ジャスティスダンガンロンパX4  強くてコロシアイ再履修   作:M.T.

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(非)日常編③

二十二日目。

 

「ん………」

 

私は、電子生徒手帳にセットしていたアラームで目を覚ました。

身支度を整えて、すぐに厨房に向かう。

時刻は5時35分。

集合時刻まではまだ余裕があるわね。

 

 

 

ーーー 食堂 ーーー

 

私が厨房に行くと、既にリカが朝食の準備を進めていた。

私が厨房に顔を出すと、リカが私に気付いて声をかけてくれた。

 

『おはようございマス、腐和サン』

 

「ええ、おはよう」

 

リカが挨拶をしてくれたので、私も挨拶を返した。

流石リカ、今日も朝早くから準備してくれていたのね。

するとその直後、秋山君も厨房に顔を出した。

 

「やあ、おはよう二人とも」

 

「おはよう、秋山君」

 

『秋山クンおはようございマス』

 

秋山君が声をかけてきたので、私とリカも挨拶を返した。

私は、朝食の数を確認するため、リカに皆のリクエストを尋ねる。

 

「今日の朝ご飯のリクエストは?」

 

私がリカに尋ねると、リカはメモ帳を開いて見せた。

 

『聲伽サン、古城サン、秋山クンが和食、腐和サン、加賀クン、知崎クン、目野サンが洋食デス』

 

「ありがとう。和食3、洋食4ね。早速作っちゃいましょうか」

 

朝食のリクエストを確認した私達は、早速朝食を作り始めた。

今日の朝食は、

 

和食セットがご飯、茶碗蒸し、肉じゃが、胡麻豆腐、キュウリの漬物。

洋食セットがフレンチトースト、トマトサラダ、ビシソワーズ、アスパラとベーコンのソテー、カットオレンジ。

 

話し合いの結果、私が洋食セットを、リカと秋山君が和食セットを作る事になった。

まずジャガイモと玉ねぎを薄切りにし、玉ねぎを鍋に入れてバターと薄力粉で炒め、ジャガイモと水とコンソメを加えて煮る。

その間にトマトサラダとオレンジを用意しておいて、冷蔵庫に入れておく。

鍋の中身が煮えたら、泡立て器で潰し、牛乳と塩コショウを加えたらボウルに移して粗熱を取り、冷蔵庫で冷やしておく。

そのついでに昨晩卵液に浸しておいた食パンを冷蔵庫から取り出し、表面に焦げ目がつくまでバターで焼いたらフタをして蒸し焼きにする。

その間にアスパラとベーコンをオリーブオイルで炒め、塩コショウとレモンをかけたらソテーの完成。

食パンがふっくら焼き上がったら、お皿に盛り付けてフレンチトーストの完成。

スープが冷えたら器に盛り付けパセリを散らしてビシソワーズの完成、あとは冷蔵庫で冷やしておいたサラダとオレンジを取り出して、洋食セットの完成。

私が洋食セットを作り終えた頃、二人も和食セットを作り終えていた。

 

リカを除いた7人分の朝食が完成して、しばらくすると他の5人が集まってきた。

こうして全員で時間通りに揃っているのを見ると、最初は遅刻の常習犯だった古城さん、知崎君、目野さんも、学園生活を通して時間が守れるようになってきたとしみじみ感じる事がある。

安否確認と荷物チェックを済ませてから、全員で席について朝食を食べ始めた。

最初の頃は野菜を嫌がって避けていた古城さんも、精神的に成長したのかきちんと残さず食べるようになっていた。

 

「古城さんもすっかり野菜嫌い克服したわね。偉いじゃない」

 

「ガハハハ!当たり前じゃろうが!ワシは偉いのじゃ!野菜が食えずして超高校級が務まるかァ!」

 

「…だそうよ。あなたも少しは見習ったらどう?知崎君」

 

「ほえ?何が?」

 

「何か俺の皿だけ野菜と肉の比率がおかしいのは気のせいか?」

 

私は、サラダの皿を右隣に座っている加賀君と交換してソテーのアスパラを押し付けベーコンを盗んでいる知崎君を横目で見ながら注意した。

すると知崎君は、コテンと首を傾げてわかりやすくすっとぼけた。

こっちはいつまで経っても直らなさそうね。

というか、いい加減嫌いなものを人の皿に移すのやめてほしいわ。

 

全員で朝食を食べた後は片付けをし、その後は各自自由探索の時間に充てた。

さてと。

今日はどうしようかしらね。

私が今日の予定を考えていると、後ろからマナが声をかけてくる。

 

「緋色ちゃん!うちらん研究室開放しゃれとーらしいから見に行こうや!」

 

「そうね」

 

マナは、ようやく自分の研究室が開放されたからか腕をブンブン振って喜んでいた。

私とマナは、ようやく開放された自分達の研究室を見に行く事にした。

 

 

 

ーーー 研究棟 ーーー

 

エレベーターで5階に行くと、白瀬クロヱ、知崎君、マナ、私の研究室が並んでいた。

私達は早速、白瀬クロヱの研究室に行く事にした。

 

 

 

ーーー 【超高校級の脚本家】の研究室 ーーー

 

白瀬の研究室は、まるでシアターの入り口のような両開きの扉になっていた。

扉を開けてみると、中は映画館になっていた。

…なるほど、才能が【超高校級の脚本家】だから映画館のような内装になってるのね。

私達が部屋に入った瞬間、部屋の照明がフッと消える。

 

「わ、ビックリした!いきなり照明が消えたっちゃけど!?」

 

「おそらく映画館をモチーフにしているからでしょうね」

 

私は、いきなり研究室の照明が消えて驚いているマナに対し、あくまで冷静に答えた。

よく目を凝らして見ると、ちょうど16人分の座席が並んでいる。

…ええと、これは流れ的にこの座席に座って正面のスクリーンを見ろって事かしらね。

私とマナは、白瀬の研究室に並んでいた座席に座った。

するとその直後、ブーッと開演のブザーが鳴り、正面のスクリーンに映像が映し出される。

正面のスクリーンには、見覚えのある赤い幕が映っていた。

するとその直後、上からモノクマとモノDJが降ってくる。

…ねえ、ちょっと待って。

この時点で既に嫌な予感がするのだけれど?

 

『ギャハハハハ!!レディースアーンドジェントルメーン!!モノDJ&モノクマ’s シアターへようこそ!!』

 

『うっぷっぷ、このシアターでは、ボク達の華麗なる劇を披露するよ!』

 

『このシアターに来てくれた諸君!よぉく見ておけ!オレ達のクールでセクシーでエレガントな活躍をよぉ!!』

 

『それからものすごい劇を期待してるそこのオマエ、今のうちにトイレ行って来な!』

 

『んじゃあ早速始めてくぜYEAH!!スリー、ツー、ワン、レッツプレイ!』

 

そう言ってモノDJが画面に向かって指をさすと、モノクマとモノDJの劇が始まる。

…そこから先は、一言で言えば茶番だった。

内容はモノクマ姫を勇者モノDJが助け出すという某レトロゲーを思いっきり意識した劇で、何もかもが低クオリティだった。

正直、いくら【超高校級の絶望】とはいえ、自分の研究室でこんな茶番を披露される白瀬が可哀想になってきた。

まあ彼女からしてみれば、これもまた絶望的なのでしょうけど。

上映が終わると、隣に座っていたマナが真顔で私に話しかけてくる。

 

「……ねえ緋色ちゃん。うちら、一体何ば見しぇられとったんやろうね?」

 

「こっちが聞きたいわよ」

 

完全に時間の無駄だったわね。

こんな事なら最後まで見るんじゃなかったわ。

 

「余計な事に時間を浪費してしまったし、次に行きましょう」

 

「そうやね」

 

私とマナは、さっさと白瀬の研究室から退散し、隣の研究室の探索をする事にした。

ええと、次は確か知崎君の研究室だったわよね?

 

 

 

ーーー 【超高校級の泥棒】の研究室 ーーー

 

知崎君の研究室の扉は、『KEEP OUT』と書かれたテープが貼られた巨大な金庫のような外観だった。

外側に取り付けられたハンドルを回すと、プシュー、と音を立てながら扉が開く。

私達がそっと研究室を隙間から覗いてみると、知崎君が私達に気付いてこちらに近づいてきた。

 

「あー、緋色ちゃん!マナちゃん!来てくれたのね!」

 

知崎君は、まるで無邪気な子犬みたいに私達に話しかけてきた。

この調子なら何も言わなくても研究室を見せてくれそうだけど、一応人の研究室を見るんだから許可は取らないとね。

 

「知崎君。今研究室の探索をしているのだけれど、少し見ていっても構わないかしら?」

 

「いーよ!さーさー入ってってー」

 

私が尋ねると、知崎君は私達を研究室に招き入れた。

知崎君の研究室には、扉がある壁以外の三方向の壁と床と天井、その全てが本棚で出来ており、その本棚の中には分厚いファイルがビッシリと敷き詰められていた。

意外ね。

【超高校級の泥棒】っていうくらいだから、てっきり盗んだお宝でも展示してあるのかと…

……あっ、違う。

もしかして、ここにあるファイルって全部……

 

「知崎君。このファイル、ちょっと見てみても構わないかしら?」

 

「どーぞ!」

 

「ありがとう」

 

許可を貰ったので、早速一番近くにあったファイルを一冊抜き取って、適当なページを開いてみる。

そこには、彼が今まで盗んだお宝の写真と、その説明が載っていた。

…思い出した。

大泥棒ルパンは、そこの見えない欲のままに盗みを働くけど、飽きるのも早いのが特徴だった。

一度盗み出したお宝は、一旦持ち帰ってひとしきり愛でてそれを写真に収めると、すぐにそのお宝を元の場所に返しに行く。

今まで盗んできたお宝は、こうやって全部ファイルに収めていたのね。

 

「ねえねえ緋色ちゃん、マナちゃん!これ見てー!」

 

そう言って知崎君は、壁に設置された本棚を掴むと、それを横にスライドさせた。

すると、16人分の衣装が入ったクローゼットが露わになる。

…なるほど、本棚が隠し扉になっていたのか。

クローゼットに入っていた衣装は、私達の着ている服だった。

 

「すごいでしょ?これを着れば、ここにいる皆になれるんだよ?」

 

知崎君は、クローゼットに入っていたマナの帽子を手に取ると、帽子を被りながら無邪気な笑みを浮かべる。

その無邪気な笑みは、マナが浮かべる笑顔とそっくりだった。

 

「…えへへ、驚いた?」

 

ニコッと無邪気な笑みを浮かべる彼は、世界一の大泥棒だという事実を忘れさせる程に自然に振る舞った。

その仕草は、今この場にいるマナの仕草そのものだった。

 

「本当はここにいる皆の才能、みーんな欲しいんだよね。ボクは皆が知りたい。皆が欲しい。皆になりたい。でももう少しこのままの方が色々知れそうな気がするから、もうちょっとだけ我慢するんだ」

 

そう言って知崎君は、帽子をクローゼットに戻して隠し扉を閉めた。

…知りたい、欲しい、なりたい…か。

それが彼の行動原理…

私には理解できない感情ね。

私達は、知崎君の研究室を一通り調べた後、マナの研究室に向かった。

 

 

 

ーーー 【超高校級の幸運】の研究室 ーーー

 

マナの研究室の扉は、至って普通の教室のようなスライドドアだった。

これにはあまり納得いかなかったのか、マナは苦笑いを浮かべていた。

 

「うーん…普通だ」

 

「そうかしらね」

 

「とりあえず入ろっか。自分の研究室は見ときたかもんね」

 

そう言ってマナは、研究室のドアを開けた。

研究室の内装は、校舎の普通教室を小さくしたような普通の教室だった。

…と思ったのも束の間、研究室のドアを開けた瞬間、上から黒板消しが落ちてきた。

 

「わ!?」

 

突然上から落ちてきた黒板消しは、そのままマナの頭上にヒットした。

思いっきり黒板消しを喰らったマナは、私の方を振り向いて目を丸くしていた。

 

「ビックリしたぁぁぁ〜…!」

 

「…お互いにね」

 

まさかいきなり黒板消しが降ってくるとは…

モノクマのイタズラか何かかしら?

何にせよ、古くてしょうもないイタズラだ事。

私がそんな事を考えていると、マナがスカートのポケットを漁りながら話しかけてくる。

 

「あ、そうだ。緋色ちゃんガムいる?」

 

「え?あ、ええ。じゃあ一個貰おうかしら」

 

マナは私にガムを渡してくると、その場でガムを開けて口に放り込んだ。

するとマナは、ガムの包み紙を見て目を丸くする。

 

「あ!当たりだ!やったラッキー!これタダでもう一個もらえるやつだよ!うちこれ好いとーけんメッチャ嬉しか!」

 

お気に入りのガムで当たりを引いたマナは、キャッキャとはしゃいでいた。

ああ、黒板消しが直撃した分の不運が、ガムが当たった分の幸運で打ち消されたのね。

でも黒板消しの分の幸運が10円で買えるガム一個って割に合ってないような気が…

…まあ、物の価値は人それぞれだし一概には言えないけどね。

 

「何か今日は幸先良かね!よーし、こん調子で研究室調べるぞー!」

 

そう言ってマナが研究室に入ると、今度は頭上からタライが降ってきて直撃、かと思えば足元に落ちていたバナナの皮を踏んで転倒、突然飛んできた縄で縛られてあられもない姿を晒したりと、あらゆる不運が立て続けにマナを襲った。

 

「うぇえ〜ん!」

 

「……大丈夫、じゃないわよね」

 

縄で縛られたマナは、自分の不運を嘆くかのように泣きっ面を晒していた。

正直これ以上酷くなるようならもう見ていられないわね。

私がそんな事を考えつつ研究室に入ってマナを救出しようとしたその時、突然天井がパカッと開いて天井から大量のモノクマメダルが降ってくる。

願ってもいない大収穫に、マナはキャッキャとはしゃぎ出した!

 

「うわぁあ!大金や!うち、一気に大金持ちばい!」

 

…ひょっとしてこれ、自分が喰らう用の罠?

一気に幸運を引き当てたマナを見て、一瞬そんな考えが頭をよぎった。

 

 

 

ーーー 【超高校級の警察官】の研究室 ーーー

 

私は、大金をゲットしてホクホク顔のマナと一緒に、自分の研究室の探索をする事にした。

私の研究室のドアは、普通のオフィスによくあるタイプのシンプルなドアだった。

うーん、まあシンプルイズベスト、って事にしておきましょうか。

ドアを開けると、まるで交番の内装のような造りの部屋が広がっていた。

パイプ椅子にデスク、書類を入れておく為の棚、そしてロッカーなどが置かれていた。

部屋に入った瞬間、私はこの研究室が他の皆の研究室とは明らかに違う事に気がついた。

 

「………ん?」

 

「緋色ちゃん、どげんしたと?」

 

「…いえ、何でもないわ」

 

部屋に入った瞬間、私は違和感を覚えた。

最初はほんの少し気になった程度だったが、すぐにそれは確信に変わった。

新し過ぎる。

他の研究室が築何年か立っているのに対して、この研究室だけはまるで空き部屋に適当に家具を詰め込んでいるみたいだった。

まるで、この建物が建てられた当初は()()()()()()()()()()()()()()()()()()かのような…

そういえば新入生の名簿には私の名前が無かったし、その事と何か関係あるのかしら?

私が考え事をしていると、さっきから私の研究室をゴソゴソ漁っていたマナが後ろから声をかけてくる。

 

「あ、ねえねえ緋色ちゃん!」

 

後ろからマナに話しかけられたので後ろを振り向いてみると、マナは例のモノクマ饅頭の箱を持っていた。

…出たわね、ゲテモノ饅頭。

というかこれどこにでもあるわね。

 

「こんお饅頭、食べて良か?」

 

マナは、子猫のように目をうるうるさせながら私に饅頭を食べていいか尋ねてくる。

もうお昼前だっていうのに…

うわ、すごい目で訴えてくる。

どんだけ食べたいのよそのお饅頭。

 

「…好きにしたら」

 

「やったあ!ありがとう緋色ちゃん!」

 

私がパイプ椅子に座ってお茶を淹れると、マナはお饅頭の箱の包装紙をビリビリに破いて中身を取り出した。

マナは、お饅頭の箱を開けたかと思うと、ものすごい勢いで白黒ゲテモノ饅頭を食い尽くした。

10秒とかからずにお饅頭を食い尽くすと、マナは私が淹れたお茶を飲んでまったりした。

 

「ぷはー!あー、美味しかった!ありがと〜緋色ちゃん!」

 

「…そう。それは良かったわ」

 

ほとんどマナが食い尽くしたんだけどね。

当の本人は、煎茶を飲みながらお饅頭の余韻に浸っていた。

お昼前だって言うのによくそんなに食べられるわね…

 

「こんお饅頭、ホントうまかね!ちょうどよか甘しゃで、お茶にばり合うっちゃんなぁ〜これが」

 

ものすごく気に入ってるわね…

そんなに美味しかったのかしら、あのお饅頭。

私は、研究室でしばらくマナと雑談をしてから食堂で昼食を用意する事にした。

マナとは、前の学校の話や趣味の話などをした。

話してみたら普段の生活も趣味も何もかもが違ったけど、マナと一緒に話すのはとても楽しかった。

今までは母さんと父さんの仇を討つ事だけを考えて殺伐とした日々を過ごしていたから、入学当初は同年代の子とここまで仲良くなれるなんて思ってもみなかったでしょうね。

私がそんな事を考えていると、マナが私の顔を覗き込んでくる。

 

「…緋色ちゃん、どげんしたと?」

 

「え?」

 

「いや、何か今嬉しそうやったけん」

 

嬉しそう…?

私が?

そんな風に見えていたのか…

…私は、マナと一緒に話ができて嬉しい…のかもしれないわね。

 

「…ちょっとね」

 

私が微笑みながら言うと、マナが幸せそうに笑った。

よくわからないけど、そんなに嬉しかったのかしら?

つくづく思う事だけれど、何だか一緒にいて飽きない子ね。

マナと一緒に話をしているとあっという間に時間が過ぎ、気がつくと昼の11時になっていた。

そろそろお昼を作りに行った方がいいわね。

 

「そろそろお昼作りに行きましょう」

 

「うん!」

 

私が声をかけると、マナは元気良く返事をした。

私達はその足で、寄宿舎の食堂へと向かった。

 

 

 

ーーー 食堂 ーーー

 

私達が食堂の厨房に行くと、既にリカが昼食の準備を始めていた。

ホント働き者ね、この子…

流石は世界一の頭脳を結集して作られたバーチャルアシスタントだわ。

 

『腐和サン、聲伽サン!今日はどちらに探索に行かれていたのデスか?』

 

リカは、昼食に使う野菜を洗いながら私達に尋ねてきた。

私達は、顔を見合わせながら一緒に研究室の探索に行っていた事をリカに伝えた。

 

「研究室の探索に、ね。せっかく解放されたわけだし」

 

「うんうん!」

 

私がマナの顔を見ながら言うと、マナが頷いた。

するとリカは、羨ましそうに口のあたりで人差し指を立てながらこっちを見てくる。

 

『研究室デスかぁ…羨ましいデス!アテクシも皆サンのように自分用の研究室が欲しかったデス!』

 

自分用の研究室、か…

まあリカは途中参加だし、リカ用の研究室は無いから仕方ないわね。

むしろ、この学園のコンピューター内がリカ用の研究室って言えなくもないような気がするけど…

 

「さて、と、早いとこ昼ごはん作っちゃいましょう」

 

「うん!」

 

私達は、早速昼食作りに取り掛かった。

今日の昼食は、おにぎり、豚汁、だし巻き卵、山菜のお浸し、漬物というシンプルなメニューだ。

まずは山菜を塩茹でしてから刻み、出汁に漬け込んでおく。

お浸しを浸している間に豚汁用の具材を切って、具材を炒めて水と出汁を加え、アクを取って煮込む。

具材が煮えたら味噌を溶かして、豚汁の完成。

それからそれぞれの好きな具を詰めて、おにぎりを握っていく。

梅、鮭、おかか、昆布、明太子、いくら、海苔の佃煮…と。

…よし。これで全員分のおにぎりが完成。

それから油を敷いた卵焼き器に出汁で溶いた卵を入れて焼き、卵を丸めて何層かに重ねていく。

卵焼きができたら、漬物を切ってお皿に盛り付ければ昼食の完成っと。

 

私達が昼食を作っている間、秋山君が食堂に来て食堂の掃除やテーブルセッティングを手伝ってくれた。

全員分の昼食が完成すると、マナが皆を呼びに行った。

 

「皆ー!お昼ご飯できたよー!」

 

マナが皆を呼びに行くと、他の4人が食堂に集まってくる。

特に食い意地が張っている知崎君と古城さんは、来るのがすこぶる早かった。

全員が揃ったところで手荷物検査をし、全員が席についた。

 

「はふはふはふはふ!!」

 

「元気が良いのはいいけど行儀良く食べなね」

 

古城さんがおにぎりをすごい勢いでがっつくと、秋山君が注意をした。

古城さん、ものすごくお腹が空いていたのね…

 

「ねえ久遠おにい。この卵焼き2分の1プラス3分の1プラス6分の1だけちょーだい」

 

「全部だろそれ」

 

「おかわりあるから自分の分食べなさいよ」

 

知崎君がしれっと加賀君の卵焼きを横取りしようとすると、加賀君がツッコミを入れ、行儀が悪いと思ったので私も注意をした。

ホント懲りないわねこいつ……

 

「緋色ちゃんこれうまかね!」

 

「そうね」

 

マナは、さっきあれだけお饅頭を食べておいて、ちゃっかりおにぎりと豚汁と卵焼きをおかわりしていた。

ものすごい食欲…

その細い身体のどこにその量の食事が入っていくんだか…

 

そんなこんなで、全員が昼食を食べ終わった後は食器洗いをし、リカが持ってきてくれたお茶菓子とお茶を嗜みながら中間報告会を開いた。

秋山君は、お気に入りのシナモンコーヒーを飲んで一息つきながら、新しい発見があった人がいないかを尋ねる。

 

「さて…と。それじゃあ一応中間報告会としようか。誰か、何か新たに発見があった人は?」

 

秋山君が尋ねるけど、誰も手を挙げなかった。

そりゃあ、そう簡単に収穫があったら誰も苦労はしないわよね。

…あ、そういえば、リカの解析はどこまで進んでいるのかしら?

 

「ねえリカ、学園内のネットワークの解析はどこまで進んでいるのかしら?」

 

『それがデスね…今のアテクシのスペックでは、ロックを解除して情報を覗き見するのがやっとなのデス。外に助けを呼んだり、学園内のシステムを正常に戻したりする事は未だにできていマセん』

 

「そっか…」

 

「はーつっかえ」

 

「うちの子に向かって何ですその態度!!」

 

リカの報告に対し、知崎君が椅子の背もたれにもたれかかって落胆すると、目野さんがテーブルを両拳で叩きながら食ってかかった。

今のは知崎君が悪いわね。

やっぱり、いくら【超高校級のAI】と言えど、そう簡単に学園内のネットワークをハッキングしたりはできないわよね。

高望みしすぎたか……

結局その後も話し合いを続けたけれど、重要な情報は見つからなかった。

 

「じゃあ報告会はお開きでいいかな?」

 

秋山君が報告会をお開きにしようとすると、リカが手を挙げて言った。

 

『突然デスが、これから女子の皆サンで入浴会を開きマセんか?』

 

…え?

入浴会?

どうして急に…

……あ。

ひょっとして、モノクマ達に聞かれちゃマズい話だから大浴場で話がしたい、って言ってるのかしら?

 

「うん、いいと思うわ。たまには皆でお風呂に入ってリフレッシュするのも悪くないんじゃない?」

 

「さんせー!」

 

「うむ!よくわからんが苦しゅうないぞ!」

 

「リカが言うなら行きましょう!!」

 

こうして、私達女子4人は急遽皆で入浴会を開く事になった。

……のはいいのだけれど。

 

 

 

ーーー 大浴場 ーーー

 

「ガハハハ!!ええ湯じゃええ湯じゃ!!」

 

「気持ちぃ〜…!」

 

「リカも気持ちいいですか!?」

 

リカの意図を理解できなかった3人は、純粋にお風呂を楽しんでいた。

…まあ、こっちの方がむしろモノクマに怪しまれないからいいんだけどね。

私も一応形だけお風呂を楽しんでいると、リカが話しかけてくる。

 

『皆サン。少しお話があるのデスが、宜しいデスか?』

 

「ん!?リカ、話って何です!?」

 

『アテクシは先程、『今のアテクシのスペックでは、ロックを解除して情報を覗き見するのがやっと』、と申し上げマシたよね?』

 

「うむ、それがどうしたのじゃ!」

 

リカが言うと、古城さんがリカに尋ねる。

するとリカは、真剣な表情を浮かべて答えた。

 

『結論から申し上げマス。この学園のシステムは、あと3日あればハッキングできマス』

 

「なあんだそげん事………え?」

 

…ちょっと待って。

今、何て言った?

 

「…ねえリカ。あなた今何て言った?」

 

『申し訳ございマセん腐和サン。アテクシが何か気に障る事を……』

 

「そうじゃないわ。今、何て言ったの?」

 

『この学園のシステムは、あと3日あればアテクシの手中に収められる…と言いマシた』

 

私がリカの発言を再確認すると、リカは真剣な表情でもう一度報告した。

するとマナがリカの肩を掴んでくる。

 

「えっ、リカちゃん!!それホント!?」

 

『はい。アテクシは、ちちとははとねぇねに生を与えて貰ってから2週間足らず、ちちとははに力を貸していただきながら常に学園のネットワークへの侵入を試みていたのデス。アテクシの努力と皆サンのお力添えが功を奏し、ついにネットワークのロックの解除方法を見つけたのデス。3日程お時間をいただければ、いつでもこの学園から脱出できマス』

 

リカがそう言うと、大浴場に静寂が訪れた。

数秒間沈黙が続いた、その直後。

 

 

 

 

「「「やったぁあああああ!!!」」」

 

マナ、古城さん、目野さんの三人は抱き合って大喜びした。

マナは、目に涙を浮かべながら私に抱きついて喜んだ。

 

「やった、やったよ!うちら、やっとここから出らるーっちゃん!!」

 

「でかしましたよリカ!!流石は私の娘です!!」

 

『えへへ…!アテクシは偉いのデス!もっと褒めてクダサイ!』

 

「うむ!よくやったわいリカ!!苦しゅうないぞ!!ここから出た暁には、ウヌをワシの家臣にしてやろう!!」

 

コロシアイ学園生活が始まって22日目、ようやく脱出の糸口が見つかった。

あと3日でここから出られる。

ここまでの道のりに比べれば、3日なんてあっという間だわ。

私は、リカの頭を撫でながらお礼を言った。

 

「ありがとうリカ。これからもサポートよろしくね」

 

『はい!』

 

私が頭を撫でると、リカは笑顔で頷いた。

私達はもう絶望に負けたりしない。

8人全員で、ここから脱出するんだ。

 

 

 

 


 

 

 

ーーー 生き残りメンバー ーーー

 

【超高校級の警察官】腐和(ふわ)緋色(ひいろ)

 

【超高校級の幸運】聲伽(こえとぎ)(まな)

 

【超高校級の泥棒】知崎(ちさき)(れん)

 

【超高校級の考古学者】古城(こじょう)いろは

 

【超高校級の魔術師】加賀(かが)久遠(くおん)

 

【超高校級の機械技師】目野(めの)美香子(みかこ)

 

【超高校級の音楽プロデューサー】秋山(あきやま)楽斗(がくと)

 

【超高校級のAI】リカ 

 

残り8名?

 

 

 

ーーー 死亡メンバー ーーー

 

【超高校級のバレーボール選手】玉越(たまこし)(つばさ)

 

【超高校級のボーカリスト】(ひびき)歌音(うたね)

 

【超高校級の獣医】小鳥遊(たかなし)(ゆい)

 

【超高校級のメイクアップアーティスト】越目(こすめ)粧太(しょうた)

 

【超高校級の聖母】聖蘭(せいらん)マリア

 

【超高校級の忍者】闇内(やみうち)(しのぶ)

 

【超高校級の美食家】【超高校級の殺人鬼】食峰(しょくほう)(みつる)

 

【超高校級のマフィア】ネロ・ヴィアラッテア

 

【超高校級の大工】館井(たてい)建次郎(けんじろう)

 

以上9名

 

 

 

 

 

今更だけど推し教えて

  • 腐和緋色
  • 聲伽愛
  • 玉越翼
  • 小鳥遊由
  • 知崎蓮
  • 食峰満
  • 越目粧太
  • 聖蘭マリア
  • 古城いろは
  • 加賀久遠
  • 目野美香子
  • 館井建次郎
  • 秋山楽斗
  • 響歌音
  • ネロ・ヴィアラッテア
  • 闇内忍
  • リカ
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