ジャスティスダンガンロンパX4  強くてコロシアイ再履修   作:M.T.

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はーいギスギスして参ります。





Chapter.4 コロシアイから始める異世界生活
(非)日常編①


……気分が悪い。

足が重い。

頭も重い。

空気を吸っているだけでどうしようもなく吐きそうになる。

学校に行きたくない。

あそこは、ただの地獄だ。

でも、学校に行きたくないなんて言えない。

私がそんな事を言える立場じゃない。

それに、私を待ってくれている人がる。

行かなきゃ。

 

 

 

教室についた。

顔はノイズがかかって見えないけど、皆が私を見てくる。

毎日見慣れているはずの顔なのに、どうしても思い出せない。

思い出そうとすると、頭が割れるほど痛くなる。

 

私を見て嗤っている。

五月蠅い。

気持ち悪い。

頭がグルグルする。

吐き気がする。

 

 

 

「オラァ死ね!!」

 

粗暴な女子が、私のお腹を蹴ってくる。

大柄な男子が、何度も私を殴ってきた。

その様子を、クラスメイトがクスクス笑いながら見ていた。

今日食べたものが全部逆流して口から飛び出てくる。

痛くて、息が上手く吸えない。

気持ち悪い。

痛い。

苦しい。

誰か助けて。

 

「げほっ、げほっ…!」

 

私が咳き込んでいると、背の高い女子が大柄な男子の肩を掴んで止めた。

 

「ちょっと、その辺にしときなよ。それ以上やったら死んじゃうよ?」

 

「むっ……それもそうだな」

 

背の高い女子が言うと、大柄な男子は殴るのをやめた。

全身が痛い。

口の中で血と戻したものの味が混ざって気持ち悪い。

何で…

私が何をしたっていうの?

一体、いつまでこんな目に遭わなきゃいけないの…?

私が助けを求めるように手を伸ばすと、別の男子が冷ややかな視線を向けてくる。

 

「ん?どうしたのその目は?まさか文句があるんじゃないよね?」

 

「っ…………」

 

「むしろ構ってもらえて感謝してほしいくらいだよ。本来お前が俺達と同じ空気を吸えるわけがないんだからさ」

 

何で……?

何でそんな事言われなきゃいけないの…?

どうして私だけがこんな目に遭わなきゃいけないの?

 

「汚れた床は掃除しておけよ」

 

「本当に不愉快ですね。こんな人を私達と同じクラスにするなんて、理事長は何を考えているのやら…」

 

「早く死んでくれませんかね!」

 

「………うぇ」

 

「おいオメェら、コイツに死なれたら困んだろ。コイツはオレ達のサンドバッグ兼ATMなんだぜ?」

 

「ああ、それもそっか!ねえ聞いてる?うっかり自殺なんかすんなよなー。色々問題になったらメンドクセーし、何よりオレらの楽しみが減っちゃうからさ」

 

「あははははははは!!」

 

「あー、お腹空いちゃった。ねえ、何か買いにいこーよ。もちろんこいつの金でさ!」

 

男子も、女子も、優しい人だと思っていた人達も皆、私を汚物を見るような目で見ていた。

男子は肉体的な暴力で、女子は精神的な暴力で私を追い詰めてきた。

毎日、毎日、同じ事の繰り返しだ。

ここにいる皆は、誰も私を助けてなんてくれない。

全員が敵だ。

たった一人を除いては…………

 

 

 

 

 

「はっ………!」

 

気がつくと、さっきまでの教室とは違う部屋にいた。

……どうやら寄宿舎の個室のようだ。

じゃあさっきのは…

 

「夢か……」

 

私自身の夢じゃなかったけど、どうも他人事とは思えない夢だった。

あの夢を思い出そうとすると、頭が割れるほど痛くなる。

結局あれは、誰の夢だったのかしら…?

 

「…………」

 

目が覚めると、個室のベッドに横になっていた。

あれからどうやってここに戻ってきたのかは思い出せない。

 

聖蘭さんと闇内君、それから食峰君が死んだ。

食峰君に食べる為に殺された聖蘭さんと、食峰君を止めようとして殺された闇内君。

未だに、裁判場での食峰君の叫び声が頭にこびりついて離れない。

思い出しただけで吐き気がする。

……私達は、これからどうすればいいんだろう。

 

 

 

ーーー 【超高校級の聖母】の研究室 ーーー

 

私は、亡くなった聖蘭さんの研究室に足を運んだ。

礼拝堂の中は、聖蘭さんが毎日掃除していたからかホコリひとつ落ちていなかった。

礼拝堂の最奥のマリア像を見上げると、毎日彼女がここで祈りを捧げていた事を思い出す。

 

今思えば、私は彼女の事をよく理解してあげられなかったのかもしれない。

私達がもっと彼女と話していれば、聖蘭さんが死ぬのを未然に防げたのだろうか。

今更こんな事を考えたってどうにもならないのに、後悔ばかりが積もりに積もっていく。

 

私は、聖蘭さんが教室で落としたロザリオを握りしめて祈りを捧げた。

今私が彼女の為にしてあげられる事は、彼女の分まで祈る事くらいしかできないけど、それで少しでも彼女が報われるというなら祈りを捧げたいと思った。

彼女に教えてもらった祈りの手順を思い出しつつ、祭壇の前で膝をついて祈った。

 

「神よ。聖蘭さんに永遠の安らぎを与えて下さい。あなたの為に、世界中の悩める人々の為に敬虔に尽くしてきた人です。どうか私の願いを聞き入れて下さい」

 

私は、祭壇の前で聖蘭さんの為に祈りを捧げると、彼女が大切にしていたロザリオを祭壇に置いた。

聖蘭さん、短い間だったけど楽しかったわ。

どうかゆっくり休んでね。

……次は闇内君の研究室に行こう。

 

 

 

ーーー 【超高校級の忍者】の研究室 ーーー

 

闇内君の研究室は、彼がいない分どこか寂しく感じられた。

そういえば、彼が亡くなった指導室で一緒にお茶を飲みながら話したっけ。

…結局、あれが彼との最後の思い出になっちゃったわね。

 

私は、闇内君の研究室を探してみた。

すると、棚の中に何かが入っているのを見つける。

中には、巻物に書かれた大量の遺書が入っていた。

きちんと全員分書かれている。

私の分も書いてあった。

私は、自分宛に書かれた巻物を開いて読んでみた。

 

 

 

〜〜〜

 

腐和嬢へ

 

まず、お主がこの手紙を読んでいる頃、拙者はこの世にはおらぬやもしれぬ。

結局最期までお主の湯浴みを覗けなかった事が心残りでござるが、お主に伝えたい事はこの手紙に書き記しておく所存。

 

お主に伝えておかねばならぬ事とは、食峰殿が【超高校級の殺人鬼】だという事実でござる。

食峰殿に直接聞いたわけではござらぬ故、確証はござらぬが、拙者の忍者としての技術を総動員させてかき集めた情報で候。

拙者は、お主らと共に外に出とうござったが、奴を野放しにしておくわけにはいかぬ。

当然、お主らの誰かを犠牲にするなどもっての外。

故に拙者は、拙者の命をもって奴に一矢報いる所存。

奴を殺してコロシアイの連鎖を止めてみせようぞ。

たとえそれが叶わなかったとしても、拙者を奴に殺させてオシオキという決して逃れられぬ裁きを受けさせる所存。

拙者の死をもってしてお主らを生かす事ができるのなら、それはとても誉でござる。

 

最後に、お主に頼みとう事がござる。

この手紙を読んでおるのなら、どうか裁判で奴の化けの皮を剥がしてもらいたい。

聖蘭嬢には最期まで仲直りできなくて申し訳なかったと伝えておいてほしい。

それから、もしここから出られたのなら、拙者の家族をよろしく頼んだ。

 

短い間でござったが、お主らと過ごせた時間は拙者の生涯の宝でござる。

本当にありがとう。

 

〜〜〜

 

 

 

「……………」

 

私は、この手紙を読んで初めて、彼がどれほどの覚悟を抱いて食峰君を止めようとしていたのかを理解した。

彼は、自分の人生を犠牲にしてでも私達を守ろうとしてくれた。

彼の死を無駄にしないためにも、私達が絶望と立ち向かわなきゃいけない。

そう強く心に誓った。

 

 

 

ーーー 【超高校級の美食家】の研究室 ーーー

 

私は、食峰君の研究室に入った。

彼のいない研究室は、どこか寂しく感じられる。

私はふと、食峰君の研究室の棚に目がいった。

棚には、よく見ると料理の本だけでなく、人体解剖についての本も並んでいる。

この部屋は、【超高校級の殺人鬼】の研究室も兼ねていたのかもしれないと今になって気がついた。

 

「……食峰君、何冊か貰っていくわね」

 

彼は確かに極悪非道の殺人鬼だったけれど、あんな奴でも美食家としての才能は本物だった。

だからこそ、料理の技術に関しては素直に尊敬できる部分があった。

あんな奴の才能でも、それを必要とする人がすぐ近くにいるのなら、私達がそれを継いでいかなきゃいけない。

これから先、いつまでこのコロシアイ生活を続けなきゃいけないのかわからないし、彼のレシピ本を使って皆に食事を振る舞っていかなきゃ。

私は、食峰君の直筆のレシピを何冊か持ち出すと、その足で厨房に向かっていった。

 

 

 

ーーー 厨房 ーーー

 

早速厨房で料理を始めると、秋山君とリカが来た。

 

「おはよう、二人とも」

 

「おはよう……」

 

『おはようございマス』

 

私は二人に声をかけてみたけど、二人とも元気が無かった。

当然だ。

一晩で3人も死んだんだから。

二人は、元気がなかったけど、朝食作りには参加してくれた。

今日の朝食は、

 

和食セットがご飯、味噌汁、ほうれん草のお浸し、卵焼き、白身魚の塩焼き。

洋食セットがパンケーキとシーチキンサラダ、きのことほうれん草のミルクスープ、スクランブルエッグ。

 

流石に食峰君のようにはいかなかったけど、皆の分の朝食が完成した。

朝食が完成してしばらくして、皆が集まってきた。

館井君とマナは、一気に三人も亡くなったせいか落ち込んでいた。

普段は図太い目野さんも、今日は珍しく元気が無かった。

普段通りだったのは、加賀君、知崎君、そしてネロくらいだ。

知崎君は、頬杖をついてパンケーキを食べながら文句を言った。

 

「はぁ〜あ。せっかく肉食が解禁されたんだしさ。もっと肉肉しいもの食べたいよねぇ。焼肉とか、血の滴るレアステーキとか、マグロの刺身とか!」

 

「うっ………」

 

「文句があるなら食べなくていいんだけど?」

 

知崎君が文句を言うと、館井君が気分を悪くする。

食峰君があんな動機で聖蘭さんを殺したと知った後だと、どうしても肉を食べる気が失せてしまう。

せっかくまだ肉類を食べる気がしない皆の為に作った朝食にケチをつけられた秋山君は、苛立った様子で知崎君に嫌味を言った。

この流れはまずい。

三人が亡くなって、また皆がバラバラになってしまうかもしれない。

そう思った、次の瞬間だった。

 

 

 

「おうおう!!お主ら、何をそんなにしょげておるのじゃ!!飯が不味くなるわい!!」

 

古城さんは、席から立ち上がって大声を張り上げた。

マナは、目に涙を浮かべながら古城さんに尋ねた。

 

「古城ちゃん…なしてそげん元気でいらるーと?闇内くんと聖蘭ちゃん、食峰くんも死んだっちゃん」

 

「だからこそじゃろうが!!闇内は、ワシらを守って死んだんじゃぞ!?ワシらがここでくよくよしておっては、奴も浮かばれぬわ!!いい女というのはな、こんな時にこそ笑うんじゃ!!ガハハハハハ!!」

 

古城さんは、私達を元気づけようと豪快に笑った。

でも古城さんの目には涙が浮かんでいて、よく見ると目元が腫れていた。

きっと昨日、部屋に戻ってからも散々泣いたのでしょうね。

 

「皆、まずは朝食にしましょう?食峰君のようにはいかなかったけど、皆が少しでも元気が出るように作ったから」

 

私が言うと、皆は自分の分の朝食を食べ始めた。

古城さんも、あんなに嫌いだった野菜を自分から進んでがっついている。

きっと闇内君の死を経験して、彼女なりに大きく成長したのでしょうね。

私達は、朝食を食べ終わると朝のミーティングを開いた。

 

「…で、これからどうする?」

 

「とりあえず探索でしょうね。今までの流れだと、また上の階が開放されてるでしょうし……」

 

 

 

『イグザクトリィィィィヒーローガール!!!』

 

「うわあ!?」

 

「どうせ4階に行けるようになったと言いに来たのでしょう?目障りだから消えなさい」

 

『しょぼーん、せっかく親切に教えてあげようと思ったのに』

 

『んじゃあまた何か用があったら気軽に呼んでくれよ!!スィーユー!!』

 

私が奴等の役目を奪うと、二匹は不満げに去っていった。

私は、秋山君と一緒に探索の提案をした。

 

「さてと…汚物は消えた事だし、探索しましょう」

 

「うん。前回通りくじでいいんじゃないかな」

 

見ると、校舎と研究棟の4階、それから寄宿舎のゲームセンターが開放されているようだ。

校舎の方は教室が三つ、化学室、音楽室、職員室、学園長室、理事長室、情報処理室。

研究棟はネロ、館井君、目野さんの研究室が開放されている。

学園長室、理事長室、情報処理室は…鍵がかかってて入れないようね。

 

「ええっと…私達は10人いるわけだけど、どうしようかしら?」

 

「とりあえず、広いゲームセンターと二部屋ある音楽室に人数を割いた方がいいんじゃない?」

 

「そうね」

 

私は、秋山君の提案通り早速くじを作って探索の班を決めた。

結果は、

 

 

 

ゲームセンター:マナ、古城さん、知崎君

化学室:加賀君、リカ

音楽室:私、秋山君、目野さん

職員室:ネロ、館井君

教室:探索が終わった班から各自自由に探索

 

 

 

うーん……ゲームセンターにこの三人かぁ。

何だか嫌な予感がするわね。

今からでもくじの変更を…

 

「わーーーい!!ゲームゲームーーー!!」

 

「化学室だと!?早く行くぞリカ!」

 

『はいちち!』

 

「音楽室だって!早く行こうよ腐和さん!」

 

知崎君、加賀君、秋山君はものすごくテンションが上がっていた。

知崎君と加賀君は真っ先に自分の持ち場へ向かい、秋山君も私を急かしてくる。

ネロと館井君は……

 

「早よ行くぞ」

 

「ああ」

 

先に行ってしまった。

結局、くじ引き通りの班で行動する事になってしまった。

……ああもう、なるようになれ!

 

 

 

ーーー 声楽室 ーーー

 

音楽室は、器楽室と声楽室に分かれていて、その間に音楽準備室が配置されているようだった。

やっぱりだけど、部屋は完全防音になっている。

声楽室は扇状になっていて、後ろは合唱用のスペースになっている。

音楽の座学の教室も兼ねているらしく、音楽の教材が並んだ本棚が置かれていた。

壁には著名な音楽家達の肖像がかけられていて、マイクなども完備されている。

もし響さんが生きていたら、この部屋を見たら喜んでたでしょうね……

 

秋山君は、声楽室に入ってから始終目を輝かせながら探索をしていた。

…この人、自分の趣味の事となると結構周りが見えなくなる人なのね。

 

「見てよ腐和さん目野さん!!この設備!!素晴らしいと思わない!?」

 

「えっと…」

 

「私そんなに音楽詳しくないのでわかりません!!」

 

秋山君が興奮した様子で言ってきたので私は戸惑ってしまい、目野さんは即答していた。

ここまで興奮した秋山君は初めて見たわ…

 

 

 

ーーー 音楽準備室 ーーー

 

隣の音楽準備室には、ヴァイオリンやドラム、ギターなど、あらゆる楽器が所狭しと置かれていた。

更には、古今東西あらゆる楽曲の楽譜が並んだ本棚も置かれている。

秋山君は、完全にトリップして楽譜をまじまじと眺めていた。

そして目野さんはというと。

 

「きゃっほぉおおおおおい!!!何とエレガンツッッッッッな機械ちゃんなんでしょう!!見て下さいよ腐和サァン!!この機構の美しさを!!」

 

目野さんも目野さんで、音楽室に置かれていた機械を見てトリップしていた。

…二人してこんな様子じゃあ、探索どころじゃないわね。

私は、本来の目的を忘れている二人に注意をする事にした。

 

「二人とも。夢中になるのはいいけどまずは探索でしょ?私達は探索をするためにここに来たんだから、ちゃんと調べる事調べなきゃダメじゃない」

 

「あっ………そうだね腐和さん。ごめん、見苦しいところを見せて…」

 

「いやはや大変失礼いたしました!!」

 

私が注意をすると、秋山君は恥ずかしそうに頭を掻いた。

目野さんはあまり反省していないようだけれど…まあいいか。

 

 

 

ーーー 器楽室 ーーー

 

器楽室に入るとまず目に飛び込んできたのは、大きなグランドピアノだった。

見るからに高級品で、表面に顔が映るほど綺麗に磨かれている。

ここにもやっぱり音楽関係の本と音楽家の肖像画があった。

秋山君は、始終興奮した様子で器楽室の探索をしていた。

 

「こっちも素晴らしい設備が整ってるね!ふふふ、案外ここも悪くないかもしれないなぁ」

 

秋山君は、うっとりとした目でグランドピアノを眺めていた。

秋山君、まさかとは思うけどここに住もうとか考えてるんじゃないでしょうね。

目野さんも、ピアノの上に置いてあったメトロノームを眺めて目を輝かせている。

やっぱりこの二人と音楽室を探索したのは失敗だったかしらね…

すると、その時だった。

 

「……ん?ちょっと待って」

 

秋山君は、器楽室に置いてあった楽譜を見て怪訝そうな表情を浮かべる。

何かあったのかしら?

 

「どうしたの?」

 

「この曲、俺が作った曲みたいなんだけど……」

 

そう言って秋山君は、楽譜を差し出してきた。

楽譜には、確かに『作曲:秋山楽斗』と書いてある。

見たところ、比較的最近書かれたもののようだ。

 

「俺、こんな曲作ってない」

 

「………え?」

 

「俺、自分で作った曲は全部覚えてるんだけどさ。こんな曲、作った記憶が無いんだ」

 

「じゃあ……」

 

「モノクマは、俺達から記憶を抜き取ってるって言ってた。それに、既に俺達が入学してから20年経ってるとも言ってた。もしかすると、その空白の20年の間に俺が書いたものなんじゃないかな」

 

空白の20年、か……

正直、私はまだその話は信じていなかったのだけれど…

越目君の絵や秋山君の楽譜があるって事は、モノクマやリカが言っていた事は本当なのかしら?

私と秋山君が話していると、さっきまで機械に夢中だった目野さんがいきなり話しかけてくる。

 

「ん!?何です!?何の話です!?」

 

私は、何も理解していなさそうな様子の目野さんに今話した話を一からした。

すると目野さんは、案の定オーバーリアクションをとった。

 

「ほっ、ほぎゃああああ!!?く、空白の20年!?……って、何でしたっけ?」

 

………えっ、そこから?

この人、ちゃんと話聞いてたのかしら?

私は、仕方がないのでモノクマ達が私達の記憶を抜き取ったかもしれない事、私達は既に入学してから20年が経過している事を話した。

 

「なるほどなるほど!!やばいですね!!」

 

『やばい』って…

よくその一言だけで済ませられるわね……

この子、やっぱちょっと色々とズレてるわよね。

 

音楽室の探索を終えた私達は、音楽室を退室した。

するとその時、ちょうど化学室の探索を終えた加賀君がホクホク顔で出てくる。

 

「加賀君、それにリカ」

 

「むっ、腐和か。ふふふ、この化学室はなかなか良かったぞ」

 

ああ、そう……

というかこの人、本来の目的忘れてないかしらね…?

 

「君達も探索を終えたのか?」

 

「ええ」

 

今のところ、探索を終えたのはこの5人だけか…

まだ集合時間までまだ少しあるわね。

 

「せっかくだし、これからこのメンバーで教室の探索をしない?」

 

「そうね」

 

私達は、4ーA、4ーB、4ーCの教室を順番に調べた。

4ーBの教室には、『赤ちゃんが寝ています』などといった落書きがされていた。

教室には、何枚かメダルが落ちていたくらいで、これといった収穫は特になかった。

私が教室を隅々まで調べていると、リカが唐突に話しかける。

 

『皆サンにご報告がありマス』

 

「報告?何ですかリカ!!」

 

『内通者の件デスが……アテクシ、ついに内通者を特定できたかもしれマセん』

 

「「「!?」」」

 

リカが言うと、私を含めた三人が目を丸くする。

えっ、今、内通者を特定できたって言った!?

それってすごい収穫じゃない!!

 

「えっ、それ本当!?」

 

『はい。ちちに貰った膨大なデータを解析した結果、最終的にとある人物が浮かび上がってきたのデス。何度も分析を繰り返した結果デスので、今度は信憑性が高いと思われマス』

 

「そっか……」

 

『どうかなさいマシたか?』

 

「ああ、いや…あまりにも唐突だったからビックリしちゃって。何はともあれ、すごいお手柄じゃないか!内通者を特定できたなんて!」

 

「やっぱりうちの子はベリィイイイイイジィイイイイイニアスですねえ!!!」

 

『そうデスか!?アテクシはいい子デスか!?もっと褒めてクダサイ!』

 

秋山君と目野さんがリカを褒めちぎると、リカはわかりやすく照れる。

何というか、すごいスペックなのにこういうところは本当の人間の女の子みたいなのね。

 

「凄いじゃないか、リカ。さすがは俺の娘だ。早速結果を表示してくれ」

 

『はいちち!今回のデータ解析によって内通者と断定された人物は…………

 

 

 

 

 

ドォン!!!

 

 

 

 

「「「「!?」」」」

 

突然、特別教室棟の方から大きな音が鳴り響いた。

ここに5人集まってるって事は…もしかして、今の音はネロと館井君!?

 

「はぎゃああああ!!?何です今の音は!?」

 

「落ち着いて、目野さん」

 

私は、軽くパニックを起こしている目野さんを落ち着かせた。

秋山君と加賀君とリカは、冷静に現状を分析している。

 

「今の…職員室の方からだったよね?」

 

「職員室の担当は…館井とネロだったな」

 

『二人に何かあったのかもしれマセん!行きマショウ!!』

 

「待って、マナ達はどうするの!?」

 

「とりあえず後だ。今は職員室に向かうぞ」

 

「え、ええ…」

 

私達は、音が響いた職員室へと急いで駆けつけた。

職員室に行くと、モノクマとモノDJが二人の前にいて、地面にはグングニルの槍が刺さっていた。

その後ろでは館井君が顔を真っ青にして呆然としていて、少しかすり傷を負ったネロが二匹を睨みつけていた。

 

「てめぇら……!!」

 

『ちょーーーっといきなり何をするんですかネロクン!!ボク達が一体何をしたっていうんですかねえ?』

 

「とぼけんじゃねえ…!だったら昨日のアレは何だ!?」

 

『昨日のアレ?ギャハハハハ!!何の事だかわかんねえなあ!!テメェの勝手な妄想で校則違反されちゃあ困るぜネロボーイ!』

 

「てめぇら、マジでブチ殺してやる」

 

モノクマとモノDJが笑うと、ネロは愛銃を引き抜いて二匹に銃口を向けた。

ネロはいつになく切羽詰まった様子で、ギリッと歯を食いしばりながら二匹に鋭い殺意を向けていた。

まずい、このままだと本当に校則違反になりかねない。

現に今だって、ネロは槍が掠って怪我を負っている。

ここで黙って見ていたらネロが死んでしまう。

私は、なりふり構わず職員室のドアを開けて叫んだ。

 

「ネロ!!何をしているの!?やめなさい!!」

 

私が叫ぶと、ネロはハッとした様子で私を見る。

 

「ヒイロ……!?」

 

私の叫び声に気をとられたネロは、二匹に向けていた銃口を下ろした。

するとその瞬間、モノクマとモノDJがニヤリと不気味に笑う。

 

『ギャハハハハハ!!!ヘェイ野郎共ォ!!よくぞここに集まってくれたなァ!!マジでグッドタイミングだぜYEAH!!』

 

『さてさてさーて!せっかく腐和サン達が集まってくれた事ですし?ここで重大発表ーーー!』

 

「っ!?おい、てめぇら何をする気だ!?」

 

『うぷぷぷぷ、元はと言えばボク達に反発したオマエがイケナイんだよ!オマエは素直にボク達の言う事を聞いとけば良かったのにさぁ!』

 

「てめぇらがそれを言うか…!!」

 

えっ…?

何?

反発とか、言う事を聞くとか、さっきから何を言ってるのこいつらは。

それに今、『重大発表』って言ったわよね。

まさか………

 

 

 

『はーい皆聞いてますかー!この前、オマエラの中に内通者がいるって話はしたよね?』

 

『今ここで、内通者が誰かを発表しちまうぜYEAHHHHHHHHHH!!!』

 

『オマエラを売ってボク達に内通してた裏切り者、その正体は……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【超高校級のマフィア】ネロ・ヴィアラッテアクンです!』

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

 

………え?

 

嘘……

 

ネロが内通者…?

 

 

 

「っ…………」

 

モノクマが私達の前で発表すると、ネロの顔からはさぁっと血の気が引いていく。

そして、全てを諦めたように深くため息をついた。

後ろに立っていた館井君は、ネロの方を見て呆然としていた。

 

信じられなかった。

信じたくなかった。

でも本人の反応を見る限り、きっと真実なんだろう。

その場に居合わせた私達は、ほぼ全員が私と同じ反応だった。

唯一、リカだけは、それを知っていたのかリアクションが薄かった。

 

するとその時、ピコン、という音と共にリカが先程表示しようとしていた画面が空中に表示される。

そこには、ネロの顔写真と共に『ネロ・ヴィアラッテア 一致率 91.8%』と表示されていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

ーーー 生き残りメンバー ーーー

 

【超高校級の警察官】腐和(ふわ)緋色(ひいろ)

 

【超高校級の幸運】聲伽(こえとぎ)(まな)

 

【超高校級の泥棒】知崎(ちさき)(れん)

 

【超高校級の考古学者】古城(こじょう)いろは

 

【超高校級の魔術師】加賀(かが)久遠(くおん)

 

【超高校級の機械技師】目野(めの)美香子(みかこ)

 

【超高校級の大工】館井(たてい)建次郎(けんじろう)

 

【超高校級の音楽プロデューサー】秋山(あきやま)楽斗(がくと)

 

【超高校級のマフィア】ネロ・ヴィアラッテア

 

【超高校級のAI】リカ 

 

残り10名

 

 

 

ーーー 死亡メンバー ーーー

 

【超高校級のバレーボール選手】玉越(たまこし)(つばさ)

 

【超高校級のボーカリスト】(ひびき)歌音(うたね)

 

【超高校級の獣医】小鳥遊(たかなし)(ゆい)

 

【超高校級のメイクアップアーティスト】越目(こすめ)粧太(しょうた)

 

【超高校級の聖母】聖蘭(せいらん)マリア

 

【超高校級の忍者】闇内(やみうち)(しのぶ)

 

【超高校級の美食家】【超高校級の殺人鬼】食峰(しょくほう)(みつる)

 

以上7名

 

 

 

 

 

今更だけど推し教えて

  • 腐和緋色
  • 聲伽愛
  • 玉越翼
  • 小鳥遊由
  • 知崎蓮
  • 食峰満
  • 越目粧太
  • 聖蘭マリア
  • 古城いろは
  • 加賀久遠
  • 目野美香子
  • 館井建次郎
  • 秋山楽斗
  • 響歌音
  • ネロ・ヴィアラッテア
  • 闇内忍
  • リカ
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