ジャスティスダンガンロンパX4 強くてコロシアイ再履修 作:M.T.
昨晩の午後9時半、【超高校級の忍者】闇内忍は、【超高校級の考古学者】古城いろはと共に探索をしていた。
結局脱出の手掛かりは見つからなかったが、それなりに収穫はあったようだ。
「うむ!!ご苦労じゃった!!流石はワシの下僕じゃ!!ガハハハハ!!」
古城は、何も知らずに闇内の後ろで高笑いしていた。
しかし、闇内は気づいていた。
【超高校級の殺人鬼】の正体、そしてその人物が古城を狙っているかもしれないという事実に。
闇内は、覚悟を決めると古城に話しかけた。
「古城嬢。少し耳を貸すでござる」
「んあ!?何じゃいきなり!!」
「これから先、死体発見アナウンスが鳴るか、拙者がいいと言うまでは何があっても決して個室の外に出てはならぬ。たとえ何者かが声をかけてきても、絶対に部屋の扉を開けるでない」
「むむ、ウヌはいきなり何を言っておるのじゃ!?さては野菜生活でとうとう頭がおかしくなったか!やはり人間、野菜ばっかり食うておると莫迦になるのじゃな!ガハハハ!!」
「拙者は本気でござる。これからお主が部屋の中で生き延びる為に必要なものを揃える故、しばし待たれよ」
闇内は、古城の為に購買部や倉庫から日用品や着替え、菓子類、インスタント食品等をかき集めてダンボールに詰めて運び込んだ。
そして図書室や研究室からも、古城の好きそうな本を集めて個室に持ち込んだ。
「うむ。これだけ持ち込んでおけば、5日は持つでござるな。古城嬢、持ち込んでおける食糧には限りがある故、出来るだけ計画的に……」
「はふはふはふはふ!!!」
「……古城嬢。拙者にもしもの事があった時は、後を頼みとうござる」
「ん!?今何か申したか!?」
「…何でもないでござる」
古城は、早速闇内が持ち込んだ食糧を大量に口の中に放り込みながら本を読み耽った。
闇内はそれを見て安心した様子で扉を閉めると、次は聖蘭の研究室に向かった。
「聖蘭嬢。少し話がしとうござる」
「あら。ようやく神のお言葉に耳を傾ける気になりまして?」
「お主はおそらく【超高校級の殺人鬼】に狙われているでござるよ。これから先は不要不急の移動は極力控え、清掃の時間もズラして…」
「はあ……言いたい事はそれだけですの?」
「…え?」
「神はあなたのような方でもお救いになろうとしているというのに……この学園生活を通して少しは悔い改めていただけると思っておりましたが、正直あなたには失望しましたわ」
「神を信じるとか信じないとかそういう話ではござらぬ!とにかく、このままではお主の命が危ないのでござる!!」
「もう話しかけてこないで下さい。これ以上は神が嘆き悲しまれます」
そう言って聖蘭は、研究室のドアを閉めてしまった。
翌日の昼間。
闇内は、【超高校級の殺人鬼】である食峰を迎え撃つ為、万全の態勢で指導室に入った。
「食峰殿!!お主が【超高校級の殺人鬼】だという事はもうわかっておるでござる!!コソコソしていないで出てきたら如何でござるか!?拙者は逃げも隠れもせぬ!!拙者は、今ここでお主と刺し違え……」
ダァアアアアン!!!
「ふぐぅっ…!?」
闇内は、突然腹部を撃たれ、床に膝をついた。
よく見ると、腹に針が刺さっている。
全身が痺れて呼吸が乱れ、訳がわからないまま意識が遠のいていく。
闇内の胸の内にあったのは、自分はこれから死ぬのかという絶望、そしてその絶望をも上回る達成感だった。
闇内家の人間として、今まで仕えてきた中で最高の主君とも呼べる少女の為に死ねる事は何よりの誇りだった。
「…ははっ……僕、カッケェ………」
その言葉を最後に、闇内は息絶えた。
ーーー
その後、3ーAの教室では。
一人の少女が教室を清掃していた。
【超高校級の聖母】聖蘭マリアだ。
すると、一人の少年が教室に入ってくる。
【超高校級の美食家】食峰満だ。
「よぉ、マリア。飯の支度出来たぜ。ここに持ってくっから、掃除終わったら食ってくれ」
「ありがとうございます」
食峰が食事の時間を伝えにくると、聖蘭は礼を言った。
「ん?どうした?」
「いえ…闇内様にも、少しはあなたを見習っていただきたいと思いまして」
「ああ、そりゃあ……お互いにな」
「…え?」
バチィッ!!!
「……………!?」
「アイツには、オメェみたいなバカ正直さを見習ってほしかったよ」
「………」
遠のく意識の中、聖蘭は自問自答を繰り返していた。
ああ、我らが父よ。
私は一体どうすれば良かったのでしょうか?
私は、一人でも多くの方を救う為に努めて参りました。
貴方の御言葉に従って生きてきました。
貴方に背いた闇内様を………
………違いますね。
これは罰なのでしょうね。
真に裁かれるべきは、闇内さんの言葉に聞く耳を持たず拒絶し続けた私の方だったのですね。
神よ、今参ります。
ーーー
VOTE
食峰満 10票
腐和緋色 1票
『うぷぷぷぷ、お見事大正解ー!!【超高校級の忍者】闇内忍クンを毒殺した上に【超高校級の聖母】聖蘭マリアサンをブッ刺して殺した殺意MAXクレイジーダブルキラーは、【超高校級の美食家】および【超高校級の殺人鬼】の食峰満クンなのでした!!』
『ギャハハハハハ!!!3連続正解とはなぁ!!やるじゃねえかテメェら!!ほらほらもっとバイブス上げてけポウポウ!!!』
「あーあ、負けちまった。まあでもいっか!!オレはマリアを食えればそれで良かったからな!!」
「ひいいい!!?」
「イカレてんなこいつ」
「ここまで来ると逆に清々しいな」
「うっ…うう…!」
「きゃはは、ゲームオーバーだねぇ満ちゃん!」
これからオシオキされるというのに、食峰君はいつも通りのハイテンションで、大して動揺はしていないみたいだった。
食峰君が仲間を殺して食べようとしていたという事実に、流石のネロと加賀君も嫌悪感を露わにし、マナや目野さんは吐き気を催していた。
唯一、知崎君だけが平常運転だった。
すると秋山君は、静かに怒りながらも冷静に食峰君に尋ねる。
「食峰君。ひとつ聞かせて。君はどうして聖蘭さんを殺して…食べようとしたの?」
「……我慢できなかったんだよ」
「…は?」
「今まで色んな料理を食ってきたけど、どうしてもどれもしっくりこなくてよ。そんな時、ふとした瞬間に小学校の隣の席の女の子からすげぇ美味そうな匂いがしてさ。ほんの思いつきで、殺して食ってみたんだ。食べた瞬間、電撃が走ったよ。ああ、オレが求めてた味はこれだったんだって。その肉で料理を作ったら、親父もお袋もすげえ美味そうにオレの料理を食ってくれてさぁ!!オレァ嬉しかったよ。オレを気にかけてくれてた子で作った飯を皆に喜んでもらえて、オレはこの為に生まれてきたんだって実感したよ!!」
先程まで高笑いしていた食峰君は、突然饒舌になった。
その表情は、まるで純粋に夢を追い求める少年のようだった。
私は、今になって理解した。
この人は、響さんとも、小鳥遊さんとも、越目君とも違う。
コロシアイ生活で追い詰められていたわけじゃない。
彼の生い立ちが彼を歪めたでもない。
元々
「そっから俺は、もっと美味え肉を求めて色んな人を殺して食ってきたんだ。そん時気付いたんだけどさ。その人の内面って肉の味に現れるんだよな。やっぱり、心が綺麗な奴は雑味が混じらねえから美味えんだよ。そんでマリアと出会った時、確信したんだ。コイツは、きっとオレが今まで出会った誰よりも美味えって!!オレは、アイツで最高の料理を作ってオメェらに振る舞ってやりたかったんだよ!!」
「キミ…自分が何したかわかっとーと!?」
「ああ、わかってるよ。やっちゃいけない事だって事くらいはな。でも、何でダメなのかがわかんねぇんだよ!!他の家畜は良くて何で人は食っちゃダメなんだ!?美味そうな食材を試さずに妥協する事こそ、食への冒涜なんじゃねえのか!?」
「っ…キミ、玉越ちゃん達が死んだ時、どう思うとったと!?何考えてあん場で泣きよったと!?」
「もちろん悲しかったさ!!一緒に最高の料理を食う仲間がいなくなっちまってなぁ!!アイツらにもオレの料理を食わしてやりたかったのに!!クソゥ!!こんな事ならもっと早くマリアを殺しとけば良かったぜ!!」
マナが泣きながら言うと、食峰はいつものテンションで答えた。
食峰君は、玉越さん達の死を嘆き悲しんで涙を流していた。
私はそれを見た瞬間、ゾッと背筋が凍った。
この人は、決して快楽殺人犯ではない。
感情を持たない冷徹な殺人鬼でもない。
そういう奴らなら、今まで腐るほど見てきたからまだ理解できる。
彼には、ちゃんと人の死を悲しむ感情も、仲間を残酷に殺したモノクマ達に怒りを覚える感情もある。
今流している涙だって、決して嘘じゃない。
この人は、ただただ人とそれ以外の家畜の区別ができないだけなんだ。
私は、到底理解できない彼の悍ましい本性が恐ろしかった。
「…うち、キミが誰よりも料理に情熱ば注いどって、アツう皆ば元気付けてくれとったところば尊敬しとったとに…それじゃあただの…熱血クソ野郎やなか!!」
「マナ…」
「聖蘭ちゃんと闇内くんば返してよ!!うわぁああああああん!!」
マナがその場で泣き崩れ、マナの慟哭が裁判場に鳴り響いた。
古城さんもその場で啜り泣き、館井君も俯いて黙り込んでいた。
だが当の食峰君は平然としていた。
「何とでも言えばいいさ!!オレは、マリアを食えればそれでいいんだ!!本当はいろはと愛も食ってみたかったんだけど、生憎二人しか殺せねえルールがあるしな!!緋色と美香子は…不味そうだからいいや」
「ひいいい!!や、やっぱり私達の事をそういう目で見ていたのですね!!ヤバいですね!!」
「………貴様…!そんな事の為に闇内の事も殺したのか」
「ああ、忍を殺しちまったのは悪かったと思ってるぜ!?アイツに関しては元々殺す予定じゃなかったしな!!でも、オレの食事を邪魔しようとするアイツが悪いんだから仕方ねえよな!!」
「仕方なくないわよ」
「口を閉じろゲボカス熱血クソ野郎」
「全くもって度し難いな」
「てめぇ、これ以上喋ったらケツの穴増やすぞ」
「………この外道が」
『アテクシも、アナタの事は許しマセん』
「きゃははは、満おにい皆に嫌われちゃったねぇ!わーいわーい四面楚歌ー♪」
食峰君が狂ったように笑うと、秋山君が珍しく口汚く食峰君を罵倒し、加賀君と館井君とリカは食峰君に嫌悪感を向け、ネロに至っては拳銃の銃口を食峰君に向けていた。
私も、真っ直ぐに食峰君を睨みつける。
マナと古城さんはその場で泣き続け、目野さんは始終食峰君に怯えていた。
皆に憎悪を向けられている中、食峰君は目を輝かせながらこれから作ろうとしている最高の料理に思いを馳せていた。
「ああ、楽しみだなぁ……!
食峰君は、恍惚とした表情を浮かべながら聖蘭さんをどう料理しようか考えていた。
…正直、気持ち悪い。
昨日まで一緒に過ごしていた仲間をそんな目で見られるなんて…
いや、違う。
彼はずっと、聖蘭さんをそういう目で見ていたんだ。
私は、彼に死んでほしいとは思わない。
反省してほしいとすら思っていない。
もう、ただただ、これ以上喋らないでほしい。
できれば視界にも入らないでほしい。
今私が彼に望んでいるのは、それだけだった。
『ん?何言ってんの?オマエはこれからオシオキだよ?』
「…………は?」
『もう言い遺す事は無いみたいだし、皆も早くオシオキしてほしいみたいだし、そろそろファイトイッパツいっくよー!』
「まっ、待ってくれ!!マリアを殺したら食わしてくれるって話だったろ!?」
『ギャハハハ!!ジョークはキツイぜ満ボーイ!!それは裁判に勝ったらの話ダロォ!?敗者には当然!!この場で退場してもらうぜYEAH!!』
「ちょっ、ちょっと待て!!せめてマリアを食ってからにしてくれ!!それからならオシオキを受けるから!!そうだ、せめてマリアをここに連れてきてくれ!!指一本でもいいから最期に食わしてくれよ!!なあ!!頼む!!お願いします!!」
これからオシオキされると聞いた食峰君は、モノクマとモノDJに縋った。
確かに彼は聖蘭さんと闇内君を殺した殺人鬼だけど、何も殺すのはやり過ぎだ。
「まっ、待って…!」
『待ちません待てません待ちたくありませーーーん!!』
『んじゃあ今回も張り切っていくぜYEAH!!』
『今回は、【超高校級の美食家】及び【超高校級の殺人鬼】食峰満クンのために!!』
「待て!!待ってくれ!!嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ!!まだ死にたくない!!せっかく最高の食材があるのに…!!試してみたい料理が山ほどあるのに!!」
『スペシャルな!!オシオキを!!ご用意しました!!!』
「まだ、まだ一口も食ってねえんだよぉぉ!!!」
『『ではでは、オシオキターイム!!!』』
「いやだあああああああああああああああああ!!!!!!」
モノクマはピコピコハンマーを取り出して、一緒に出てきた赤いボタンをハンマーで押した。
ボタンに付いている画面に、ドット絵の食峰君をモノクマとモノDJが連れ去る様子が映っていた。
ーーー
GAME OVER
ショクホウくんがクロにきまりました。
オシオキをかいしします。
ーーー
食峰は、首に首輪をつけられると、そのままチェーンでどこかへと引き摺られた。
食峰は、ロンドンの街並みを模した霧がかった風景の中を数百メートル引き摺られていく。
ビッグ・ベンを模した建物へと引き摺られていき、『モノクマ亭』と書かれた看板が掛けられた両開きの扉が開く。
そこで画面上に文字が現れる。
ーーー
注文の多い料理店
【超高校級の美食家】【超高校級の殺人鬼】食峰満 処刑執行
ーーー
食峰が連れてこられたのは、19〜20世紀の西洋料理店を模した建物だった。
厨房にはシェフの格好をしたモノクマがおり、食峰はまるで魚を一本釣りした時のように逆さに吊し上げられていた。
厨房には人一人分入るくらいの巨大な調理器具が並んでおり、モノクマは調理器具を手に取っていた。
それを見てこれから自分がされるオシオキを悟った食峰は冷や汗を流す。
テーブルにはモノDJと食峰の家族のコスプレをしたモノクマ達がおり、ガチャガチャと行儀悪く食器を鳴らしながら食事を催促していた。
モノDJは、早速厨房のシェフモノクマに向かって注文をした。
するとそれを聞いたモノクマは、早速食峰を厨房の調理台の上に乗せて調理を始める。
食峰が長時間逆さ吊りにされていたせいか意識が朦朧としてくると、モノクマは食峰をぶん殴って無理矢理叩き起こした。
食峰が殴られた痛みで目を覚ますと、まずは食峰をアサルトライフルで撃った。
猟銃からは何百発ものパチンコ玉が撃ち出され、パチンコ玉の雨を浴びた食峰は全身ボロボロになる。
全弾撃ち終えたモノクマは、次に指笛を吹いた。
すると、二匹の白い犬の格好をしたモノクマが食峰に襲いかかる。
犬モノクマは食峰の身体に何度も噛みついた。
腹に穴が開いて腹の中身が引き摺り出され、腕や足が喰われて皮一枚で繋がった状態になる。
食峰が全身を食い破られて血まみれになると、シェフモノクマは再び指笛を吹いて犬モノクマを退散させた。
食峰が安心したのも束の間、モノクマはボロボロになった食峰を引っ張り上げる。
次に食峰は、巨大なボウルに放り込まれ、大量の生クリームが注ぎ込まれ、一緒にハンドミキサーで掻き混ぜられる。
モノクマがハンドミキサーのスイッチを入れると、食峰は生クリームの中でグルグル掻き混ぜられながらハンドミキサーの刃で切り付けられる。
途中で指や耳がハンドミキサーの刃で切断されるが、モノクマはお構いなしにハンドミキサーで掻き混ぜ、あっという間にホイップクリームが完成する。
モノクマは、全身切り傷だらけになりクリームだらけになった食峰をボウルから引き上げるとケバブを作る用の機械に拘束し、機械のスイッチを入れる。
すると食峰は、グルグルと高速回転し目を回す。
モノクマはどこからか『VINEGAR』と書かれた蓄圧式噴霧器を取り出し、噴霧器で食峰の身体に大量の酢を吹きかけた。
傷口に酢の飛沫が勢いよくぶつかり、食峰は苦悶の表情を浮かべていた。
モノクマは、一度ケバブ用の機械のスイッチを切ると、食峰を機械から取り外した。
すると次は、モノクマがおろし金のように無数の棘がついたまな板の上に大量の塩を撒き、食峰をまな板に叩きつける。
モノクマは、そのまままな板の上で食峰を揉み込んだ。
無数の棘が全身に刺さり、傷口から塩が入り込み、朦朧としていた食峰の意識が再び覚醒する。
食峰の下拵えを終えたモノクマは、巨大な鍋に大量の油を注ぎ込み、カセットコンロを点火する。
しばらく経つと油が火で熱され、油の表面がふつふつと湧き、高温の湯気が上がる。
モノクマは、先ほど作った生クリームを少し油に垂らして油の温度を確かめた。
油の温度が十分になったのを確認すると、モノクマは食峰を串で刺し、まるでいたぶるかのようにゆっくりと油に沈める。
まず足を灼かれた食峰は叫び声を上げるが、モノクマは食峰を油に沈めるのをやめない。
足から腹、胸、首と、ゆっくりと順番に油に浸かっていく。
そしてとうとう全身が油に浸かった。
ジュワァァァァ…
食峰は、高温の油に灼かれながらもがき苦しんだ。
食峰が息絶えたのを確認すると、モノクマは食峰を油から引き上げ、サラダ菜と一緒に皿に盛り付けた。
前菜を完成させたモノクマは、前菜のサラダとフライを客のテーブルに運んでいく。
だがモノDJの前に料理が来た直後、食峰のフライにハエがとまった。
それを見たモノDJは、カンカンに怒ってちゃぶ台返しの要領でテーブルをひっくり返した。
ひっくり返った料理は全て床に散らばり、床についた埃で薄汚く汚れる。
モノDJが頭から漫画のような湯気を出しながらカンカンに怒ると、シェフモノクマは平謝りしながら慌てて床に散らばった料理をホウキとチリ取りで掃除し、『燃えるゴミ』と書かれたゴミ袋に詰めるとちょうど店の前に停まったゴミ収集車に放り込んだ。
ゴミ収集車を運転していたモノクマがサムズアップをしながら運転すると、シェフモノクマとモノDJは手を振ってゴミ収集車を見送った。
排気ガスを出しながらロンドンの街並みを走るゴミ収集車の中でゴミ袋が揺れ、ゴミ袋の中では食峰が絶望の表情を浮かべていた。
『『エクスクラメーションマーーーーーーーク!!』』
「ひぃいいいいいい!!!」
「いやっ!!いやあ!!」
『これが…オシオキ……何と酷いのデショウか…』
「うっ………」
「……………」
「…ふん、当然の報いだな」
「まあ殺人鬼だしな」
「いくらクズだからってこんなのいい気分しないけどね」
「あーあ、結局殺人鬼も最期は呆気ないんだね」
モノクマとモノDJが嘲笑う中、目野さんとマナは泣き喚いていた。
リカと館井君は吐き気を催し、古城さんは黙って俯いていた。
ネロ、加賀君、秋山君、知崎君は、クロが殺人鬼だからか平然とオシオキを眺めていた。
「くっ…!」
『いやーーービショビショ脳内麻薬に溺れて宇宙の彼方へ漕ぎ出せそうですな!今日は景気良く祝杯でも上げますか!』
「祝杯ですって…!?」
『んん!?どうしたヒーローガール!?せっかく秩序を乱した殺人鬼を処刑してやったんだぜ!?もっと喜べポウポウ!!』
「……確かに彼は、救いようのない殺人犯だったかもしれない。だけど、こんなやり方間違ってる!」
「確かに…あいつが死んだのは因果応報だけど、あんなやり方で殺されたってこっちが後味悪いんだよ」
私が言うと、秋山君も私に賛同した。
確かに食峰君は殺人鬼だったけど、彼の殺人のきっかけを作ったのはこいつらだ。
こいつらは私達に菜食を強制させて食峰君に飢えを与え、一線を踏み越えさせようとしたんだ。
私は食峰君の事はもちろん、彼に殺人を犯させたこいつらの事も許せなかった。
『ふーん……うぷぷぷ、果たしてオマエラはいつまでその牛乳雑巾みたいな正義感を持ち続けられていられるんだろうね?』
『ギャハハハ!!テメェらには裁判を乗り越えた褒美にメダルをプレゼントしてやるから、ジャンジャン有効活用しやがれってんだ!!んじゃあそういう事で!スィーユー!』
『しーゆー!』
そう言ってモノDJとモノクマは消えていった。
すると、知崎君があくびをしながら皆に話しかけた。
「あーあ、もう飽きちゃった。早く戻ろうよ」
「貴様……」
「んー?建次郎おにい、なあにその目は?ボクが何か悪い事でもしたのかなあ?知ってる?ねえねえ答えてよ!あ、言っとくけど殴らないでよ?ボクは皆とは違ってちょっと天才なだけの一般的な高校生なんだからさぁ!弱い者いじめはんたーい!」
空気の読めない発言をして場の空気を乱した知崎君を館井君が睨むと、知崎君は館井君の顔を覗き込みながら煽った。
最初に会った時からずっとそうだった。
知崎君は、他の皆とは違ってこのデスゲームを楽しんでいるように見える。
彼は一体何が目的なの……?
「でも、知崎さんが【超高校級の殺人鬼】じゃなかったなら、彼の才能は一体何だったんでしょうね?」
「さあねー。自分でも覚えてないなぁ。ホントだよ?」
『アテクシは知っていマスよ』
「………え?」
『実は、ちちが見つけたUSBの内容は、知崎クンの才能に関するデータだったのデス。理事長と学園長が言っていたという記憶の抜き取りの話が本当なら、おそらくは彼の才能を危険視した何者かが意図的に彼の記憶を消したのデショウ』
才能を忘れさせる為に記憶を意図的に消した……?
そんな事をしてまで思い出されたくない知崎君の才能って…
「ご苦労、リカ。それで?結局、知崎の才能とは何だったのだ?」
「あー!それボクも気になる!ねえねえ知ってるの?教えてよ!」
『知崎クンの正体…それは………
かの伝説の怪盗アルセーヌ・ルパンの末裔で、【超高校級の泥棒】の肩書を持つ世界一の大泥棒デス』
…………え?
『怪盗ルパンの末裔は、世界中で盗みを働き、予告状を出した物はどんなものでも必ず盗んできた大泥棒デス。彼の真の恐ろしさは底の尽きない貪欲さにあり、欲しいと思ったものなら記憶や技術、他人の容姿や人格、果てには超高校級の才能すらも盗めるそうデス。彼に才能を盗まれた元・超高校級の方は、自分の元々持っていた才能を思い出す事すらできなくなってしまうそうデス。怪盗ルパンがずっと捕まらなかったのは、盗んだ才能と容姿を使い分けてうまい事警察の目から逃げ続けていたからなのデス』
嘘でしょ……?
知崎君が、私達がずっと追い続けていたルパンだっていうの…?
確かに彼は病的に好奇心が旺盛で少し手癖が悪い所があるけど、そんなそぶりは全く無かったのに…
『どうやら、知崎クンの才能を盗む才能を危険視した何者かが、知崎クンの記憶を抜き取って盗んだ才能を全て忘れさせ、『知崎蓮』という偽名を与えて秘密裏に日本国内の高校に編入させたようなのデス。今は知崎クンは自分の才能を思い出せていないのであらゆる面において普通の高校生並みの実力しか発揮できマセんが、彼が自分の持っている才能を全て思い出した時、真の力を発揮する事になるデショウね』
「えーーー!?やっば、ボクってばメチャクチャチートじゃん!何でそんなすごい才能忘れちゃったかなぁ!」
リカが知崎君の才能を説明すると、知崎君はものすごい食いついてくる。
…才能を盗む才能か。
もし本当に彼がそんな才能を持っているのだとしたら、厄介な事になったわね。
今の話がトリガーになって知崎君が才能を思い出してしまったりなんかしたら、私達だっていつ才能を盗まれてもおかしくない。
彼が私達の敵じゃなかったとしても、注意しておく必要がありそうね。
「にゃはは、今日はすっごくステキな収穫ゲットしちゃった!じゃあボク、早く才能思い出したいから先戻ってるね!」
「あっ、待ちなさい!」
知崎君がひと足先にエレベーターで裁判場から逃げたので、私が追いかけようとした。
才能を忘れているとはいえ、彼がルパンなら放っておくわけにはいかない。
私がすぐにエレベーターに乗り込もうとした、その時だった。
「うっ…ううっ……闇内ぃ…!見ておるか!?仇は討ったぞ…!!うぁああああああああん…!!」
古城さんは、闇内君の遺影に向かってその場で大粒の涙を流しながら泣き叫んだ。
彼女の慟哭が、裁判場に鳴り響いた。
Chapter3.餓鬼は欲望に飢えている。 ー完ー
Next ➡︎ Chapter4.コロシアイから始める異世界生活
《アイテムを入手した!》
『食魂調理ポーチ』
Chapter3クリアの証。
食峰の遺品。
母親から店を持ち直した記念に貰ったプレゼント。
持ち主がいなくなった事で、彼の望む最高の料理が作られる事は永遠になくなった。
ーーー 生き残りメンバー ーーー
【超高校級の警察官】
【超高校級の幸運】
【超高校級の泥棒】
【超高校級の考古学者】
【超高校級の魔術師】
【超高校級の機械技師】
【超高校級の大工】
【超高校級の音楽プロデューサー】
【超高校級のマフィア】ネロ・ヴィアラッテア
【超高校級のAI】リカ
残り10名
ーーー 死亡メンバー ーーー
【超高校級のバレーボール選手】
【超高校級のボーカリスト】
【超高校級の獣医】
【超高校級のメイクアップアーティスト】
【超高校級の聖母】
【超高校級の忍者】
【超高校級の美食家】【超高校級の殺人鬼】
以上7名
今更だけど推し教えて
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腐和緋色
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聲伽愛
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玉越翼
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小鳥遊由
-
知崎蓮
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食峰満
-
越目粧太
-
聖蘭マリア
-
古城いろは
-
加賀久遠
-
目野美香子
-
館井建次郎
-
秋山楽斗
-
響歌音
-
ネロ・ヴィアラッテア
-
闇内忍
-
リカ