ジャスティスダンガンロンパX4 強くてコロシアイ再履修 作:M.T.
九日目。
いつも通りの時間に起きて朝の支度を終えると、あのモノDJの喧しいアナウンスが鳴り響いた。
『ヘェイグッッモォォォニン!!ゴミクズ共ォォォ!!!朝の7時をお知らせするぜイェア!!!今日も張り切ってけェ!!!』
毎朝毎朝、ホント何なんだろう。
いくら考えても仕方ない、食堂に行こう。
ーーー 食堂 ーー
「おはよう」
「おはよう、腐和さん」
「おはようございます」
食堂に行くと、秋山君と聖蘭さんが来ていた。
二人は、既に食堂の掃除やテーブルセッティングを始めていた。
今日は食峰君、館井君、マナ、小鳥遊さんの四人で朝食を作っていた。
私も朝食の準備を手伝っていると、少し早めに越目君と闇内君、そしてほぼ時間通りにいつもの5人が来た。
「よし。今日も全員無事に揃ったね。それじゃあご飯にしようか」
「ん」
全員が無事揃ったので、私達は朝食を食べ始めた。
私が選んだ和食セットは、白米、鮎の塩焼き、シジミの味噌汁、ツクシの卵とじ、もずく酢、たくあんというメニューだった。
ホント毎食毎食栄養満点で飽きないメニューを考えてくれる食峰君は尊敬するわ。
朝食が終わると、マナが手を挙げて提案した。
「ねえねえ!うちから提案があるっちゃけど!」
「提案?」
私が尋ねると、マナはキリッとした表情を浮かべながら提案する。
「これから皆でプールに行きませんか!」
マナが提案すると、私は思わず目を点にした。
確かにプールが開放されてはいたけど…
急すぎてビックリしたわ。
「あ、いい!せっかくプールが開放されたんだしな!」
「おう!!いいんじゃねえか!?」
「わーい!何か楽しそうだねぇ!ボク楽しいの大好きー!」
「ぐへへへへ…女子の水着が見られるチャンスでござる」
真っ先に賛成したのは、越目君、食峰君、知崎君、闇内君だった。
……闇内君、今あんた何て言った?
「闇内君は置いとくとして、いいんじゃない?皆の親睦を深められるチャンスだし」
「そうね、秋山君の言う事も一理あるわ」
「そうですわね」
「うむ!!」
「私の機械ちゃんを皆さんに見ていただくチャンスでもありますね!いいでしょう!!」
秋山君が賛成したので、私、聖蘭さん、古城さん、目野さんの4人も賛成した。
他の4人は…
「俺は研究に専念したいんだが…まあいいだろう。別にプールでもできるからな」
「あー、行くよ。行かなきゃ疑われるしな」
加賀君とネロも来てくれるみたいだ。
ネロはすっごい不服そうだけど。
後の二人は…
「………俺は泳ぐのが苦手なんだが」
「ん」
二人とも、気乗りはしていなかったけど来てはくれるみたいだ。
その後も、プール大会の話し合いは続いた。
「プールの後の食事はどうすっか?せっかくだし豪華にしたくね?」
「はーい、皆でタコパでもするんはどうですか!」
「賛成ー!ボクタコ焼き大好きー!」
「デザートにスイーツビュッフェとかはどうかな?」
「おお、いい!!っしゃ、タコパにスイーツビュッフェな!」
マナと秋山君の提案で、プール大会の後はタコパとスイーツビュッフェをやる事になった。
何かいいわね、こういうの。
11時にプールに集合という事で、とりあえずは解散となった。
さて、と。
私も水着とか色々用意しないと。
ーーー 倉庫 ーーー
私はまず、水着を調達しに倉庫に行った。
倉庫には、スクール水着やビキニ、ウェットスーツなど色んな種類の水着が置いてあった。
もう色々と隠せなさそうなマイクロビキニまで置いてある。
あいつら、いちいち下ネタ挟んでくるのいい加減にしてほしいわ。
ーーー 購買部 ーーー
探索でメダルが貯まったので、とりあえず買い物をしに行く事にした。
プールに持って行くものを買い込んで、まだメダルが余っていたのでモノモノマシーンを引いてみた。
出てきたのは、猫のぬいぐるみだった。
これは正直ちょっと欲しい…
珍しく欲しい景品が手に入ったので、私はホクホク顔で購買部を後にし、着替える前にプールの下見をしに向かった。
ーーー 更衣室前ホール ーーー
更衣室前ホールには、ビート板や浮き輪、ロープ、自販機などが置いてあった。
更衣室に入る為の扉がある。
ビート板と浮き輪の裏にメダルがあったので、一応回収しておいた。
ここで調べられるのはこれくらいかしらね。
早速プールの下見をしに行こう。
ーーー プール ーーー
入ってすぐ目に飛び込んできたのは、堂々と設置された50mプールだった。
プール自体は普通の学校によくあるタイプで、プールがコースロープで仕切られている。
上を見上げてみると、青と黄色の三角の旗が掛けられていて、さらにその上にはガラス窓が見えた。
どうやらあそこがマナの言っていた管理室のようね。
一応調べておきましょう。
ーーー 管理室 ーーー
プールの管理室には、プールの水位や水温を管理する為の機械が並んでいた。
私が管理室に入ると、先客がいた。
小鳥遊さんは、管理室の機械をまじまじと見つめながら何かを考えている。
「小鳥遊さん、何をしてるの?」
「ん」
“この機械に何か仕掛けが無いか調べています。フィクションだとこういう所に手掛かりが隠されている事もあるので”
なるほどね…
小鳥遊さん、案外ミステリーとか好きな人だったのか。
私が納得していると、小鳥遊さんは私に歩み寄ってきてじっと見つめてきた。
「えっ、何?」
「ん……」
何故小鳥遊さんが急に私に詰め寄ってじっと見てきたのか、その答えは彼女の視線を辿ると簡単に理解できた。
小鳥遊さんの視線の先には、先程モノモノマシーンで手に入れたぬいぐるみがあった。
「あっ、もしかして小鳥遊さん、ぬいぐるみ好きなの?」
「ん」
私が尋ねると、小鳥遊さんが頷く。
うーん、どうしようかしらね。
正直これはちょっと欲しかったんだけど…
でもこれをきっかけに小鳥遊さんと仲良くなれるかもしれないし、プレゼントしてみようかしら。
「良かったらこれあげましょうか?」
「………え?」
「ほら、小鳥遊さんは動物が好きでしょ?だったら小鳥遊さんが持っていた方が、このぬいぐるみも喜ぶと思うの」
「………ん」
私は、猫のぬいぐるみを小鳥遊さんにプレゼントする事にした。
どうやら小鳥遊さんはとても喜んでくれたみたいだ。
私は、自由時間を小鳥遊さんと過ごす事にした。
プールの端のベンチで、二人で横並びに腰掛けて一緒に話をした。
「小鳥遊さんはどうして獣医になったの?」
「ん…」
私が尋ねると、小鳥遊さんは手帳のメモ機能を使って筆談で話をしてくれた。
“私を助けてくれた飼い猫に恩返しをする為です”
「飼い猫に恩返し…?どういう事?」
“私、小学校の頃、いじめられていたんです。家が周りより裕福だったのと、私自身が口下手だったので、入学してすぐにいじめのターゲットにされました。先生も味方になってくれなくて、お父さんとお母さんも毎日総合病院で激務をこなしているので個人的な話は滅多にできなくて、私はずっとひとりぼっちでした。寂しさを紛らわせる為に一人で公園に行って、鳩や虫に話し相手になってもらっていたんです”
小鳥遊さんにそんな過去が…
玉越さんが確か過去に何かあって喋れなくなったって言ってたけど、もしかしていじめが原因だったのかしら?
“ある真冬の日、私が普段通り公園に行ったら、道端に子猫が捨てられていたんです。寒くて震えている彼女を黙って見過ごす事はできなくて、家に連れて帰りました。そしたら、彼女はとても懐いてくれて…何かの運命を感じた私は、その子を飼う事にしたんです。彼女は、ココアは、いじめでつらい思いをしている私の話し相手になってくれました”
「そうだったのね」
“でもココアは、友達になってすぐに重い病気にかかってしまったんです。当時まだ治療法が確立されていない病気でした。私は彼女を助ける為に手を尽くしましたが、駄目でした。私はこの時、思い知りました。知識と技術が無ければ、誰かを助ける事もできないんだって。だから私は、亡くなったココアの為にも獣医になって一匹でも多くの動物を救う事にしたんです”
なるほどね…
亡くなってしまったココアちゃんの分まで多くの動物の命を救う事で、いじめられていた時に味方になってくれたココアちゃんに恩返しをしようとしたのね。
私から言わせてもらえば、ココアちゃんは小鳥遊さんに拾ってもらっただけでも十分すぎるくらい与えられたと思ってたんじゃないかしら。
小鳥遊さんはとても優しいのね。
「なるほどね。話してくれてありがとう。そういえば玉越さんとはクラスメイトだったそうだけれど、どういう経緯で仲良くなったの?」
“私、小学校の頃のいじめがトラウマで、中学校でもクラスメイトとうまく馴染めなかったんです。でもそんな時、玉越さんが私に話しかけてくれて、会話ができない私にもとても親身に接してくれたんです。玉越さんがいなければ、私はきっとここで皆さんとも仲良くなれなかったと思います”
そうだったのか…
小鳥遊さんにとっては、玉越さんが心の支えだったのね。
道理で初めて二人と会った時、仲が良さそうだと思ったわ。
ここで初めて小鳥遊さんと仲良くなった私とは違って、玉越さんは中学生の頃からずっと小鳥遊さんの親友だったんだ。
親友の玉越さんを失って一番辛かったのは、間違いなく小鳥遊さんだったでしょうね。
「……そうなのね。ちなみに、小鳥遊さんはどんな動物が好きなのかしら?」
“そうですね。強いて言うなら猫とうさぎが好きです。小学生の頃は、学校で飼っていたうさぎの世話をしていたので”
猫とうさぎ…
小鳥遊さんは猫派だったか。
私、犬派なのよね。
まあ猫も可愛いから好きだけど。
「ありがとう。一緒にお話できて楽しかったわ」
「ん」
私がお礼を言うと、小鳥遊さんはペコリと頭を下げた。
小鳥遊さんと仲良くなれたみたい。
《小鳥遊由との好感度が1アップしました》
ーーー 女子更衣室 ーーー
小鳥遊さんと親睦を深めていたらちょうどいい時間になったので、二人で一緒に更衣室に向かった。
二人で水着に着替えていると、他の女子も更衣室に入ってきた。
皆で着替えている時、マナがニヤニヤしながらものすごく私の身体を触ってきた。
「えへへへへ、やっぱり腐和ちゃんはスタイル良かね」
マナが着ていた水着は、シンプルなスクール水着だった。
ものっすごいニヤニヤしてるわね…
「ッパァァァァ!!!ワクワクしますねぇ!!」
更衣室ではしゃいでいる目野さんは露出度の高いビキニを着ていて、抜群のスタイルを惜しみなく晒していた。
もっとも、ヘルメットとメカをフル装備しているけど。
「ガハハハハハ!!!ワシの美貌に酔いしれるがいいわ!!」
浮き輪を持ってはしゃいでいる古城さんは、ミニスカビキニを着ていた。
ゴーグルまでつけて、完全に楽しむ気満々だ。
「私、級友の皆様とこういった経験をする事は初めてですので…楽しみですわ」
聖蘭さんは、ボレロとパレオを上品に着こなしている。
こうしてみると、すごいスタイル良いわね…
「ん」
小鳥遊さんは、ウェットスーツを着ていた。
多分、女性陣の中では一番露出度が低いんじゃないかしら。
そして一番気になるのは、これからプールに入るというのに何故かマフラーを外していなかった事だ。
え?私?
別に普通のスパッツタイプの競泳用水着だけど…
って、皆もう先に行っちゃってるわね。
私も行こうかしら。
私は、軽くシャワーを浴びてからプールに向かった。
ーーー プール ーーー
「やあ、皆お揃いで」
私達がプールに行くと、既に男子達が着替えて待機していた。
ラッシュガードとスパッツタイプの水着を身につけた秋山君が、爽やかな笑顔を浮かべながら話しかけてくる。
意外と引き締まった身体してるし、イケメンね…
「おう!!遅かったなお前ら!!」
それに続けて、燃えるような赤色のブーメランパンツを穿いた食峰君も声をかけてきた。
普段から半袖のシャツを着ているから筋肉質な体型なのはわかっていたけど、改めて見るとすごく鍛えられた身体をしている。
「いよっ、待ってましたー!」
学校指定の海パンを穿いた知崎君が、上機嫌で駆け寄ってくる。
肌も白いし、本当に女の子みたいに華奢ね。
「えっ、待って、皆メッチャ可愛くない!?ヤバっ!」
アロハシャツとルーズタイプの水着を着た越目君は、こちらを見て見るからに挙動不審になっている。
流石、運動部に入っていただけあってけっこう良い体してるわね。
普段の振る舞いが台無しにしてるけど、割とイケメンだし。
「ぐへへへへ…女子の水着をこのカメラに収める時でござるよ」
普段の頭巾とふんどしを身につけた闇内君が、こちらにカメラを向けている。
うん、変態には制裁が必要ね。
私は、すかさず変態を蹴り飛ばしてプールの中に突き落とした。
「ふんっ」
「がぼごぉ!?」
私がプールに突き落としてやると、変態はス●キヨのように水に突っ込んでいった。
ふん、いい気味だわ。
「全く、何で俺がガキの遊びに付き合わなきゃならねえんだかなぁ…」
パーカーとルーズタイプの水着を身につけたネロは、プールに落ちた闇内君を見て呆れ返っていた。
まるでマスコットのような、世界的に見ても最強クラスのマフィアとは思えないほど可愛らしい見た目をしていた。
「帰りたい……」
ルーズタイプの水着を穿いた館井君は、プールの隅で体育座りをしてネガティブ発言をしていた。
改めて見ると、すごい鍛え上げられていて筋骨隆々な体格をしている。
「ここはもう少し射出速度を落として、角度の制御を…」
ウェットスーツを着た加賀君は、プールサイドチェアに座って本を読みながらブツブツと独り言を言っていた。
普段部屋に引きこもって研究漬けなのに、意外とガタイ良いわね。
っていうか、彼は確か暑がりじゃなかったかしら?
あんな格好してて大丈夫なの?
あ、同じ事を思ったのか、早速マナが話しかけに行った。
「加賀くん、キミ暑がりのくせになしてそげん格好しとーと?」
「俺は敏感肌なんだ」
いや…屋内プールなら敏感肌関係なくない?
まあいいけど。
「じゃあ全員揃った事だし!!泳ぐか!!」
食峰君の発言を皮切りに、皆が一斉にプールに入った。
私達女子は、ビーチボールでキャッチボールをした。
「それー!」
「喰らえい!!百花繚乱弾!!」
「え、えっと…えい!」
「行きますよ!アームストロング砲スパイク!!」
「はい」
「ん」
マナ、古城さん、聖蘭さん、目野さん、私、小鳥遊さんの順にボールを回していった。
古城さんと目野さんは、何やら技名をつけて思いっきりボールを打っていた。
特に目野さんが背中に背負った機械からアームを伸ばしてスパイクを打ってきたのには、ちょっとビックリした。
私達がビーチボールで遊んでいる間、男子も男子で誰が100mを一番速く泳げるか競争していたようだ。
「おい加賀テメーーー!!ずりーだろそれは!!」
「自由形だと聞いているが?」
「意味が違ェんだよ!!」
越目君が何やら騒いでいたので見てみると、加賀君が足元から冷気を噴射して水面を凍らせ爆速で氷の上を滑っていた。
ぶっちぎりの一位でゴールした加賀君は、全く悪びれずに平然としていた。
ちなみに水泳対決は、
1位 加賀君
2位 闇内君
3位 秋山君
4位 越目君
5位 知崎君
6位 食峰君
という結果に終わったらしい。
ちなみに食峰君は、折り返しコースだと知らなかったそうだ。
館井君はというと始終プールには入らずに見張りをしていて、ネロもプールサイドチェアに寝転がって本を読んでいた。
館井君が一人で見張りをしていると、小鳥遊さんが館井君に歩み寄ってお茶のペットボトルを渡した。
「ん」
「む、すまんな」
「ん」
小鳥遊さんが館井君にお茶を渡すと、館井君は照れ臭そうにお茶を受け取った。
小鳥遊さんは、ちょこんと館井君の隣に座り込んで手遊びをしていた。
何だかあの二人はいい感じね。
ーーー 食堂 ーーー
プール大会の後は、皆でタコパとスイーツビュッフェを開いた。
知崎君の提案で、まずはタコ焼きロシアンルーレットをやる事になった。
皆がそれぞれ具材を持ち寄って、目を瞑りながら具を入れて、丸めてシャッフルする。
焼き上がったものを、食峰君、小鳥遊さん、秋山君が持ってきてくれた。
「それじゃあ皆好きなの取ってけ!!恨みっこナシだからな!?」
私は、タコ焼きを一個選んで思い切って口に入れた。
…ん、これは明太子ね。
って事は…
「ねえ、私明太子だったんだけど、これ入れたのマナでしょ?」
「あたり!うちが引いたやつはコンニャクやったばい!」
「あ、それ入れたの私」
「ホント!?」
マナと私は、お互い相手の具材を引いたみたいだ。
隣にいた小鳥遊さんは、目を瞑って小さく震えていた。
「……ん」
「小鳥遊さんは何だった?」
“梅干しでした”
梅干しか…多分入れたのは闇内君あたりでしょうね。
それにしても酸っぱがってる顔可愛いわね。
他の皆は…
「わーい、ボクイチゴだー!」
「うん、美味しい。これはチーズかな」
「おっ、エビだ!!よっしゃあ!!」
「チョコレートでしたわ。美味しいですわね」
「む!ワシのはイカじゃあ!」
「ハッハァ!!トマトでした!意外とアリですねぇ!」
「むっ、これはカニカマか?」
「タコか。…チッ、つまんねえな」
「…………餅だ」
知崎君がイチゴ、秋山君がチーズ、食峰君がエビ、聖蘭さんがチョコ、古城さんがイカ、目野さんがトマト、加賀君がカニカマ、ネロがタコ、館井君が餅を引いたみたいだ。
他の二人は…
「ぎゃああああああ!!!辛い、辛いでござる!!口が焼けるで候!!激辛ソースを入れたのは誰でござるかぁあああああ!!?」
「うげぇえええええ!!!何これ馬の小便みてぇな味すんだけど!?いや、味知らねえけど!!誰だよこの変な黒いの入れた奴!!」
あの二人は大はずれを引いたみたいね。
ご愁傷様。
「きゃははは!!ヤバ、粧太おにい超ウケる!!」
知崎君は、お腹を抱えて大笑いしていた。
多分越目君のやつを入れたのは知崎君でしょうね。
具材は…あの反応からして多分サルミアッキかしら。
タコ焼きロシアンルーレットはけっこう楽しかった。
その後は、皆で普通にタコ焼きを焼いて食べたり、スイーツビュッフェを楽しんだりした。
スイーツビュッフェは、フルーツポンチ、プチケーキ、チョコフォンデュ等の美味しそうなスイーツが並んでいた。
私は、スイーツビュッフェのチーズケーキを食べた。
…うん、美味しい。
パーティーが終わった後は、皆で後片付けをした。
後片付けが終わった後は、皆それぞれまったりしていた。
「いやー、楽しかった」
「ね」
「毎日こんな楽しい時間が続けばいいのにな」
越目君が椅子にもたれかかりながら言った、その時だった。
『うぷぷぷぷ、そうは問屋が卸さないよ!』
突然、奴の声が響いた。
そして派手な演出と共に、あの忌々しい二匹が現れた。
『ヘイグッイブニンゴミクズ共ォォオオ!!!どうやらテメェらコロシアイも忘れて毎日パーリー三昧らしいなァ!!ポウポウ!!』
「腐和さん、このお茶美味しいね」
「そうかしら?それはカンヤム茶っていってね、日本じゃあまり流通してないけどヨーロッパでは一般的な紅茶として飲まれているのよ」
『コラー!!無視すなーーー!!』
私と秋山君が二匹を無視してお茶の話をしていると、モノクマが怒鳴ってきた。
うるさいわね全く。
すると加賀君は、珍しくイライラした様子で机を指で叩きながらモノクマを急かした。
「くだらない事を言いに来たなら今すぐ消えろ」
『くだるよくだる!オマエラがあまりにもコロシアイをしないので、新たな動機をプレゼントしに来ました!』
「動機だと…!?」
何だろう、嫌な予感がする。
前回の動機よりももっと、人のセンシティブなところに踏み込んでくるような…そんな動機が来るような気がするわね。
『次の動機はズバリ!!テメェらの『過去』さ!!初代よろしくテメェらの過去を動機DVDにしてやったからありがたく思えよな!!』
「過去ぉ!?」
「えー、でもでもぉ!自分の過去なんて知ってどうすんの?知ってる?不思議〜!」
確かに、自分の過去を知ったところでコロシアイなんて起こらないわよね。
誰にも言わなきゃいいだけの話だもの。
『ん?オレ様は何もテメェらに自分の動機DVDを送るなんて一言も言ってねぇぞ!?』
「え?」
『そういやテメェら、さっきはタコ焼きロシアンルーレットなんてやってたなァ!!そういう遊びが好きなリスナーの為に!!今回の動機はロシアンルーレットの要素を付け加えてみたぜィエア!!』
「まさか……」
『勘のいい人ならもうわかるよね?今回は、オマエラの動機DVDをランダムに送ります!』
「な…!!」
やっぱり…!
こいつらは、皆の弱みを利用してコロシアイをさせる気なんだわ…!
『うっぷっぷ、誰が誰の動機DVDを見る事になるのか、ワクワクのドッキドキだね!皆、それぞれ自分の名前が書かれたケースを取って下さいな!このDVDは自室のテレビか視聴覚室で見られるから絶対見てね!ちなみに今日中に見ないとオシオキだから』
モノクマが言うと、モノDJがどこからかDVDの入った箱を取り出した。
箱の中には、きちんと人数分のDVDが入っていた。
私は、自分の分のDVDを取り、席に戻った。
他の皆も、自分のDVDを取っていく。
『よぉし全員取ったな!!絶対日付が変わる0時までに見ろよ!じゃねぇとオシオキだからな!!んじゃあスィーユーアゲイン!!』
そう言ってモノDJとモノクマは、その場から姿を消した。
すると越目君は、イラつきながら机を殴る。
「クソッ、あいつら…!」
さっきまでの楽しい空気が嘘のように、暗い空気が食堂に漂っていた。
私の隣の席の小鳥遊さんは、俯いて小刻みに震えていた。
「…………」
「小鳥遊さん、大丈夫?」
私が小鳥遊さんに話しかけると、小鳥遊さんはさらに俯く。
すると、ネロがテーブルの上に足を乗せながら言った。
「おい、テメェら。わかってるとは思うが、間違ってもDVDの内容を本人に教えに行ったりするなよ」
「えっ、何で!?」
「そいつが口封じの為に殺人を計画したらどうするつもりだ?」
「皆がそんな事するわけねぇだろ!むしろ、誰が誰の過去を知ってるのか分からなくて不安な方が良くねえんじゃねえのか!?」
ネロが言うと、越目君が立ち上がって言った。
すると、知崎君がため息をつきながら口を挟む。
「別にいいんじゃない?好きにすれば。でもまあそのせいで殺人が起きたら粧太おにいのせいだけどね!」
「なっ…テメェ…!」
「何だよ、本当の事言ってあげただけじゃーん!粧太おにいはそれで相手を怒らせてブッ殺されちゃっても別にいいんだよね?そのつもりで言ったんでしょ?ねえ知ってた?」
「知崎テメェ、もういっぺん言ってみろ!」
「きゃー、こわいなぁ粧太おにい!暴力はんたーい」
二人は、お互い睨み合って言い争いを始めた。
知崎君が越目君を煽り倒し、越目君が知崎君の挑発に乗っかって知崎君の胸ぐらを掴んで怒鳴り散らした。
これ以上は収拾がつかなくなりそうだったので、私が止めた。
「やめなさい、二人とも。そうやって私達が言い争いをするのが奴等の狙いなのよ」
私が言うと、越目君は大人しく席に座り、知崎君もつまらなさそうに席に座った。
するとその時、加賀君が席から立ち上がる。
「あっ、どこ行くの加賀君?」
「決まってるだろ。動機DVDを見に行くんだよ。見そびれてオシオキなんてごめんだからな。無闇に言いふらしたりはしないから安心しろ」
そう言って加賀君は、食堂を去っていった。
「クソッ、ホント空気読まねーよなアイツ!」
「うーん…でもまあ一理あるよね。俺達も早くDVDを確認しに行かないと」
秋山君がそう言うと、他の皆も自分の個室に戻ってDVDを確認しに行った。
さてと。私も確認しに行かないと。
ーーー 腐和緋色の個室 ーーー
私は、早速自分の分のDVDのケースを開けてみた。
中に入っていたのは、マナのDVDだった。
マナの過去…
どんな内容なのかしら?
まあ、コロシアイに発展するようなセンシティブな内容なのは間違いないでしょうけど…
私は、不安を抱きつつもテレビにDVDをセットして再生した。
〜〜〜【超高校級の幸運】聲伽愛サンの動機映像!〜〜〜
DVDを再生すると、赤い幕の上にポップな文字が浮かび上がる。
開演のブザーと共に幕が開き、映像が始まる。
どうやら病院のようだ。
病衣を着てベッドに横たわっていたマナは、笑顔で母親と思しき女性に話しかけていた。
『いやー、三途ん川見えたばい!まさか食中毒で死にかくるとは!しぇっかくんツアーがおじゃんになってしもた!』
『笑い事やなかやろ、ほんなこつあとちょっとでも処置が遅かったらって思うと…』
『えへへ…それより、うちテレビ見たか!』
『全く、あんたって子は…』
どうやらマナは、家族とのツアー中に食中毒で死にかけて救急搬送されたらしい。
マナが死にかけたにもかかわらず笑っていると、マナのお母さんが呆れ返る。
マナのお母さんは、呆れつつも病室のテレビをつけた。
『続いてのニュースです。〇〇県××市でのバスツアー中のバスが落石事故に巻き込まれ、運転手と乗客全員が死亡しました』
ニュースが流れると、マナの顔からはサァッと血の気が引く。
マナは、画面を見ながらポツリと呟いた。
『嘘やろ…これ、うちらが乗るはずやったバスやん…』
マナが見ていた画面には、血塗れになったバスが映っていた。
するとそこで赤い幕が降り、モノクマが現れる。
『食中毒で死にかけた聲伽サンですが、どうやらそのおかげで落石事故で死なずに済んだみたいですね!でもまさか幸運の力でバスの乗客全員を殺してしまうとは!いやー、聲伽サンの才能は末恐ろしいですねぇ!ではでは、学級裁判でお会いしましょう!』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
モノクマがそう言い残し、映像が終わった。
私は、テレビの電源を消すとベッドに腰掛けて深くため息をついた。
「何なのよ……」
私が呟いた直後、インターホンが鳴る。
何かと思って出てみると、扉の前にマナが立っていた。
どうやらマナは、さっきまで泣いていたようだ。
「緋色ちゃん…ちょっとよか?」
「?」
私は、とりあえずマナを部屋の中に入れて、ベッドの上に座らせた。
部屋にあった紅茶を淹れて出してあげると、マナはおずおずとマグカップを受け取って紅茶を飲んだ。
私は、何故マナがここに来たのか、その理由を確信していた。
勿体ぶるのも何なので、私は単刀直入に尋ねた。
「わざわざ私の部屋に来たって事は、私の動機DVDを見たのよね?」
「………うん。ごめんなさい。ネロくんには本人に言うなって言われとったけど、うち、あげんの見たら居ても立っても居られんくなって…」
「そう…どんな内容だったの?」
私が尋ねると、マナは俯く。
私は、マナを安心させるための言葉をかけた。
「大丈夫、私はマナを信じてるから。あなたが私の何を見たって、私はあなたの味方でいると誓うわ」
私が言うと、マナは徐に口を開いた。
「……緋色ちゃんのお母さんが惨たらしゅう殺しゃるー映像やった」
「………」
やっぱりね。
私に殺人をさせようとするなら、母さんの事だろうとは思ったわ。
私が納得していると、何故かマナが泣き始めた。
「緋色ちゃん、ホントにつらかったなぁ…!うち、緋色ちゃんがあげんつらか思いしとったやなんて知らんやった…!うう、うわぁあああああん!!」
私は、マナが泣いているのを見て初めて気付いた。
マナは、私の代わりに泣いてくれてるんだ。
この子は優しいから、人の事でも自分の事のように泣く事ができる。
私はもう自分の事でさえ泣けなくなってしまったから、私の分まで溜め込んでいたものを吐き出してくれてるんだ。
私は、マナの頭をそっと撫でた。
「ありがとう、マナ」
私は、一番信頼しているマナになら話してもいいかと思い、動機映像の事を話す事にした。
「あのね、マナ。私が見た動機映像は、あなたの過去だったの。あなたの乗るはずだったバスが落石事故に巻き込まれて、乗客が亡くなる映像」
「……そっか」
私が話すと、マナは暗い表情をして俯いた。
するとマナは、ポツポツと話を始める。
「うちん才能はな、人ば巻き込む事があるったい。食中毒で死にかけたおかげで事故死ば免れたり、うちん自転車盗んだ人が交通事故に巻き込まれて死んだり…父ちゃんがお金稼げんのも多分うちんしぇいなんや。そのしぇいで気味悪がられて、ずっと独りぼっちやったんや」
「あなたもつらかったのね。今だけはいくらでも受け止めてあげるから、気が済むまで泣いていいのよ」
私がマナを抱き寄せて頭を撫でると、マナは私の腕の中でわんわん泣いた。
私は、マナが泣いているのを見て、胸が痛くなった。
でも私は、こんな時に友達と一緒に泣いてあげる事もできない。
今になって、こんなにも感情が欲しくなるなんて思わなかった。
私は、マナの涙で服が濡れるのも気にせず、マナの気が済むまで受け止めてあげた。
しばらくすると、マナは泣き疲れて私のベッドで眠ってしまった。
するとその時、部屋のインターホンが鳴る。
出てみると、秋山君が部屋の前に立っていた。
「どうしたの?」
「あのさ、食峰君と小鳥遊さんが皆にゼリー作ってくれてるんだけど、ちょっと手伝ってほしいんだってさ」
「ゼリー?」
「ほら、皆動機映像を見て精神的に参ってるだろうから、ちょっとでもケアをしてあげたいんだって」
なるほどね。
二人とも精神的に参っているはずなのに、こんな時にも皆の事を考えていて尊敬するわ。
「ええっと…そういう事なら喜んで。あ、ちょっと待っててね」
私は、ベッドで寝ていたマナを起こして話しかけた。
「マナ、食峰君と小鳥遊さんが、皆にゼリー作ってあげたいから手伝ってほしいんだって。一緒に行かない?」
「え!?ゼリー?行く行く!」
私が起こすと、マナは上機嫌でベッドから飛び起きる。
さっきまであんなに泣いてたのに、食べ物の事となると立ち直り早いわねこの子。
私とマナは、小鳥遊さん達の手伝いをしに厨房に向かった。
ーーー 食堂 ーーー
食堂には、秋山君に呼ばれた人達が集まっていた。
厨房では、食峰君と小鳥遊さんがゼリーを作っていて、聖蘭さんがその手伝いをしている。
私とマナは、三人のゼリー作りを手伝った。
冷蔵庫の中から、あらかじめ作っておいたゼリーを取り出して、型から外してお皿に盛り付ける。
ソーダ味の青いゼリーの中に缶詰めのフルーツが入っていて、美味しそうだ。
小鳥遊さんは、トレイにゼリーを置き、そのゼリーを囲むようにゼリーを6つ置く。
隣の空いたスペースにも同じようにゼリーを並べ、聖蘭さんにゼリーのトレイを渡した。
「これを運べばよろしいんですの?」
「ん」
「じゃあ私はお茶を運んでくるわね」
「ん」
私は、ゼリーを運びに行った聖蘭さんと一緒にお茶を運びに行った。
マロウブルーという青色のハーブティーで、ソーダゼリーと一緒に小鳥遊さんが淹れてくれたものだ。
私がお茶を配りに行こうとするといきなり知崎君が走ってきて、聖蘭さんが運んでいたお盆からゼリーをひったくってしまった。
「もーらい!」
「あっ、ちょっと!席についてから取りなさいよ意地汚いわね!」
「へへーん、もう食べちゃったもんねー」
「あ、ずるいぞお主!!じゃあワシも!!」
「ちゃんと全員分あるからまだ取らないでよ!」
知崎君は、ゼリーをひったくるなりその場で平らげてしまった。
すると古城さんまでもがそそくさとゼリーを取りに来た。
ったく、何でどいつもこいつも配膳が終わるまで待てないのよ。
「じゃあボク購買部で遊んでくるから!じゃーね!」
そう言って知崎君は、そそくさと食堂を出て行った。
仕方ないので、残った皆にゼリーを配って食べた。
食峰君と小鳥遊さんが作ってくれたゼリーは、とても美味しかった。
皆の心のケアをする為に頑張ってくれた二人には感謝しないとね。
私は、ゼリーを食べて片付けをしてから個室に戻り、個室のベッドで眠りについた。
『モノクマ&モノDJ劇場』
『いやぁー塩ラーメンって美味しいよね!ラーメンは塩に限るよ。だって味噌とかとんこつは何かバカっぽいじゃん?深夜に食べるラーメンは背徳感もあっておいしさ12割増しですなぁ。ん!?何じゃこりゃあ!?塩ラーメンの中にチェーンソーが入ってるジャマイカ!』
『いや食う前に気付けっていう前に気付いてやれなかったオレ様が悪かった!時を戻そう』
『それにしてもブラザー、自分に身に覚えがないのにいきなり殺されそうになった時ってどうしたらいいんだろうね?ほら、ボクってプリチーで皆の人気者だから嫉妬されていきなり背後からグサってやられるかもじゃん?』
『ギャハハハ、ヘイボーイ!ネコに追い詰められたネズミがどうすりゃあいいか、そんなの簡単な事じゃねえか!喰われる前に喰っちまえばいいんだよ!』
『ハッ!さすがはブラザー!キャー天才!好き!抱いて!』
『ギャハハハ、今夜は寝かさねーぞバッドボーイ』
十日目。
『ヘェイグッッモォォォニン!!ゴミクズ共ォォォ!!!朝の7時をお知らせするぜイェア!!!今日も張り切ってけェ!!!』
「ん……」
私は、モノDJのうるさい放送で目を覚ました。
昨日は、色々とあったせいかいつになくぐっすりと眠ってしまった。
…朝食の準備をしに行かないと。
ーーー 食堂 ーーー
食堂に行くと、聖蘭さんと館井君がテーブルセッティングをしていた。
厨房では、食峰君、闇内君、越目君、秋山君の四人が朝食を作っていた。
「おはよう」
「おはようございます」
「む…おはよう」
私が挨拶をすると、二人とも返してくれた。
私も朝食の準備を手伝っていると、マナ、加賀君、古城さん、ネロ、目野さんの5人も食堂に来た。
でも小鳥遊さんと知崎君は、集合時刻を15分以上過ぎても来なかった。
「遅いわね」
「知崎さんはともかく、小鳥遊さんまで遅刻とは!!何かあったんですかねぇ!?」
ともかくって…
あなた人の事言えないわよ目野さん。
でも確かに心配ね。
「呼びに行った方がいいかな?」
「いや、やめとこうぜ」
「え?」
秋山君が二人を呼びに行こうとすると、越目君が止めた。
越目君は、頭を掻きながらその理由を語った。
「その、さ。二人とも、昨日の事があって一人になりてぇんじゃねえの?あんまり刺激すんのもその、良くねえっつーか…」
「んん…それもそう、か」
越目君が言うと、秋山君が納得した。
越目君、昨日まで皆の過去を共有するべきだって言ってたのに、今日はそっとしておけだなんて、どういう風の吹き回しかしら…?
…いえ、詮索するのも野暮よね。
でも心配だし、チャットは送っておこうかしらね。
結局、越目君の言葉もあって、朝食は二人を除いた12人で食べた。
私が選んだ洋食セットは、食峰君が作ったパン・コン・トマテ、スパニッシュオムレツ、秋山君が作った春キャベツのガスパチョ、キャロットラペ、生ハムフルーツといったスペイン風朝食だった。
私は、朝食を食べ終わり皆で片付けをしている途中、送ったチャットを確認してみた。
見ると、小鳥遊さんの方はきちんと既読になっていて、『今朝は朝食会に参加できなくてごめんなさい。次はきちんと参加します』とメッセージが送られてきていた。
良かった、何かあったわけではなさそうね。
でも知崎君は既読にならないし、ちょっと心配ね…
私は、ミーティングが終わった後、知崎君の安否を確かめに彼の個室に向かった。
ーーー 知崎蓮の個室 ーーー
「知崎君、いる?」
私は、知崎君の個室のインターホンを鳴らして尋ねた。
だが、返事は無かった。
ふとドアノブに手をかけてみると、ドアが開いていた。
ドアを開けて探してみたが、中に知崎君はいなかった。
「いない…!?」
私は、知崎君に何かあったのではないかと思い、寄宿舎内をくまなく探した。
だが、寄宿舎に知崎君の姿はなかった。
私が知崎君を探してると、私の生徒手帳に一通のメッセージが送られてくる。
マナからだった。
『緋色ちゃん!知崎くん見つけた!今すぐ購買部に来て!』
知崎君を…?
私は、マナのメッセージを見てすぐに購買部に駆けつけた。
ーーー 購買部 ーーー
購買部に駆けつけると、マナが私のところへ駆けつけてきた。
「緋色ちゃん!」
「マナ、知崎君は?」
「あそこ!」
そう言ってマナが指を差した先では、知崎君が倒れていた。
私は、すぐに知崎君に駆け寄って身体を揺すった。
「知崎君!何があったの!?しっかりして!」
「緋色ちゃん」
「何!?」
「知崎くん、寝とーだけだよ?」
「………は?」
私が知崎君の方を見てみると、知崎君は気持ちよさそうに寝息を立てていた。
ったく、何よ。
心配して損したじゃない。
私は、深くため息をついてから知崎君の頬を引っ叩いた。
「起きなさい!!」
「ふにゃっ!?」
私が叩き起こすと、知崎君はようやく起きた。
知崎君は、眠そうに私達を見てくる。
「んん…よく寝た…あ、二人ともおはよぉ〜」
「おはようじゃないわよ!何でこんなとこで寝てんのよ!」
「そうだよ!風邪引いちゃうよ!?」
マナ、そうだけどそうじゃないわよ。
そもそも何でこんなところで寝てるのかって事を今聞いてんのよ。
「そんな事言われてもぉ〜、遊んでたら急に眠くなっちゃったんだもぉん。ふわぁあ…寝直したいから個室戻るね」
そう言って知崎君が自分の部屋に戻ろうとした、その時だった。
知崎君は、自分の服のポケットを探して目を丸くする。
「……ん?あれっ!?」
「どうかした?」
「無い!無い!ボクの生徒手帳が無い!」
「はぁ!?」
知崎君が自分の服のポケットや鞄を漁って慌てているのを見て、私は思わず声を荒げてしまった。
「ったく、何やってんのよ!」
「だってだってぇ!寝て起きたら無くなってたんだもん!!購買部に来た時はちゃんとあったんだもん!!嘘じゃないもん!!」
うん、嘘はついてないわね。
昨日ゼリーを食べた時は、きちんと生徒手帳の指輪をしてたものね。
「どうしよう緋色ちゃん!?」
「探すしかないじゃない!他の皆にも探してもらうようメッセージ送っとくから、私達は購買部を探しましょう。私は左から探すから、マナと知崎君は右から探してって!」
「わかった!」
私は、マナと知崎君と一緒に知崎君の生徒手帳を探した。
三人でくまなく探したけど、購買部には知崎君の生徒手帳は無かった。
他の皆はそれぞれ寄宿舎を探してくれたけど、誰も知崎君の生徒手帳を見つけられなかった。
こうなったら…
「モノクマ!」
私がモノクマを呼ぶと、モノクマが現れた。
『はい何でしょ?』
「知崎君の生徒手帳が無いの。新しいのを作ったりできないの?」
『ダメです!言ったじゃん、替えはきかないから失くさないでよねって。失くしたのはオマエラの責任でしょ?バイバイ!』
モノクマは、そう言って姿を消してしまった。
何なのよ、もう!
すると、ショックを受けた知崎君が泣き出してしまった。
「そ、そんな…じゃあこのまま生徒手帳が見つからなかったら、ボクはどうなっちゃうの!?そんなのいやだあああああ!!!」
「落ち着いて。皆で手分けして探せば絶対見つかるわ。寄宿舎に無い…となると、校舎か研究棟よね」
「うん」
私達は、今度は校舎と研究棟を手分けして探した。
◇◇◇
13時。
もうかれこれ4時間くらい探してるけど、全く見つかる気配が無い。
するとマナが、お腹を抱えながら言った。
「…ねえ、空気読まん事言うてよか?」
「何?」
「お腹減った……」
マナが腹の虫を鳴らしながら言ったので、思わず目を点にした。
でも確かに、もう1時だものね。
一旦手帳探しは中断して、お昼を食べてから続きを…
ピーンポーンパーンポーン
『死体が発見されました!生徒の皆さんは、至急校舎2階のプールにお集まり下さい!』
…は?
死体?
嘘よ、そんなもの見つかるわけないじゃない。
今は知崎君の生徒手帳を探してるんだから。
「っえ、し、死体って…」
「…行くしかないわね」
「えええ!?ボクの手帳はぁ!?」
「とりあえず後よ。行きましょう」
私は、動揺する知崎君とマナを落ち着けてから、プールに向かった。
ーーー プール ーーー
私達は、死体発見アナウンスを聞いてプールに集まった。
その直後、信じがたい光景を目の当たりにする事になる。
信じられなかった。
信じたくなかった。
『それ』は、微かに赤く染まったプールの中にあった。
異様な事に胴体が無く、頭だけがプールの中に漂っていた。
どうしてあなたが…!
それは、
【超高校級の獣医】小鳥遊由の遺体だった。
ーーー 生き残りメンバー ーーー
【超高校級の警察官】
【超高校級の幸運】
【超高校級の???】
【超高校級の美食家】
【超高校級のメイクアップアーティスト】
【超高校級の聖母】
【超高校級の考古学者】
【超高校級の魔術師】
【超高校級の機械技師】
【超高校級の大工】
【超高校級の音楽プロデューサー】
【超高校級のマフィア】ネロ・ヴィアラッテア
【超高校級の忍者】
残り13名
ーーー 死亡メンバー ーーー
【超高校級のバレーボール選手】
【超高校級のボーカリスト】
【超高校級の獣医】
以上3名
はい、とうとう第二の事件が起きました。
小鳥遊ちゃんは私の推しなんですが、推しだろうと妥協はしません。
今回は犯人と動機は割とわかりやすいと思います。
ちなみにタコ焼きロシアンルーレットの結果
エビ 入れた人:秋山 引いた人:食峰
チョコ 入れた人:加賀 引いた人:聖蘭
明太子 入れた人:聲伽 引いた人:腐和
カニカマ 入れた人:古城 引いた人:加賀
チーズ 入れた人:越目 引いた人:秋山
タコ 入れた人:食峰 引いた人:ネロ
イチゴ 入れた人:聖蘭 引いた人:知崎
餅 入れた人:小鳥遊 引いた人:館井
イカ 入れた人:館井 引いた人:古城
サルミアッキ 入れた人:知崎 引いた人:越目
トマト 入れた人:ネロ 引いた人:目野
コンニャク 入れた人:腐和 引いた人:聲伽
ハバネロソース 入れた人:目野 引いた人:闇内
梅干し 入れた人:闇内 引いた人:小鳥遊
今更だけど推し教えて
-
腐和緋色
-
聲伽愛
-
玉越翼
-
小鳥遊由
-
知崎蓮
-
食峰満
-
越目粧太
-
聖蘭マリア
-
古城いろは
-
加賀久遠
-
目野美香子
-
館井建次郎
-
秋山楽斗
-
響歌音
-
ネロ・ヴィアラッテア
-
闇内忍
-
リカ