ジャスティスダンガンロンパX4  強くてコロシアイ再履修   作:M.T.

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今回は百合スペシャルでございます。
苦手な方はブラウザバック推奨。
大好物の方は存分にお楽しみください。


(非)日常編②

探索を終えた私達6人は、昼食の手伝いをするため厨房に集まった。

掃除やテーブルセッティングに時間を費やし、料理をテーブルに並べていると、集合時間を10分ほど過ぎて倉庫を調べていた館井君と古城さん、技術室を調べていた加賀君と目野さんが食堂にやってきた。

 

「遅れてすまない。思ったより倉庫が広くてな…」

 

「ぬはははは!!!ワシは空腹じゃ!!馳走を用意せい!!」

 

「どっかの総帥みたいな事言ってる暇があるなら少しは手伝ってくれないかな」

 

申し訳なさそうにしている館井君とは対照的に古城さんが高笑いしながら威張っていると、秋山君が冷静にツッコミを入れた。

…秋山君、案外漫画とか読む人なのね。

 

「すまん、普通に集合時刻を忘れてた」

 

「いやはや、あの技術室がソーエキサイティンッッッでしてねえ!!つい集合時間を忘れてしまいました!!ごめんなさい!!」

 

加賀君と目野さんも遅れた事に対しては謝罪してたけど、特に目野さんはあまり反省していない様子だった。

ちょっとこの二人にはそろそろ説教した方がいいんじゃないかしら?

…まあ、こうして全員無事に集合できたんだからあんまり神経質になりすぎるのも良くないのかもしれないけど。

 

「とりあえず、ミーティングの前にご飯にしようか。皆お腹減ってるでしょ?」

 

「そうね」

 

秋山君が提案したので、私も賛成した。

今日の昼食は、食峰君と秋山君が作ったハヤシオムライス、闇内君が作ったシーチキンと水菜のサラダ、小鳥遊さんが作ったオニオンスープ、食峰君が作ったカスタードプリンの4品だ。

探索で頭使った後だから、こうガッツリしたものが出てくるのは嬉しいわね。

 

「んん!美味しいねぇ、緋色ちゃん」

 

「知崎君、あなた口の周り汚れてるわよ」

 

「えー!?どこどこ!?」

 

「しょうがないわね…」

 

知崎君があまりにも口の周りを汚していたので、ナプキンで口の周りを軽く拭いてあげた。

…よし。取れた。

すると越目君と闇内君がものすごい目で見てくる。

 

「ずるい…ずるいでござる知崎殿だけ…!」

 

「同感だぜ闇内…こんなのまかり通っていいわけがねえよなあ!?」

 

何か二人でものすごくIQの低い会話をしているような気がするのだけれど…気のせいかしらね?

すると越目君は、どういうわけか自分の口にわざとソースをつけてアピールしてきた。

 

「な、なあ!腐和ちゃん!俺も口の横にソースがついちゃってさぁ!」

 

「いやー奇遇でござる!拙者も!」

 

「だから何?自分で拭きなさいよ。あと闇内君、あんたに関しては汚れのつきようがないでしょうが」

 

「ギッ、ギックゥ!?」

 

もしかしてこいつら、私に拭かせようって魂胆だったのかしら。

全く…何でどいつもこいつも自分の事を自分でやらないのかしら。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

昼食が終わった後は、食峰君が作ってくれたお茶菓子と紅茶を嗜みながらミーティングをした。

主に私と秋山君が仕切って報告を進めていく。

 

「それじゃあ、まずは俺からの報告ね。更衣室は、ハイテクな鍵がついてる事以外は普通の学校と同じ感じだったよ。あと、異性の更衣室に入るとマシンガンで蜂の巣にされるらしいから皆気をつけてね」

 

「あとはテディベア共の不愉快なポスターがあったくらいだな。俺らからの報告は以上だ」

 

モノクマのポスター、ね…

あいつら本当にいらない事しかしないわね。

とりあえず校則を確認しないと。

 

 

 

十五、男子更衣室のリーダーに女子の、女子更衣室にリーダーに男子の生徒手帳を使う事を禁止します。使った場合、マシンガンで処刑します。

 

十六、電子生徒手帳の貸与を禁止します。

 

 

 

それにしてもマシンガンか…

物騒ね。

間違っても男子更衣室には入らないようにしないと。

まあ知崎君と闇内君以外は異性の更衣室に入ろうだなんて非常識な事はしないでしょうけど。

秋山君とネロが報告を終えると、次は女子更衣室の方を調べていた聖蘭さんと小鳥遊さんが報告をした。

 

「私達は女子更衣室を調べましたが、報告を聞いている限り多分男子更衣室と同じだと思いますわ」

 

「ん」

 

“最低限の用具は置いてありましたが、水着などは倉庫に行けば手に入るそうです”

 

「時間を持て余したので教室の方も見てみたのですが、1階と同じでしたわ。私達からの報告は以上ですわ」

 

聖蘭さんと小鳥遊さんの報告によると、構造はほとんど男子更衣室と同じらしい。

まあそりゃあそうか。

私が4人の報告に納得していると、次はマナが報告をした。

 

「はいはーい!うちらはプールば調べたっちゃけど、とにかくばり広かったばい!あとね、水温を管理する機械がある部屋があってね、そん部屋の窓からプールが見えるようになっとったよ!」

 

「あのねあのね、何か節電のためとかでプールは夜時間中入っちゃいけないんだってさ!知ってた?」

 

二人は相変わらずテンション高いわね…

あれ?

今サラッと割と重要な事言ったわよね。

プールは夜時間中入れないのね。

注意しておかなくちゃ。

二人が報告を終えると、次は食峰君と闇内君が報告をした。

 

「っしゃ!!次はオレらの番だな!トレーニングルームには、とにかく筋肉を鍛えるための道具が色々置いてあったぜ!!あと、壁がボルダリング仕様になってたな!!」

 

「ありがたい事に自販機も完備してあったでござるよ。拙者達からの報告は以上でござる」

 

なるほどね…

それにしてもトレーニングルームか。

ここに閉じ込められてから訓練ができなくて身体が鈍ってたから、後で行ってみようかしら。

二人が報告を終えると、次は古城さんと館井君が報告をした。

 

「ガハハハハ!!次はワシらの番じゃな!!倉庫は色々置いてあったぞい!!あそこに行けば大体のものは揃うじゃろ!!倉庫のものは毎日補充されるから、安心してどんどん使えとの事じゃ!!」

 

「倉庫は寄宿舎の1階分丸ごと占めていて、広さはホームセンターくらいあった。俺達からの報告は以上だ」

 

なるほどね…

それにしてもあの広い寄宿舎の丸ごと一階分か。

そりゃあ探索に時間がかかるわよね。

あとでどんなものがあるのか一応確認しておかないと。

えっと…次は私達が報告するんでいいのかしら?

 

「次は私達いいかしら?図書室は、かなり広かったけど普通の図書室とあまり変わらないわね。本棚の他には貸し出しカウンターと読書スペース、あとはパソコンがあったわ」

 

「なな!?ぱ、パソコンとな!?腐和サァン!!私、後で調べに行ってもいいですかね!?」

 

うわ、案の定目野さんがものすごく食いついてきた。

まあ元々目野さんに調べてもらうつもりだったしね。

 

「ええ、私もあなたに調べてもらうつもりで言ったの。まあでも多分無駄だと思うけどね」

 

「無駄!?どういう事です!?」

 

「アクセス制限がされていたの。具体的には、本を調べる為の専用ページ以外は使えないようになってたわ。あれを通信手段として使うのは難しそうね」

 

「なるほど!でもでもパソコンが手に入ったというだけでも十分大収穫ですよ!!今回のMVPですね腐和さん!!」

 

私はただくじ引きで図書室の担当になったから調べただけなんだけど…

でも何だろう、ここまで褒められると悪い気はしないわね。

 

「ああ、それともう一つ重要な事を知らせておくわね」

 

「重要な事?」

 

「図書室には、新聞や雑誌の類が一切無かったの」

 

私が報告をすると、加賀君が顎に手を当てて考え込む。

 

「………なるほど。それも十分大きな収穫だな」

 

「えっ、何で?」

 

「新聞や雑誌はここ最近の情報を手に入れる上で重要な文献だ。それが無いという事は、モノクマ達は外の情報を俺達に知られたくないという事にならないか?」

 

「あっ、確かに!!」

 

加賀君が説明すると、食峰君が納得した。

すると加賀君は、完全にトリップして独り言を言い始めた。

 

「外の情報を知られたくない…となると、外の世界には何かモノクマ達にとって弱みになるようなものでもあるのかもな。それがデスゲームを運営する上で不都合なのか、それとも裏で操っている黒幕の個人的な不都合なのか…どのみちこのデスゲームの根底に関わる事なのは間違いない。くっくっく、面白くなってきたぞ」

 

加賀君は、顎に手を当ててブツブツ独り言を言いながら考え込んでいた。

癖なのか何なのか知らないけど、ちょっと怖いわね…

加賀君の独り言に皆が少し引いていると、越目君が手を挙げて発言した。

 

「んじゃあ次オレちゃんいいか?図書室には書庫があったんだけどよ。とにかく本がいっぱいあったぜ!」

 

「越目くん。そんくらいわざわざ報告するまでもなかね?」

 

「グッ…!」

 

越目君が報告をするとマナが正論でバッサリと切り捨て、越目君が固まった。

まあ調査の報告はほとんど私がしちゃったからね。

何だか申し訳ない事をした気分だわ。

でもマナ、あなたはちょっと何でもかんでもハッキリ言いすぎよ。

私がマナの無自覚の毒舌に少し呆れていると、越目君はヤケクソ気味に報告を続ける。

 

「で、でもそれだけじゃねえぞ!あの書庫には【超高校級のさモガ!?」

 

ちょっと。

今何を言おうとしたわけ?

私は、【超高校級の殺人鬼】の話をしようとする越目君の口に、焼きたてのマカロンを次々と詰め込んだ。

 

「あら越目君、これ食べたかったの?まだまだあるわよ。お食べ」

 

「ちょっ、腐和ちゃんいきなり何sモガモガモガ!!」

 

「越目君、お菓子おいしい?」

 

「う……ウン」

 

私が笑顔で圧をかけると、越目君は口をもごもごさせながら黙り込んだ。

ふう。

何とか口封じできたみたいね。

【超高校級の殺人鬼】がいるなんてここで言ったら、皆はパニックに陥って疑心暗鬼になってしまうかもしれない。

私達が得た情報が殺人のトリガーになる事だけは、絶対に避けたかった。

越目君、あなたが不用意に皆にバラそうとしようものなら、今みたいに口封じするわよ。

 

「あ、あははは…ええっと?お二人の報告は以上?」

 

「ええ。最後は加賀君と目野さん、報告お願いできる?」

 

「ああ。技術室なんだがな…」

 

「あのですねぇ!!中は工房みたいになってたんですが、あらゆる材料を加工する為のビュゥウウウウティフォォォォオオオオオな機械ちゃんたちが所狭しと並んでいたのです!!スゥハァスゥハァ…私、あんなベリィィィィィエレガンツッッッッッな場所でなら一生過ごせそうな気がします!!」

 

「まあそういうわけだ。技術室は作業用の教室と、材料や資料が置いてある準備室に分かれていた。技術室の方にもパソコンは置いてあったが…まあお察しの通りだ」

 

目野さんが目を輝かせながら報告をすると、加賀君は若干呆れ気味に補足の報告をした。

ただでさえ自由人の加賀君がアブノーマルな目野さんに振り回されてるの、側から見ると中々シュールね。

やっぱり技術室のパソコンもネットにはアクセスできないようになってたのね…

まあでもこれでそんな簡単にアクセスできたら苦労はしないわよね。

 

「ああ、そうそう。準備室には木材や大工道具、設計図を書くための筆記用具なども置いてあったな。館井も気になるようなら後で行ってみるといい」

 

「むっ……」

 

加賀君が言うと、館井君が反応する。

どうやら作業用のスペースがあると聞いて喜んでいるみたいね。

 

「うん、じゃあ報告会は以上でいいかな?」

 

「そうね。それじゃあ今から解散にしましょう。今からは各自自由に探索して、18時にここに戻ってきて夕食とミーティング。これでいいかしら?」

 

「異議ナーシ!」

 

秋山君と私が言うと、マナが手を挙げて賛同した。

特に反対意見はなかったので、各自自由に探索をする事になった。

さてと。私もまだ行ってない場所を探索しないとね。

私が探索に行こうとすると、マナが声をかけてきた。

 

「緋色ちゃん!今日も一緒に探索しよ!」

 

「そうね。でもちょっとその前に寄りたい場所があるの。少し付き合ってもらえないかしら?」

 

「?うん、いいよ!」

 

私は、今日もマナと一緒に探索をする事にした。

私達はまず、1階の保健室に向かった。

保健室に入ると、モノクマの言葉通り、玉越さんの遺体は綺麗さっぱり片付けられて血の一滴も落ちていなかった。

まるで、一昨日まで彼女が皆を引っ張ってくれたのが嘘のようだった。

 

「ねえ緋色ちゃん、ここって…」

 

「玉越さんが亡くなった場所。私は彼女にほとんど何も返せなかったから、せめてきちんとお別れを言っておきたかったの。それと、響さんにもね」

 

「あ……」

 

私は、ちょうど玉越さんが亡くなったあたりでしゃがみ込んで合掌した。

今更こんな事をしても玉越さんに何かを返した事にはならないけど、リーダーとして皆を引っ張ってくれた彼女に何も返せないままいなくなってしまったのがどうしても我慢ならなかった。

響さんが玉越さんを殺すのを防げていたらこんな事にはならなかった、そんな事を今更考えたって仕方ないのに、あんな形で友達を亡くしたのが悔しくてどうしようもなくやるせなかった。

今の私ができる事は、せめて二人が安らかに眠れるように祈る事だけだった。

 

「玉越さん。助けられなくて、皆でここから出るって約束したのにこんな事になってしまって…本当にごめんなさい。それから響さん。あの時は追い詰めるような事をしてごめんなさい。私、あなたの分まで生きるから。あなた達を犬死にになんか絶対させないから。だから、もう少しだけ待っていて」

 

「玉越ちゃん…響ちゃん…うち、まだ話したか事いっぱいあったっちゃん…!なして…なしてよ…!!」

 

私が手を合わせながらそこにはもういない二人に語りかけると、マナも二人に語りかけた。

マナの声は震えていた。

後ろに立っていて顔は見えなかったけれど、きっと泣いているんだろう。

私は母さんを亡くした日から、泣かなくなった。

泣いたって嘆いたって、どうにもならないという事を痛い程に理解してしまったから。

気付いたら、泣きたい時に泣く事ができなくなっていた。

私にも人の心があったなら、マナみたいに友達の死を悲しんで泣く事ができたのだろうか。

 

私達は、保健室を後にし、まだ調べていなかった場所の探索を始めた。

先程まで泣いていたマナは、目元を腫らしてはいたけれどだいぶ落ち着いてきた様子だった。

 

「マナ」

 

「何?」

 

「私はあなたが羨ましい」

 

「え?」

 

「私は、嫌なものを全部押し殺す生き方をしてきたから…こういう時、どういう顔をしたらいいのかわからないの。私は、あなたみたいに優しい人になりたい」

 

私は、マナに自分の本心を打ち明けた。

ダンガンロンパの事を話した彼女になら、何でも打ち明けられる気がした。

私が話すと、マナは少し首を傾げながら言った。

 

「緋色ちゃんは優しいよ?」

 

「え……?」

 

「緋色ちゃんだけは、最後まで響ちゃんを助けようとしとったやろ?秋山くんだって諦めとったとに」

 

私は、響さんがオシオキされた時の事を思い出した。

彼女の悲痛な叫び声に皆が唖然とする中、あの場で、私だけが響さんを助ける為に動いた。

響さんがもう助からないのはわかりきった事だったのに、どうして彼女を助けようとしたのかは自分でもわからない。

絶望して死を待つ彼女を見て、感情よりも先に身体が動いていた。

 

「うちは、響ちゃんがクロに決まって、もういっぱいいっぱいになってしもうて、助けようともしぇんやった。多分、他の皆もうちと同じやったと思う。うちは、緋色ちゃんんごと強うなりたか」

 

「…ありがとう。でもマナは、私みたいにはならないでね?本当につらい時に泣けなくなってしまうだろうから」

 

「ん」

 

私がマナの頬を軽く撫でながら言うと、マナは小動物みたいにきゅっと目を瞑った。

マナには、私と同じ道を歩ませない。

私は、誰よりも自分の心に素直なマナが好きだから。

大切な誰かが悲しんで泣いている時、一緒に泣いてあげられる人でいてほしいから。

マナが一人で抱え込まなくていいように、つらい時は私が助けてあげなくちゃ。

 

「湿っぽい話になっちゃったわね。この話はこれくらいにして、探索するか決めない?」

 

「そうやね」

 

私は、まずはどこに探索に行くかをマナと話し合った。

話し合いの結果、二人ともまだ探していない倉庫を見てみる事にした。

 

「マナ、さっき知崎君と探索してたけど、大丈夫だった?」

 

「あーそれなんやけど!聞いて!?知崎くん、うちん胸と尻ばばり触ってきたっちゃん!しかもうちん大事な帽子まで盗られて、奪い返すん大変やったんやけん!」

 

私が一応マナを心配して尋ねると、マナは頬を膨らませながら私に愚痴ってきた。

知崎君、やっぱりマナにセクハラしてたか…

しかも窃盗犯ときた。

ちょっと一回ガツンと言ってやった方がいいわね。

 

「緋色ちゃんは越目くんと探索したっちゃんね?どうやったと?」

 

「そうね…お姫様抱っこした事以外は特に何も」

 

「えっ、お、お姫様抱っこ!?えっ、待って、ばり萌えるっちゃけど!」

 

何かマナのテンションがいきなり上がった気がするわね。

そんなに面白い話題だったかしら?

 

「ああ、言っとくけど私がする側だからね?越目君が脚立から落ちたから私がキャッチしてあげたの」

 

「あー…」

 

私が状況を正確に説明すると、マナは妙に納得した。

いや、ちょっと。

何よその面白くなさそうな目は。

そんな目で見ないで?

私だって好きで越目君をお姫様抱っこしたわけじゃないわよ。

 

二人でガールズトークを楽しんでいると、いつの間にか倉庫についた。

倉庫の扉を開けると、中には物品を陳列した棚がズラリと並んでいた。

館井君の報告通り、倉庫は1フロア丸ごと使っていて、まるで大型ホームセンターかショッピングモールのようだった。

 

「………広いわね」

 

「うん」

 

筆記用具、工具、衣類、インスタント食品、衛生用品…

本当に色々揃ってるのね。

何か欲しいものがあったら、ここで探せば事足りそうね。

 

「とりあえず、どんなものがあるのかだけでもざっと見ていきましょう」

 

「そうやね」

 

私達は、倉庫の中のものを片っ端から調べていった。

中に入った時にわざわざどこに何があるのかを探さなくて済むように、物品のリストと物品と場所を対応させたマップも作った。

私が衛生用品を調べていると、何やら見覚えのある箱が目に留まる。

何かしら…

ものすごいデジャヴだわ。

モノクマ達ってたまに不愉快な下ネタ挟んでくるわよね。

マナが見つける前に隠さないと…

私は何も見なかった。

見なかったのよ。

 

「何調べとーと?うちにもちょっと見して!」

 

「あっ…」

 

遅かった。

私が隠そうとした時には、既にマナが後ろから箱をひったくっていた。

マナは、しばらく箱を見てみたかと思うと難しそうな顔をして話しかけてきた。

 

「…ねえ緋色ちゃん、これ何に使うと?」

 

「え?」

 

「衛生用品のコーナーにあるって事は、何かの治療に使うもんなんかな」

 

そう言ってマナは、私にゴムの箱を見せてきた。

嘘でしょ?

高校生にもなって何で知らないのよ…

もうそれ無垢ってレベルじゃないわよ?

この子、さては学校の保健体育の授業真面目に聞いてないわね。

 

どうしたものか…

保健室にあった大人のおもちゃに関してはマナが知らなくていい事だったけど、やっぱりこういう知識はちゃんと持っておかないとダメよね。

マナの今後の為にもちゃんと教えておかないと。

 

「マナ、ちょっと耳貸しなさい」

 

「え?何で?」

 

「いいから早く」

 

私は、ソレがどういった用途で使われるものなのかをマナに耳打ちをした。

するとマナは、目を見開いてみるみる顔を赤くしていく。

 

「えっ、嘘やろ!?これ、そげん事に使うもんやったと!?ごめん、そうやとは思わんで聞いてしもうて…」

 

「逆に高校生にもなって知らない方がビックリよ。あなた、学校の保健の授業、真面目に聞いてなかったでしょ?」

 

「うん。寝てた」

 

「やっぱりね…」

 

高校の授業くらい真面目に聞いてなさいよ。

この子天然っていうか、いわゆるアホの子ってやつなんじゃないかしら。

 

「それより見て見て!こんお饅頭そこの棚に置いてあったっちゃけど、ばりうまそうやなか!?」

 

そう言ってマナは、お饅頭の箱を見せてきた。

箱には、『銘菓 モノクマ饅頭』と書かれていた。

うげ…

どう見てもゲテモノにしか見えないんだけど。

あいつらちょっと自己主張激しすぎじゃない?

 

「これね、白い部分がこしあんで黒い部分がつぶあんなんやって!一個でどっちも味わえるなんてお得やね!」

 

「知らないわよ…ほら、さっさと倉庫の在庫確認進めるわよ。こんだけ広いんだから、脱線してたら時間がいくつあっても足りないわ」

 

「はーい」

 

私が言うと、マナはお饅頭の箱を抱えながら在庫の確認をした。

一旦置いてくればいいのに…

どんだけ食べたいのよそのお饅頭。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

数時間後。

ようやく倉庫の在庫の確認が終わった。

とりあえずチェックリストとマップを作っておいたから、これを倉庫に貼っておいて…

よし。

私がリストとマップを倉庫の入り口に貼っていると、マナが大きなため息をつきながら床にへたり込んだ。

 

「うへぇ〜、つかれたー」

 

「お疲れ様。お茶でもどう?」

 

「わーい、飲むー!」

 

私は、自販機で買った『濃〜いお茶』と書かれたペットボトルのお茶をマナに渡した。

マナは、お茶を受け取るとその場で蓋を開けて一気に飲み干した。

うわ、すごい飲みっぷり。

よっぽど疲れたのね。

 

「ぷはー!濃いー!ホントに何でも揃っとるね!」

 

「そうね」

 

「でもこげん大量ん在庫どっから持ってくるっちゃろうね?犯人はばりお金持ちなんかな?」

 

「そうとは限らないわよ」

 

「へ?」

 

「黒幕自身にそこまで財力が無くても、莫大な財と地位を持つパトロンがバックに大勢いたとしたら?」

 

「パトロンって…?」

 

「このデスゲームにお金を出して愉しんでる物好きがいるんじゃないかって事よ。これはおそらく競馬で、私達は競馬用の馬なのよ。誰が死んで誰が生き残るのか、それを予想して大金を賭けるの。監視カメラの破壊を禁じられてるのも、おそらくあのカメラを通して私達の生活を生中継しているのと、あのカメラでモノクマが犯行の一部始終を見ているからでしょうね。ほら、私生活を監視できなくなったら、もし殺人が起きた時誰がクロか把握できなくなるでしょ?そんなの、テストの採点者が模範解答を用意してないようなものだからね」

 

「あ……」

 

実際ダンガンロンパも、生き残りを予想して億単位の大金を賭ける金持ちの娯楽だったしね。

これがダンガンロンパの模倣なら、このゲームもあの監視カメラで生中継されている可能性が高いわ。

人が死ぬのを娯楽として楽しむなんて、ホントいい趣味してるわ。

一刻も早く脱出方法を見つけて、こんな悪趣味な事やめさせなきゃ…

 

「…ねえ緋色ちゃん」

 

「何?」

 

突然マナが話しかけてきたので何かと思ってみたら、マナはフニャリと満面の笑みを浮かべて言った。

 

「うち、緋色ちゃんと仲良くなれてホント良かったぁ!」

 

「え?」

 

「うちな、最初ここ来た時、本当はばり不安で仕方なかったっちゃん。皆すごか才能持っとーとに、うちだけ特にこれといった才能が無うて、アホやし、すぐにドジやらかすし、皆と一緒にやっていくるとかなぁってずっと不安で…でも緋色ちゃんが来てくれたけん、ここまでやって来れたっちゃん!緋色ちゃんはカッコよくて、優しくて、賢くて、一緒におって安心するったい。緋色ちゃんはうちのヒーローだよ!」

 

私、ヒーローじゃなくて警察官なんだけど。

そういえば子供の頃、名前が『ヒーロー』って読めるからってヒーローごっこでヒーロー役やらされたわね。

本当はヒロインとかお姫様とか、もっと可愛い役をやりたかったんだけど。

でも会ってから一週間も経ってない相手にこんなに褒められるなんて…

嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね。

 

「……ありがとう」

 

「えへへー」

 

私がお礼を言うと、マナは無邪気な笑顔を浮かべた。

何だかマナと仲良くなれたような気がする。

 

 

 

ーーー 食堂 ーーー

 

探索が終わった後は、二人で夕食の手伝いをしに行った。

今日の夕食は、館井君と越目君が食峰君と一緒に作る事になっていた。

しばらく机を拭いたりして待っていると、探索を終えた他の人達も戻ってきた。

夕食は、炊きたての五穀米に加えて、食峰君が作った魚のあんかけと筑前煮、館井君が作ったアサリのお吸い物、越目君が作ったおひたしの4品だった。

何だか、こういう状況も相まってか、美味しい料理を食べていると生きているんだって実感する。

夕食の後は、ミーティングを開いて探索の成果を報告し合った。

まあ予想はしていたけど、今回のミーティングでわかったのは、誰も脱出の手掛かりを見つけられなかったって事だけだった。

この日はミーティングを早めに切り上げて、各自自由に過ごす事になった。

結局2階が開放されたって事以外は特に脱出の手掛かりになる収穫を得られずに6日目を終えた。

 

 

 


 

 

 

『モノクマ&モノDJ劇場』

 

 

 

『うぷぷぷ、いやぁ〜最初のオシオキは我ながらアドレナリン100リットルだったよ。ビールがよく進みましたねブラザー!』

 

『ギャハハハ!!テメェら知ってっか?アルコールは医学的には毒だっていわれてるんだぜ?アルコールは体内でアセトアルデヒドっつー成分に分解されて、頭痛や吐き気を…』

 

『まあまあ、そう言わず一杯やりましょうよブラザー!』

 

『ハッハァ、お酌といやあ日本の古くからの文化だよなぁ!目下が目上を立てる!まさにサムライの国ってな!』

 

『ところでブラザー、次のコロシアイはいつ起こるんですかねぇ?』

 

『ギャハハ、そりゃあもうすぐにドミノ倒しみてぇにバッタバッタ死んでくだろ!希望絶望うまい棒ー!ってな!!んじゃあ二次会やる奴この指とーまれっと!!』

 

 

 

 

 


 

 

 

ーーー 生き残りメンバー ーーー

 

【超高校級の警察官】腐和(ふわ)緋色(ひいろ)

 

【超高校級の幸運】聲伽(こえとぎ)(まな)

 

【超高校級の獣医】小鳥遊(たかなし)(ゆい)

 

【超高校級の???】知崎(ちさき)(れん)

 

【超高校級の美食家】食峰(しょくほう)(みつる)

 

【超高校級のメイクアップアーティスト】越目(こすめ)粧太(しょうた)

 

【超高校級の聖母】聖蘭(せいらん)マリア

 

【超高校級の考古学者】古城(こじょう)いろは

 

【超高校級の魔術師】加賀(かが)久遠(くおん)

 

【超高校級の機械技師】目野(めの)美香子(みかこ)

 

【超高校級の大工】館井(たてい)建次郎(けんじろう)

 

【超高校級の音楽プロデューサー】秋山(あきやま)楽斗(がくと)

 

【超高校級のマフィア】ネロ・ヴィアラッテア

 

【超高校級の忍者】闇内(やみうち)(しのぶ)

 

残り14名

 

 

 

ーーー 死亡メンバー ーーー

 

【超高校級のバレーボール選手】玉越(たまこし)(つばさ)

 

【超高校級のボーカリスト】(ひびき)歌音(うたね)

 

以上2名

 

 

 

 

 

今更だけど推し教えて

  • 腐和緋色
  • 聲伽愛
  • 玉越翼
  • 小鳥遊由
  • 知崎蓮
  • 食峰満
  • 越目粧太
  • 聖蘭マリア
  • 古城いろは
  • 加賀久遠
  • 目野美香子
  • 館井建次郎
  • 秋山楽斗
  • 響歌音
  • ネロ・ヴィアラッテア
  • 闇内忍
  • リカ
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