ジャスティスダンガンロンパX4  強くてコロシアイ再履修   作:M.T.

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非日常編①(捜査編)

そんな…

ネロがどうして…

私達の為に自分を犠牲にしたりなんかしないって、約束してくれたのに…

どうしてこうなるのよ…!

 

「はぎゃあああああ!!?ね、ネロさん!?」

 

「ネロくん…!」

 

「何という事じゃ…!!」

 

『そんな…ネロクンが、どうして…!』

 

「ネロさん……」

 

「やはり、また起こってしまったか。クソ、奴には情報を洗いざらい吐いてもらおうと思っていたのに」

 

「あーあ、ネロおにい死んじゃった。これから面白くなるところだったのになぁ」

 

目野さんは顔を真っ青にして叫び声を上げ、マナ、古城さん、リカは顔を真っ青にしてその場で立ち尽くしていた。

加賀君は腕を組んだまま静かにぼやき、秋山君が悔しそうに俯き、知崎君は頭の後ろで手を組んでため息をついていた。

するとその時、館井君がネロに歩み寄る。

 

「くっ…ダメだ、これはもう…」

 

館井君は、ネロの顔を覗き込んだかと思うと首を横に振った。

わかっていた。

ネロはもう、息をしていないという事は。

それでもいざ抗いようのない現実に直面すると、どうしようもなくなってしまう自分がいた。

私達がネロの遺体を前に呆然としていると、モノクマとモノDJがどこからか現れる。

 

『うぷぷぷぷ!オマエラの絆なんて、シャボン玉みたいに脆いんですなぁ』

 

「うわ、出た」

 

「貴様ら……!」

 

「ねえ誰か殺虫剤持ってない?」

 

「ワシの愛剣の餌食にしてくれようか」

 

モノクマとモノDJが現れると、マナと館井君が露骨に嫌そうな顔をし、秋山君に至ってはモノクマ達を敵視するあまり毒を吐き、古城さんはどこからか新聞紙を取り出して丸めていた。

するとそれを見たモノDJがショックを受ける。

 

『ダミッ!?テメェら、俺達を黒光りするあの虫か何かだと思ってねえか!?』

 

「お前らなんかゴキブリ以下だよ」

 

『ガビーーーン!!』

 

秋山君がため息をつきながら毒を吐くと、モノDJが軽くショックを受けた。

茶番も甚だしいわね。

私がそんな事を考えていると、加賀君も同じ事を思ったのか、腕を組んでうんざりした様子で口を開く。

 

「茶番はいいからさっさと先に進めてくれ。今回もモノクマファイルを配ってくれるのだろう?」

 

『はいはーい、今回もモノクマファイルをあげるので捜査に役立ててくださいね!』

 

『今回は自由に異世界に行って探索できるようにしたから、どんどん調査をしてけよ!んじゃあ、学級裁判で会おうぜ!』

 

そう言って二匹は、どこかへと消えていった。

 

「さて…と。今回も検視は俺がやろう」

 

『アテクシも手伝いマス』

 

「リカが言うなら私も見張りをしましょう!」

 

話し合いの結果、今回は加賀君、目野さん、リカの三人が検視と見張りを、秋山君と知崎君が異世界で捜査、館井君と古城さんが現実世界で捜査、そして私とマナが皆の捜査情報をまとめる聞き込み役となった。

ネロを殺した犯人を突き止める為にも、出来るだけ多く情報を集めたいところね。 

 

 

 

ーーー

 

 

 

《捜査開始!》

 

 

 

まずはモノクマファイルを確認しておこう。

 

モノクマファイル⑤

被害者は【超高校級のマフィア】ネロ・ヴィアラッテア。

死亡推定時刻は14時30分頃。

死体発見場所は寄宿舎4Fの転生ルーム。

死因は心臓麻痺。

外傷はなし。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【モノクマファイル⑤】

 

 

 

「心臓麻痺か…ザックリしすぎじゃないかしら」

 

「うーん、加賀君達に聞いたら何かわかったりしぇんかな?」

 

「そうね。一旦加賀君達に検視結果を聞いてみましょう」

 

私達は、一旦加賀君達に捜査情報を聞いてみる事にした。

 

「加賀君は何かわかった事はあった?」

 

「ああ。ネロの死体には、外傷は一切無かった。しかし、ネロの体内から毒が検出された」

 

「うーん……」

 

じゃあネロは毒殺だったのかしら…?

 

 

 

コトダマゲット!

 

【加賀君の検視結果】

ネロの身体には外傷は無かった。

しかし、体内から毒が検出された。

 

 

 

「ちなみに、その検出された毒というのは何だったの?」

 

『どうやら青酸カリのようデス。体内から青酸カリのカプセルが検出されマシた』

 

「青酸カリ…」

 

そういえば、保健室にあった毒の中に青酸カリがあったわよね。

確か、青いカプセルにちょうど致死量が入ってたはずよね。

じゃあネロは青酸カリを飲まされて死んだって事…?

 

 

 

コトダマゲット!

 

【青酸カリ】

ネロの体内からカプセルごと検出された。

青いカプセルにちょうど致死量の顆粒が入っている。

 

 

 

「………あれ?」

 

そういえば、青酸カリを飲まされているのに、ネロの口からはアーモンド臭が全くしないわね。

普通、青酸カリを飲んだら胃酸と反応してシアン化水素が発生するから、甘酸っぱい匂いがするはずなのだけれど…

ネロは青酸カリで毒殺されたわけじゃないって事かしら?

 

 

 

コトダマゲット!

 

【アーモンド臭】

青酸カリが胃酸と反応して発生するシアン化水素の臭い。

ネロの口からはアーモンド臭がしなかった。

 

 

 

「そういえば、あなた達は事件当時何をしてたの?」

 

「リカと一緒に銀行の金を下ろしに行っていたと思うが…ああ、そういえば目野とネロが飛行船の停留所付近の森で何かコソコソやっていたな」

 

「え?」

 

「確か強制ログアウトの10分程前だったかな。目野が忙しない様子でネロを森に連れ込んでいたのを遠目で見たぞ」

 

 

 

コトダマゲット!

 

【加賀君の証言】

ネロが死ぬ10分程前、目野さんが飛行船の停留所付近の森にネロを連れ込んでいた。

 

 

 

『ははで思い出した事があるのデスが、アテクシから一つよろしいデショウか?』

 

「え?」

 

『ははの様子が何だかおかしかったのデス。何というか、いつもより物静かだったというか…何だかいつものははではないようデシた』

 

「そうなんや…ようそげん小しゃな変化に気づけたね」

 

『当然デス!ははの事は誰よりもアテクシが一番知ってマスから!』

 

 

 

コトダマゲット!

 

【リカの証言】

異世界の目野さんの様子がおかしかった。

いつもより物静かで、何だか目野さんであって目野さんではないようだった。

 

 

 

「目野さん、あなたは何かわかったかしら?」

 

「うーん、それがですね!事件の約10分前からの記憶が無いのでサッパリですね!何だか強烈な薬品の匂いがした事は覚えているのですが、それ以降の記憶がゴッソリ抜け落ちてるみたいです!すみません!」

 

事件の10分前からの記憶が無い…?

そんなはずないわ、だって目野さんは私達と異世界で会ったはず…

じゃあ私達が会った目野さんは一体何だったの…?

それに、目野さんが嗅いだ薬品の匂いというのは一体…?

 

 

 

コトダマゲット!

 

【目野さんの証言】

目野さんは事件の約10分前から記憶が無い。

どうやら意識を失う前に強烈な薬品の匂いを嗅いだようだ。

 

 

 

「事件の捜査に役立てず申し訳ございません!ですが、こういう時は私の新作メカちゃん、ミニリカレンジャーの出番です!あポチっとな!」

 

目野さんが手元のスイッチを押した直後、どこからかミニリカレンジャーなるレッド、ブルー、イエロー、グリーン、ピンクの5体の1/14スケールのリカが現れた。

 

「このミニリカレンジャー達が遠隔で捜査をしてくれるので、これで人手不足は解決ですね!それゆけ!ミニリカレンジャー!」

 

そう言って目野さんは、学園中にミニリカレンジャーを飛ばし始めた。

すごいわね…

でも正直、そんなにすごいものがあるならもっと早く出してほしかったわ。

 

「あれ!?緋色ちゃん、何これ!?」

 

そう言ってマナが取り出したのは、青酸カリのカプセルが入った茶色い瓶だった。

これは化学室から持ち出されたものよね…?

 

「ねえ、それどこで見つけたの?」

 

「秋山くんの座席ん隙間に挟まっとったよ」

 

秋山くんの座席の隙間に…ね。

じゃあこれは秋山君が持ち出したものなのかしら…?

 

 

 

コトダマゲット!

 

【茶色い瓶】

青酸カリの青いカプセルが入っている。

秋山君の座席の隙間に挟まっていた。

 

 

 

「もう少しこの椅子を調べておこうかしらね」

 

私は、転生ルームの椅子の構造について調べてみた。

転生ルームの椅子は、座面に座ってヘッドセットを装着すると、自動で四肢と胴に安全装置が取り付けられ、瞬時にロックがかかるようになっている。

どうやら、ロックを解除するには一度ゲームにログインしてからログアウトする他ないみたいだ。

これだったらいきなり襲われても抵抗できなさそうね。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【安全装置】

転生ルームの椅子は、ゲームをプレイする際に自動で四肢と胴に頑丈な安全装置が取り付けられ、一切身動きが取れなくなる。

安全装置のロックを解除するには、一度ゲームにログインしてからログアウトするしかない。

 

 

 

ここで調べられる事はこれくらいかしらね。

 

「次は古城さんと館井君の話を聞いてみましょう」

 

「うん!」

 

私達は、化学室を調べてくれている古城さんと館井君に話を聞いてみる事にした。

 

 

 

ーーー 化学室 ーーー

 

「館井君、古城さん。あなた達は何かわかった?」

 

「………化学室から麻酔薬とガスマスクが盗み出されていた」

 

 

 

コトダマゲット!

 

【麻酔薬の瓶】

化学室から盗まれていた。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【ガスマスク】

化学室から盗まれていた。

 

 

 

「ちなみに、盗まれてたのはどういう種類の麻酔薬だったのかしら?」

 

「うむ!どうやらクロロホルムとかいう薬のようじゃな!」

 

「クロロホルム…あっ、うち知っとーばい!確かハンカチに染み込ましぇて後ろから吸わしぇて気絶しゃしぇるやつ!推理ドラマで見た事あるよ!」

 

「なっ、何じゃと!?奇襲を仕掛けて気絶させる為の薬品だったのか!」

 

「マナ、古城さん…クロロホルムはハンカチに染み込ませて嗅がせたくらいじゃ人を気絶させられないのよ?」

 

「えっ、マジで!?」

 

「確かにクロロホルムは強力な麻酔作用がある薬品だけど、適切な濃度で長時間吸入しないと意識を失う事は無いのよ。そんな事するくらいだったら後ろから殴った方が早いわよ」

 

「何じゃあ、ドラマと全然違うではないか!」

 

 

 

コトダマゲット!

 

【クロロホルム】

化学室から盗み出されていた。

強力な麻酔作用がある。

 

 

 

ここで調べられるのはこれくらいかしらね。

私達が次の場所を調べようとすると、ミニリカレンジャー達が捜査結果を持って飛んでくる。

まずは赤い制服を着たミニリカレッドが、無線スピーカーを持ってきた。

 

『腐和サン!アテクシはゲームセンター内に設置された無線スピーカーを発見しマシた!』

 

そう言ってミニリカレッドが見せてくれたのは、音楽準備室に置いてあった無線スピーカーだった。

どうしてこれがこんなところに…?

 

 

 

コトダマゲット!

 

【無線スピーカー】

音楽準備室にあったはずの無線スピーカーが、何故かゲームセンター内で見つかった。

 

 

 

今度は、ミニリカグリーンとミニリカピンクが捜査結果を報告してくる。

 

『アテクシ達は職員室を調べていたのデスが、職員室の携帯電話が一台なくなっていマシた』

 

『ちなみになくなっていたのは旧式の携帯電話で、この学園の固定電話にしか繋がりマセん』

 

 

 

コトダマゲット!

 

【携帯電話】

職員室の携帯電話が何故かなくなっていた。

旧式の携帯電話で、この学園の内線にしか繋がらない。

 

 

 

すると今度は、ミニリカブルーとミニリカイエローが捜査結果を報告する。

 

『事件と関係あるかどうかは不明デスが、どうやら職員室の内線電話に着信履歴があったようなのデス。確か、14時くらいだったデショウか?』

 

『それと、内線電話に小型マイクが取り付けられていマシた』

 

内線電話…小型マイク…

この時点では何もわからないけど、何だか重要な手掛かりになりそうね。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【内線電話の着信履歴】

職員室の内線電話に着信履歴があった。

時刻は14時頃。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【小型マイク】

音楽準備室にあった小型マイク。

何故か職員室の内線電話に取り付けられていた。

 

 

 

「ありがとう、ミニリカ達」

 

『どういたしマシて!また御用があったらいつでも呼んでクダサイ!』

 

そう言ってミニリカレンジャーは、背中のエンジンを吹かしながら目野さんの方へと飛んでいった。

ここで調べられる情報はこれくらいかしらね…

 

「ねえ緋色ちゃん、そろそろ異世界ん方も調べてみん?」

 

「そうね」

 

現実世界での捜査を終えた私達は、異世界に行って調べる事にした。

 

 

 

ーーー 異世界 ーーー

 

異世界に行くと、『はじまりの草原』が広がっていた。

そういえば、異世界にログインする時にいちいち名前を聞かれてたけど、今回はそれをやらないのね。

捜査中は例外って事かしらね?

 

 

 

コトダマゲット!

 

【プレイヤーの確認】

異世界にログインする際、必ずプレイヤーの確認が求められる。

 

 

 

「あっ、緋色ちゃん!」

 

突然マナが大きな声を出してきた。

マナが指差した方を見てみると、ネロのアバターが地面に横たわっていた。

ネロのアバターの首には、『縁結びのリボン』が括り付けられている。

これだけきつくしまっていたら、間違いなく数分で絶命してしまうでしょうね。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【ネロのアバター】

首にリボンが結び付けられている。

これだけ強く結び付けられていたら、間違いなく数分で絶命するはずだ。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【縁結びのリボン】

ホープアイランド内のアイテム。

決して切れず無限に伸びる魔法のリボン。

 

 

 

「一応ネロのグリモアも確認しておきましょう」

 

「うん!」

 

私達は、犯人に繋がる手掛かりを得る為、ネロのグリモアを調べてみる事にした。

…ごめんなさい、ネロ。

少し調べるわよ。

ネロのグリモアを調べてみると、どうやらネロが最後に接触したのは目野さんのようだ。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【ネロのグリモアのログ】

ネロのグリモアのログによると、ネロが最後に接触したのは目野さん。

 

 

 

うーん…

捜査をしてて少し気になった事があるのよね。

モノクマに聞いてみようかしら。

 

「モノクマ!」

 

『はい何でしょ?』

 

「確か、一人でも死亡者が出たらその瞬間にゲームは強制中断されて、全員ログアウトされるのよね?」

 

『はいそうです!』

 

「もしゲーム内で死んだら、現実世界の肉体はどうなるのかしら?」

 

『うぷぷ、異世界での死は現実世界での死と同じです!しかし、異世界で死んでも現実の肉体にはダメージ等は反映されません!たとえ異世界でどう死のうと、現実世界での死因は『心臓麻痺』となります!』

 

なるほどね…

 

 

 

コトダマゲット!

 

【ゲームの強制中断】

誰か一人でも死亡者が出た場合、その瞬間にゲームは強制中断され全員ログアウトとなる。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【異世界での死】

異世界で死んだ場合、現実世界でも死亡する。

ただし現実世界での死因は、異世界での死因にかかわらず全て心臓麻痺となる。

 

 

 

「あれ?緋色ちゃん、何やろこれ?」

 

「ん?」

 

マナは、はじまりの草原の中で立ち尽くして正面を眺めていた。

草原はどこまでも続いているように見えるのに、まるで水面のような透明な壁が私達の前に聳え立っていた。

 

…あれ?

この壁、すり抜けられるようになってるわね。

どういう事なのかしら?

 

「モノクマ、この壁は何なの?」

 

『うぷぷ、それはこの世界を仕切る壁です!この壁は、無生物と認識されたものはすり抜ける事ができるのです!』

 

「無生物…それって死体は無生物にカウントされるの?」

 

『されます!死体及びNPCは、無生物として扱われます!』

 

「じゃあ私達が今普通にすり抜けられたのはどうしてなの?」

 

『捜査中は例外なのだ!』

 

なるほどね。

裏を返せば、捜査時間以外はこの壁をすり抜けられるのは無生物だけなのね。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【透明な壁】

はじまりの草原に立ちはだかっていた壁。

普段は無生物はすり抜けられるようになっている。

死体及びNPCは無生物と認識される。

ただし捜査中は例外。

 

 

 

…あれ?

この壁の向こう、すり抜けてみると何かあるわね。

何だろう、あれは…

…暗闇の中に、滑り台みたいなものが見えるわね。

見たところ、手作りのようだけれど…?

 

 

 

コトダマゲット!

 

【滑り台】

透明な壁の向こうに、手作りの滑り台のようなものが設置されている。

 

 

 

「緋色ちゃん!秋山くんと知崎くんにも話ば聞き行こ!」

 

「そうね」

 

私達は、捜査情報を集めるため、水の島にいる秋山君と知崎君にも話を聞いてみる事にした。

 

 

 

ーーー 水の島 ーーー

 

私達は、水の島で捜査をしていた秋山君達に話しかけた。

 

「秋山君達は何かわかったかしら?」

 

「うーん、事件と関係あるかどうかはわかんないんだけどさ。14時くらいに職員室の内線に無言電話があったんだよね」

 

「無言電話?」

 

「うん。俺、それまでは転生ルームでコロシアイが起きないように見張りをしてたんだけどさ。急にゲームセンターの方から電話の音が聞こえて、何かと思って調べてみたらスピーカーが置いてあってさ。ひょっとして職員室の電話の音をスピーカーが拾ってるんじゃないかと思って調べに行ったんだ。で、出てみたら結局無言電話だったよ。今思えば、あんな怪しい電話に出るんじゃなかったな」

 

「なるほどね…」

 

 

 

コトダマゲット!

 

【秋山君の証言】

14時頃に職員室の内線電話に着信があったので出てみたところ、無言電話だったらしい。

それまでは転生ルームの見張りをしていた。

 

 

 

「知崎君は?」

 

「緋色ちゃん!マナちゃん!ねえ知ってる?あの飛行船、ずっと水の島の前で止まってたんだよ!」

 

「ええ!?嘘やろ!?」

 

「嘘じゃないもん!ボク、ずっといろはおねえと一緒に炎の島で待ってたんだから!全く、誰だよずっと水の島で止めてた奴!」

 

「ずっとって何分くらい?」

 

「10分くらい!」

 

地味に長いわね。

誰かが嫌がらせで止めてたか、それとも故障か何かかしら?

 

 

 

コトダマゲット!

 

【知崎君の証言】

飛行船は、強制ログアウト時までずっと水の島で停まっていた。

つまり少なくともネロが死ぬ10分前は島と島との間の行き来は不可能だった。

 

 

 

「………」

 

私は、ほんの思いつきで自分で書いた地図を眺めてみた。

私が書いたのは、はじまりの草原がある島、炎の島、風の島、土の島、水の島の順に南北に一直線に並んでいる地図だ。

飛行船での所要時間と方位磁針を頼りに描いた地図なのだけれど…この地図、本当に正しいのかしら?

島の移動手段が飛行船しかないから、どうも怪しいわね。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【島の位置関係】

はじまりの草原を基点として、炎の島、風の島、土の島、水の島の順に飛行船での移動の所要時間が長くなっていく。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【飛行船】

必ず島の東端に到着する飛行船が唯一島を行き来できる移動手段。

 

 

 

「ねえ、目野ちゃんがネロくんば連れ込んだんって水ん島ん停留所近くの森ばいね?あそこはもう調べに行ったと?」

 

「それがさ…あの島、モンスターが大量に蔓延ってて迂闊に近づけなかったんだ。この前まであの森にはモンスターなんて一匹もいなかったのに、何で急に現れたんだろうね?」

 

 

 

コトダマゲット!

 

【水の島の森のモンスター】

水の島の森にモンスターが大量発生していた。

 

 

 

「ねえ楽斗おにい!知ってる?ここのカードってね、一分間ほったらかしにしとくと元に戻っちゃうんだよ!」

 

「知ってるよ…君、それで腐和さん達の窮地を救ったんでしょ?」

 

「そうだよー!それとね、これは色々やってて気付いた事なんだけどさ!手に入れたアイテムを何かの形に加工したらまたカード化できるらしいよ!にしし、今割と大事な事言ったよ!」

 

「わかったから、関係ない事話してる暇があったら手掛かり探そうよ」

 

「はーい」

 

なるほどね…

カードの特性は、この事件の謎を紐解く上で重要になりそうね。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【アイテムの特性①】

この島のアイテムは触れる事でカード化でき、カードに書かれた呪文を詠唱する事でカード化を解除する事ができる。

また、1分間グリモアに納めずに放置しておくと自動的にカード化が解除されてしまう。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【アイテムの特性②】

原則として、一度カード化を解除したものはもう一度カード化する事はできない。

ただし例外として、そのアイテムを加工して別のアイテムへ変えた場合はもう一度カード化する事ができる。

 

 

 

「ねえ緋色ちゃん。確かこんゲームってHPが0になると全身疲労で動けんくなるんやったよね?」

 

「ええ」

 

一度HP切れした事あるからわかるけど、HPが0になると本当に全身疲労で指一本動かせなくなるのよね。

HPが0になった状態で襲われても抵抗できなさそうね。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【ゲーム内のHP】

異世界にはHPという概念が存在する。

異世界でダメージを負った場合、現実世界の肉体に全く影響はないが、HPが0になると全身疲労で指一本動かせなくなる。

 

 

 

「捜査情報をまとめてみたけど、捜査で分かったのはこれくらいかしらね」

 

「うん!どうする?もう戻る?」

 

「そうね…」

 

私とマナが話していた、その時だった。

リカと加賀君が、こちらに歩いてくる。

 

『腐和サン、聲伽サン。こんにちは』

 

「むっ、腐和に聲伽か。気分はどうだ?」

 

リカと加賀君のアバターは、やけに能天気に話しかけてくる。

するとマナが二人に駆け寄って話しかける。

 

「あれっ、加賀くん、リカちゃん!捜査はもう終わったと?」

 

「捜査?何だそれは」

 

「何だそれはって…今捜査中やろ?なん呑気な事言いよーっちゃん!」

 

「違うわよ、マナ。今の二人はNPCなの。だから向こうが答えを用意してない質問に対しては、『何だそれは』としか言えないのよ」

 

「えっ、NPC?」

 

「もう…初めてゲームにログインする時、モノDJが説明してたでしょ?私達プレイヤーのアバターは、ログアウトするとNPCとしてこの世界に居続けるの」

 

「そうだっけ…?」

 

私がため息をつきながら説明すると、マナが苦笑いを浮かべた。

…この子、さては説明をちゃんと聞いてなかったわね。

それにしても、捜査中にまでNPCがいるなんて、正直邪魔ね。

紛らわしいから捜査中くらいNPCを退かしときなさいよ。

 

 

 

コトダマゲット!

 

【ログアウト後のアバター】

ログアウト後、プレイヤーのアバターはNPCとして異世界に居続ける。

NPCは、用意された問答しかする事ができない。

 

 

 

「緋色ちゃん、もう行かん?」

 

「そうね……」

 

本当にまだ調べてない事はもう無いかしら?

…あっ、待って。

そういえばまだ確認してない事があったわね。

 

「あっ、ちょっと待って」

 

「何?」

 

「ネロが死んだ時、遺体には誰が触ってたっけ?」

 

「んーっと…館井くんと、あと検視役の加賀くんとリカちゃんと目野ちゃんだよね?」

 

「ふーん…」

 

「ふーんて…緋色ちゃんが聞いたんやろ!?」

 

「ああ、ごめんなさい。ちょっと考え事してた」

 

遺体に触っていたのはその4人…

あっ、もしかして……

 

 

 

コトダマゲット!

 

【マナの証言】

強制ログアウト後、ネロの遺体に触ったのは館井君、加賀君、目野さん、リカの4人。

 

 

 

私が捜査を続けていた、その時だった。

 

 

 

ピーンポーンパーンポーン

 

『えー、もう待ちくたびれたので捜査時間を打ち切らせていただきます!オマエラ、校舎1階の赤い扉の前まで集合して下さい!あ、もちろん全員参加だからね?15分以内に来ないとオシオキしますよー!』

 

「えっ、もうおしまい!?」

 

「仕方ないわね…行くわよマナ」

 

「う、うん…」

 

私達は、不安を抱えつつもすぐに異世界からログアウトした。

ログアウトすると、さっきまで座っていた椅子に戻ってきた。

全員がログアウトしたのを確認すると、私達はすぐに赤い扉に向かった。

 

 

 

ーーー 赤い扉の前 ーーー

 

赤い扉の前には、既に他の人達が集合していた。

私達が全員集まると、その直後アナウンスからちょうど15分になった。

すると赤い扉が開き、私はエレベーターに乗り込んだ。

全員がエレベーターに乗り込むと、扉が閉まり下へ移動した。

 

エレベーターは静かに下へ下へと降りていき…そして、止まった。

またあの裁判場への扉が開く。

だが今回は、前回と風景が違っていた。

今回は、私達がゲームをしていた異世界のような風景だった。

 

越目君と聖蘭さんの間の席に新たに置かれた食峰君の遺影。

彼の遺影には、クロスしたフォークとナイフが描かれていた。

そして知崎君と響さんの席の間には、タバコのマークが描かれたネロの遺影が置かれていた。

 

ネロ・ヴィアラッテア…

素直じゃないところがあったけど、最期まで私達を守ろうとしてくれていた。

誰よりも強く勇敢な人だった。

 

そんな彼を殺した犯人がこの中にいる。

私が、絶対に犯人を暴いてやる!!

 

 

 

 

 


 

 

 

ーーー 生き残りメンバー ーーー

 

【超高校級の警察官】腐和(ふわ)緋色(ひいろ)

 

【超高校級の幸運】聲伽(こえとぎ)(まな)

 

【超高校級の泥棒】知崎(ちさき)(れん)

 

【超高校級の考古学者】古城(こじょう)いろは

 

【超高校級の魔術師】加賀(かが)久遠(くおん)

 

【超高校級の機械技師】目野(めの)美香子(みかこ)

 

【超高校級の大工】館井(たてい)建次郎(けんじろう)

 

【超高校級の音楽プロデューサー】秋山(あきやま)楽斗(がくと)

 

【超高校級のAI】リカ 

 

残り9名

 

 

 

ーーー 死亡メンバー ーーー

 

【超高校級のバレーボール選手】玉越(たまこし)(つばさ)

 

【超高校級のボーカリスト】(ひびき)歌音(うたね)

 

【超高校級の獣医】小鳥遊(たかなし)(ゆい)

 

【超高校級のメイクアップアーティスト】越目(こすめ)粧太(しょうた)

 

【超高校級の聖母】聖蘭(せいらん)マリア

 

【超高校級の忍者】闇内(やみうち)(しのぶ)

 

【超高校級の美食家】【超高校級の殺人鬼】食峰(しょくほう)(みつる)

 

【超高校級のマフィア】ネロ・ヴィアラッテア

 

以上8名

 

 

 

 

 

今更だけど推し教えて

  • 腐和緋色
  • 聲伽愛
  • 玉越翼
  • 小鳥遊由
  • 知崎蓮
  • 食峰満
  • 越目粧太
  • 聖蘭マリア
  • 古城いろは
  • 加賀久遠
  • 目野美香子
  • 館井建次郎
  • 秋山楽斗
  • 響歌音
  • ネロ・ヴィアラッテア
  • 闇内忍
  • リカ
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