ジャスティスダンガンロンパX4  強くてコロシアイ再履修   作:M.T.

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(非)日常編④

あと3日で学園内のシステムを復旧できる。

そうすれば、私達は外に出られる。

ようやく、脱出の糸口が見つかった。

私達は女子全員での入浴会の後、男子にも手紙でその旨を伝えた。

どうやら男子も男子で作戦会議を兼ねた入浴会をしていたらしく、リカが脱出の手掛かりを掴んだと知って全員喜んでいた。

夕食の支度までまだ時間があったので、私はもう少し学園内の探索をしておく事にした。

まだ行っていなかった校舎に行ってみようかしらね。

 

 

 

ーーー 購買部 ーーー

 

私はまず、必要なものを買い揃える為購買部に足を運んだ。

購買部で買い物を済ませ、まだ少しメダルが残っていたので、モノモノマシーンを引いてみた。

出てきたのは、動物図鑑と携帯ゲーム機だった。

正直、あまり要らないわね。

誰かにあげられるといいのだけれど。

私は、景品の動物図鑑と携帯ゲーム機の扱いに困りつつ、購買部を後にして探索を始めた。

まずは講堂を調べてみようかしらね。

 

 

 

ーーー 講堂 ーーー

 

「うわぁ……広い」

 

講堂は、まるでコンサートホールのような構造になっていて、一階席と二階席が並んでいた。

正面の舞台はスポットライトが照らされていて迫力満点だ。

舞台裏も調べておかないとね。

 

舞台裏には、演劇部が使っていたと思われる備品が置いてあった。

煌びやかな衣装や小道具、どれも手が込んでいた。

他にも、劇の台本やお伽話の原作が置いてある。

先輩方は、ここで歴史に名を残すような名作を作ってきたのでしょうね。

本棚を調べてみると、白瀬が書いた台本や小説が置いてあった。

【超高校級の脚本家】の作品というだけあって、どれも老若男女が楽しめる名作だった。

もう少し舞台裏を調べてみると、劇に使う機械が並んでいた。

備品を調べてみると、ダンボールの中に一斗缶が入っているのを見つけた。

 

「…ん?」

 

…あれっ?これって灯油とガソリンの容器よね?

どうしてこんなところに……

って、よく見たらラベルが逆じゃない!

ったく、何やってんのよモノクマの奴…

誰かが間違えちゃったらどうすんのよ!

私は、ガソリンと灯油のラベルを貼り替えてきちんと正しい表記になるように直しておいた。

 

「…これで良し」

 

これで間違えて使われる事は無くなったわね。

…さてと。

講堂の探索はこれくらいでいいかしらね。

せっかくだし、植物庭園でも見ておこうかしら。

 

 

 

ーーー 植物庭園 ーーー

 

「綺麗……」

 

植物庭園には、美しい植物の数々の生い茂っていた。

ツツジ、バラ、アジサイ、ヒマワリ、ユリ、キンモクセイ、サザンカ、ツバキ、咲く季節が違う花が咲き誇る花壇はとても綺麗だった。

植物庭園を見てまわっていると、知崎君が植物庭園に入ってきた。

 

「ふんふんふ〜ん♪」

 

知崎君は、植物庭園に入ってきたかと思うと、庭園内をキョロキョロ見渡した。

庭園内を見渡しながら、懐からメモ帳を取り出して何かをメモしていた。

何してるのかしら…?

 

「知崎君。何してるの?」

 

「おいーっす緋色ちゃん。今ねえ、ちょっとばかし調べ物してたっちゃ!」

 

「調べ物?何調べてるの?」

 

「企業秘密ー」

 

企業秘密って……

企業に属してないじゃない。

…まあ、これ以上の詮索は野暮かしらね。

 

「ぶぇっくしょい!!」

 

知崎君は、いきなり思いっきりくしゃみをした。

花水垂れ流して、汚いわね……

 

「う゛ー…」

 

「大丈夫?私ティッシュ持ってるけど、使う?」

 

「使うー」

 

知崎君が鼻水を垂らしていたので、ポケットティッシュを渡してあげた。

ポケットティッシュを受け取って勢いよく鼻をかんだ知崎君だったけど、何故か鼻をかんだ直後から急にまたくしゃみを始めた。

 

「くしゅんっ、くしゅんっ、ぶえっくしょん!!げほっ、げほっ!!」

 

…何か、ティッシュで鼻をかむ前より酷くなってない?

目が充血してるし、涙と鼻水が垂れ流しだし、見るに堪えないわね。

私がそう思っていると、知崎君が私を指差して問い詰めてきた。

 

「ちょっと緋色ちゃん!さっきまでお花の近く歩いてたでしょ!?ボク花粉症なんだよー!」

 

「え?あ、ごめんなさい」

 

そういえばさっき花壇の近くを通ったから、その時服に花粉がついてしまったのかしら。

というか、花粉症なら入ってこなきゃいいのに…

知崎君は、庭園内の水道で顔を洗い、常備していた花粉症の薬を飲んだ。

 

「うー…まだ鼻がぐじゅぐじゅするよー…」

 

「ホント大丈夫?」

 

植物庭園の外のベンチに座って休憩していた知崎君は、ダラダラと鼻水を垂れ流しながら気持ち悪そうにしていた。

こうなってくるとちょっと可哀想になってきたわ。

知らなかったとはいえ彼の花粉症を悪化させてしまったのは私だし、お詫びにさっき買ったジュースでもあげようかしら。

 

「知崎君。お詫びと言っては何だけど、ジュースいる?」

 

「わーい!いっただっきまーす!」

 

私がジュースを手渡しすると、知崎君はジュースの缶をひったくって飲み干した。

私からジュースをひったくって飲み干した知崎君は、心なしか顔がツヤツヤしていた。

 

「ぷっはー!生き返ったー!」

 

すごい飲みっぷりね…

…あ、そうだ。

さっき手に入れた動物図鑑、知崎君にあげたら喜ぶかしら?

 

「知崎君。渡したいものがあるんだけど、今少しいい?」

 

「ほぇ?」

 

私は、さっきモノモノマシーンでゲットした動物図鑑を知崎君にプレゼントした。

すると知崎君は、キャッキャとはしゃぎながら喜んだ。

 

「わーーーーい!!ありがとう緋色ちゃん!」

 

どうやらとても喜んでくれたみたいだ。

私は、自由時間を知崎君と過ごす事にした。

植物庭園の外のベンチで、二人で横並びに腰掛けて一緒に話をした。

 

「知崎君はどうして泥棒になったの?」

 

「うーん、一言で言うと“欲しい”からだよ〜」

 

「欲しい?」

 

「あのね、ボク、どうしても欲しいものがあるとどんな手を使っても欲しくなっちゃうんだよね。お金でも、お宝でも、情報でも、才能でも、欲しいって思うと止まらなくなっちゃうんだ。欲しいと思ったものが手に入ると、それだけで嬉しくって、とっても幸せな気分になれるんだ!病気でおっ死んだボクのママがフーゾクで働いてたんだけどさ。ボクは産まれたその日に店長のサイフ盗んできたんだって誇らしげに言ってたよ!」

 

私が尋ねると、知崎君はニコニコと笑いながら一切悪びれずに言った。

“欲しい”、本当にたったそれだけの理由で盗みを働いていたのか…

というか、小さい息子が盗みをやらかして誇らしく思う母親って…どういう倫理観してるのよ。

…まあ、かつては世界に悪名を轟かせた大泥棒の一族の価値観を、現代日本人の私達のものさしで測るのはお門違いなのかもしれないけど。

知崎君は、私に詰め寄ってきたかと思うと、ニヤリと不気味な笑みを浮かべて語った。

 

「食べると身体がゴムみたいになるっていわれてる悪魔の果物、『解体屋』を自称する殺人鬼の心臓、四本腕の怪物の指、ヨーロッパのとある小国の王族が育ててたオモシロ生物、色々盗んできたんだよ?でもやっぱり今まで盗んだ中で一番のお宝は、ボクが人生で初めて盗んだ【超高校級】の才能かな」

 

「え?」

 

「ボクの地元にね、【超高校級のパルクーラー】として未来ヶ峰に留学する予定だった人がいたんだよね。その人がパルクールの大会でメチャクチャ活躍してるのを見てさ、その人の才能がすごく『欲しい』って思っちゃったんだよ。その人が欲しい、もっと知りたい、その人になりたいって思っちゃって、そしたらもう止まらなくなっちゃってさ。気がついたら、住所を突き止めて、後ろから頭をガツン!ってやっちゃっててさぁ…そんで次に気がついた時は、その人に『なっちゃってた』んだよね」

 

…あっ。

そういえば、10年前…いえ、実際にはここで10年経ってるから20年前ね。

20年前のオリンピックで驚異的なパフォーマンスをした高校生パルクール選手がいたんだけど、本人がまだ練習中の技を平然と完壁に披露してて、性格とかも少し本人とは違ってたし、何より当の本人はその時事故で入院中だったから、なりすましが疑われて悪い意味で世界的に話題になったのよね。

まさか、あの時出場してたのは、彼の才能を盗んだ知崎君だった…?

 

「あの時、その人になってオリンピックに出てたんだけどさ。その人と同じ…いや、その人以上のパフォーマンスをして、金メダル獲って、それだけでもうワクワクしちゃって!ずっと欲しかった才能で、ずっと欲しかった金メダルを獲ったんだよ?そりゃあテンション上がるよね!あの時獲った金メダルは、オリンピック選手から盗んだ金メダルよりずっとキラキラして見えたんだ!あの人を“盗んだ”ボクは、世界中の誰よりもあの人の事を知ってる。それが何よりも嬉しかったんだ!この才能はボクが初めて盗んだ才能だから、今でも一番大事にしてるんだ」

 

知崎君は、髪を掻き上げながら自分の犯行を自慢げに語った。

その仕草は、知崎君に才能を盗まれたかつての【超高校級のパルクーラー】の仕草と全く同じだった。

『欲しかった』、『知りたかった』、『なりたかった』。

彼は、たったそれだけの理由で多くの未来ある高校生達の才能を盗み、彼らの人生を狂わせてきた。

しかも盗んだ才能を、自分の欲求を満たす為だけに悪用してきた。

どうしてそんな事が平気でできるのかしら…?

 

「才能を盗んで人の人生を狂わせる事に罪悪感は無かったの?」

 

「えっ、才能盗むのって悪い事なの?なんでなんで?なんで悪い事なの?だってボクがそれを欲しいと思って、どうしても手に入れようとするのは自由でしょ?好きな人がいたら、その人が欲しい、その人を知りたい、その人になりたいって思うのは普通の事でしょ?野球選手のファンがその選手の背番号と同じ数字のものを集めようとするのと一緒だよ!あれだって、その人が『欲しい』、『知りたい』、『なりたい』って欲求の表れでしょ?ボクは、欲しいって思ったものを手に入れて、ただ普通に生きてるだけだよ?」

 

私が尋ねると、知崎君は悪びれずに首を傾げた。

この子は、悪意があって盗みをやっているわけじゃない。

盗みを悪い事だとこれっぽっちも思っていない。

この子は、どこまでも私とは相容れない人間なんだ。

 

「でもね、ボクはまだずっと一番欲しいと思ってたものをゲットできてないんだよ。ボクはボクの一番欲しいものを手に入れる為に、色んなものを盗んでるんだ」

 

「一番欲しいもの?」

 

「ボクのご先祖様」

 

そう言って知崎君は、講堂から持ち出した『アルセーヌ・ルパンシリーズ』の本を見せてきた。

アルセーヌ・ルパンは、19世紀から20世紀にかけてフランスで悪名を轟かせていた怪盗で、知崎君の遠い先祖だ。

 

「ボクは、ご先祖様になりたいんだ。世界一の大泥棒になって、世界中で有名になれば、ご先祖様になれる気がするから。だからボクはずっとドロボーやってきたんだよ。…ま、色々やっちゃって世界中の皆を怒らせちゃったみたいで、記憶ぶっこ抜かれて島流しに遭ったんだけどさ。あの時は記憶が無かったけど、パパの故郷でフツーの高校生として過ごすのもそれはそれで悪くなかったよ」

 

知崎君は、頭の後ろで手を組んでにししっと笑った。

こうして見ると、ただの無邪気な子供にしか見えない。

…だけど彼は、世界中を混乱に陥れた泥棒なんだ。

私には、一警察官として、ここから出たら彼を捕まえるという使命がある。

 

「ここにいる間は、あなたは私のクラスメイトよ。でもここから出たら、必ず捕まえてやるから。それまで覚悟しておきなさいよ、知崎君。…いえ、大泥棒ルパン」

 

「うん!楽しみにしてるよ!ここから出たら、どっちが勝つか勝負しようか!」

 

私が宣戦布告すると、知崎君はニコッと笑った。

ホント大胆不敵ね……

 

《知崎蓮との好感度が1アップしました》

 

私は知崎君と分かれた後、校舎の探索に戻った。

まだ行っていなかった武道場と和室でも見ておこうかしらね。

 

 

 

ーーー 武道場 ーーー

 

私が武道場の矢道に足を踏み入れると、そこには桜吹雪が舞っていた。

さすが最高峰、きちんと雰囲気も重視されているのね。

武道場の矢道には、造花の桜が植えられていて、弓道に使う的がいくつか並べられていた。

先輩達は、ここで弓の練習をしていたのでしょうね。

 

反対側を振り向くと、木造の武道場が見えた。

そのまま射場から武道場に上がると、中は広い道場になっていた。

剣道用の竹刀、巻藁、木刀、薙刀、弓道用の弓矢などが置かれている。

ほとんどの武道の道具が網羅されていて、武道の部活の練習場として活用されていたようだ。

 

「ん…?」

 

振り向いて見てみると、武道場の雰囲気には相応しくない機械的な刀が置いてあった。

機械の刀の下には、説明書きが置いてあった。

 

『電脳刀 この刀は、一時的に電子回路やネットワークを切断する刀です。この刀を使えば、どんな機械でも一太刀で斬り伏せて一時的に動作不良を起こす事ができます。どうぞご自由にお使い下さい。モノDJ理事長及びモノクマ学園長より』

 

電脳刀…

どんな機械でも一太刀で操作不良を起こす事ができる刀、か。

モノクマ達、こんなものをここに置いて何がしたいのかしら。

しかもご丁寧に『ご自由にお使い下さい』なんて書いて、よっぽど私達にコロシアイをさせたいらしいわね。

それに、説明書きに描かれたモノクマとモノDJのイラストが不愉快だわ。

 

私は、何の気はなしに電脳刀を手に取ってみた。

電脳刀を鞘から抜いた瞬間、私は思わず僅かに目を見開いた。

…この刀、刀身が無い。

じゃあどうやって……

私がそう思いつつ電脳刀を構えてみると、電脳刀の柄からはブンッと音を立てて青白い火花が散り、電光の刀身が姿を現した。

…これ、まるでライトセーバーみたいね。

この電光の部分で機械を叩き斬って壊す、と。

……この刀を使って、モノDJとモノクマを脅して私達を脱出させる事は………

…いえ、そんな事をしたらオシオキされるのは確実よね。

我ながら馬鹿な考えだったわ。

多分使う予定は無いでしょうし、元の場所に戻しておきましょう。

私は、電脳刀の鞘を元に戻して、電脳刀を元の場所に戻しておいた。

ここで調べられる事はもう無さそうだし、次は和室を調べてみようかしらね。

 

 

 

ーーー 和室 ーーー

 

武道場に隣接した和室は、上質な畳が敷いてあった。

部屋の中が掛け軸や生け花、ししおどしなどで飾られ、上品な雰囲気の空間を生み出していた。

どこからか、琴を弾く音が聴こえてくる。

ししおどしの音や琴の音で心が洗われ、コロシアイ学園生活で荒みかけていた心が癒される。

実家の雰囲気と似ているのもあって、こういう雰囲気は個人的にとても心が落ち着く。

中をくまなく調べてみると、茶道や華道、書道の道具、あとは琴や三味線などの和楽器が置いてあった。

そして襖を開けてみると、日本舞踊用の着物や扇子などが仕舞われていた。

 

「………あ」

 

よく見たら、この部屋の掛け軸や生け花は先輩方の作品だ。

先輩方の作品には、先輩の名前が書かれている。

ここは芸道系の部活の部室として使われていたようね。

古城さんが喜びそうな場所だこと。

 

「…………」

 

さっきからずっと気になっていたのだけれど、やっぱりアレがここにある異質さはどうしても拭い切れないわ。

私がそう思いながら視線を移した先には、古城さんが言っていた『メカマサムネ』が鎮座していた。

2mはありそうな人型の機械で、まるで某機動戦士を思わせる造形をしている。

おいおい…

和室になんて物を置いてるのよ…

上品な雰囲気の和室にこんなゴテゴテのメカが置いてあったら、そりゃあ古城さんも怒るわよね。

私は、和室の雰囲気に似つかわしくない人型のロボットに対して心の中でツッコミを入れつつ、メカマサムネに近付いて調べてみた。

 

メカマサムネの頭部を開けてみると、中には人一人が入れそうなコックピットが内蔵されていた。

コックピットのシートにはレバーやボタンが取り付けられていて、シートの正面には、メカマサムネを操縦する為のタッチパネルが設置されている。

どうやらメカマサムネには、人が直接中に入って操縦する『手動モード』と、内蔵されたAIにあらかじめ学習させて無人で操縦する『自動モード』があるらしい。

早速メカマサムネの中に入ってタッチパネルを調べてみると、色々と設定する為の画面に飛んだ。

今はメカマサムネを使う予定が無かったので、そのままコックピットを出て和室の探索を続ける事にした。

私がメカマサムネから出てくると、メカマサムネの頭部は機械音を立てながら閉じた。

和風のBGMに対してこの機械音が合わなさすぎるのよね…

和室にこんなものを置いておくモノクマとモノDJは一体どういう神経をしているのかしら?

 

私がそんな事を思いつつ和室の探索をしていると、誰かが和室に入ってくる。

入ってきたのはリカだった。

 

「あらリカ、どうしたの?」

 

『腐和サン。そちらにいらしたのデスね。ええとデスね、実はちちとははの命令を受けてメカマサムネとやらを調べに来たのデス。そのついでに、古き良き日本文化を体験しておこうかと……』

 

リカは、頭を掻きながらこの部屋に来た目的を話した。

なるほどね。

リカもこういう古くからの日本文化に興味があったのね。

あ、そうだ。

さっきゲットした携帯ゲーム機、リカにプレゼントしたら喜ぶんじゃないかしら?

 

「リカ」

 

『はい何デショウか腐和サン』

 

「この携帯ゲーム機なんだけど…良かったら受け取ってもらえない?」

 

私は、モノモノマシーンで手に入れた携帯ゲーム機をリカにプレゼントした。

するとリカは、顔の上の液晶画面をパッと光らせて食いついてくる。

 

『腐和サン、これをアテクシにプレゼントしてくださるというのデスか?』

 

「そうよ。気に入ってもらえたかしら?」

 

『ええ、とても嬉しいデス!ありがとうございマス腐和サン!』

 

リカは、私がプレゼントした携帯ゲーム機を受け取って満面の笑みを浮かべた。

良かった、喜んでくれたみたいね。

私は、自由時間をリカと過ごす事にした。

和室の畳に座布団を二枚敷いて、お互いに向き合って正座をして一緒に話をした。

 

「リカ、この学園生活が始まってからしばらく経ったけど、何か楽しい事はあった?」

 

『はい!ちちやはは、そして皆サンに多くの事を教えて頂き、アテクシは毎日楽しいのデス。その中でも特に楽しかったのは、皆サンと一緒に異世界でゲームをした事デショウか。あの時は、皆サンと一緒にゲームクリアを目指してクエストを攻略していくうちに絆を深められて、アテクシにとっては良い思い出デス』

 

別にクリアを目指していたわけじゃないけど……

でもあのゲームは、リカにとってはいい思い出だったのね。

確かにあのゲームは、某念能力ゲームのパクリだと正直舐めてたけど、意外とやりごたえがあったのよね。

 

「やっぱりゲームは好きなの?」

 

『はい、好きデス。ゲームもアテクシにとっては学習をサポートしてくれるいい教材なのデスよ。今はここに閉じ込められているので対戦はできマセんが、いつか強豪プレイヤーと対戦して強くなりたいデス』

 

リカは、グッと拳を握りしめてまだ未知のプロゲーマーに対して闘志を燃やしていた。

最高峰のバーチャルアシスタントを目指す彼女としては、プロゲーマーと対決してゲームスキルを高めるのは、ここから出たら成し遂げたい悲願の一つなのね。

 

「あなた、普段は何してるの?」

 

『主に学園内のネットワークの解析、それから皆サンの生活をサポートする為の学習デスね。アテクシの本体はちちの研究室にいるので、よくちちの話も聴かせてもらっておりマスよ』

 

「加賀君の話?」

 

『はい。ちちは、アテクシがより学習できるように、よくアテクシに話しかけてくれるのデス。アテクシが料理や検視で皆サンの役に立てているのも、ちちが食峰クンや小鳥遊サンの研究室から本を持ってきてくれてアテクシに読ませてくれたからデス。それ以外にも、人工知能の未来やこれからの医療の発展についてなど、普段からちちとは多くの有意義な議論を交えておりマス。ちちの話はとても面白いデスし、勉強になるので、アテクシは大好きデスよ』

 

リカ、普段は加賀君と話をしていたのか…

加賀君、普段はクールで変じ…ミステリアスな雰囲気だけれど、リカの前では私達にも見せないような一面を見せていたりするのかもしれないわね。

 

『ちちはああ見えて繊細で寂しがり屋なので、アテクシと話ができないと拗ねるのデス。なので時間がある時は、ちちと話していマスね。まあ、アテクシはちちと話していて楽しいので、長話も苦ではありマセんが』

 

へえ…

てっきり加賀君って図太い人だと思ってたけど、意外と寂しがったりする人なのね。

…というか、そんなセンシティブな話、私に話しちゃっていいの?

 

「……ねえ、それ、私に話してもいい話だったの?」

 

『…あっ。言われてみれば、話してはいけない話デシたね』

 

おいおい……

大丈夫かこの子。

ちょっと抜けてるというか…

 

『アテクシ、やってしまいマシた。てへっ』

 

リカは、ペロッと舌を出しながら自分の頭にコツンと拳を当てた。

あざといわね。

これ、絶対自分が可愛いって自覚してやってるわよね。

こういうとこ見ちゃうと、悪い意味でも人間臭いと思ってしまうわね。

 

「……あなた、何だか必要以上に人間臭いわよね。良い意味でも悪い意味でも」

 

『まあ!それは最高の褒め言葉デス!アテクシの最終目標は、人間と遜色ないバーチャルアシスタントになる事デスから』

 

…あっ、しまった。

言葉選び間違えた。

余計調子に乗らせちゃったわ。

でもリカと仲良くなれたみたい。

 

《リカとの好感度が1アップしました》

 

私は、しばらくリカと一緒に和室の探索をした。

リカはメカマサムネを調べていたので、私は和室の雰囲気を楽しみつつ、別の場所を調べた。

その後、二人で一緒に夕食の準備をする為食堂に向かった。

 

 

 

ーーー 食堂 ーーー

 

私とリカは、夕食の支度をしに食堂に行った。

すると既に秋山君とマナが食堂に来ていた。

 

「あ、腐和さん。リカちゃん」

 

『はっ…!既に先を越されていたとは…!皆サンをサポートするバーチャルアシスタントともあろう者が、何たる不覚…!』

 

秋山君が先に夕食の準備を進んでいると、秋山君に先を越されたリカがガックリと肩を落としてわかりやすく落ち込んだ。

普段リカが働いてくれてる分働いてるんだろうし、何もそこまで落ち込まなくても…

私がリカに対して心の中でツッコミを入れていると、秋山君が私に話しかけてきた。

 

「腐和さん、君も毎食皆のご飯作ってて大変だろ?夕食作りは俺らでやっておくから、ゆっくりしててよ」

 

「そう?じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかしらね」

 

秋山君が爽やかな笑顔を浮かべながら気を遣ってくれたので、この日の夕食は秋山君、マナ、リカの三人で作り、その間私は食堂の掃除やテーブルセッティングをした。

流石に何もしないわけにもいかないし、テーブルセッティングくらいはしないとね。

食堂のテーブルクロスを整えていると、厨房の方からいい匂いが漂ってきて食欲をそそられる。

私がテーブルセッティングを終えると、ちょうど古城さん、知崎君、加賀君、目野さんの4人が食堂に顔を出した。

全員が揃ったところで、席について夕食会を始める。

今日の夕食は、グラタン、ガーリックトースト、ズッキーニとキノコのラタトゥーユ、レタスのスープ、イチゴのソルベだった。

食事の後は、全員で食器を片付けて、報告会を開いた。

今回の報告会も、特に誰かが何か収穫を得たりはしておらず、明日の予定を話し合ってそのまま解散となった。

 

夕食会が終わった後、私は軽く寄宿舎内を散策し、9時頃に個室に戻った。

お風呂は……

昼に入浴会を開いたばかりだし、軽くシャワー浴びるだけで十分よね。

私は、部屋のシャワールームでシャワーを浴び、部屋のベッドに横になった。

 

…あと2日。

あと2日で、この学園のシステムが元に戻る。

そうすれば、ここからの脱出も夢じゃなくなる。

ここまで来てようやく、希望が見えてきた。

私達は、絶対にもう絶望に負けたりなんかしない。

 

 

 


 

 

 

『モノクマ&モノDJ劇場』

 

 

 

『レディースアーンドジェントルメン!!待たせたなァゴミクズ共!!さぁーて、今回のモノクマ&モノDJ劇場だが…』

 

『まぁてぇルパァァァーーーーーン!!!』

 

『いけねえ、とっつぁんだ!』

 

『えー、ヤツはとんでもないものを盗んでいきました。何とこのコーナーです!というわけで、コーナーそのものを盗まれてしまったのでモノクマ&モノDJ劇場は開演できないのであった………』

 

 

 

 

 


 

 

 

ーーー 生き残りメンバー ーーー

 

【超高校級の警察官】腐和(ふわ)緋色(ひいろ)

 

【超高校級の幸運】聲伽(こえとぎ)(まな)

 

【超高校級の泥棒】知崎(ちさき)(れん)

 

【超高校級の考古学者】古城(こじょう)いろは

 

【超高校級の魔術師】加賀(かが)久遠(くおん)

 

【超高校級の機械技師】目野(めの)美香子(みかこ)

 

【超高校級の音楽プロデューサー】秋山(あきやま)楽斗(がくと)

 

【超高校級のAI】リカ 

 

残り8名?

 

 

 

ーーー 死亡メンバー ーーー

 

【超高校級のバレーボール選手】玉越(たまこし)(つばさ)

 

【超高校級のボーカリスト】(ひびき)歌音(うたね)

 

【超高校級の獣医】小鳥遊(たかなし)(ゆい)

 

【超高校級のメイクアップアーティスト】越目(こすめ)粧太(しょうた)

 

【超高校級の聖母】聖蘭(せいらん)マリア

 

【超高校級の忍者】闇内(やみうち)(しのぶ)

 

【超高校級の美食家】【超高校級の殺人鬼】食峰(しょくほう)(みつる)

 

【超高校級のマフィア】ネロ・ヴィアラッテア

 

【超高校級の大工】館井(たてい)建次郎(けんじろう)

 

以上9名

 

 

 

 

 

今更だけど推し教えて

  • 腐和緋色
  • 聲伽愛
  • 玉越翼
  • 小鳥遊由
  • 知崎蓮
  • 食峰満
  • 越目粧太
  • 聖蘭マリア
  • 古城いろは
  • 加賀久遠
  • 目野美香子
  • 館井建次郎
  • 秋山楽斗
  • 響歌音
  • ネロ・ヴィアラッテア
  • 闇内忍
  • リカ
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