ジャスティスダンガンロンパX4 強くてコロシアイ再履修 作:M.T.
正面の方から聞こえてきた声を頼りに、全員が正面を見る。
するとそこからは……
『イヤッフゥゥゥゥイ!!!』
かつて世界を混沌に陥れた、絶望の象徴が現れた。
身体が白と黒のツートンカラーに分かれた熊のマスコット、モノクマだ。
『えーと、とりあえずおはようございます!オマエラ!』
「えっと、おはようございます?」
「おはようございまぁーす」
「あっ、えっと、おはようございます!!」
「おはようございます!!」
「ご機嫌よう」
マナ、知崎君、食峰君、目野さん、聖蘭さんの5人は、律儀にも挨拶を返した。
あんな奴に挨拶なんかしなくていいわよ…
『うぷぷぷぷ、こっちの世界でははじめましてだったよね?やっぱり主役は遅れてきてなんぼだよね!』
「モノクマ…!!」
「嘘だろ…!?何でテメェがここにいるんだよ!?」
モノクマの登場に、私達はひどく動揺した。
それもそのはず、かつて世界を崩壊寸前まで追いやった元凶が現れたのだから。
『何でもどうしてもWhyもないの!ボクがここにいるのはねぇ…何と、ボクがこの未来ヶ峰学園の学園長に就任したからなのでーす!』
モノクマは、いきなり意味不明な事を言い出した。
こいつが未来ヶ峰学園の学園長…?
そんなわけ無い、だってこの学園はそもそもこういう奴等を駆逐する為に建てられた学園なんだから。
私が混乱していると、古城さんが斬殺丸なるツルハシを抜いてモノクマに突きつけた。
「はぁぁ!!?ウヌは莫迦か!?ウヌのようなぬいぐるみに学園長が務まるわけがなかろうが!!」
違う。
古城さん、そうじゃない。
聞かなきゃいけないのはそこじゃないわよ。
『ボクはぬいぐるみじゃないよ!モノクマだってば!このやり取り何百回目だよもう!』
「はっ、冗談キツイぜ。テメェが学園長?ふざけた事言ってんじゃねーよ!」
「うぇええ!?何だよこれ、どうなってんの!?てか、未来ヶ峰学園のサプライズじゃねえの!?」
「サプライズにしては悪趣味が過ぎるな……」
「皆落ち着いて。あいつが何でここにいるのかは知らないけど、まずは話を最後まで聞かないと」
「そうだぞ!オメェら、静かにしろ!モノクマ学園長が困ってんじゃねえか!!」
「茶番はいいから早く入学式とやらを終わらせてくれないか?早く研究に取り掛かりたいんだが」
モノクマの発言に対して、皆が次々と文句を言う。
それに対して玉越さんと食峰君が落ち着かせようとするけど、食峰君はちょっとズレてるわね…
加賀君に至っては、モノクマの茶番に飽きて帰りたそうにしている。
…っていうかこいつと平気で話せるなんて、皆結構肝が据わってるわね。
段々とヒートアップしてきて収拾つかなくなってきた、その時だった。
『うるさーーーーい!!!オマエラ、ボクを聖徳太子かなんかだと思ってない!?先生の話は最後まで聞きましょうねって教わらなかったわけ!?』
「そんな事言われたって、テロリストが学園長だなんて食峰君以外誰も信じないと思うよ?」
「同感だな。さっきからキナ臭えんだよお前」
モノクマが怒鳴ると、秋山君が先程までとは一変して毒を吐き、ネロも賛成した。
するとその時、さっきの機械的な男の声が聞こえてきた。
『HEYHEYHEYHEY!!グッダグダじゃねえの学園長!!ここはオレ様の助けが必要なんじゃアねえのか!?』
『ぶ、ブラザー…!?』
男の声が聞こえてきたかと思うと、その直後、突然上から何かが降ってきた。
『FUUUUUUUUUUUUUUUUNK!!!!』
突然ドシィン、と何かが落ち、体育館中が大きく揺れた。
するとその瞬間、体育館の電気がパッと消えた。
「うわぁ!?何じゃあ!?」
「停電!?」
「今度は何なんだよクソが!!」
「演出じゃないの?ほら、ショーとかの前によくやるやつ」
「停電とな!?これは大変でござる!」
「何も見え〜ん!って!今尻ば触ったん誰!?」
「ん…」
「忍!!あんたどさくさに紛れてセクハラすんな!!」
「久遠おにい〜!魔術師でしょ!?火の玉出してよ!ウィルオウィスプとかカルシファーとか!」
「君は俺を何だと思ってるんだ?」
「ガタガタうるせぇなクソガキ共…」
突然の停電に皆がパニックに陥っていると、どこからかドラムロールの音が聴こえる。
そしてスポットライトがパッと光り、ドラムロールの音に合わせて左右上下に円形の光が動く。
するとその直後、ダン!という音と共にドラムロールが終わり、中央の壇上にスポットライトが当たった。
『待たせたなァ!!ゴミクズ共ォォォ!!!』
機械的な野太い声と共に、体育館の灯りがついた。
そこにいたのは、未来ヶ峰学園の校章がプリントされたツートンカラーのキャップを被り、首には同じく未来ヶ峰学園の校章がプリントされたヘッドホンをつけ、星形のサングラスをつけた、モノクマの倍以上の大きさのツートンカラーのメタボグマだった。
『今年度の入学式はァァ!!学園長のモノクマとこのオレ、未来ヶ峰のカリスマDJ!!未来ヶ峰学園理事長のモノDJでお送りするゼイェア!!』
【未来ヶ峰学園学園長】モノDJ
『ヒューーー!!』
「じゃかぁしい!!鼓膜破る気かァ!!」
モノDJとやらがノリノリで自己紹介をするとモノクマが乗っかり、それに対して古城さんが文句を言った。
…うん、確かにうるさいわね。
すると、痺れを切らした秋山君がモノDJに尋ねる。
「ねえ、俺達いつまでこんな茶番見せられなきゃいけないわけ?」
『ソーリーソーリー!んじゃあ自己紹介が済んだ事だし!早速本題に入るゼェ!!早速だがリスナー諸君にゃア、この未来ヶ峰学園で共同生活をしてもらうぜ!!その期限はァ、ナッッッシング!!リスナー諸君は、ルールを守って仲良く暮らすように!!』
…………は?
ちょっと待って、こいつら何言ってんの!?
そんな事、一言も聞いてないんだけど!?
「はぁ!?んだよそれ!!ふざけんな!!」
「困りましたわね…今こうしている間にも、苦しんでいる人々が大勢いらっしゃるというのに…」
「いくら何でもそれは横暴すぎる。いくら未来ヶ峰学園だからって、そんな事許されると本気で思ってんの?」
玉越さんの発言にお陰で、混乱していた頭が冷めてきた。
…そうよ、未来ヶ峰学園がこんな事をして許されるわけがない。
ましてや、世界中を崩壊寸前まで追いやったテロリストの真似事なんて、十分現行犯逮捕に値するわ。
「貴方達がそうやって踏ん反り返っていられるのも今のうちよ。これは立派な監禁罪よね?首謀者は誰?」
私は、体育館に設置された監視カメラの一つを見ながら言ってやった。
どうせそこから見てるんでしょう?
私は逃げも隠れもしないわ!
「ねえ、聞こえてるんでしょう?この茶番劇を裏で操ってる黒幕さん。直接じゃなくて申し訳ないけどよく聞きなさい。一警察官として、今ここであんたを現行犯逮捕してあげるわ!!」
「そ、そうだぜ!やっちまえ腐和ちゃん!」
私がモノクマ達に警棒を突きつけてやると、越目君が便乗してきた。
「うわ、粧太おにい急に元気になった」
「越目君って腐和さんの金魚のフンだよね」
「う、うるせぇ!!」
越目君は、知崎君と秋山君に揚げ足を取られてきまり悪そうにしていた。
…うん、気持ちは有り難いけど正直カッコ良くはないわね。
『ハァーーーーン?逮捕?ハッ、ヴァッカじゃねえのオメーら!!あんな無能な奴等が動くわけねェじゃねえか!!ギャハハハハハ!!』
『大体、ボクらを逮捕したところでどうやって通報するんですかねぇ?この学園の通信システムは全部ボクが管理してるんだよ?』
「くっ……!」
『これでミジンコ脳味噌のオメーらでも理解できたダロォ!!?警察も動かない!政府もダンマリ!オメーらはここでジジィババァになって死ぬしかねーんだYO!!』
悔しいけど、こいつらの言う通り、私に逮捕権があっても通報できなきゃ意味が無い。
どうせ力強くでどうにかなる相手じゃないでしょうし、窓にはシャッターが下りていて連絡手段も無いからこの状況を外に知らせる事もできない。
…今思えば、教室にシャッターが閉まってたのは、私達が外に助けを求められないようにする為だったのね。
私達は、このままこいつらの言いなりになってここで一生暮らすしかないの…!?
私が考え込んでいると、小鳥遊さんが何かを言いたそうにする。
小鳥遊さんは、白衣のポケットからメモ帳とペンを取り出して何かを書き、それを皆に見せた。
“どうしたら外に出られますか”
『うぷぷぷぷ!話が早いね小鳥遊サンは!オマエラも彼女を見習うように!』
『もちろん、外に出たいリスナーの為に特別ルールを設けてあるから安心してクソして寝な!!』
いちいち口悪いわねこいつら…
『オレ達未来ヶ峰学園が欲している生徒は、ルールを守れる奴だけ!そうじゃねえ奴はぶっちゃけクソだから出てって貰うぜ!!』
モノDJが言うと、秋山君が冷静に質問をする。
「逆に言えば、ルールを破りさえすれば出られるって事でいいんだよな?どうすればいいわけ?」
『この学園のルールを破る方法はただ一つ!!
人を殺す事だ』
「!!?」
『殴殺刺殺撲殺斬殺焼殺圧殺射殺絞殺溺殺惨殺電殺呪殺毒殺爆殺扼殺凍殺轢殺病殺磔殺禁殺…手段は一切問いません!とにかく、誰かを殺せばここから出られるよー!』
「はぁ!!?っざけんじゃねえ!!そんな事できるわけねーだろ!」
「こいつら、さっきから言っている事が支離滅裂だな…」
「あんた、いい加減にしなよ!そんな事して何が目的なの!?」
『うるっせぇな!!テメェらは黙ってバカみてーに殺し合っときゃいいんだよ!!』
モノクマが説明すると、越目君、館井君、玉越さんが文句を言い、モノDJが怒鳴って黙らせた。
するとネロが唐突にタバコに火をつけながら尋ねる。
「へえ、人を殺せば…ねぇ。じゃあ仮に、俺が今ここで誰か殺せばすぐにでも出してくれんのか?」
…え?
「いいかテディベア共、お前らのやろうとしているゲームはそもそも根本から破綻してるぜ。お前らがわざわざ俺達を集めてそんなゲームをやらせるのは、少なくともお前らが楽しみたいからだろ?ここで殺戮が起これば、お前らの楽しみがブチ壊しになるとは考えなかったか?」
…あ。
そうか。
逆にあいつらの立場で考えれば、もしここで殺し合いが起こればあいつらが介入するまでもなく皆殺しになっちゃうから、確かにあいつらにしてみたら良い事なんてひとつもないわね。
流石、多くの修羅場を乗り越えてきただけあってこういう時は冷静ね。
『HAHAHA!!グッドクエスチョーン!!もちろん、殺せばそれでOKってわけじゃあねえぜ!!それじゃゲームにならねえからな!!もしコロシアイが起こったら、テメェらにはその犯人を見つける為の『学級裁判』に参加してもらうZE!!』
「学級裁判…!?」
『『学級裁判』では誰がクロ、すなわち殺人犯かを議論してもらいます!その議論によって導きだされた人物が正しいクロであれば、クロだけがオシオキ。共同生活は続行となります!逆に間違った人物をクロだと指摘しまうと…クロ以外の全員がオシオキされ残ったクロのみが『卒業』、すなわちこの未来ヶ峰学園から出る権利が与えられるのです!以上が、学級裁判のルールとなります!』
「ねえねえ、その『オシオキ』ってなあに?おしりペンペンとか?」
「わ、わかったぞい!!さては強制お野菜地獄の刑じゃな!?」
「人殺しておいてその程度で済むわけねえだろバカガキ共」
知崎君と古城さんが言うと、ネロは呆れ返っていた。
『うっぷっぷ、裁判の敗者に与えられる『オシオキ』…それはねえ。
“処刑”だよ』
「しょ、処刑!?」
『HAHAHA!!!目には目を、歯には歯を、殺人には殺人を!秩序を守る上で当然のルゥゥゥゥゥゥルだよナァア!!?』
『その通り!ほらほら、早く誰か殺っちゃった方がいいんじゃない?今ならまだ15分の1の確率だよ?』
さっきからあり得ない事を平然と口にするモノDJとモノクマに、私達は呆然としていた。
…やっぱりだ。
やっぱり、この学園生活は『ダンガンロンパ』の再現なんだわ!
私がそう確信したその時、ネロ、古城さん、響さん、闇内君の4人が二匹の前に立ちはだかる。
「その前に今ここでやられる事を考えときな、
「おうおう!!何じゃあウヌら!!先刻からワシらを愚弄しおって!!!この斬殺丸の餌食となるがよい!!」
「テメェらさっきから長台詞をダラッダラよぉ…要はテメェらまとめて今ここでぶっ飛ばしゃあいいんだろが!!」
「流石に拙者も堪忍袋の緒が切れたでござるよ。数の暴力を卑怯だの何だのと申せる状況ではござらぬ故、斬り捨て御免!!」
「やめなよ皆、まずは話し合いをだね…」
「玉越様の仰る通りですわ。神は和解を求めています」
4人が二匹に攻撃の意思を示すと、玉越さんと聖蘭さんが止めようとする。
でも4人は止まらず、響さんと古城さんはモノクマに蹴りとツルハシでの斬撃を、ネロと闇内君はモノDJに銃撃と刀での斬撃をお見舞いした。
だが4人の攻撃は二匹には当たらなかった…というよりは、すり抜けた。
「な、何ぃ!?」
「クソッ、どうなってやがる!?」
「当たった感触が無いな」
「お主ら、一体どんな妖術を使ったのでござるか!?」
4人は、自分の攻撃が二匹に当たらなかった事に驚いていた。
そんな中、加賀君は冷静にその理由を分析していた。
「ほう…ホログラムか」
『ギャハハハハハ!!イグザクトリィィイイイイイ久遠ボーイ!!』
『そうそう!何回も殴られちゃこっちもたまったもんじゃないからね!今はリモートの時代だよ!今回は見なかった事にしてあげるけど、次から気をつけてよね!』
ホログラム…!?
いえ、そんなはずないわ。
だってさっき、モノDJが落ちてきた時、確かに重量はあったはず…!
「なるほど、俺の開発した実体化ホログラムの技術を応用しているようだな。となると犯人は俺の技術を盗用する余地のある者、といったところか。ふふふ、面白くなってきたぞ」
「アッッッツゥゥゥゥ!!!はあはあ…ますます興味が湧いてきました!!」
あの二人は…うん、平常運転ね。
私が加賀君と目野さんのマイペースっぷりに呆れていた、その時だった。
「いい加減にしろよ!!」
『ほよ?』
声を上げて二匹の前に立ちはだかったのは、意外な人物だった。
その人物は、先程まで飄々としていた知崎君だった。
「そうやってさっきから人の事を弄んで、何が楽しいのさ!!」
『ギャハハハハ!!!そりゃ楽しいさ、コロシアイは!!テメェらの顔が絶望でグチャグチャに染まるところを見られる最高のエンターテインメントだぜェ!!!』
「うるさい!何がコロシアイだ!皆がやらないなら、ボク一人でもこんなふざけた事やめさせてやる!」
「やめなさい、知崎君!!」
知崎君が飛び出したと同時に、私も彼を止める為に飛び出した。
考える前に、身体が勝手に動いていた。
『ひょええええ〜!!暴力反対〜!!助けて、グングニルの槍〜!!』
『ヘェェェルプミィイイイ!!!ケラウノスの雷!!』
二匹が叫んだ、その直後だった。
突然、どこからか大量の槍が現れて降り注ぎ、さらには雷が落ちてきた。
間一髪、知崎君は私が攻撃の直前に突き飛ばしたから無傷で済んだ。
だけど……
「くっ…!」
「キャアアアアアアアア!!!」
「ひ、緋色ちゃん…!?」
「嘘だろ…!?こいつ今、本気で殺しにかかったぞ…!?」
ミスった…!
ほとんどの攻撃は避け切れたけれど、槍が何本か避け切れずに手足や脇腹に掠ってしまった。
うぅ、想像の軽く10倍は痛いわね…
とりあえずまずは止血を…!
『ギャハハハハハハ!!!今のを避けるかァ!!やるじゃねえかヒーローガール!!』
「うっさい…あんた、達に…褒め、られても…」
『うっぷっぷ、あー良かった、コロシアイ以外で死なれちゃ興醒めだもんね!オマエラ、これでわかったよね?もし次ルールを破ったりボク達に危害を加えようとしたら…?』
モノクマのその一言で、全員が黙った。
どうやら、ようやく全員が全員あいつらが本気だと思い知ったらしい。
するとモノクマとモノDJは、咳払いをして言葉を続けた。
『えー、オマエラ改めまして、ご入学おめでとうございます!それではこれより、ワックワクドッキドキの『コロシアイ学園生活』の開始を宣言します!』
『それではオマエラ、良い絶望を!スィーユーアディオス!!』
二匹は、ブンっと音を立ててその場から姿を消した。
うっ、気が抜けたせいか血が…
「うぅ……!」
「緋色ちゃん!大丈夫!?」
「ええ…警察官が、市民を守るのは、当然の責務よ…とりあえず、何か止血するもの…持ってきてくれる…?」
「ん…」
「腐和様、こんな布しかありませんがよろしければお使い下さい」
「オレのエプロンも使えよ!」
「待て待て、まずは消毒だ」
「お、オレ何か必要なものあったら取ってくるよ!」
「なら消毒液を頼む。無ければ水でいい。急いでくれ」
「っス!!」
「俺も何か手伝うよ」
主に小鳥遊さんと加賀君、それから秋山君が怪我の手当てをしてくれて、他の皆も治療班を手伝ってくれた。
聖蘭さんは…お祈りしてくれてるわね。
気持ちだけは受け取っておくわ…
「とりあえず応急処置は済んだ。この程度の怪我なら、数日のうちに元の状態に戻るだろう。それまで絶対安静だがな」
「良かった…」
命に関わるような怪我じゃなくて良かった…
…それにしても、知崎君、さっきからずっと落ち込んでるわね。
とりあえず彼が無事で良かったわ。
でも私の事で責任を感じているのだとしたら、ちょっと申し訳ないわね。
「………」
「蓮、そんなに落ち込まないで。緋色だって、別にあんたの事責めたりなんか…」
「………ぷっ!!」
…え?
「あっはははは!!やっぱりだ!!やっぱりあのクマちゃん達に逆らったら殺されちゃうんだ!!そして、やっぱり緋色ちゃんはボクを助けてくれた!!ぜーんぶボクの思った通りだ!!やったあ!!あはははは!!」
「「「………は?」」」
「なっ…テメェ…!まさかさっきのはわざと…!?」
「うん、そうだよ?わざとクマちゃん達に突っ込んだけど何か?」
………は?
えっ、待って。
理解が追いつかない。
え?
…って事は、知崎君は、私がこうなるのを予想してわざと飛び出したって事…?
私が庇い切れる保証なんてどこにも無かったのに、どうしてそんな事…
「なっ…!!ふざけるのも大概にして!!キミのせいで緋色ちゃんが大怪我したっちゃん!!」
「そうじゃなくても、君が死んでたかもしれないよね?そんなリスクを冒してまで、何であんな事したのかな?」
「んー…あいつらをもう一回怒らせたらどうなるのか、どうしても知りたかったから?」
知崎君は、悪びれもせずに答えた。
何なのよあの子、こんな状況でそんな事考えられるなんて…!
「イカれてる…!」
「俺が言うのも何だが相当キてんなあいつ」
ほとんど全員、知崎君に対して同じ感想を抱いた。
すると知崎君は、全く反省せずにニコッと笑った。
その態度に我慢できなくなったのか、越目君が知崎君の胸ぐらを掴む。
「テメェ、ふざけんじゃねえ!!自分が何したかわかってんのか!?」
「きゃー、粧太ちゃんこわーい!暴力反対ー!」
越目君が怒鳴りつけると、知崎君は飄々とした態度でふざける。
「っていうかさ、皆はボクに感謝してほしいよね!」
「…は?」
「ボクが身を挺してあいつらを怒らせたらどうなるのか実験してあげたおかげで、無駄な犠牲が出ずに済んだんだからさ!もしボクが実験せずにキミがあいつらを怒らせちゃってたら、キミが串刺しの丸焦げになってたんだよ?」
「んだと…!?テメェ、それで腐和ちゃんが死んでも良かったって言いてえのか!?」
「まさか。だって、皆は緋色ちゃんを助けてくれたじゃん。結果オーライじゃん!」
知崎君がいたずらっぽく笑うと、不気味に感じた越目君が知崎君を放した。
あんな事をしでかした知崎君は、無邪気な子供みたいに満面の笑みを浮かべていた。
「ボクは皆の事もっともっと知りたいから、出来るだけ長生きしてほしいんだ。だから皆が一秒でも長く生きていられるように、もっと努力するよ。そういうわけだからよろしくね、皆」
そう言って知崎君は、一人でどこかへと行ってしまった。
私達の希望に満ちた生活はたった今、絶望へと変わってしまった。
Prologue 入学したら絶望だった件 ー完ー
Next ➡︎ Chapter1.コロシアイに出会いを求めるのは間違っているだろうか
《アイテムを入手した!》
『未来ヶ峰学園のバッヂ』
プロローグクリアの証。
世界に16個しか無いものらしく、これが無いと未来ヶ峰学園の生徒とは認められない。
ーーー 生き残りメンバー ーーー
【超高校級の警察官】
【超高校級の幸運】
【超高校級のバレーボール選手】
【超高校級の獣医】
【超高校級の???】
【超高校級の美食家】
【超高校級のメイクアップアーティスト】
【超高校級の聖母】
【超高校級の考古学者】
【超高校級の魔術師】
【超高校級の機械技師】
【超高校級の大工】
【超高校級の音楽プロデューサー】
【超高校級のボーカリスト】
【超高校級のマフィア】ネロ・ヴィアラッテア
【超高校級の忍者】
残り16名
今更だけど推し教えて
-
腐和緋色
-
聲伽愛
-
玉越翼
-
小鳥遊由
-
知崎蓮
-
食峰満
-
越目粧太
-
聖蘭マリア
-
古城いろは
-
加賀久遠
-
目野美香子
-
館井建次郎
-
秋山楽斗
-
響歌音
-
ネロ・ヴィアラッテア
-
闇内忍
-
リカ