントだよ!!誰が翼おねえを殺したのか知らないけどさ!!ホントに最低最悪のド悪党だよ!!今に見てろ、絶対犯人を見つけてやるんだから!!」
知崎君は、ボロボロと涙を溢れさせながら啖呵を切った。
誰もそれ以上は言わなかったけれど、きっと気持ちは同じだ。
たとえクラスメイトだとしても、玉越さんの命を奪った犯人を許せるはずがなかった。
そんな時、今までずっと考え込んでいた加賀君が唐突に口を開く。
「これで全員揃ったか。なら早く捜査とやらの説明をしてくれないか?ハッキリ言って時間の無駄だ」
加賀君があまりにもぞんざいな言い方をすると、越目君が加賀君に掴みかかる。
「なっ…加賀テメェ!!玉越ちゃんがこんな目に遭って、何も思わなかったのかよ!?」
「いつまでも感傷に浸っていたら真犯人が名乗り出てくれるのか?」
「っ……!」
「そうやっていつまでも泣いている暇があったら、その時間を犯人探しに割いたらどうだ。この裁判で負けて失うものは、金でも信頼でもない。俺達の命だ」
加賀君が言うと、越目君が押し黙った。
まだ立ち直れないでいる皆に、加賀君は容赦なく現実を突きつけてきた。
どんなに嘆いたって、時間は無情にも過ぎ去っていく。
生き残る為にやるべき事は、いつまでも嘆き悲しむ事じゃない。
自分達が生きる為にも、玉越さんの仇を討つ為にも、1秒でも早く真犯人に辿り着く事だ。
「さて、無駄に時間を浪費してしまった。モノクマ、モノデブ。説明を頼む」
『ダミッ!?オレ様ァモノDJつってんだろ久遠ボーイ!!っとまあそりゃ置いといて、細けえルールを説明してくぜYEAH!!アーユーレディ、ブラザー!?』
『イエスブラザー!えーまず死体発見から捜査までの流れですが、三人が死体を発見した時点で『死体発見アナウンス』が放送されます!アナウンス放送後は、一定時間の捜査時間が設けられます!捜査時間中は、開放されているエリアを全て調べる事ができます!』
全エリアを開放…
…あっ、だから目野さんを呼びに行った時、部屋が開いてたのか。
私が納得していると、ネロがモノDJに質問をした。
「って事は、本来夜時間中に入れない場所や他の奴の個室にも入れるようになるんだな?」
『オフコォス!!!裁判には公平性が必要不可欠だからなァ!!あんなところやこんなところも存分に調べちゃってくれよなァ!!』
「なるほどな。だが、このまま調べろっていうのはいくら何でも酷じゃねえのか?いくら警官や獣医の才能がある奴がいるとはいえ、たかがガキに殺人の捜査なんかできるわけねえだろ」
『そういうと思って、こんなモンを用意してきたZE!!!』
そう言ってモノDJがパチンと指を鳴らすと、全員の生徒手帳からブンっと画面が飛び出す。
画面には、『モノクマファイル』と書かれたファイルが表示されていた。
『そいつァ被害者の死体状況をまとめた資料だぜ!!裁判の時に是非とも役立ててくれよなァ!!んじゃあ裁判でまた会おうぜ!!スィーユー!!!』
『しーゆー!!』
モノDJとモノクマが去っていった直後、
十二、死体を3人以上が発見した時点で『死体発見アナウンス』が放送されます。
十三、死体発見アナウンス放送後、学級裁判開始までの間一定の自由時間を設けます。
という二つの校則が追加された。
これから捜査をしていく…わけだけど、役割分担はどうしようかしら?
私が考えあぐねていたその時、小鳥遊さんが手を挙げた。
小鳥遊さんは、手帳のメモ機能を使って筆談でメッセージを伝えた。
“検視は私がやります”
「小鳥遊さん…無理はしなくていいのよ?」
「ん……」
小鳥遊さんは、悲しそうな表情を浮かべながら玉越さんの遺体に寄り添っていた。
小鳥遊さんだって、親友をこんな形で殺されて悲しんでいるはずだ。
でも、だからといってここで立ち止まっているわけにはいかなかった。
「じゃあ検視は小鳥遊さんに任せちゃっていいかな」
「待て待て、もしこの女がクロだったらどうする?証拠を隠滅されちゃいましたじゃ済まされねえぞ」
「ん………」
ネロが容赦なく言うと、小鳥遊さんが不満そうな目を向ける。
誰だって、親友殺しの疑いをかけられていい気分はしないだろう。
…あんた、これで小鳥遊さんがクロじゃなかったら後で謝りなさいよ。
「じゃあ見張りをつければいいんじゃないかな」
「証拠隠滅を防ぐ為にも、最低二人は見張りが必要なんだが…」
秋山君と加賀君が言うと、館井君が手を挙げた。
「………俺がやろう。正直捜査ではあまり役に立てなさそうだからな」
「うちも見張やるよ!うち、すぐドジやらかすけん捜査とか足引っ張ってしまうやろうし」
見張りに立候補してくれたのは、館井君とマナだった。
「わかったわ。じゃあ館井君、マナ、よろしくね」
「それ以外の人は捜査でいいかな。最低でも二人以上で行動する事。いいね?」
「はーい」
話し合いの結果、捜査組は私と知崎君、秋山君と響さん、加賀君と目野さん、食峰君と聖蘭さん、越目君と古城さん、ネロと闇内君のペアで捜査をする事になった。
まずは私と知崎君のペア、加賀君と目野さんペア、ネロと闇内君ペアが校舎、秋山君と響さんペアが研究棟、越目君と古城さんペア、食峰君と聖蘭さんペアが寄宿舎を調べる事になった。
さてと…捜査を進めていかないとね。
ーーー
《捜査開始!》
まずはモノクマファイルを確認しておこう。
モノクマファイル①
被害者は【超高校級のバレーボール選手】玉越翼。
死亡推定時刻は午前0時10分頃。
死体発見場所は校舎1Fの保健室。
死因は失血死。
上半身の前側に刃物で斬りつけられたと思われる深い切創と、腹部に複数の刺し傷が見られる。
刺し傷は背中にまで貫通している。
本当に色々詳しく書いてあるわね…
血の乾き具合も、死亡推定時刻と一致している。
見たところ、ファイルに虚偽の記載は無いみたいね。
「わあい、そのファイルすごいねえ!そんなに詳しく書いてあるんだぁ!知ってた?不思議不思議〜!!」
知崎君、さっきまであんなに泣いてたのに切り替え早いわね。
というか全員にファイル送られてるんだから自分のを見なさいよ。
コトダマゲット!
【モノクマファイル①】
私がモノクマファイルを調べていたその時、後ろから知崎君が話しかけてきた。
「ねえねえ、ちょっと気になったんだけどさ!死体発見アナウンスって犯人はカウントされるのかな?」
「え?」
「だってさ、犯人がカウントされるかどうかで死体を発見した人が怪しいかどうかがわかるでしょ?犯人を絞る上で重要なヒントになると思うんだぁ!」
「確かに…どうなのかしらね。モノクマ!」
『はい何でしょ?』
「死体発見アナウンスの中に犯人は含まれるの?」
『はい、ズバリお答えします!死体発見アナウンスの中に犯人はカウントされません!だって犯人が死体を見るのは、『発見』って言わないもんね。校則にも追加しとくからちゃんと目を通しといてね!』
モノクマが言った直後、校則が追加された。
十四、死体発見アナウンスにクロはカウントされませんのでご注意ください。
「…なるほどね。知りたい事は知れたわ。目障りだからもう消えなさい」
『せっかく教えてあげたのに…クマ遣いが荒いクマ!』
うるさいわね全く…
本当に目障りだから早く消えてほしいわ。
コトダマゲット!
【校則の十四番目の項目】
死体を三人が発見した時点で死体発見アナウンスが放送されるが、クロはカウントされない。
「そうそう、知崎君」
「ほぇ?何?」
私が尋ねると、知崎君はコテンと首を傾げる。
あざとい……
絶対自分がかわいいってわかってやってるのが腹立つわね。
「あなたはどうして集合に遅れてきたの?」
「えっ、ねえそれってボクを疑ってるって事?」
「そうよ。死体発見アナウンスがあったのに遅れてくるなんて、疑われても仕方ないでしょう?」
「失礼だなぁ!ボカァ寝てたの!ぐっすり寝てたからアナウンスに気づかなかったんだよ!」
「一応聞くけど、夜時間中外に出たりしてないわよね?」
「してないよ!」
…うん、見たところ嘘をついている様子はないわね。
怪しいけど、一応言ってる事に矛盾はないわね。
目野さんも寝てたし…
「あれ?ねえねえ緋色ちゃん!これ何だと思う?そこの床に落ちてたんだけど!」
そう言って知崎君は、黒いゴミのようなものを見せてきた。
見たところ、剥がれたネイルのようね。
重要な証拠品になりそうだから一応取っとかなきゃ。
コトダマゲット!
【黒いゴミ】
知崎君が保健室に落ちているのを見つけた。
どうやら剥がれたネイルのようだ。
そろそろ遺体を調べている小鳥遊さん達にも話を聞いておかなくちゃね。
「小鳥遊さん、検視中悪いんだけど何かわかった事はあった?」
「………ん」
小鳥遊さんは、検視の結果分かった事を筆談で教えてくれた。
“切り傷は左肩から右脇腹に向かって走っているので、犯人は右利きの可能性が高いです。刺し傷の方が新しいので、刃物で斬り伏せた後で確実に止めを刺すために何度も刺したと思われます。傷口の状態から、犯人は刃物を扱った事が無い素人の可能性が高いかと。”
すごい、こんな事までわかるのね…
さすが【超高校級の獣医】だわ。
コトダマゲット!
【小鳥遊さんの検視結果】
おそらく犯人は、刃物で斬りつけた後でトドメを刺すために何度も刺したと思われる。
切り傷は左肩から右脇腹に向かって走っているので、犯人は右利きの可能性が高い。
斬った後で何度も刺しているので、犯人は素人だと思われる。
「…ねえ、そういえばあなたと響さんはマナを呼びに行くのに随分と時間がかかったわよね?何かあったの?」
私が尋ねると、小鳥遊さんはマナの方をチラッと見た。
マナは、キョトンとした様子で首を傾げる。
「?」
“実は、聲伽さんが古城さんの研究室にいたんです。何故か古城さんの研究室だけ鍵がかかっていたのでモノDJに開けてもらったんですが、聲伽さんが古城さんの研究室の甲冑を着て寝ていました。その直後にアナウンスが鳴ったので保健室に来たんですが、まさか玉越さんがこんな事になってるなんて思わなくて…。”
マナが古城さんの甲冑を…?
ちょっと待って、今しれっと意味わかんない事書かなかった?
どうしてそんな状況になってるのよ…
「わかったわ。ところで小鳥遊さんは、夜時間中に出歩いたりしてないわよね?」
「ん」
「なるほど。ありがとう。また何かわかった事があったら教えてね」
「ん」
コトダマゲット!
【小鳥遊さんの証言】
研究棟にある古城さんの研究室を探しに行ったら鍵がかかっていた。
モノDJに鍵を開けてもらって中に入ると、マナが甲冑を着て寝ていた。
「館井君、あなたは何かわかったのかしら?」
「…事件と関係あるかはわからんが、こんなものを見つけた」
そう言って館井君は、事件現場の床を指差した。
床には、血で『4Q』と書かれていた。
これは…筆跡から見て玉越さんが生前に書いたものとみて間違いなさそうね。
…ん?メッセージの横に不自然に血がはねてるわね。
何かしら…?
コトダマゲット!
【謎のメッセージ】
保健室の床に血で『4Q』と書かれていた。
筆跡から見て玉越さんが生前に書いたものとみて間違いない。
メッセージの右横に不自然に血がついている。
「マナは何かわかった事はある?」
「ごめんちゃ、まだ何も」
マナはまだ何も手がかりを見つけられていないみたいだった。
さっきからずっと後頭部を押さえてるけど、どうしたのかしら…?
私は、小鳥遊さんが言っていた事が気になって、マナに直接尋ねる事にした。
「ねえ、一つ聞いてもいいかしら?」
「何?」
「小鳥遊さんが、古城さんの研究室であなたを見つけたと言っていたのだけれど。どういう事か教えてもらえないかしら?」
「あー…そりゃあってん、夜中に急にインターホンが鳴って、何かて思うて出てみたらドアにこげな紙が挟んであったっちゃんね」
そう言ってマナは、何かが書かれた紙を私に見せてきた。
『脱出の手掛かりになりそうな物を発見。夜の2時に【超高校級の考古学者】の研究室の前に集合。モノクマに怪しまれるといけないから、誰にも言わずに一人で来る事』と書かれていた。
…これ、ブロック体で書かれてるわね。
筆跡で犯人の特定はできなさそう、か。
「あれれ?何か書いてあるね!」
「それくらい見ればわかるわよ知崎君。えっと、マナはこれを見て夜時間中に外に出たって事でいいのよね?」
「ごめん、夜時間中に出歩いたらつまらんのはわかっとーばってん、どげんしてん気になってしもうて。そいで古城ちゃんの研究室に行こうとしたら、いきなりガツン!って頭ばくらしゃれて…目が覚めたら、響ちゃんと小鳥遊ちゃんがうちば呼びに来とったんばいね。うち、まさか玉越ちゃんが殺しゃれとーやなんて思わんで…」
「なるほど、ところでさっきからずっと頭押さえてるけどどうしたの?」
「これ?くらしゃれたとこがたんこぶになってしもうてるごたってしゃ。ちょっと診てくれん?」
そう言ってマナが帽子を脱いだので、私は言われた通りマナの後頭部を診てみた。
マナの頭は、何かで殴られたのか確かに瘤ができていた。
ちょっと血も出てるわね…
「あー…確かにこれはひどいわね。何か冷やすもの持ってくるわ」
「ありがとう!」
私は、その場で氷嚢を作ってマナに渡した。
どうやら少しはマシになったみたいだ。
コトダマゲット!
【マナ宛の手紙】
マナが持っていた手紙。
深夜にインターホンが鳴り、出てみるとドアの隙間に挟まっていたらしい。
『脱出の手掛かりになりそうな物を発見。夜の2時に【超高校級の考古学者】の研究室の前に集合。モノクマに怪しまれるといけないから、誰にも言わずに一人で来る事』と書かれている。
ブロック体で書かれているため、犯人の特定は不可能。
コトダマゲット!
【マナの証言】
手紙に書いてあった古城さんの研究室に行こうとしたところ、いきなり後頭部を殴られたらしい。
コトダマゲット!
【たんこぶ】
マナの後頭部にたんこぶができていた。
少し血も出ていて、かなり強く打撃を受けたようだ。
さて…と。
次は闇内君とネロに話を聞いてみようかしら?
「ネロ、あなたは何かわかったのかしら?」
「何かを見つけたわけじゃねえが、逆に無くなってるものならあったぜ」
「なくなってるもの?」
「遅効性の下剤と医者のなりきりセットだ。なりきりセットは、ケンジロウの分だけなくなってたぜ」
コトダマゲット!
【お医者さんなりきりセット】
保健室のロッカーから1セット無くなっていた。
男子用は額帯鏡と白衣、女子用は露出度高めのナース服と網タイツが入っていて、全員のサイズに対応している。
無くなったのは館井君用。
コトダマゲット!
【遅効性の下剤】
保健室からなくなっていた。
「え〜それ本当!?不思議不思議〜!」
「なるほどね…闇内君、あなたは何かわかった事はあるかしら?」
「ふふふ…腐和嬢。実は拙者、こんなものを見つけたでござるよ」
そう言って闇内君は、自信満々に電マを見せてきた。
こんな時にそんなしょうもない下ネタぶっ込んでくるとか、そろそろこいつシメた方がいいんじゃないかしら。
「うわー、忍おにいのヘンタイ!」
「…あんた、こんな時に何をふざけてるのよ」
「ふ、ふざけてなどおらぬで候!!本当に事件現場で見つけたんでござるよ!!」
本当かしら。
正直、日頃の行いが行いだから信用が無いわね。
…あら?これ、ちょっとだけ血がついてるわ。
コトダマゲット!
【血のついた電マ】
保健室に無造作に置いてあった。
よく見ると血が少量付着している。
「…なるほど。よくわかったわ。ありがとう」
さてと。次は購買部を調べてくれている加賀君と目野さんに話を聞いてみようかしら。
「加賀君、目野さん。調べて何かわかった事はある?」
「ええとですね!私は購買部での商品の購入履歴を調べていました!!」
「結果は?」
「夜中の0時50分頃に紙オムツが一点購入されていましたね、ええ!!」
「えー紙オムツ!?誰だよそんなの買ったの!赤ちゃんじゃないんだからさ!」
うーん…
事件との関係性は低そうだけど…
一応頭の隅に置いておこうかしらね。
コトダマゲット!
【購買部の購入履歴】
午前0時50分に紙オムツが一点購入されている。
「加賀君。あなたは?」
「事件と関係があるかはわからないが、コピー機の履歴を調べていたら面白いものを見つけた」
そう言って加賀君は、コピー機の履歴を見せてきた。
見てみると、昨日の午後9時頃に生徒手帳のスクリーンショットが印刷されている。
見たところスクリーンショットの内容は、メモ機能の文面のようだ。
うーん、重要な事件の手がかりはこういうところに隠されてたりするし、頭の隅には留めておこうかしらね。
コトダマゲット!
【コピー機の履歴】
昨日の午後9時頃に利用されている。
印刷内容は手帳のメモ機能のスクリーンショット。
さてと、校舎の方はこれくらいかしらね。
次は研究棟に行ってみようかしら。
ーーー 研究棟 ーーー
研究棟では、秋山君と響さんが捜査をしていた。
「秋山君、響さん。何かわかった事はある?」
「見るからに怪しいものならあったぜ」
そう言って響さんは、甲冑と金ピカの日本刀を指差した。
日本刀には、ベッタリと血がついている。
アレが凶器とみて間違いなさそうね。
コトダマゲット!
【金ピカの日本刀】
古城さんの研究室のもの。
刃の部分が血塗れになっている。
コトダマゲット!
【古城さんの研究室の甲冑】
古城さんの研究室の曰く付きの甲冑。
「なるほどね。秋山君は?」
「俺はこんなものを見つけたよ」
そう言って秋山君は、蝶ネクタイ型の変声機を見せてきた。
変声機は、よく見ると壊れている。
どういじっても何も起こらない。
…ってこれ、マナが二日目にモノモノマシーンで引いたやつじゃない。
コトダマゲット!
【壊れた蝶ネクタイ型変声機】
マナがガチャガチャの景品で当てたもの。
ゲットした直後に壊れて使い物にならない。
「あとは、ドアのサムターンにこんなものが貼ってあったよ」
そう言って秋山君は、サムターンを指差した。
サムターンには、糸がついたセロテープが貼ってあった。
コトダマゲット!
【糸がついたセロテープ】
サムターンに貼り付けてあった。
何故かセロテープに糸が付いている。
「なるほどね。ありがとう。ところで秋山君。確認なんだけど、死体発見アナウンスが鳴る前に玉越さんの遺体を見たのはあなたが最後よね?」
「ん?ああ、うん。そうだね」
コトダマゲット!
【死体発見アナウンス】
聖蘭さん、私、秋山君の順に玉越さんを発見した直後にアナウンスが鳴った。
ここでの調査はこんなものかしらね。
次は寄宿舎を調べてくれている4人にも話を聞かないと。
ーーー トラッシュルーム ーーー
トラッシュルームに行ってみると、4人がいた。
やっぱここが怪しいから皆調べるわよね…
私達は、皆に話を聞いてみる事にした。
「食峰君、聖蘭さん。あなた達は何かわかった事はあった?」
「ええ。捜査時間中は焼却炉のスイッチを切っているとの事でしたので一応調べてみたのですが、中にこんなものが…」
そう言って聖蘭さんは、燃え切れていない額帯鏡と白衣、それから薬の瓶を見せてきた。
額帯鏡と白衣には、それぞれ血がついている。
白衣の方は、背中側に大量の血がついてるわね…
瓶の方は…ラベルは燃えてしまって中身がわからないわね。
コトダマゲット!
【血のついた白衣】
焼却炉に捨ててあった。
背中側に血がついている。
コトダマゲット!
【血のついた額帯鏡】
焼却炉に捨ててあった。
血がついている。
コトダマゲット!
【薬品の瓶】
焼却炉に捨ててあった。
ラベルが燃えてしまっているため、中身まではわからない。
「食峰君、あなたは?」
「オレは、ゴミ箱にペットボトルが捨てられてるのを見つけたぜ!!」
「ペットボトル…?それってもしかして、朝無くなってたって言ってたやつ?」
「おう、そうそう!!オレが調理用に溜めといたやつ!!誰かがオレに黙って勝手に使っちまったのかなぁ」
そういえば、朝食を作ろうとした時水が足りなくて困ったのよね。
でもどうして急に水がなくなったりしたのかしら…?
コトダマゲット!
【水道水の入ったペットボトル】
トラッシュルームのゴミ箱に捨ててあった。
元は食峰君が朝食作り用に水道水を溜めていたもの。
食峰君が厨房に来た時には、何故か数本持ち出されていた。
「ねえねえ越目おにいといろはちゃんは何かわかった?」
「ああ、それなんだけどよ。これ見てみろよ」
そう言って越目君は、トラッシュルームの焼却炉を操作するスイッチがある管理ルームを指差した。
管理ルームは、普段は鉄格子が降りていて中に入れないようになっている。
うーん、格子の間隔が狭いから腕は通らなさそうね。
……ん?
よく見ると、スイッチに血がついてるわ。
コトダマゲット!
【焼却炉のスイッチ】
焼却炉を起動させるためのスイッチ。
スイッチは鉄格子で封じられている。
鉄格子の間隔は腕一本も通せない程狭い。
スイッチには何故か血がついている。
「古城さん、あなたは?」
「あー、それなんだけどよ。古城ちゃん、昨日トラウマになるような事があったみたいでよ。ずっとガタガタ怯えてんだよな」
「え〜、何それ!とっても不思議!」
「仕方ないわね…古城さん。今は少しでも情報が欲しいの。何があったのか教えてくれないかしら?」
私が落ち着いた口調で古城さんに尋ねると、古城さんは何かに怯えつつもゆっくりと話してくれた。
「……ワシは昨日の夜中、急に腹痛を起こしてな。それで襁褓を買いに外に出たのじゃ」
「えー、いろはちゃん高校生にもなってオムツ!?ウケる〜!」
「じゃかぁしい!!夜時間中は便所の水が出ないんだから仕方ないじゃろ!!」
古城さんの証言を知崎君が笑うと、古城さんがキレた。
今はふざけてる場合じゃないんだけど…
「知崎君、話を拗らせないで。それで古城さん、その時何かあったのよね?」
「出たんじゃ!!落武者の霊が!!」
「……は?」
「落武者の霊は夜になると生者の身体を乗っ取り、夜な夜な鎧兜を着て血を求めて徘徊するといわれておるのじゃ…!ワシは見たんじゃ!鎧兜を着た亡霊が、血濡れた刀を握って気味の悪い笑い声を上げながら校舎を徘徊しているのを!!」
…気味の悪い笑い声?
「ねえ古城さん、そいつはどんな声だった?」
「えっと……しわがれた男の声じゃったって事くらいしか…」
コトダマゲット!
【古城さんの証言】
夜中に校舎に甲冑を着た落武者の霊が現れたらしい。
コトダマゲット!
【亡霊の声】
落武者の霊は不気味な笑い声を上げていた。
しわがれた男の声だったらしい。
知っているのは私、知崎君、古城さん、越目君の4人だけ。
「なるほどね。ありがとう。じゃあ……」
私が古城さんに状況を詳しく聞こうとした、その時だった。
ピーンポーンパーンポーン
『えー、もう待ちくたびれたので捜査時間を打ち切らせていただきます!オマエラ、校舎1階の赤い扉の前まで集合して下さい!あ、もちろん全員参加だからね?15分以内に来ないとオシオキしますよー!』
え、嘘でしょ!?
もう終わり!?
まだ調べたい事あったんだけど…
でも、ここで迷っている場合じゃない。
行かなきゃ。
私は、覚悟を決めて赤い扉の前に向かった。
「行きましょう、知崎君」
「うん!何があるんだろうね!ワクワク!」
ーーー 赤い扉の前 ーーー
私達は、すぐに赤い扉に向かった。
知崎君はこういう時絶対すぐ来なさそうだから、私がペアになって正解だったわね…
私が扉に向かうと既にネロと闇内君、越目君と古城さん、秋山君と響さん、食峰君と聖蘭さんのペアが集まっていた。
しばらく待っていると少しして小鳥遊さんと見張り組が加賀君と目野さんを連れてきた。
「あなた方、遅刻ギリギリですわよ」
「……すまない。こいつらを連れてくるのに時間がかかった」
「いやあ、調べ物をしていたら熱中してしまいまして!!失敬!!」
聖蘭さんが注意をすると館井君が申し訳なさそうに、目野さんが悪びれずに謝罪をした。
私達が全員集まると、その直後アナウンスからちょうど15分になった。
『うぷぷぷ、ちゃんと全員集まりましたね?』
「ねえねえ、ここにボク達を連れて来てどうするの?すっごく不思議〜!」
『ギャハハハハ!!グッドクエスチョン!!こんなところで裁判をやるのも華が無えんでなァ!!テメェらゴミクズには裁判にふさわしい場所へ移動してもらうぜェ!!』
モノDJがそう言って指を慣らした直後、今までビクともしなかった赤い扉が開く。
赤い扉の中は、エレベーターになっていた。
これに乗れ…って事よね。
私達全員がエレベーターに乗ると、扉が閉まり下へ移動した。
正直、まだ実感が湧かない。
あの玉越さんを殺した犯人がこの中にいるだなんて…
でも、今は嘆いている場合じゃない。
待ってて玉越さん、必ず真実を解き明かしてみせるから…!
ーーー 生き残りメンバー ーーー
【超高校級の警察官】
【超高校級の幸運】
【超高校級の獣医】
【超高校級の???】
【超高校級の美食家】
【超高校級のメイクアップアーティスト】
【超高校級の聖母】
【超高校級の考古学者】
【超高校級の魔術師】
【超高校級の機械技師】
【超高校級の大工】
【超高校級の音楽プロデューサー】
【超高校級のボーカリスト】
【超高校級のマフィア】ネロ・ヴィアラッテア
【超高校級の忍者】
残り15名
ーーー 死亡メンバー ーーー
【超高校級のバレーボール選手】
以上1名
思ったより長くなってしまった。
初回にしてコトダマ26個…
さてさて、犯人は一体誰でしょうか?
今更だけど推し教えて
-
腐和緋色
-
聲伽愛
-
玉越翼
-
小鳥遊由
-
知崎蓮
-
食峰満
-
越目粧太
-
聖蘭マリア
-
古城いろは
-
加賀久遠
-
目野美香子
-
館井建次郎
-
秋山楽斗
-
響歌音
-
ネロ・ヴィアラッテア
-
闇内忍
-
リカ