ジャスティスダンガンロンパX4  強くてコロシアイ再履修   作:M.T.

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Chapter.5 この素晴らしい世界に絶望を!
(非)日常編①


……気分が悪い。

足が重い。

頭も重い。

今日もまた、あの地獄のような場所に行かなきゃいけない。

学校に行きたくない。

もう何もかも忘れて、消えてしまいたい。

 

『あいつ』がやらかしてから、私の人生は狂い始めた。

あいつに狂わされた皆は、私を迫害してくるようになった。

あの教室では、私は虫螻以下の存在だった。

あいつさえいなければ、多少不自由でも、平穏な日常を過ごせるはずだったのに。

クラスの皆だって、あんなに変わってしまう事はなかったのに。

……全部あいつのせいだ。

 

校舎についた。

でも今日の校舎は、いつもとは決定的に何かが違っていた。

生臭い。

むせ返るような、鼻を刺すような鉄臭い匂い。

嫌な予感がした。

私は、より濃い匂いがするB組の教室に駆け込んだ。

 

「うっ…!?」

 

B組の教室に入った瞬間、私は思わず後退りした。

ドン、と背中が壁にぶつかった。

恐る恐る教室を見ると、血溜まりの中にB組の子達が転がっていた。

その中の一人と目が合った。

その目を見れば、B組の皆が既に息絶えているのは火を見るよりも明らかだった。

無残に荒らされた教室にできた血溜まり、そこに転がる17人の亡骸。

B組の先生の亡骸もそこに転がっていた。

いけ好かない連中だったけど、無残に殺されているのは見るに堪えなかった。

 

私はふと、自分のクラスがどうなったのか気になった。

こいつらみたいに全員惨殺されてしまったのか、それともまだ生きているのか、それだけでも知りたかった。

最低な奴等だったけど、どうしても、彼等がどうなったのか気になってしまった。

私は、自分のクラスのA組の教室を開けた。

 

「……!」

 

そこには、私のクラスメイトはいなかった。

教室は荒らされてはいたものの、クラスメイトが殺された痕跡は無かった。

ふと、教卓の方に視線を移した。

 

「っ………!!」

 

そこには、信じられないものが映り込んでいた。

信じたくなかった。

見たくなかった。

でも、それは紛れもない真実だった。

その人は、全身から血を流し、糸の切れた操り人形のように力なくその場に横たわり、生気のない瞳を私の方に向けていた。

どうしてあなたが……!

 

 

 

「とうとう恐れていた事が起こってしまったか……」

 

「ううむ、奴の正体を見抜けなかった我々の失態だな」

 

後ろを振り向くと、理事長と学園長が立っていた。

二人は、この事件について何か知っている様子だった。

私が口を開こうとすると、理事長は私の肩に手を置いて言った。

 

「おめでとう。君は選ばれたんだ。君はこれから私達の『希望』となり、そして『正義』となるんだ」

 

『希望』…『正義』……

それが私の………

 

 

 

 

 

「はっ………!」

 

気がつくと、さっきまでの教室とは違う部屋にいた。

……どうやら寄宿舎の個室のようだ。

3回目の裁判の時の夢の続きを見た。

あの夢に出てきたのは、私じゃない。

でも、どうも他人事とは思えない。

それにさっきの夢に出てきた二人、どこかで見た事があるような…

 

「………」

 

私は、重い身体を起こしてベッドから起き上がると、朝の支度をして制服に着替えた。

ネロと館井君が死んだ。

気分が悪い。

頭が動かない。

 

でも、生きなきゃ。

考えなきゃ。

前に進まなきゃ。

 

 

 

「………あ」

 

そういえば、リカが言ってた『白瀬クロヱ』って一体…?

リカは、クロヱという生徒を【超高校級の絶望】と呼んでいた。

じゃあ、彼女がこのコロシアイの黒幕だったの…?

…ネロの研究室に何か手掛かりがあるかも知れない。

 

「……行ってみよう」

 

 

 

ーーー 【超高校級のマフィア】の研究室 ーーー

 

私は、ネロの研究室に足を運んだ。

ふと研究室のテーブルに目をやると、ノートパソコンが置かれている事に気がつく。

おそらく、モノクマから支給されたものだろう。

私は、テーブルの上に置かれていたノートパソコンを開いて見てみた。

するといきなりパソコンが起動し、画面に白と黒のツートンカラーの髪の少女が映し出される。

 

『うぷぷぷ!世界の皆、()()()()()〜!なんちゃって!皆大好き白瀬クロヱちゃんだよ!今日もニコニコ皆に絶望をプレゼントしまぁ〜っす!』

 

自らを白瀬クロヱと名乗る少女は、異常なまでのハイテンションで画面の向こうの私に向かって挨拶をしてきた。

見た目といい、性格といい、まるでモノクマを彷彿とさせる不気味な少女だと思った。

 

『ねえねえ、絶望って素晴らしいものだと思うでしょ?だって絶望は、人間の感情の中で一番深くて、救いようのないくらい醜くて、愛おしく思える程に美しいんだよ?例えば白雪姫を暗殺しようとしたのがバレて焼けた靴を履かされたお妃様とか、自分が助けた王子様と結ばれるためにせっかく声を失ってまで人間になったのに気付いてもらえずに王子様を他の女に取られちゃった悲劇の人魚姫とか、きっとそういう気持ちだったんだろうね。想像しただけで激しく脳汁分泌させて月の向こうまでイっちゃいそうだよね!』

 

白瀬クロヱは、モノクマを彷彿とさせる喋り方でゲラゲラ笑いながら語った。

映像を見る限り、やっぱり彼女が黒幕だったのだろうか。

そんな事を考えながら映像を見ていると、映像の中の白瀬クロヱはニヤリと不気味な笑顔を浮かべながら言った。

 

『ボクは、皆にもっともっと絶望してほしいんだよ!『ダンガンロンパ』は終わらせちゃいけないんだ。ボクが『ダンガンロンパ』を復活させて、このセカイをもっと絶望的に魅せるからさ!だから見ててよ。ボクから目を逸らさないで。キミ達が絶望に堕ちるその時まで、ずっとーーーーー…』

 

白瀬クロヱが何かを言いかけたところで、映像が終わった。

私は、気がつくと頭を抱えてポツリと呟いていた。

 

「何なのよ……」

 

私は、白瀬クロヱという女が残した映像以外の情報が知りたくて、ネロのパソコンのフォルダを片っ端から調べた。

すると案の定と言うべきなのか、白瀬クロヱから送られてきたと思われるメールの受信履歴が残っていた。

メールの内容は、『1週間以内にコロシアイが起こらないとオマエラにこんな目に遭ってもらうよ』という、コロシアイを急かすメールだった。

こうやって私達を人質にネロを脅して、コロシアイの口火を切らせようとしていたのか…

そこには、私の母さんにそっくりな女性…おそらく、私達の担任が惨殺される映像が添付されていた。

 

「うっ…!?」

 

その映像を見て、母さんが【超高校級の絶望】に殺された時の光景が突然フラッシュバックした。

見た目や才能、職業が同じなだけじゃない。

死に方まで母さんと同じだった。

 

「っ………!!」

 

映像を見た直後、突然頭痛がした。

頭が割れるように痛い。

まるで頭の中を直接攪拌されるみたいに、思考がグチャグチャに混ざる。

頭にノイズがかかった映像が流れ込んでくる。

五月蝿い。

痛い。

吐き気がする。

 

 

 

「っあ……!」

 

突然、頭の中でうるさく鳴り響いていたノイズが消え、気がつくと頭痛も治っていた。

一体、今のは何だったの……?

 

「……………」

 

何が真実なのかはわからない。

もしかすると、母さんが私の幼い頃に【超高校級の絶望】に惨殺されたという事実すら、私が勝手に記憶を捏造して作り出した虚構なのかもしれない、その考えが頭をよぎった。

ただ一つ確信しているのは、この映像を送りつけた黒幕は明確な『悪』だという事だ。

絶望を喰らう為に悪趣味なゲームを見せ物にする、底の見えない悪意の塊。

きっとそれが黒幕の本性なのだろう。

ネロは唯一その悪意に直接晒されて、戦って、そして散っていった。

絶望に立ち向かって私達に希望を託そうとしたネロの想いを意味のあるものにできるのは、生きている私達しかいない。

必ず黒幕の野望を打ち砕いて、生きてここから出よう、そう心に誓った。

 

 

 

ーーー 【超高校級の大工】の研究室 ーーー

 

私は、次に館井君の研究室に行った。

館井君の研究室の机には、書きかけの設計図が置かれていた。

とても精巧に書かれたその設計図は、高校生が書いたものとは到底思えなかった。

私が設計図に目を通すと、下の方に小さく何かが書かれている事に気がつく。

 

『死にたくない』

 

私は、そのメッセージを見て、ハッと我に返った。

彼が最後の最後に笑っていたのは、生きたかったからだった。

生きようともがいたけれど裏切られて、頭では死を受け入れなければならないとわかっていても思考以外の何かが死を拒絶して、確定した死に耐えられなくなって、おかしくなってしまったんだ。

館井君だって、本来はとても優しい人だったのに。

こんな形じゃなくて、コロシアイの無い平和な日常の中で彼と出会って仲良くなりたかった。

でも、今更そんな事を悔いたって、彼はもう戻ってこない。

 

「館井君、裁判では追い詰めるような事をしてしまってごめんなさい。どうか安らかに眠ってちょうだい」

 

私は、そう言い残して館井君の研究室を去っていった。

 

 

 

ーーー 厨房 ーーー

 

二人への別れを告げた後、朝食を作りに厨房に行くと、秋山君とリカが来ていた。

 

「おはよう、二人とも」

 

「おはよう」

 

『おはようございマス』

 

私が二人に声をかけると、二人とも返事をしてくれた。

最初は16人いて、途中でリカが加わって17人になった仲間は、今ではもう半分にまで減ってしまった。

これからどうすればいいんだろう……

 

『腐和サン。大丈夫デスか?』

 

「……ああ、うん。平気よ。ありがとう」

 

リカが私を心配してきたので、私は咄嗟に強がった。

今日の朝食は、

 

和食セットがおにぎり、味噌汁、白身魚の煮付け、小松菜の卵炒め、ナスの漬物。

洋食セットが卵とシーチキンのホットサンド、コーンサラダ、オニオンスープ、フルーツヨーグルト。

 

和食セットが4つ、洋食セットが3つ。

皆の希望通りの朝食を用意する。

リカを除いた7人分の朝食が完成して、しばらくすると皆が集まってきた。

8人で朝食を食べていると、初日に食卓を囲んでいた9人はもういないのだと実感させられる。

私達が無言で朝食を食べていると、知崎君がまたしても空気の読めない発言をした。

 

「あー今日もご飯が美味しいねぇ。ホント生きてて良かった〜!」

 

知崎君がパァッと表情を明るくして言うと、皆知崎君に構わずに無言で朝食を食べた。

すると知崎君がつまらなさそうな表情をしながら文句を言う。

 

「えー、何?このご時世でまだ黙食なんてやってんの?いつまで自粛気分でいるんだよオイ!」

 

知崎君がかなり時代遅れなネタを引っ張り出してくると、秋山君が知崎君を睨みながら深くため息をついた。

 

「……あのさ。君、何がしたいわけ?」

 

「ほぇ?」

 

「自分勝手な行動をして腐和さんを巻き込んだり、響さんの時に無駄に裁判を長引かせたり、『ジャック・ザ・リッパー』の正体を知ってたくせに黙ってたり、脱出チケットを使えなくして皆を異世界に閉じ込めようとしたりさ。これ以上は挙げたらキリないけど…」

 

「えー、そんな事したっけな?」

 

秋山君が言うと、知崎君は頭の後ろで手を組んで笑った。

知崎君は、余裕そうな笑みを浮かべながら秋山君の指摘をのらりくらりと躱した。

すると秋山君は、深くため息をついて知崎君を睨みながら告げる。

 

「俺はね。こう考えてるんだけど。本当は、君が小鳥遊さんの罠に嵌って眠らされたのもわざとなんじゃないかって。君はそうやって皆が殺人をするように誘導する愉快犯なんじゃないのか?」

 

「んー、愉快犯って何?愉快なのかな?」

 

「とぼけるな。君がそうやってコロシアイを招いているのは、一体何が目的なんだ」

 

「シュークリームのシューってキャベツって意味なんだよ?楽斗おにい知ってた?」

 

「質問に答えろクソガキ」

 

知崎君がヘラヘラ笑いながら秋山君の質問に答えずにとんちんかんな事を言うと、秋山君が苛ついた様子で舌打ちをし、普段の彼からは考えられないほど口調が荒くなった。

流石にこれはまずいと思い、仲裁に入った。

 

「やめなさい二人とも。何度も言ってるでしょ?そうやっていがみあっているこの状況こそ、モノクマ達の思う壺なのよ」

 

「………」

 

私が注意をすると、秋山君は若干不満そうに黙った。

若干ムスッとした様子で腕を組むと、私達に話しかけてきた。

 

「…で、今回探索はどうするの?また新しいエリアが開放されたんだろ?」

 

「そうね」

 

私達が探索をどうしようか話し合おうとした、その時だった。

 

 

 

『ヘイヘイボーイズアンドガールズ!!オレ達抜きで探索しようだなんてつれねぇんじゃねえのかァ!?』

 

モノクマとモノDJが、やかましく登場してきた。

いちいちうるさいわねこいつら…

私が二匹のテンションに呆れていると、秋山君が鬱陶しそうに二匹を睨みつけた。

 

「………何」

 

『はい、校舎の5階と6階、それから研究棟と寄宿舎の5階が開放されました!』

 

「ふーん、あっそ。じゃあ行こっか皆」

 

モノクマが言うと、秋山君はモノクマとモノDJをぞんざいに扱って立ち上がった。

するとモノクマがプリプリと怒ってくる。

 

『ちょっとちょっとー!ボク達をぜんざいに扱わないでくれる!?』

 

それを言うならぞんざい、でしょ。

いつ私達があんたらを甘味扱いしたのよ。

 

「それば言うならぞんざい、やなか?」

 

あ、ツッコミ被った。

 

『じゃ、そういうわけだから。じゃーねー』

 

そう言って二匹は、どこかへと去っていった。

私は、秋山君と一緒に探索の提案をした。

 

「さてと…汚物は消えた事だし、探索しましょう」

 

「うん。前回通りくじでいいんじゃないかな」

 

見ると、校舎の5階と6階、研究棟の5階、それから寄宿舎のプラネタリウムが開放されているようだ。

校舎の方は5階が教室が三つ、武道場、和室、生物室、地学室、講堂。6階が植物庭園と放送室。

研究棟は私、マナ、知崎君、それから白瀬クロヱの研究室が開放されている。

放送室は…鍵がかかってて入れないようね。

これで、理事長室、学園長室、情報管理室、放送室以外の全部の教室が開放された…って事でいいのかしらね。

 

「…なるほどね。じゃあ、一番広い講堂を調べる班以外が二つ教室を調べるっていうのはどう?」

 

「そうだね。今回は調べる範囲が多いから、ゆっくり調べていこうか」

 

私は、秋山君の提案通り早速くじを作って探索の班を決めた。

結果は、

 

 

 

武道場、和室:秋山君、古城さん

生物室、地学室:加賀君、目野さん

植物庭園、プラネタリウム:私、マナ

講堂:知崎君、リカ

教室:探索が終わった班から各自自由に探索

 

 

 

私はマナと一緒に探索か…

そういえば、くじ引きでこの子と同じ班になったのはこれが初だったわよね。

 

「緋色ちゃん!一緒に行こ!」

 

「そうね。まずは校舎6階の植物庭園から観に行きましょう」

 

「うん!」

 

私は、マナと一緒に植物庭園とプラネタリウムを調べる事にした。

話し合いの結果、まずは校舎6階の植物庭園から見に行く事にした。

 

 

 

ーーー 植物庭園 ーーー

 

植物庭園は、世界中のあらゆる植物が一度に観察できるようになっていた。

桜とハイビスカスが同時に咲いているという、普通ならあり得ない光景が目の前に広がっていた。

最先端の技術だとこんな事ができるのね…

 

「はぁ〜、最近の技術はすごかね!」

 

「そうね」

 

マナは、同じ部屋に季節や生息地が全く違う植物が植えられているのを見て感激していた。

何というか…純粋に喜んでるの見るとやっぱり可愛いわね。

私がそんな事を考えながら植物庭園を見て回っていると、飼育小屋や倉庫があるのを見つけた。

 

飼育小屋ではウサギや鳥など様々な種類の動物を飼育していたらしく、小鳥遊さんの字で飼っていた動物の名前が書かれた皿が置いてあった。

コロシアイが始まる前は、きっと小鳥遊さんが面倒を見ていたのでしょうね。

………あれ?

この飼育小屋の床、よく見ると血がついた痕跡がある。

目立たないように綺麗に拭き取ってあるけど、木の床に染み付いてしまった血までは落とし切れなかったみたいだ。

これってひょっとして……

…いえ、これ以上はやめておきましょう。

流石に考えすぎよね。

 

倉庫の方は、肥料やツルハシ、スコップ、シャベル、ブルーシート、植木鉢などが置いてあった。

数え切れないくらいの種類の植物の種も置かれている。

ツルハシには、よく見ると持ち手の部分に『鏖殺丸』と書かれていた。

『鏖殺丸』…古城さんが持っていた斬殺丸と名前が似てるけど、何か関係あるのかしら?

私が倉庫を調べていると、マナがチョンチョンと肩を突いて話しかけてくる。

 

「ねえ緋色ちゃん、これ何やて思う?」

 

そう言ってマナが私を植物庭園に隣接した管理室に連れ出して指をさしたのは、何かの機械だった。

見たところ、貯水槽を管理する機械のようだけれど…?

私とマナが機械を調べていた、その時だった。

 

『ギャハハハハ!!そいつァスプリンクラーを管理する機械だぜYEAH!!!!』

 

突然モノDJがどこからか現れ、やかましい声で説明をしてきた。

うっるさ……!

いきなり耳の近くで叫ばれたら…

 

「うわぁ!ビックリしたぁ!耳がキンキンして痛か〜!」

 

モノDJのせいですこぶる耳が痛い。

何こいつ、鼓膜破る気?

 

『ここには定期的に水をやらなきゃならねぇ植物が色々あっからな!!貯水槽から水を引っ張ってきて、スプリンクラーで水を吹きかけられるようになってんのよ!!』

 

なるほどね。

あのスプリンクラー一つで、ここの植物に水をあげられるようになっていたのか。

植物の葉が十分に潤っているのを見る限り、このフロアが開放される前から定期的に水がかけられていたようね。

マナは、貯水槽の機械をまじまじと見つめて、貯水槽の機械に取り付けられた蓋を開けようとした。

 

「へー、そうなんや。…って、あれ?これ、ちかっぱ硬うて動かんっちゃけど!?」

 

マナは機械の蓋を開けようとしたけど、蓋はやたら頑丈な造りになっていて全く開く気配が無かった。

マナが必死こいて蓋を開けようとしていると、モノDJが腹を抱えてゲラゲラ笑う。

 

『ギャハハハ!!当たり前ダロォ!!?スプリンクラーを勝手に壊されたりなんかしちゃあ困るからなァ!!ちなみにハンマーでぶっ叩いたりしても傷一つつかねぇぞ!?』

 

「この庭園のスプリンクラーは、この機械で管理されてて自動的に作動する…って事でいいのかしら?」

 

『ああ、そうだな!基本的には自動モードに設定してあるぜ!この植物庭園の植物は全部AIで管理されていて、植物の健康状態に合わせて自動でスプリンクラーが作動するようになってるっつうわけ!ドゥーユーアンダースタァン、ガールズ?』

 

()()()()()……まるで手動モードに切り替える事ができるみたいな言い方ね。

って事は、私達でもこの機械を使おうと思えば使える…って事でいいのかしら?

 

『んじゃあな!オレ様からの説明は以上だぜ!てめぇら、クソして寝な!!』

 

そう言ってモノDJは、ブンッと音を立てながら消えた。

いちいち口悪いわねこいつ。

事あるごとに人をイライラさせないと気が済まない性分なのかしら。

私がそんな事を考えていると、マナが顎に手を当てて考えながら言った。

 

「モノクマ達って何なんやろうね」

 

「さあね」

 

私が知ってる限り、モノクマはダンガンロンパのキャラクターで、コロシアイの舞台となる場所で黒幕の代わりに説明などをする役割だったはずだ。

この学園生活でも、モノクマは歴代ダンガンロンパと同じ役割を担っている。

でも私が知っているのはそれだけで、モノクマを操っている黒幕が誰なのか、何の目的でコロシアイを見せ物にしているのかはまだ仮説の域を出ない。

限られた情報の中で、私達にこんな事をさせている黒幕と戦わなきゃいけないんだ。

 

その後も、私とマナは植物園の探索を続けた。

広大な敷地の割に、これといった情報は特に無かった。

 

「緋色ちゃん、そろそろプラネタリウム調べに行かん?」

 

「ええ」

 

マナの提案で、私達はプラネタリウムを見に行く事にした。

プラネタリウムは寄宿舎5階にあるから、一度一階まで降りて、渡り廊下を通って寄宿舎に行って…

…敷地が広大な分、移動が多くて地味に面倒臭いわね。

 

 

 

ーーー プラネタリウム ーーー

 

プラネタリウムに行くと、薄暗いドーム状の部屋にリクライニングシートが並んでいた。

どうやら天文部の部室も兼ねているらしく、先輩の研究結果などが展示してあるスペースもあった。

ドームの中心には、巨大な球状の機械が設置されていた。

マナは、巨大な球体に触れて興味深そうにまじまじと観察していた。

 

「ねえ緋色ちゃん、これ何やて思う?」

 

「ああ、多分投影機じゃないかしら?」

 

「投影機?」

 

「その機械を使って、天井に星座を映すのよ。例えばこれをこうして……」

 

私は、部屋の中心に置かれていた投影機を操作して天井に星空を映した。

すると巨大なドーム状のプラネタリウムの天井には、数多の星々が煌々と輝く。

最先端の技術を使って作られた投影機は、まるで本物の星空を思わせる風景を生み出し、新たに発見された星々も映し出していた。

それを見たマナは、無邪気な子供のようにプラネタリウムに釘付けになっていた。

暗い室内でも、目を爛々と輝かせてプラネタリウムを眺めているのがわかる。

 

「はぁ〜、キレ〜!まるで本物ん夜空んごたーね!うち、こげんキレかん初めて見た!」

 

言われてみれば、私もこうやって友達と一緒にプラネタリウムを眺めたりなんてした事なかったわね。

…まあそもそも友達すらいなかったんだけど。

こういうのも悪くないのかもしれないわね。

……って、よく考えたらいつまでもプラネタリウム眺めてる場合じゃなかったわ。

早く探索しないと。

 

「マナ、早く探索しましょう。ただでさえ今回は二ヶ所調べないといけないんだから」

 

「…はーい」

 

私が投影機のスイッチを切ってマナに注意すると、マナは渋々といった様子で唇を尖らせた。

そんな顔してもダメよ。

遊びに来たわけじゃないんだから。

 

「一応ここにも準備室があるみたいね。行ってみましょう」

 

「うん」

 

私達は、プラネタリウムの準備室を調べる事にした。

プラネタリウム準備室には、天文部のノート、暗視ゴーグル、望遠鏡、厚手の白いカバーのようなものが置かれていた。

恐らく座席のカバーの予備で、どうやら防火性の高い素材でできているようだ。

準備室を隅々まで調べていると、何枚かメダルが落ちているのを見つけたので回収した。

 

「ここで調べられるのはこれくらいかしらね」

 

「そうやな。そろそろ食堂戻る?まだちょっと時間あるけど」

 

「ええ。どのみち昼食の準備もしないといけないからね」

 

「あっ、確かに」

 

探索を終えた私達は、昼食の準備をしに1階の食堂に向かった。

食堂には、既に知崎君とリカが来ていた。

 

「ねーねーリカえもーん!ボク喉乾いた!何か飲み物作ってよ」

 

『かしこまりマシた。少々お待ちクダサイ』

 

外から食堂を覗いてみると、案の定というべきか、知崎君がリカをこき使っていた。

リカはというと、見てるこっちが恥ずかしくなってくるような露出度の高いメイド服を着ていた。

…さてはリカに何か変な事吹き込んだわね。

AIだからといってリカを奴隷のようにこき使っているのは流石に見過ごせず、私は知崎君に注意をしに行った。

 

「…知崎君。あんた何やってんのよ」

 

「あっ、緋色ちゃん!いやあ実はさ、探索してたらボク疲れちゃって!ちょうど今リカえもんにエロエロご奉仕してもら…あいだ!!」

 

知崎君が最後まで言い終わる前に、私は知崎君の頭にチョップをした。

変態には制裁をしないとね。

 

「リカ、あなたも嫌だったら嫌ってハッキリ言っていいのよ」

 

『いえ、アテクシはむしろお役に立てて嬉しいのデス。皆サンのサポートをする事こそが、アテクシの使命デスので!』

 

う、うん…

嫌がってないなら別に良…くはないわね。

この子何というか、表情とか仕草とかは人間らしいんだけど、人間の常識から離れた感性を持ってるというか…

言ってしまえば機械特有のポンコツさがたまに垣間見てるのよね。

 

「リカ、そろそろ昼食の準備始めない?他の皆も探索から戻って来る頃でしょうし」

 

『はい!』

 

「知崎君、あんたも手伝いなさいよ」

 

「えー」

 

私が知崎君に昼食の支度を手伝うように言うと、知崎君は露骨に嫌そうな顔をして不貞腐れた。

リカとマナと一緒に昼食の準備をしていると、他の4人も探索から戻ってきた。

全員が集まってから、私達は昼食を兼ねたミーティングを開いた。

 

 

 

 

 


 

 

 

ーーー 生き残りメンバー ーーー

 

【超高校級の警察官】腐和(ふわ)緋色(ひいろ)

 

【超高校級の幸運】聲伽(こえとぎ)(まな)

 

【超高校級の泥棒】知崎(ちさき)(れん)

 

【超高校級の考古学者】古城(こじょう)いろは

 

【超高校級の魔術師】加賀(かが)久遠(くおん)

 

【超高校級の機械技師】目野(めの)美香子(みかこ)

 

【超高校級の音楽プロデューサー】秋山(あきやま)楽斗(がくと)

 

【超高校級のAI】リカ 

 

残り8名?

 

 

 

ーーー 死亡メンバー ーーー

 

【超高校級のバレーボール選手】玉越(たまこし)(つばさ)

 

【超高校級のボーカリスト】(ひびき)歌音(うたね)

 

【超高校級の獣医】小鳥遊(たかなし)(ゆい)

 

【超高校級のメイクアップアーティスト】越目(こすめ)粧太(しょうた)

 

【超高校級の聖母】聖蘭(せいらん)マリア

 

【超高校級の忍者】闇内(やみうち)(しのぶ)

 

【超高校級の美食家】【超高校級の殺人鬼】食峰(しょくほう)(みつる)

 

【超高校級のマフィア】ネロ・ヴィアラッテア

 

【超高校級の大工】館井(たてい)建次郎(けんじろう)

 

以上9名

 

 

 

 

 








今更だけど推し教えて

  • 腐和緋色
  • 聲伽愛
  • 玉越翼
  • 小鳥遊由
  • 知崎蓮
  • 食峰満
  • 越目粧太
  • 聖蘭マリア
  • 古城いろは
  • 加賀久遠
  • 目野美香子
  • 館井建次郎
  • 秋山楽斗
  • 響歌音
  • ネロ・ヴィアラッテア
  • 闇内忍
  • リカ
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