ジャスティスダンガンロンパX4  強くてコロシアイ再履修   作:M.T.

46 / 69
(非)日常編②

探索を終えた私達4人は、昼食を作る為厨房に集まった。

私、マナ、リカの3人で昼食を作り、知崎君が渋々テーブルセッティングをしていると、他の4人も食堂に集まってきた。

8人全員が揃って準備が整ったので、私達はテーブルについて昼食会を始めた。

今日の昼食は、あんかけ焼きそば、春巻き、ワカメと卵のスープ、キクラゲの冷菜、それからマンゴープリンだった。

昼食が終わった後は、全員で食器を片付けて、リカが作ってくれたお茶菓子と紅茶を嗜みながらミーティングをした。

主に私と秋山君が仕切って報告を進めていく。

 

「それじゃあ、まずは俺からの報告ね。武道場は、柔道や剣道に弓道、あらゆる武道の道具や設備が完備された道場になっていたよ。凝った事に、弓道場には桜も植えられてたよ。まあ造花だったけど」

 

桜か…

植物庭園にも桜はあったけど、武道場の方は造花なのね。

 

「和室は書道や華道、茶道をする為の部屋になっておったぞ!置かれていた茶菓子も絶品じゃったし、あそこにならずっと居ても良いかもしれんのぉ!」

 

古城さん、ちゃっかり楽しんでるわね。

秋山君がいたとはいえ、ちゃんと探索してたかどうか心配だわ。

私がそんな事を考えていると、古城さんが片眉を上げて怪訝そうな表情を浮かべながら報告をする。

 

「じゃが、あそこにはどうも和室の雰囲気には似つかわしくないものが置いてあってのぉ…」

 

「似つかわしくないもの?」

 

「『メカマサムネ』なる人一人が入れそうな大きさの珍妙な機械が置いてあったのじゃ!」

 

「ああ、あのロボットね。古城さんの言う通り、和室には何故か人が中に入って操縦するタイプのロボットが置いてあったんだ」

 

古城さんと秋山君は、『メカマサムネ』なるロボットの話をした。

二人の話を整理すると、どうやら人一人が入れそうなコックピットが内蔵されたロボットらしい。

どうしてそんなものが和室に置いてあるのよ。

というか、よく考えたらこの学園、学園内にゲームセンターがあるし、割とツッコミどころ満載なのよね。

ああ、こういうメカ系の話をすると……

 

「どひゃああああ!!?きっ、機械ですって!?ロボですって!?それは後で見に行かねば!!」

 

「う、うん。気になる人は後で見てみるといいよ」

 

案の定目野さんが息を荒くして涎を垂らしながら食いついてくると、秋山君は顔を引き攣らせた。

そりゃあこんな表情でいきなり詰め寄られたら、誰だって引くわよね。

秋山君と古城さんの報告に目野さんが爛々と目を輝かせていると、このままだと時間がいくらあっても足りないと思ったのか、加賀君が咳払いをした。

 

「取り込み中悪いが、次は俺が報告をさせてもらう」

 

「あ、ああ…どうぞ」

 

加賀君が言うと、目野さんにペースを崩された秋山君が引き攣った表情を浮かべながら加賀君に話を振った。

秋山君に話を振られた加賀君は、コーヒーに角砂糖を何個も入れながら話を進める。

 

「生物室は、生物標本や人体模型、水槽などが置いてあった。あとは生物関係の本が充実していたな。だが問題はここからだ。生物室の壁に設置されていた機械だが……そこには何があったと思う?」

 

「な、何って…?」

 

加賀君が意味ありげにコーヒーをスプーンでかき混ぜながら言うと、マナが恐る恐る尋ねる。

すると加賀君は、コーヒーカップを手に取りながら真顔で報告した。

 

「今までの犠牲者達の死体だ」

 

「「「!?」」」

 

死体ですって…!?

じゃあ生物室は、今までの犠牲者達の遺体を置いておく為の霊安室も兼ねてたって事…?

加賀君が報告すると、他の皆もざわついていた。

どうやら、他の皆も思っていた事は私と同じらしい。

 

「ひいいいいい!!?か、加賀さん!思い出させないでくださいよ!!」

 

加賀君と一緒に探索をしていた目野さんは、加賀君の報告で死体の光景を思い出してしまったのか、顔を真っ青にして狼狽えていた。

目野さんの事だから、機械に興奮して中を見てみたら死体が入っていて度肝を抜かれたとか、そんなところでしょうね。

けれど加賀君は、狼狽えている目野さんをスルーして報告を続けた。

 

「続けていいか?」

 

「無視ですかァ!」

 

「死体の冷却装置だが、どういうわけか1()7()()並んでいたんだ。おかしいと思わないか?」

 

17台?

それはおかしいわね。

ここに連れて来られた私達は16人だし、途中参加のリカもAIだから遺体の冷却装置は要らないはず…

私が疑問に思っていると、秋山君も同じ事を思ったのか、顎に手を置きながら口を開く。

 

「確かに、モノクマ達は途中でリカちゃんが参加する事を想定してなかったはずだし、リカちゃんの分の装置は要らないはずだもんね」

 

「ああ。それで一応17台目の装置のネームプレートを確認してみたんだが、そこには『白瀬クロヱ』と書かれていた」

 

「………!」

 

白瀬クロヱ…

館井君が見せてくれた生徒名簿に私の代わりに書いてあった名前で、リカが【超高校級の絶望】と呼んでいた女。

ネロのパソコンに悪趣味なメッセージを送りつけてきた女だ。

 

「その白瀬クロヱという女なんだが…おい目野」

 

「あっ、は、はい!ええと、実はですね!!白瀬クロヱという生徒のデータを隣の地学室で見つけたのです!!」

 

そう言って目野さんは、白瀬クロヱという生徒の紙媒体のデータを私達に見せてきた。

どうやら私達と同じ77期生で、【超高校級の脚本家】として未来ヶ峰にスカウトされていたようだ。

映画やドラマ、ゲームなどの脚本に携わり、歴史に名を残す名作の数々を生み出してきた空前絶後の脚本家。

彼女が脚本を手がけた作品が全世界興行収入一位になった功績からスカウトされ、この未来ヶ峰学園の中でも類稀なる優等生だった彼女は教員からも信頼されていて、私達が在籍していたと思われるA組では学級委員長をやっていたようだ。

 

「本当にもう1人俺達のクラスメイトがいたのか……」

 

「冷却装置があったって事は、其奴はこの学園内におるのか!?」

 

『断定はできマセん。デスが、彼女がこのコロシアイに関わっている可能性は非常に高いデス。何しろ彼女は、【超高校級の絶望】の残党だったのデスから』

 

リカは、両眼を青く光らせながら報告をした。

そういえばリカは、館井君が処刑された後で、まるで白瀬クロヱが黒幕だとでも言いたげな発言をしていた。

 

『さらに言えば、どうやら彼女は未来ヶ峰学園に在籍時、このコロシアイの計画を水面下で立てていたようなのデス。これが、アテクシが学園内のネットワークに侵入してかろうじて入手した情報デス。アテクシはこれらの情報から、彼女が黒幕なのではないかと推測しマシた。その他の情報には厳重なロックがかかっていたので、もしかしたら学園長と理事長がわざと抜き取りやすいように用意したダミーの情報の可能性も捨て切れマセんが』

 

そう言ってリカは、学園のネットワークに侵入して得た情報を皆に共有した。

この短期間でここまで情報を抜き取れたのね…

さすが【超高校級のAI】というだけの事はあるわね。

私がリカの情報収集力に感心していると、古城さんが白瀬クロヱのデータを指差しながら言った。

 

「何じゃ何じゃ、じゃあ黒幕はこの白黒女という事か!?」

 

『その可能性が高いかと』

 

黒幕の正体がわかった…

これは大きな前進ね。

私がそんな事を考えていると、古城さんが考え込む。

 

「そうか……じゃが、それがわかったとてどうすれば良いのじゃ?」

 

「決まってんじゃん!!ぶっ殺そーよ!!」

 

そう言って立ち上がったのは、知崎君だった。

…えっ、今何て言った?

 

「ぶっ殺すって…知崎君、何言ってるの?」

 

「だってだって!それ以外に方法がないじゃんかよ!こんな事させるような奴を生かしておいたら、何されるかわかんないよ?皆で探し出してぶっ殺すんだよ!」

 

私が尋ねると、知崎君は当然のように言った。

すると加賀君が腕と足を組みながら呆れ返る。

 

「話にならないな。そもそも、ここにいるかどうかすらわからんのだぞ?どうやって探し出すというんだ?」

 

「んーっと…んーっと……」

 

加賀君が尋ねると、知崎君はポケーっとした表情で考え込む。

すると加賀君と秋山君が呆れ返る。

 

「論外だな」

 

「大体、もしその人が黒幕じゃなかったらどうするの?」

 

「えー、その時はその時じゃない?」

 

「こいつ…」

 

加賀君が呆れ返り、秋山君が尋ねると、知崎君が唇を尖らせながら頭を掻く。

知崎君が開き直って言うと、秋山君はイラっときたのか額にピキッと青筋を浮かせる。

いきなり何言い出すかと思ったら…

どう見ても、言い出したはいいものの何も考えてなかったわね。

私は、知崎君の発言に呆れつつ、席から立ち上がって自分の意見を伝えた。

 

「知崎君。白瀬クロヱが黒幕だったとしても、殺すなんてダメよ。誰が黒幕だろうと、生きて罪を償わせないと」

 

「ふーんだ、綺麗事だよそんなの!こんな事した奴に罪を償う気なんてあるわけないじゃん!血祭りにあげてぶっ殺さなきゃ!」

 

「そんなの許されないわ。たとえ反省する気が無かったとしても、黒幕を殺して解決なんて一番やっちゃいけない事よ。コロシアイの連鎖を止めようとした闇内君やネロから何を学んだっていうの?黒幕を吊し上げて殺すなんて、やってる事は響さん達の命を弄んで殺したモノクマと同じよ」

 

「ぶー!」

 

私が知崎君を諭すと、知崎君は唇を尖らせながら頬を膨らませて不貞腐れた。

今まではコロシアイを楽しむような態度を取っていたくせに、いきなり黒幕を殺すなんて、どういう風の吹き回しなのかしら。

 

「あーもういいよ!この話おしまーい!これでいいんでしょ?それより早く報告進めちゃおうよ!時間がもったいなーい!」

 

「キミねぇ…」

 

知崎君が手をヒラヒラ振りながら不貞腐れると、マナが呆れる。

知崎君は、議長ぶってふんぞり返りながらさっさとしろとでも言いたげに耳をほじった。

すると加賀君が知崎君の自分勝手な態度に呆れてため息をつきながら報告をする。

 

「はぁ…じゃあ一旦この話は保留という事で、報告を続けるぞ。生物準備室には、実験に使う備品が置いてあった。俺からの報告は以上だ」

 

「地学室には、地球儀や天体模型、地質学関係の模型、それから地学関係の本も置いてありましたね!ええ!あとは鉱石の標本とか!それから地学準備室には、地質学の実験に使う備品が置いてありました!私からの報告は以上になります!」

 

加賀君と目野さんは、それぞれ生物室と地学室の設備の報告をした。

二人が報告を終えると、知崎君が手を挙げて発言した。

 

「はいはーい!次はボクいいですかー!あのねえ、講堂は5階と6階が繋がっててクッソデッカいの!そんで舞台裏には演劇部が使ってたっぽい備品が色々置いてありました!」

 

『舞台裏には、先輩が持ち込んだと思われる、おとぎ話の原作も置いてありマシた』

 

そう言ってリカは、どこからかフランス語で書かれた本を取り出した。

私もそこまでフランス語に明るくはないからタイトルと挿絵で内容を察するしかないけど…

どうやらリカが持っているのは『美女と野獣』と『赤ずきんちゃん』の原作のようだ。

 

「緋色ちゃんも一回原作読んでみなよ。面白いから!」

 

そう言って知崎君は、私におとぎ話の本を押し付けてきた。

いきなり読んでみろって言われても…

言語互換機能は会話してる時には機能するけど、外国語で書かれた文が読めたりするわけじゃないのよね。

まあでも外国語の勉強になりそうだし、機会があれば読んでみようかしらね。

 

「最後は私達ね。植物庭園には、世界中の植物が植えられていて、季節や気候が違う場所に生息する植物も同時に見られるようになっていたわ。それから、倉庫と飼育小屋があったわね。倉庫の中には肥料や種、シャベルにスコップ、ツルハシとかの園芸用品が所狭しと置かれていたわ」

 

「なるほどね」

 

「それで倉庫を探していて一つ気になるものを見つけたのだけれど…古城さん、このツルハシに心当たりは?」

 

私は、植物庭園の倉庫で拾ったツルハシを古城さんに見せた。

古城さんはツルハシをまじまじと観察したかと思うと、目を丸くして飛びついてくる。

 

「お、お主…!それは…!ワシの愛刀、『鏖殺丸』ではあらぬか!!」

 

「……へ?」

 

「おお、こんなところにおったとは…!」

 

古城さんは、まるで我が子との再会を喜ぶかのように鏖殺丸なるツルハシに頬擦りをした。

ええっと…この反応は、古城さんがこのツルハシの持ち主だったって事でいいのかしらね?

 

「えっと…古城さん、とりあえずどういう事か説明してもらえる?」

 

「うむ!お主らには言っていなかったから説明しておくとな、ワシは元々二刀流だったのじゃ!鏖殺丸と斬殺丸はツガイでのぉ。斬殺丸が雄、鏖殺丸が雌だったのじゃ。じゃがある日、鏖殺丸が欠けてしもうてのぉ。それで知り合いの鍛冶屋に直してもらっていたのじゃ!まさか鏖殺丸がそんな所におったとは!」

 

なるほど…

ええと、つまり古城さんは入学当初は鏖殺丸を修理に出していたけど、数日後に修理が終わったから手元に戻ってきていて、どういう経緯かわからないけど植物庭園に置いていたと。

で、その時の記憶が抜き取られているから、古城さんの中ではまだ鏖殺丸の修理が終わっていない事になっていて、修理が終わるのを待っていた、という事なのね。

 

「ええと、続きいいかしら?植物庭園には、スプリンクラーが設置されていたの。庭園内の植物の健康状態はAIで管理されていて、健康状態に合わせてスプリンクラーが作動する仕組みになっていたみたい。私からの報告は以上よ」

 

「じゃあ次はうちやね!プラネタリウムには、最先端ん投影機が置いてあって、いつでん星空が鑑賞でくるごとなっとったっちゃん!プラネタリウムん準備室は、望遠鏡とか天文部んノートとか置いてあったけん、天文部ん部室も兼ねとったんやなかとかな」

 

植物庭園とプラネタリウムの探索の報告はこれくらいかしらね。

私とマナが報告を終えると、他の皆が興味深そうに報告を聞いた。

 

「ほう」

 

「なるほどね…うん、そっちもかなり収穫をゲットしたみたいだね」

 

「と、投影機ちゃんがあったのですか!!スゥハァ…後で見に行かねば!!」

 

「うわあ美香子ちゃんマジ奇行種」

 

加賀君と秋山君は自分達の中で私達の報告を整理していて、目野さんはマナの『投影機』という言葉に興奮して息を荒くしていた。

人の事奇行種呼ばわりしてるけど知崎君、あんたも人の事言えないからね?

…あ、いけない。

ネロの研究室のパソコンの事、報告しそびれるところだった。

 

「ああ、そうそう。収穫で思い出したのだけれど…リカ、分析してもらいたいものがあるんだけど、少しいいかしら?」

 

『お任せクダサイ!』

 

「このパソコン、調べてもらっても構わないかしら?」

 

そう言って私は、ネロの研究室のノートパソコンをリカに手渡した。

リカは、パソコンを受け取るなりキョトンとする。

 

『調べるのは構わないのデスが…腐和サン、このパソコン一体どこで手に入れたのデスか?』

 

「ネロの研究室。ネロに別れの挨拶をしておこうと思って研究室に行ったらたまたま見つけたのよ。何か手掛かりがあるんじゃないかと思って持ってきたのだけれど…」

 

『なるほど。では早速調べてみマスね』

 

リカがそう言うと、加賀君はパソコンのUSBポートにリカの印が描かれたUSBを挿入する。

するとリカの実体化ホログラムの身体が光り、パソコンの画面がブゥン、と音を立てて光った。

その直後、パソコンの画面には3頭身のリカが映り、リカが膨大なデータを読み込んでいく様子がポップな絵柄で映し出される。

数分後、リカの顔の上の液晶画面が『ピーン』と音を立てながら光り、『COMPLETED』と表示される。

 

『分析完了』

 

「…どうだった?」

 

『結論から申し上げマス。まずこのパソコンに残っていた白瀬クロヱの映像デスが、約18年前に撮られた映像である事が判明しマシた』

 

「え…?」

 

18年前…?

18年前って事は、私達の記憶が無い空白の20年間の間に撮られた映像って事よね?

てっきりつい最近撮られた映像だと思ってたけど、そんなに前から撮られていたものだったの?

じゃあ白瀬クロヱは、少なくとも18年前には既にこの計画を思い付いていて、私達の記憶が無い空白の20年の間に水面下でコロシアイの準備を進めてたって事?

 

『デスが不可解な事があるのデス』

 

「不可解な事?」

 

『ネロクンの脅迫メールに添付されていたA組担任の惨殺映像デスが、こちらは17年前に撮られたものなのデス。つまり白瀬クロヱの映像は、脅迫メールに添付された映像の1年前に撮影されたものという事になりマス』

 

うーん…

確かに言われてみれば変ね。

白瀬クロヱの映像とA組の担任の女性の殺害映像が撮られた時間に1年も開きがあるのもそうだけど、どうも白瀬クロヱの映像の方が先に撮られたというのが腑に落ちない。

白瀬クロヱは、本当に担任の女性を殺した犯人だったのかしら…?

 

「…なるほどね。分析ありがとう、リカ」

 

『お安い御用なのデス!また機会がございマシたらアテクシを頼ってクダサイね!』

 

「ええ、そうするわ」

 

「じゃあこれで報告会はお開きにして、各自自由探索って事で良いかな?」

 

「異議なし!」

 

秋山君が言うと、マナが満面の笑みを浮かべて手を挙げた。

さて…と。

私も探索をしに行こうかしらね。

 

「緋色ちゃん!一緒に探索しに行こ!」

 

「そうね」

 

「うち、プラネタリウム行きたか!」

 

「え、プラネタリウム?」

 

プラネタリウムならさっき見たじゃない。

何でまた…

 

「まだ見落としよーところがあるかもしれんけん、一応もっかい見に行こう!」

 

…ああ、さてはこの子、プラネタリウムを観に行きたいだけなのね。

まだ探索してないエリアがあるんだけど…

うーん、まあ自由探索の時間だし、今日くらいはいいか。

 

「仕方ないわね。明日こそ、校舎と研究棟の探索するわよ」

 

「わーい!」

 

私が渋々プラネタリウムの探索を許可すると、マナは無邪気に喜んだ。

私達は、その足でプラネタリウムに向かった。

 

 

 

ーーー プラネタリウム ーーー

 

プラネタリウムに行くと、既に先客がいたのか、天井には星空が映し出されていた。

目を凝らして薄暗い部屋の中にいる先客を見てみると、見覚えのある渦巻き状の触角と、ヘルメットが視界に映り込んだ。

耳を澄ましてみると、荒い鼻息のようなものも聴こえる。

これはええと…知崎君と目野さんかしらね。

よく見てみると、目野さんは投影機にへばりついて鼻息を荒くしていて、知崎君は星空を見てウキウキとはしゃいでいた。

 

「ねえねえ山羊座ってパンツに似てると思わない?ねえそう思うでしょ?ねえねえ!知ってた?不思議〜!」

 

「スゥゥゥゥハァァアアアア!!!このフォルム!!スメル!!フレェエエバァアアアア!!!この機械ちゃんはどこまでもアタクシを喜ばせてくれますねえ!!ぐへへへへへへ、遠慮はしなくていいのですよ!!アタクシが隅々まで愛でて差し上げますからねぇええええ!!」

 

…はあ。

この二人がいると、せっかくのプラネタリウムも台無しだわ。

私は呆れてため息をつきつつ、プラネタリウムの部屋の明かりをつけた。

すると奇行種二人がプラネタリウムのドームの照明に照らされ、奇行が私達の眼前に晒される。

 

「あっ、ち、違うのですよ腐和サン!!聲伽サン!!これには深ぁぁぁいワケがあるのです!!誘ってきたのはこの子なのですよ!?アタクシはこの子の誘惑に勝てずについ…!」

 

どこがどう違うのよ。

どう足掻いてもあなたが機械に抱きついて舐め回してたって事実は変わらないじゃない。

私が目野さんの奇行に頭を抱えていると、知崎君が私達に気付いて近づいてくる。

 

「わーい、緋色ちゃんにマナちゃん!こっち来てたんだ!一緒に星見よー!」

 

無邪気な笑みを浮かべながらこちらに向かって走ってくる知崎君は、手に紙コップと懐中電灯を持っていた。

何でそんなものを持っているのか純粋に気になったので、私は知崎君が手に持っているものを指差して尋ねてみた。

 

「ねえ知崎君、それは何?」

 

「ああこれ?プラネタリウムの準備室に置いてあったんだよ!紙コップと懐中電灯で、オリジナルの小型プラネタリウムが簡単に作れるんだってさ!知ってた?緋色ちゃんとマナちゃんも一緒に作らない?」

 

「わあ、面白そう!やるやる!」

 

そう言って知崎君は、私達に紙コップを一個ずつ、錐を一本ずつ渡してきた。

するとマナが目を輝かせながら食いついてくる。

マナってこういうの好きだったのね。

…せっかくだし、私も少しやってみようかしら。

 

私達は、紙コップに錐で穴を開けてオリジナルのプラネタリウムを作った。

完成したら、懐中電灯に紙コップを被せて部屋の明かりを消す。

すると紙コップに開けた無数の穴から光が漏れ、幻想的な光景が映し出された。

 

「わぁ〜、キレ〜!」

 

私とマナは、自作のプラネタリウムをお互いに見せあった。

…何よこれ、結構楽しいじゃない。

知崎君も知崎君で、自分で作ったプラネタリウムを鑑賞して楽しんでいる様子だった。

すると、マナがこっちを向いて話しかけてくる。

 

「ねえ緋色ちゃん」

 

「何?」

 

「えへへ…うち、今こげえしとー時間がばり幸しぇやて思うて。脱出方法ば見つけたらここから出らないかんばってん、ここから出たっちゃこうして二人で一緒におりたかよね」

 

マナは、私の右隣の席に座って話しかけてきた。

暗くて顔は見えないけれど、満面の笑みを浮かべて話しかけているのが見えなくてもわかった。

…ここから出てもずっと一緒に、か。

私は、ここで出会った皆とは、コロシアイ生活なんてない普通の日常の中で出会いたかった。

もしそれが叶う事なら………

 

「…ええ。それも悪くないわね」

 

私は、マナの左手にそっと右手を重ねた。

するとマナは一瞬戸惑いつつ、私の手を握り返した。

いわゆる恋人繋ぎというやつだ。

…ちょっとこれは恥ずかしいわね。

マナの手は温かくて、握っていると何だか心まで暖かくなってくる。

このまま、いつまでも一緒にいたいとさえ思えてくる。

 

……あれ?

何かしら、この気持ちは…

今まで、こんな気持ちになった事はなかった。

私は、マナの事をどう思ってるのかしら…?

 

 

 

 

 

ぐぎゅるるるるる………

 

 

 

「あー………腹減った」

 

突然、後ろの席に座っていた知崎君が口を開いた。

今の音は、もしかして知崎君の…?

…あっ、そういえば全く時間を気にしてなかったけど、もうこんな時間だったのか。

早く厨房に行って夕食を作らないと。

 

 

 

ーーー 食堂 ーーー

 

私達が急いで厨房に行くと、既に秋山君とリカが食事を作り始めてくれていた。

秋山君は、夕食を作りながら私達に話しかけてくる。

 

「やあ、お二人ともお揃いで。何かいい事でもあった?」

 

「え?」

 

「いや、さ。何かいつもより嬉しそうだから」

 

そうかしら…?

私、そんなに思ってる事が顔に出やすかったかしらね。

それとも秋山君が鋭いのか…

…ああ、違う。

マナの方が顔に出してたのね。

 

「…ええ。まあ、ちょっとね」

 

「うん…」

 

私がマナの方を振り向きながら目配せすると、マナは照れ臭そうに帽子を両手で握って頷く。

…少し頬が赤くなっていて、何だか可愛いわね。

マナは普段から私の事をよく思ってくれていたみたいだけれど、ここまでわかりやすくこんな表情を見せてくれたのは初めてだった初めてかもしれないわね。

 

「マナ、皆待たせちゃってるし、早く夕ご飯作っちゃいましょう」

 

「そうやね」

 

私がマナに声をかけると、マナは若干慌てた様子で手を洗った。

さて。

私も秋山君とリカにばっかり働かせてないで、夕食を作らないと。

 

私達が夕食を作っていると、他の4人が食堂に集まってきた。

今日の夕食は、豆腐ハンバーグ、ポテトサラダ、グリンピースのスープ、キノコのソテー、パインのゼリーの5品だった。

夕食の後は全員で食器の片付けをしてから軽めのミーティングを開いて、その日は解散となった。

その後は大浴場の温泉に浸かってから、明日に備えて部屋のベッドに横になった。

 

 

 


 

 

 

『モノクマ&モノDJ劇場』

 

 

 

『モノクマ&モノDJクッキング〜♪というわけで、今週もこのコーナーがやってまいりました!ブラザー、今日は一体どんな料理を作るんです?』

 

『へいYOU!!いい質問だなァ!!今日は、オレ様流ワイルド漫画肉を作っていくぜYEAH!!材料は、何かの肉45kg、塩胡椒少々、それからグングニルの槍一本、あとはケラウノスの雷ひとつだ!』

 

『わぁ〜、そんなお手軽な材料で作れるんだね!どうやって作るんですか!?』

 

『まず、肉に塩胡椒を振りかける!そしたらこの肉に、あらかじめ研いでおいたグングニルの槍をブッ刺す!!んで最後にケラウノスの雷でこんがり焼けば完成だ!!んで、完成したのがこちらだZE!!』

 

『うわぁ〜、おいしそ〜!ほら画面の前のオマエラ、メモの準備!』

 

『ヘイガイズ、今週のオレ様流ワイルドクッキングは以上だ!来週も見てくれよな!』

 

 

 

 

 


 

 

 

ーーー 生き残りメンバー ーーー

 

【超高校級の警察官】腐和(ふわ)緋色(ひいろ)

 

【超高校級の幸運】聲伽(こえとぎ)(まな)

 

【超高校級の泥棒】知崎(ちさき)(れん)

 

【超高校級の考古学者】古城(こじょう)いろは

 

【超高校級の魔術師】加賀(かが)久遠(くおん)

 

【超高校級の機械技師】目野(めの)美香子(みかこ)

 

【超高校級の音楽プロデューサー】秋山(あきやま)楽斗(がくと)

 

【超高校級のAI】リカ 

 

残り8名?

 

 

 

ーーー 死亡メンバー ーーー

 

【超高校級のバレーボール選手】玉越(たまこし)(つばさ)

 

【超高校級のボーカリスト】(ひびき)歌音(うたね)

 

【超高校級の獣医】小鳥遊(たかなし)(ゆい)

 

【超高校級のメイクアップアーティスト】越目(こすめ)粧太(しょうた)

 

【超高校級の聖母】聖蘭(せいらん)マリア

 

【超高校級の忍者】闇内(やみうち)(しのぶ)

 

【超高校級の美食家】【超高校級の殺人鬼】食峰(しょくほう)(みつる)

 

【超高校級のマフィア】ネロ・ヴィアラッテア

 

【超高校級の大工】館井(たてい)建次郎(けんじろう)

 

以上9名

 

 

 

 

 

今更だけど推し教えて

  • 腐和緋色
  • 聲伽愛
  • 玉越翼
  • 小鳥遊由
  • 知崎蓮
  • 食峰満
  • 越目粧太
  • 聖蘭マリア
  • 古城いろは
  • 加賀久遠
  • 目野美香子
  • 館井建次郎
  • 秋山楽斗
  • 響歌音
  • ネロ・ヴィアラッテア
  • 闇内忍
  • リカ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。