ジャスティスダンガンロンパX4 強くてコロシアイ再履修 作:M.T.
7日目。
昨日探索して疲れたからか、今日は何だかよく眠れた気がする。
朝の支度を終えて趣味のミステリーを読んでいると、あのモノDJの喧しいアナウンスが鳴り響いた。
『ヘェイグッッモォォォニン!!ゴミクズ共ォォォ!!!朝の7時をお知らせするぜイェア!!!今日も張り切ってけェ!!!』
ホンット毎日毎日うるっさいわね。
ストレスったらありゃしない。
私は、アナウンスが鳴ってすぐに部屋を出て朝食の手伝いをしに食堂に行った。
ーーー 食堂 ーー
「おはよう」
「おはよう、腐和さん」
「おはようございます」
私が食堂に行くと、既に秋山君と聖蘭さんが来ていた。
二人は、既に食堂の掃除やテーブルセッティングを始めていた。
今日は食峰君、館井君、小鳥遊さん、越目君の4人が厨房で朝食を作っていた。
私も朝食の準備を手伝っていると、時間通りに闇内君とマナ、だいぶ遅刻して加賀君、古城さん、知崎君、目野さん、ネロの5人が来た。
あの5人は後で説教確定ね。
私が食べた和食セットは、白米と、食峰君が作った肉じゃがと卵焼きと胡麻豆腐、館井君が作ったカブの甘酢和えと油揚げの味噌汁の5品だった。
毎日美味しい食事を食べられるのは本当にありがたいわ。
朝食が終わった後は、遅れてきた5人に
私は、マナと一緒にまだ行っていなかった研究棟の探索をする事にした。
ーーー 研究棟 ーーー
研究棟に入ると、一昨日までは使えなかったエレベーターが使えるようになっていた。
エレベーターで2階に行くと、越目君、小鳥遊さん、加賀君の研究室が並んでいた。
私達は早速、越目君の研究室に行く事にした。
ーーー 【超高校級のメイクアップアーティスト】の研究室 ーーー
ここが越目君の研究室ね。
ドアには窓がついていて、窓にはメイク道具と小洒落たフォントの文字が書かれていた。
私がドアをノックすると、本人がドアを開けてくれた。
「ん?お二人揃ってどした?」
「今、開放されてる研究室を見て回ってるの。良ければ見学させてもらってもいいかしら?」
「おう!もちろん!二人とも可愛いから大歓迎だぜ!」
越目君は、ニカッと笑って快く私達に探索をさせてくれた。
越目君の研究室は、美容院のように鏡と椅子が並んでいて、メイク道具を陳列した棚が置いてあった。
すごい種類ね…彼はこれを全部使い分けてるのかしら?
越目君はというと、研究室に置いてあったマネキンを使ってメイクをしていた。
「越目くん今何しよったと?」
「見ての通り、メイクの研究だよ。今やってるのはプールメイクっつって、プールに長時間入ってても落ちねえメイクなんだ。ほら、プールが開放されたから皆プールに行くかもしれねえだろ?だから、プールに入れるメイクを教えてやろうと思ってさ。これはウォータープルーフタイプっつって、水で濡れても落ちにくいコスメなんだぜ?まずはこれでベースを仕込んで、アイシャドウは高密着のクリームで、眉毛はアイブロウコートで仕上げてっと。ほら、これだけでも格段に水に落ちにくくなるんだ。見てな」
そう言って越目君は、今メイクを施しているマネキンと、隣にあった普通のメイクを施されたマネキンに、シャンプー台のシャワーで水をかけた。
普通のメイクの方はすぐに水で流されて落ちたのに対して、越目君が今メイクをしていた方は全く崩れていなかった。
自分のメイク技術を自慢してくる越目君のドヤ顔が若干癇に障るけど…確かにこれは凄いわね。
隣のマナも、目を丸くして見入っている。
「おお〜!」
「凄い、メイクを工夫するとこんなに違うのね」
「だろだろ!?二人ももしプール入る時メイクしたかったらいつでもオレちゃんに声かけな。二人に似合うメイクを教えてやっからさ!」
「いや、よか。めんどうしゃそうだし」
「なっ……!?」
越目君がドヤ顔しながら言うとマナがバッサリと切り捨て、越目君が若干ショックを受ける。
何かマナが越目君に対して無自覚に毒を吐いてる気がするんだけど、気のせいかしら?
「あはは…私はお願いしようかしらね」
「腐和ちゃん!…っしゃあ!任せときな!腐和ちゃんをとびっきり可愛く仕上げてやっからよ!」
「ありがとう」
私がフォローを入れると、越目君は急に元気になった。
何かすごくわかりやすいわね…
私達は、越目君の研究室を後にし、隣にあった小鳥遊さんの研究室に行った。
ーーー 【超高校級の獣医】の研究室 ーーー
ここが小鳥遊さんの研究室ね。
研究室のドアは手術室のようになっていて、小鳥遊さんが中で研究をしているのかドアの上の『手術中』と書かれたランプが点灯している。
さらには研究室のドアには赤い十字架が書かれている。
いかにも医療系って感じね。
ドアをノックすると、すぐに本人がドアを開けてくれた。
小鳥遊さんは、ドアを少しだけ開けてドアの隙間からじーっとこっちを見ている。
「……ん」
「小鳥遊さん、今私達二人で研究室を見て回ってるんだけど、ちょっと研究室を見せてもらっても構わないかしら?」
「………ん」
私が頼むと、小鳥遊さんはマフラーを触りつつ、研究室のドアを開けてくれた。
どうやらお許しが出たみたいだ。
私達は、早速小鳥遊さんの研究室を見てみる事にした。
「お邪魔するわね」
小鳥遊さんの研究室は、手術室と診療室を兼ねた内装になっていた。
手前には、診療用のデスクとカルテや薬を置いておくための棚が置いてあった。
奥のスペースは手術室になっていて、手術用のベッドや最先端の医療器具、薬品が陳列された棚などが置かれていた。
手術スペースの棚には、治療用の薬や輸血パックなどが置かれている。
診療スペースの棚には、カルテや薬だけでなく、何やら獣医学に関する難しそうな本がズラリと並んでいた。
小鳥遊さんはというと、診療用のデスクで作業をしていた。
「小鳥遊さんは今何してるの?」
「ん」
“動物の診療をしています”
「診療?でもここには動物なんていないわよね?」
私が質問すると、小鳥遊さんは筆談で答えてくれた。
でもここには動物どころか虫の一匹もいない。
どうやら診療するのかしら?
「ん」
小鳥遊さんは、手元のパソコンにプログラミングコードを打ち込んだ。
するとブンッと音を立てて犬のホログラムが現れる。
さらにプログラミングをすると、手術用の医療器具がひとりでに動く。
最先端の技術の数々を目の当たりにしたマナは、目を丸くしていた。
「わっ!すごっ!越目くんの研究室ば軽う凌駕したわ!」
「ん」
“近年は医療にロボットやホログラムが使われる事も多いんです。難病を抱える患畜の数に対して腕のある獣医の数が圧倒的に足りませんから、治療が間に合わずに命を落とす動物はたくさんいます。そこで最先端の技術を使って、遠隔で同時に診療と治療をしているんです。例えば近年では、患畜のデータを収集してホログラムとして再現したものを診療し、遠隔で医療用ロボットを操作して手術を行うという手法がメジャーになっています”
「なるほどね。勉強になったわ。見学させてくれてありがとう」
「ん」
私がお礼を言うと、小鳥遊さんは小さく手を振ってくれた。
私達は小鳥遊さんの研究室を後にし、隣にあった加賀君の研究室に向かった。
ーーー 【超高校級の魔術師】の研究室 ーーー
ここが加賀君の研究室ね。
ドアは両端に松明が立てかけられていて、まるでダンジョンの入り口のようだ。
普通はこういう扉はドアノブを使って開けるタイプだと思うのだけれど、ドアには何故かドアノブが無かった。
私がドアをノックしようとすると、ドアの上につけられたスフィンクスの顔を模した像がいきなり話しかけてくる。
『この部屋に入りたければ我が問いに答えよ』
うわっ、ビックリした。
この像、喋るの!?
『朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足。この生き物は何か?』
えっ…?
これって有名なスフィンクスのなぞなぞよね?
「えっ、急に言われてもわからんよ!緋色ちゃん答えわかる?」
「ええ。答えは『人間』でしょ?」
『正解だ。通れ』
私が答えを言うと、スフィンクスの目が光り、ドアに魔法陣のような光の紋章が浮かび上がり、両側の松明に火が灯る。
するとその直後、ゴウンと音を立てながら扉が上にスライドした。
いや、そう開くの!?
私がドアの仕掛けに驚きつつも部屋に入ると、すぐに驚く事になった。
「わぁ……」
加賀君の部屋は、壁が無数の本が並んだ巨大な本棚になっていて、棚には本だけではなく実験器具や、見た事のない生物や鉱石の模型が並んでいた。
空中には巨大な地球儀が浮かんでいて、部屋の中央にある黒板は化学式でびっしりと埋め尽くされている。
加賀君はというと、空中に浮いた椅子に座って作業をしており、ホログラムのフクロウが飛び回って本や実験器具を加賀君の元へ届けていた。
その光景は、まるでファンタジーに出てくる魔術師の研究室そのものだった。
「む、君達か。研究室の探索をしに来たのか?」
「ええそうよ。加賀君は今何をしてるの?」
「見ての通り研究だ。何の研究かはまだ言えないがね」
何かすごい火花を散らしてるけど…邪魔はしない方が良さそうね。
それにしてもこの部屋、寒すぎない?
体感では多分10℃もないんじゃないかしら。
加賀君の周りには氷の柱や扇風機が置かれていて、見ているだけで凍えそう。
「寒っ…こんなに冷房かけて寒くないの?」
「研究中は頭をフルに動かすから熱が篭って仕方ないんだ。むしろこれくらい低い室温を保っていないと、高熱で倒れてしまうのだよ」
なるほどね。
何かコンピュータの熱暴走みたいね。
一方でマナはというと、目をキラキラ輝かせながら研究室の中を走り回っていた。
またその辺のものに勝手に触ったりしないでよ…?
「うわぁ、ホントファンタジー世界みたい!流石【超高校級の魔術師】ん研究室って感じやね!」
マナがキャイキャイはしゃぎながら言うと、加賀君は作業の手をピタっと止める。
加賀君の表情は、今までにないくらい曇っていた。
「俺の事は称号で呼ぶなと言ったはずだ。俺は魔法とか呪いとか、そういった類のものが大嫌いなんだ」
「あっ、ごめんちゃ!」
加賀君が怒ると、マナは慌てて謝った。
そういえば称号で呼ばないでほしいって言ってたけど…加賀君はどうしてそんなに魔法を嫌ってるのかしら?
これは何か深いわけがありそうね。
「ごめんなさい。次から気をつけるわ。お邪魔みたいだし、そろそろ失礼するわね」
私は、加賀君に謝ると、マナを連れてすぐに研究室を立ち去った。
ただでさえ研究で忙しいのに嫌な思いまでさせて、何だか申し訳ない事しちゃったわね。
そろそろ昼食を作りに行かなきゃだし、食堂に戻らないと。
ーーー 食堂 ーーー
食堂に行くと、既に秋山君と食峰君が昼食を作っていた。
食峰君は、額から汗を流しながら蕎麦を茹でていた。
「ごめんなさい、探索に夢中になっちゃって。ええと、まずは何からしたらいいかしら?」
「おう、緋色!!んじゃあ薬味用意しといてくんねえか?」
「わかったわ」
私は、食峰君の指示通り大根をすりおろして、薬味となる生姜やミョウガを刻んだ。
しばらくすると小鳥遊さんと聖蘭さんが来てくれて、マナと一緒に昼食の準備をしてくれた。
いつも通り時間よりかなり早くに古城さんと知崎君が、少し早めに越目君と闇内君と館井君が、そして朝の説教が効いたのか他の三人も時間通りに来た。
今日の昼食はつけ蕎麦だった。
山菜多めの濃いスープが麺とよく合い、味玉もしっかり味が染み込んでいて美味しかった。
さて…と。
研究室の探索も終わった事だし、次は校舎の探索をしないとね。
ーーー 購買部 ーーー
私は、溜まったメダルを使って買い物がてらモノモノマシーンを引いた。
出てきたのは、フォーチュンクッキーだった。
うーん…お昼がっつり食べちゃったし、正直今はあんまりお腹空いてないのよね。
まだメダルが余ってる…よし、リベンジよ。
もう一回引いて出てきたのは、何やら古語で書かれた巻物だった。
うん、要らないわね。
まだメダルは余ってるけど、欲しいものは出てこなさそうだしもういいわ。
私は、景品のフォーチュンクッキーと巻物の扱いに困りつつ購買部を後にした。
ーーー 2ーA教室 ーーー
2ーAの教室に行くと、マナがいた。
マナは、何やら机や椅子やゴミ箱をゴソゴソと漁っていた。
怪しい…
何をしているのかしら?
まさかいかがわしい事じゃないでしょうね。
「ねえマナ、何してるの?」
「あっ、緋色ちゃん!あんな、うちな、メダルば探しとったっちゃん!購買部んゲームで大負けしてしもうて…」
「なるほどね…」
この子、何かと散々な目に遭ってるわよね。
そうだ、マナならこのクッキー渡したら喜ぶんじゃないかしら?
「ねえマナ、渡したいものがあるんだけど、いいかしら?」
「えっウチに!?なになに!?」
私は、モノモノマシーンで手に入れたフォーチュンクッキーをマナにプレゼントした。
するとマナは、目を輝かせる。
「えっ、クッキー!?うちに!?」
「ええ。私はあまりお腹空いてないしね。良かったら食べて?」
「わーい!ありがとう緋色ちゃん!」
良かった、喜んでくれたみたいだ。
私は、自由時間をマナと過ごす事にした。
A組の教室で、向かい合わせに座って一緒に話をした。
「マナはここにくる前どんな人生を送っていたのかしら?」
「別にそげん大した事なかばい!うちは父ちゃん、母ちゃん、じぃちゃん、ばぁちゃんの5人家族で、福岡ん実家で普通に暮らしとったっちゃん。三代続く博多っ子ばい!」
「へえ。そうだったのね」
絵に描いたような幸せな家庭ね。
私は母さんを失って父さんも逮捕されてしまってもう家族と言える人はいないから、何だか羨ましいわ。
「ばってんこん体質のしぇいで周りに迷惑ばかけてしまう事が多うって…」
「迷惑?」
「あれ?言うとらんかったっけ?うちはついとー事が起こると必ずついとらん事が起こる体質なんやけどね、たまにうちが起こした不運に他ん人が巻き込まれちゃう事があるったい。うちの父ちゃん建設業やっとーっちゃけど、うちん不運のしぇいでなかなかお金稼げんで、家にあんまりお金がなかっちゃんね。本当はこげな事あんまりゆわん方がよかっちゃけど…」
マナは、恥ずかしそうに自分の素性を語った。
何か未来ヶ峰に来てからずっとハイテンションだったからもしかしてとは思ってたけど、育ちはあまり裕福ではなかったのね。
「そのしぇいで周りから気味悪がられて、学校にもあんまり馴染めんやったっちゃんね。うちだって好きで不運ば起こしとーわけやなかとに、まるで疫病神んごと扱われて学校ではいつもひとりぼっちで… 別にいじめってわけやなかやけど、誰も友達になってくれんで…やけん緋色ちゃんはうちん初めてん友達たい」
疫病神、か。
マナもマナでここに来るまでは苦労していたのね。
私も極道の娘だからかクラスメイトに避けられて、父さんが逮捕されてからは警察官になる為の訓練に必死で、青春とは程遠い日常を送ってきたから、ここに来るまでは友達が一人もいなかった。
最低限の人付き合いをする努力はしてきたけど、あまり最近の流行には詳しくないから女子の話にはついていけないし、男子は何故かやたらと私を避けてくるし、本当の意味で同年代の子と仲良くなった事は一度もなかった。
初めての友達なのはお互い様ね。
「やけん、うちは緋色ちゃんとここで会えてほんなこつ良かったっちゃ思うとーっちゃん!スカウトが無かったら未来ヶ峰に来る事もできんやったけん、スカウトはきっと今までの不運分んウルトララッキーやね!」
マナは、ニコッと満面の笑みを浮かべながら言った。
か、可愛い…
って、私は何を考えてたのよ。
私にそっちの趣味はないわよ。
…………多分。
「マナは幸運と不運を交互に繰り返す体質なのよね?具体的にはどういった経験をしてきたの?」
「んー… 小しゃか事やったら、福引で海外旅行んチケットが当たったて思うたら無うしてしもうたり、通販ん抽選で高級生牡蠣が当たったら違う意味でも当たってしもうたりとかかな。逆に不運がきっかけで幸運が起こった事やったら、中学ん入試ん時、足ば悪うしたおばあちゃん助けとって入試ば受けられんやったっちゃけど、そん助けたおばあちゃんが実は第一志望ん学校ん偉かしぇんしぇーで、助けたお礼に入試ば受けしゃしぇてもろうたっちゃんね」
なるほどね。
見事に幸運を不運で、不運を幸運で打ち消しあってるわね。
全体でみたらうまい事バランスが取れて運の収支はゼロだけど、そこまで短期間で幸運と不運を繰り返していると生きてるだけで疲れそうだわ。
本来【超高校級の幸運】は毎年平均的な高校生の中から抽選で一人選ばれる制度だ。
だから殆どの【超高校級の幸運】は本当にたまたまくじで選ばれた普通の高校生なのだけれど、ごく稀に、選ばれるべくして選ばれる、本物の『幸運』がいるという話を聞いた事がある。
彼女も本物の幸運の才能を持つイレギュラーだったってわけね。
「あれ?そういえば今の話聞いて気になったんだけど…あなた、中学受験してたの?」
「うん。地元の国立中学ば受けたよ」
意外だったわ。
今までの言動からしてあまり勉強が好きそうに思えなかったから、エリート校に通っていたとは思わなかったわ。
「何でまた…」
「学食がおいしそうやったけん!」
「…………」
うん、そんな事だろうと思ったわ。
聞いて損したわね。
「え、何その目!普通志望校って学食で選ばん?」
「…………」
どんだけ食べる事に貪欲なのよ…
まあ欲望に忠実に生きるのは悪い事とは言わないけど。
「えへへ、うちばっかりいっぱい喋っちゃった。話聞いてくれてありがとね!」
「そちらこそ、色々と話してくれてありがとう」
マナと面と向かって話すのは楽しかった。
たまにはこういうのも悪くないわね。
マナと仲良くなれたみたい。
《聲伽愛との好感度が1アップしました》
ーーー 図書室 ーーー
マナと話をした後は、息抜きをしに図書室を訪れた。
図書室の読書スペースを見てみると、古城さんが大量の本を読んでいた。
「古城さん、何をしているの?」
「むっ、腐和か!見ての通りじゃ!古文書を読んでおるのじゃ!」
「古文書?古文書ならあなたの研究室にあったでしょう?」
「ここには研究室に無い古文書も置いてあるからのぉ!本を借りて持って帰るのも重くてめんどくさいし、ここで気になった古文書を読んでおるのじゃ!!」
なるほどね…
流石は学者の才能持ちってだけあって、案外勉強熱心なのね。
そうだ、さっき手に入れた巻物、古城さんなら喜ぶんじゃないかしら?
「古城さん。渡したいものがあるのだけど、いいかしら?」
「むっ!?ワシに貢物とな!?いい心がけじゃな!苦しゅうない!」
私は、モノモノマシーンで手に入れた巻物を古城さんにプレゼントした。
すると古城さんは、凄い勢いで食いついてきた。
「えっ、う、ウヌ!!これをどこで手に入れたのじゃ!?」
「えっと…モノモノマシーンで」
「なぬぅ!?あのガラクタ、こんなお宝が入っておったのか!?ワシが遊んだ時は納豆やらいかがわしい本やら、要らぬものしか出てこなかったのにか!?」
うーん、それはお互い様じゃないかしら。
私だって今のところ欲しい景品を引けた事はなかったし。
「その巻物、そんなにすごいものなの?」
「これは飛鳥時代にとある豪族によって書かれた日本で最古の日記なのじゃ!!こんなお宝があったとはのぅ…ガハハハ!!お主、気に入ったぞい!」
どうやら喜んでくれたみたいだ。
私は、自由時間を古城さんと過ごす事にした。
図書室の談話スペースで、向かい合わせに座って一緒に話をした。
「古城さんはどうして考古学者になったの?」
「ガハハハ!!ワシはな、17年前、とある考古学者の一人娘として生まれたのじゃ!!ワシを産んだ父と母曰く、ワシの産声はまるで勇敢に戦場へ赴く武士の鬨の声だったそうじゃ!!」
えっ、そっから?
何というか、すごい唯我独尊っぷりね…
「ワシの父は何十人もの助手を抱える偉大な考古学者じゃった。ワシの母も父の助手の一人じゃった。両親共に考古学者の家に生まれたワシは、必然的に伝記や古文書を絵本代わりに読んで育った。父と母がワシの幼き日に、考古学を極めていつかこの世界の謎を全て解き明かす事が悲願だと語っていたのを、今でもよく覚えておるわい。じゃが、もう父も母もこの世にはおらぬ」
「いないって…」
「…殺されたのじゃ。金に目が眩んだ莫迦な裏切り者によってな。ワシの父は、それまでの歴史の常識を覆すような偉大な発見をしたのじゃ。じゃがその発見が莫大な金になるとわかると、父の助手の一人が手柄を奪う為に父を交通事故に見せかけて殺したんじゃ。ワシの生誕祭の貢物を買いに行くのだと張り切っておった矢先じゃった。即死じゃった。ワシは、尊敬していた父の最期を看取る事もできなかった。じゃが、悲劇はそこで終わらなかったのじゃ」
「えっ?」
「父の手柄を奪った莫迦は偉大な功績を残したとして、著名な学会にスカウトされてのぉ。その影響で、無神経なマスコミがワシの家にまで上がり込んでズカズカと無遠慮に取材をしてきたのじゃ。ただでさえ父が亡くなって憔悴しておった母は、心無いマスコミの質問の数々に心を病んで、ついには自ら命を絶ってしもうた」
「そうだったのね…」
自分の過去を語る古城さんは、怒りと悲しみが入り混じった表情をしていた。
私も身勝手な連中の馬鹿な行いのせいで母さんを失ったから、一人の馬鹿のせいで両親を失った古城さんの気持ちは痛いほどわかる。
彼女の異常なまでのマスコミ嫌いは、マスコミがお母さんを死に追いやったからだったのね。
「ワシはその日から、ワシの父と母を殺しておきながら私腹を肥やしている屑を歴史学会から追い出してやると決めたのじゃ。いくら告発文を書いて発表したところで、小娘の告発など誰も本気にはしないじゃろう。じゃからワシは、彼奴には到底解き明かせぬような歴史の謎を解明し、世界中の良識ある歴史学者を味方につけてあの莫迦を社会的にボコボコにしてやる事にしたんじゃ。普通に研究の成果を発表しても、父のように手柄を横取りされたりマスコミに嗅ぎ回られたりするから、少々手荒な方法になってしまったがの」
古城さんは、頭を掻きながら言った。
あまりの豪快なスタンスだったものだから、出会った当初は神出鬼没で唯我独尊な人物像を思い描いていたけれど、あの豪快なやり方は彼女なりのSOSだったんだ。
きちんと良識と知識を持ち合わせた学者に自分の助けを求める声が届くように、一人でも多くの真っ当な学者に自分の研究を活かしてもらえるように、あえて豪快なやり方でアピールをしていたのね。
でもそうだとすると、彼女が考古学者になった動機は復讐だったって事…?
「あの…」
「おっと、勘違いするでない。あくまで、世界中の民に正しい歴史を知ってもらいたいというのがワシの最大の行動原理だという事には変わりは無い。その為にワシは、日々研究をしておるのじゃ」
どうやら、私は彼女を誤解していたようね。
古城さんは、私が思っているよりずっとストイックな人だったのね。
「なるほどね…話してくれてありがとう。ところで今はどんな研究をしているの?」
「うむ!実は最近になって、マヤ文明が栄えていたメキシコ南部で興味深い遺物が見つかってのぉ!いつ作られたのか、それが使われていた時代背景などを事細かに調べておるところなのじゃ!」
「そうなのね。何かいい発見があるといいわね。応援してるわ」
「う、うむ…苦しゅうない」
苦しゅうないって…
やっぱりこの子、意外と照れ屋なのかしら?
でも古城さんと仲良くなれたみたい。
《古城いろはとの好感度が1アップしました》
古城さんと交流を深めた後、図書室内を探索した。
図書室をくまなく探していたら、けっこうメダルが集まった。
コツコツメダル集めをしていると、ちょうど食堂に向かうのにちょうどいい時間になった。
手伝いもあるし、そろそろ行った方が良さそうね。
ーーー 食堂 ーーー
食堂に向かうと、小鳥遊さん、秋山君、聖蘭さんが食堂の掃除をしていた。
厨房では、マナと闇内君が食峰君と一緒に夕食を作っていた。
この日の夕食は、玄米の他に食峰君が作った煮込みハンバーグとジャーマンポテト、抹茶のムース、闇内君が作った豚汁、マナが作った変な青いソースがかかったよくわからないサラダの5品だった。
まあ美味しかったんだけど、食べるのに勇気がいるから変な見た目のものは出来るだけ作らないでほしいわね。
結局、この日も特にこれといった収穫を得られないまま一日を終えた。
『モノクマ&モノDJ劇場』
『先生先生』
『んん!?ヘェイどうしたモノクマボーイ!』
『ボク、最近自分が嫌になってきたんです。勉強は出来すぎるし、運動も出来すぎるし、イケメンすぎるし、カリスマ性に満ち溢れてるし、モテすぎだし…ボクは一体どうしたらいいんでしょうか?』
『バッキャローーーー!!』
『へぶっ!?い、いきなり何をするんですか先生!』
『いいか!?テメェのモテ具合は、オレ様に比べればミジンコみてぇなもんだぜ!?スペインのカルロス一世はこう言った!『プルス・ウルトラ』!オレ様みてぇなカリスママスコットを目指してガンガンエクストリームしていけYEAH!!』
『先生…!わかりました!ボク、先生みたいなカリスママスコットを目指して頑張るクマ!』
『こうしてシャイボーイなモノクマ少年は、一皮向けて新たな一歩を踏み出しましたとさ!いやぁー、一皮剥けねえとカスが溜まってつれーのなんのって。オレ様からのライブは以上だ!スィーユー!』
ーーー 生き残りメンバー ーーー
【超高校級の警察官】
【超高校級の幸運】
【超高校級の獣医】
【超高校級の???】
【超高校級の美食家】
【超高校級のメイクアップアーティスト】
【超高校級の聖母】
【超高校級の考古学者】
【超高校級の魔術師】
【超高校級の機械技師】
【超高校級の大工】
【超高校級の音楽プロデューサー】
【超高校級のマフィア】ネロ・ヴィアラッテア
【超高校級の忍者】
残り14名
ーーー 死亡メンバー ーーー
【超高校級のバレーボール選手】
【超高校級のボーカリスト】
以上2名
おまけ
それぞれの前の高校の部活
秋山…軽音楽部
加賀…帰宅部
聲伽…野球部(マネージャー)
古城…読書部
越目…サッカー部
食峰…空手部
聖蘭…コーラス部
小鳥遊…生物部
館井…柔道部
玉越…バレー部
知崎…不明
ネロ…帰宅部
響…軽音楽部
腐和…帰宅部
目野…鉄道研究部
闇内…水泳部
ちなみに聲伽の入部動機は遠征の時に出てくる食事が美味しそうだったから、闇内の入部動機は女子の水着が見られるからというものです。
加賀君、ネロさん、腐和ちゃんの三人は自分の本業熱心すぎて部活動は一切やっていません。
今更だけど推し教えて
-
腐和緋色
-
聲伽愛
-
玉越翼
-
小鳥遊由
-
知崎蓮
-
食峰満
-
越目粧太
-
聖蘭マリア
-
古城いろは
-
加賀久遠
-
目野美香子
-
館井建次郎
-
秋山楽斗
-
響歌音
-
ネロ・ヴィアラッテア
-
闇内忍
-
リカ