ジャスティスダンガンロンパX4 強くてコロシアイ再履修 作:M.T.
「さて…と。黒幕としての仕事はきちんとしないとね。はいはーい、皆必ずどれかに投票して下さいね!無投票はナシですよ!投票の結果、オマエラの運命はどうなるのか!?ワクワクでドキドキの投票ターイム!!」
そう言って私のオリジナルがタブレットを押した瞬間、カウントダウンが開始される。
『再履修』を選べば、全員が死ぬ。
『留年』を選べば、全員がここから出る事は一生叶わなくなる。
『卒業』を選べば、あの女が死ぬ。
私が選ぶべき答えは…………
「わ、ワシは卒業するぞ…!闇内がそれを望んでおるのじゃ…!」
「脱出を諦めるなど、生きる事を諦めたも同然だ」
「私は…外に出て殺されるくらいなら…」
「俺は……歌音と一緒に出られないなら…」
皆は、それぞれの想いを胸に、自分なりの選択をしようとしていた。
ある者は、自分に希望を託した者の為に。
ある者は、自分の正義の為に。
ある者は、自分が生き延びる為に。
ある者は、絶望のままに死んでいった者のもとに残る為に。
私は………
『再履修』する事を選んだ。
敵だらけの外に出たって、何も希望も見出せない。
…というかもう、何もかもを終わらせてしまいたい。
どうせ私達は、生きていてはいけない人間なのだから。
世界中の皆が、私達が死ぬ事を望んでいるのなら、やり直す以外に道はない。
そもそも、私がこのコロシアイの為だけに生み出された人工知能だというのなら、コロシアイの中で生きコロシアイの中で死ぬ事以外に存在意義が無いのだから。
今更この選択を悔いても仕方ない。
私は、最後まで迷いつつも、『再履修』のボタンを押した。
そして、ついにその時はやって来た。
私のオリジナルは、モノクマの笑い声を真似しながら不気味な笑顔を浮かべる。
「うぷぷぷぷ…投票の結果、オマエラの運命はどうなるのか!?『卒業』か『留年』か、はたまた『再履修』か!?ドッキドキでワックワクの投票結果……オープン!!」
VOTE
卒業 2票
留年 2票
再履修 1票
「うぷぷぷぷ、うぷぷぷぷぷぷぷ!!あーあ、『再履修』に票が入っちゃったね!!というわけで……おめでとうございまーーーす!!オマエラにはこれからエクストリームなオシオキを受けてもらって、このコロシアイをやり直していただきまーす!!」
「…………」
私のオリジナルは、モノクマのような笑い方で高笑いしながら、投票結果を表示した。
私以外の全員は、投票結果を見て呆然としていた。
誰も、その結果を受け入れられなかった。
だがしばらくして、いやでも受け入れざるを得ない現実に直面し、湧き立ってくる感情を曝け出した。
「なんで………なんでえぇええええええええ!!!?」
「嘘だろ…!?こんな、こんなのって…」
「嫌じゃあ!!ワシ、死にとうないわ!!」
「ふざけるな!!こんなの、あり得ない!!こんな投票無効だ!!」
目野さんは、その結果を受け入れる事ができずに泣き喚いた。
秋山君は、どうにもならない現実に打ちのめされて呆然と立ち尽くす。
古城さんは、オシオキという逃れられない死の恐怖に怯えて泣き喚く。
そして加賀君は、自分が死ぬ事になるという投票結果に逆ギレしていた。
「ごめん…みんな………わたし……うっ、うぁあぁああ……!」
私はただ一人、こうなる事がわかっていた。
私が『再履修』を押した。
これはもうどうにもならない事実だ。
私は、その場に膝をつき、証言台に縋りながら泣いた。
「そんな…腐和さん、何で!?」
「うぅっ…ふうっ、ぇうっ、うぁあ……!」
「あーあ、もう本人は聞いちゃいないみたいね。じゃあ私が代わりに答えてあげる。こいつはね、
「逃げようとした…?」
「こいつは、外の世界から向けられる憎悪に、正義を掲げる自分の存在意義との矛盾に耐えられなかったのよ。それで、全部リセットする事で、その責任を次の自分に押し付けようとしたの。【超高校級の警察官】が聞いて呆れるわ。ま、その才能自体も私がでっち上げた偽物だったんだけど」
私のオリジナルは、クスクスと私を嘲笑った。
全部こいつの言う通りだ。
私は結局、逃げたかっただけなんだ。
自分に降りかかる重圧から、そして、自分ではどうする事もできない自己矛盾から。
「さーてと、そろそろ時間も押してるし、
「…!アレってまさか…!」
「うぷぷ、決まってるでしょう?コロシアイの華といえばオシオキ!最後はド派手にいきますよ〜!」
皆の絶望の表情とは裏腹に、私のオリジナルは上機嫌でオシオキを宣言した。
すると皆は、死への恐怖や絶望を露わにしながら泣き叫んだ。
「嘘でしょ!?いやっ…!!いやあああああああああ!!!」
「ふざけるな!!やめろクソ!!こんな…こんなところで死ねるかぁ!!」
「いやだ…いやだいやだいやだ!!俺、まだ死にたくないよ!!」
「嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃああああああああ!!!」
恐怖、絶望、怨嗟、後悔、そういった感情が入り混じった悲痛な声が裁判場に響き渡る。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
「うっ、うぅっ、ぇうっ、ふふ……ははっ、あはははははははははははははははは!!」
…ただ一人、私だけは、笑っていた。
「今回は、【超高校級の音楽プロデューサー】秋山楽斗クン、【超高校級の魔術師】加賀久遠クン、【超高校級の考古学者】古城いろはサン、【超高校級の警察官】腐和緋色サン、【超高校級の機械技師】目野美香子サンのために!!スペシャルな!!オシオキを!!ご用意しました!!!ではでは、オシオキターイム!!!」
私のオリジナルの声が、裁判場に響き渡る。
私のオリジナルは、上機嫌で赤いボタンを押した。
ボタンに付いている画面に、ドット絵の私達5人をモノクマとモノDJが連れ去る様子が映っていた。
ーーー
GAME OVER
サイリシュウがせんたくされました。
オシオキをかいしします。
ーーー
まずは、秋山の下の床がパカっと開き、下へ下へと落ちていく。
秋山が落ちたのは、四方を有刺鉄線で囲まれたディスコのような場所だった。
そこで画面上に文字が現れる。
ーーー
Lonely Rolling Boy
【超高校級の音楽プロデューサー】秋山楽斗 処刑執行
ーーー
ディスコのステージ上には、巨大な蓄音機型レコーダーが設置されていた。
秋山は、レコーダーのレコード盤の上に落ちた。
後ろでは、どこからか響のオシオキの時と同じ曲が流れてくる。
するとその直後、巨大なモノDJが勢いよくレコード盤を回し始める。
ステージの下は剣山になっており、モノDJはレコード盤を回して秋山を剣山に振り落とそうとしてくる。
秋山は、振り落とされまいと命懸けでレコード盤にしがみついた。
だがモノDJは、今度は鋭利なレコード針を秋山の身体に当ててくる。
高速回転するレコード盤にしがみついていた秋山は、背中をレコード針で切り裂かれ、背中に焼けるような痛みと赤い線が走り、鮮血が飛び散る。
痛みに耐えかねた秋山は、ついに手を離してしまい、そのまま吹き飛ばされて剣山の上に落ちた。
だが、思いの外剣山の溝が浅く、剣山に落ちた秋山は辛うじて生きていた。
秋山は、全身を鋭利な針で刺され、全身ボロボロになっていた。
秋山が起きあがろうとしたその時、後ろの方から音が聴こえてくる。
振り向くと、モノクマとモノDJを乗せた霊柩車が剣山を薙ぎ倒しながら秋山目掛けて爆走していた。
それを見た秋山は、このままだと轢き殺されると確信し、何とか逃げ切ろうとする。
秋山は、勇気を出して一歩踏み出した。
すると鋭い針が靴底を貫通して足の裏に刺さり、秋山は激痛で顔を歪める。
だが、ここで足を止めたらそれこそ一巻の終わりだった。
秋山は、足の裏の痛みに耐えながら走り出した。
秋山が剣山の上を走っていると、モノクマとモノDJはニヤリと笑ったかと思うと、何故か車のスピードを落としてくる。
秋山がその隙に逃げ切ろうとした、次の瞬間だった。
モノクマとモノDJは、車上に搭載したスピーカーの音量をMAXにし、殺人級のデスボイスを放った。
すると秋山の鼓膜は一瞬にして破裂し、両耳からは血が噴き出る。
たった今この瞬間、音楽プロデューサーとしての秋山楽斗が死んだ。
秋山は、鼓膜が破れる痛みに悶えるが、それでも霊柩車は止まらない。
秋山は、腹を括ると再び走り出した。
すると今度は目の前にガンマンモノDJが現れ、両手の光線銃を秋山に向けてくる。
モノDJは、下品な笑い声を上げながら秋山目掛けて光線銃を撃ち抜いた。
狙いを定めて撃ち抜かれた光線銃は、秋山の両眼を射止めた。
光線銃で両眼を焼かれた秋山は、その眼から光を失った。
音も光も頼りにできなくなり、今どこを走っているのかわからなくなったが、それでも生き延びる為死に物狂いで走った。
すると今度は目の前に殺し屋モノクマが現れ、吹き矢を秋山に向けてくる。
モノクマは、秋山目掛けて吹き矢を吹いた。
吹き矢は真っ直ぐに秋山の喉へと飛んでいき、秋山の喉に突き刺さった。
喉を吹き矢で穿たれた秋山は、声が出なくなる。
視力と聴力と声を失った秋山は、それでも走ろうとする。
そしてついに、剣山が無いエリアへと逃げ切る。
だが秋山が逃げ切った瞬間、床板が傾き、秋山は蹴躓いて傾斜の上を勢いよくゴロゴロと転がっていく。
傾いた床板の上を転がっていった秋山は、どこかへと放り出される。
秋山が放り出されたのは、巨大なピアノの鍵盤の上だった。
目も見えず耳も聴こえない秋山は、自分が今どこにいるのかすらわからず、逃げようにも足はボロボロで使い物にならず、芋虫のように這いつくばっていた。
どこに向けているのかもわからず、助けを求めるかのように手を伸ばした。
だが、現実は残酷だった。
演奏者の格好をしたモノクマが、ピアノの蓋に手をかける。
ピアノの蓋の裏は、先程とは比べ物にならない程の長く鋭い剣山になっていた。
そしてピアノの蓋を勢いよく閉じた。
バタン!!!
ピアノの蓋が勢いよく閉じられると、鍵盤の上を這いつくばっていた秋山が下敷きになった。
その瞬間曲が終わり、モノクマはスッキリした表情を浮かべながら観客にレスポンスを求める。
すると観客席のモノクマは、演奏者のモノクマの下手くそな演奏が不愉快だったのか、一斉に演奏者のモノクマに殴りかかった。
秋山が挟まれたピアノからは、赤い液体が流れ出て滴っていた。
◇◇◇
次は加賀の首に首輪がつけられ、そのままチェーンでどこかへと引き摺られた。
加賀が連れられたのは、どこかの雪山だった。
魔法使いの格好をしたモノクマは箒に乗って空中を爆走しており、加賀はモノクマが箒からぶら下げていた鎖で首を吊られながら引き摺られていた。
そこで画面上に文字が現れる。
ーーー
加賀久遠と賢者の石
【超高校級の魔術師】加賀久遠 処刑執行
ーーー
モノクマは数百メートルも加賀を雪の上で引き摺り、加賀は雪の冷たさと打撲や裂傷で全身ボロボロになっていく。
モノクマが箒で加賀を雪山の上に引き摺っていると、雪山の頂上にある魔法学校のような城の門が開く。
モノクマと加賀は、そのまま城の中へと入っていく。
すると城の中の一室に画面が切り替わり、加賀は巨大な装置が置かれた実験室へと連れられる。
巨大な実験室には、長いヒゲを生やし高級感のあるローブに身を包んだ大魔導士モノDJがいた。
モノDJは、息を荒くして涎を垂らしながら手元の試験管とビーカーの中身を混ぜ合わせていた。
一方で、加賀は実験室の上方に設置された飛び込み台に立たされており、絶望で顔を真っ青にしながら周囲をキョロキョロと見渡していた。
するとモノクマは、加賀の背中に勢いよくドロップキックをかまし、加賀を下へと突き落とした。
モノクマに突き落とされた加賀は、下の装置に設置された巨大な鍋状の容器の中に落ちる。
するとその直後、容器の中に大量の水が流れ込む。
容器の中にはあっという間に水が溜まっていき、加賀は水に飲まれて溺れる。
溺れながらも加賀は水の中で目を開け、容器の外の様子を確認した。
容器はマジックミラーのように内側からだけ見える仕様になっており、外の様子を確認する事ができた。
すると外にはレシピのようなものが見え、材料の項目に『生きた人間』、作り方の項目に『ぐつぐつ煮立つまで熱する』『満遍なくかき混ぜる』などと書かれているのが見え、それが自分の処刑方法だと悟った加賀は顔面蒼白になって暴れる。
だが時は既に遅く、モノDJはハアハアと息を荒げながら装置のスイッチをポチッと押した。
その直後、中に入っていた水の温度が少しずつ上昇する。
最初は冷水がぬるくなっていく程度だったのが、少しずつじわじわと温度が上がっていき、やがて明確に熱いと感じる温度にまで達する。
本能で身の危険を感じた加賀は湯の中で暴れるが、ほとんど無駄な抵抗だった。
だが、モノクマ達がそれだけで終わらせる道理が無かった。
モノクマは、加賀が溺れている鍋の中に硫酸や毒薬を流し込む。
モノクマが流し込んできた化学薬品で身体を蝕まれた加賀は、苦悶の表情を浮かべる。
さらにモノクマは、巨大なかき混ぜ棒を突っ込んでグルグルと勢いよくかき混ぜてくる。
かき混ぜ棒が直撃したら死ぬと直感した加賀は、必死で灼熱の毒の海の中を泳いで逃げる。
かき混ぜ棒から逃れようと必死に泳げば泳ぐほど傷口が開いて毒が流れ込み、より苦しむ事となった。
高温の毒で身体を焼かれ、少しずつではあるが確実に体力を奪われ、決して逃れられない確実な死が彼に迫り来る。
それでも必死に泳いでいると、水の流れが先程までとは変わっている事に気がつく。
見ると、容器の中に設置されたミキサーの刃のようなものが高速回転していた。
それに合わせて、容器の中の毒の海が渦巻いていく。
先程まで毒の海の中を泳いでいた加賀だったが、あまりの流れの速さにとうとう泳ぎ切れなくなり、溺れてもがき苦しんだ。
やがて毒の海の温度はグツグツと煮立つ程に上昇し、加賀は全身に火傷を負う。
熱で皮膚が捲れ、毒で肉が融かされて毒の海の中に溶け出し、毒の海に赤色が混じり始める。
さらには、鍋底ミキサーの刃がウィイインと音を立てながら高速回転し、加賀は水流によって下へ下へと追いやられていき、ついにはミキサーの刃が眼前にまで迫った。
死を目の前にして、加賀は絶望の表情を浮かべていた。
そこで画面が切り替わり、モノDJは毒々しい色の煙を上げる鍋をハアハアと息を荒げながら覗いていた。
モノDJは、白衣の懐から真っ赤な石を取り出すと、それを鍋の中へと放り投げる。
するとその直後、鍋の中身とモノDJが放り投げた賢者の石が化学反応を起こし、バチバチと火花を上げながら装置がガタガタと大きく揺れる。
鍋の揺れが止まったかと思うと、鍋の中身が太いチューブを通って隣の機械へと流し込まれ、隣の機械の煙突からプシューと煙が上がる。
やがて機械に設置されていたランプが一つずつ点滅し、とうとう最後のランプが点灯した。
ピーーーーーーーーーー…
機械音と共に、機械の取り出し口から瓶が放り出される。
瓶のラベルには、『久遠印の魔法の調味料』と書かれていた。
モノクマとモノDJは、食卓につくとその調味料を料理にふりかけてがっついた。
◇◇◇
次は古城の首に首輪がつけられ、上へ上へと引き上げられる。
古城が連れて来られたのは、どこかの寺の中だった。
そこで画面上に文字が現れる。
ーーー
未来ヶ峰の変
【超高校級の考古学者】古城いろは 処刑執行
ーーー
古城は、寺の中で正座させられており、顔を真っ青にしながら左右を見渡していた。
古城の膝の前には切腹刀が置かれており、両脇ではモノクマ二匹が古城を介錯しようとしていた。
耳を澄ませてみると、寺の外からは怒号や罵声が聞こえてくる。
寺の外では、鎧兜に身を包んだモノDJが率いるモノクマ達の軍勢が寺を取り囲んでおり、モノクマ達は火矢を構えていた。
モノDJは腕を組んでタイミングを見計らっており、カッと目を見開くと右手を挙げてそれを勢いよく振り下ろす。
するとモノクマ達は、寺目掛けて一斉に火矢を放った。
火矢は寺の外壁に突き刺さり、あっという間に寺に炎が燃え広がっていく。
一方で、寺の中にいた古城は、ダラダラと汗を流しながら部屋の暑苦しさに悶えていた。
するとその直後、寺の中にまで火の手が及んでくる。
寺の中が燃え出すと、古城は慌てて逃げ出した。
介錯役のモノクマ達は、古城が逃げ出すとほぼ同時に刀を振り下ろしたが、古城は間一髪逃げ切った。
だがその直後、モノDJ率いるモノクマの軍勢が寺の中に乗り込んでくる。
寺の中に乗り込んできたモノクマの軍勢は、古城目掛けて矢を放ってくる。
モノクマが放った矢は古城の右肩に命中し、古城は矢が命中した拍子に倒れ込む。
古城は、右肩を矢で抉られた痛みで悲痛な叫び声を上げてのたうち回った。
だがモノクマの軍勢は泣き叫ぶ古城を許すはずもなく、次々と武器を構えて古城を襲おうとする。
それを見た古城は、立ち止まれば殺されると確信して顔面蒼白になった。
そして肩の激痛に顔を歪めながらも、その場から立ち上がると全速力で逃げた。
逃げる古城を、モノクマの軍勢が追った。
モノクマの軍勢だけではなく、寺を燃やす炎も古城を追い詰めていく。
古城は、全速力でモノクマと炎から逃げていくが、モノクマも炎も止まらなかった。
あるモノクマは、逃げる古城の左腕を毒の吹き矢で狙撃した。
毒の吹き矢が刺さると、吹き矢が刺さった痛みだけでなく、毒による痺れで古城の動きが鈍る。
それでもモノクマが刀を振り上げて突進してくると、古城は振り返らずに逃げた。
後ろから追いかけてくるモノクマ達は、『武士の恥』だの『生き恥晒し』だの『ファッション考古学者』だのと書かれたプラカードを掲げていた。
古城は、後ろから罵倒してくるモノクマ達には目もくれず、ただ生き延びる為に必死で逃げた。
するとその時、上の階へと上がる階段を見つけ、古城は階段を駆け上がった。
古城が階段の上を走って上の階に逃げると、モノクマ達は当然古城を追った。
あるモノクマは、火縄銃で古城の左脚を狙撃した。
火縄銃の弾丸が直撃すると、古城は悲痛な叫び声を上げる。
だが決して立ち止まる事はなく、死に物狂いで階段を這いずり上がった。
命からがらモノクマ達から逃げてきた古城だったが、とうとう行き止まりに追い詰められてしまう。
絶体絶命の窮地に追い詰められた古城だったが、壁が腐っていて簡単に穴を開けられる事に気がつく。
古城は、懐から斬殺丸を抜き、斬殺丸で壁の穴を広げていく。
その最中で刀や薙刀で背中を斬りつけられ、矢や火縄銃を何本も撃ち込まれ、古城はもはや満身創痍だった。
だが、それでも古城は抗う事をやめなかった。
壁の穴を広げていた古城だったが、やがて斬殺丸の鋒が欠けてしまう。
すると古城は、壁を体当たりで壊した。
…が、壁を壊した先は外だった。
落ちたら助かるかどうかわからない高さで、後ろにはモノクマ達がいた。
もうこれしか逃げ場が無いと悟った古城は、腹を括って寺から飛び降りようとする。
するとその時、古城の目の前にモノクマを乗せたUFOが現れる。
UFOに乗った宇宙人モノクマは、古城を助ける……
……はずもなく、拳銃で古城の眉間を撃ち抜いた。
眉間を撃ち抜かれた古城は、そのまま寺から転落し、落ちていった。
グチャ
頭から落ちた古城は、地面に叩きつけられて頭がかち割れた。
燃え上がる寺の手前の地面には、真っ赤な花が咲いていた。
◇◇◇
次は目野の首に首輪がつけられ、そのままチェーンでどこかへと引き摺られた。
目野が連れられたのは、東京を模したミニチュアサイズの街並みだった。
そこで画面上に文字が現れる。
ーーー
それゆけ!超合金ジャスティスロボ
【超高校級の機械技師】目野美香子 処刑執行
ーーー
全てが千分の一スケールのミニチュアの街の上に連れてこられた目野は、絶望で顔面蒼白になって泣きながら周りをキョロキョロと見渡す。
するとどこからか、悪の科学者の格好をしたモノDJが下品な笑い声を上げながら現れる。
目野は、モノDJによって目に謎のゴーグルを、そして耳にヘッドホンを装着させられる。
ミニチュアサイズのモノDJが目野の頭上にちょこんと飛び乗って手元の機械を操作すると、ゴーグルとヘッドホンを装着させられた目野がその通りに動く。
目野は、モノDJの指示通りに破壊の限りを尽くしていく。
モノDJがタワーを踏み潰せと言えば、タワーを踏み潰した。
やたら頑丈にできたタワーが剣のように左足に貫通し、激痛のあまり目野は表情を歪める。
モノDJが送電塔を踏み潰せと言えば、送電塔を踏み潰した。
するとそのサイズではあり得ない量の電流が目野の身体に流れ、目野は感電して叫び声を上げる。
モノDJがガスタンクを握り潰せと言えば、ガスタンクを握り潰した。
するとガスタンクから漏れたガスに引火し、目野の手が焼かれ、目野は激痛のあまり歯をガチガチと鳴らす。
一つ一つは大したダメージではなかったが、その小さなダメージの積み重ねで目野はボロボロになっていく。
目野に破壊の限りを尽くされた街の住人のモノクマ達は、恐れ慄いて目野から逃げていく。
街にいたモノクマ達からしてみれば、街を破壊する目野は悪の怪人でしかなかった。
モノクマ達の悲鳴はやがて街の特務機関に届き、モノクマ司令によって目野の撃退命令が下される。
するとミサイルや大砲などの機械が総動員で目野を攻撃し、兵器による攻撃が目野に直撃する。
目野は、兵器で攻撃されて激痛のあまり暴れ回るが、その一つ一つは致命傷には到底至らず、目野の苦しみは続くばかりだった。
目野が暴れると、とうとう特務機関までもが目野に踏み潰されて半壊状態に陥る。
それを見たモノDJは、ゴミのように潰されていくモノクマ達を見下しながら、どこぞの大佐のように高笑いをしていた。
一方で、半壊させられた特務機関の一員だったモノクマは、瀕死の重傷を負いながらもどこかに電話をかけていた。
するとその直後だった。
突然地響きが起こり、街の地面が真っ二つに割れる。
地面が左右に移動したかと思うと、下から目野の倍ほどのサイズのロボットが迫り上がってくる。
両肩に『正』と書かれているそのロボットは、正義の味方『超合金ジャスティスロボ』だった。
ジャスティスロボには、パイロットスーツを着たモノクマが乗っていた。
モノクマは、破壊の限りを尽くす目野から街を守る為、ジャスティスロボを操縦して攻撃を仕掛ける。
ジャスティスロボはまず、目野を右ストレートで殴った。
超合金の拳で殴られた目野は、顎の骨が砕ける音を立てながら吹っ飛んでいく。
するとジャスティスロボは、吹っ飛んだ目野に追い打ちをかけに行く。
今度は目野の頭を掴み、そのまま腹をなん度も膝蹴りした。
腹に重い蹴りを喰らった目野は、肋骨や背骨が折れ内臓が潰れる音を立て、激しく血反吐をぶち撒ける。
目野がぶち撒けた血反吐は、街を赤く染め上げた。
そこからは、正義という名の一方的な暴力だった。
ジャスティスロボは、格ゲーのキャラクターのようにキレッキレの動きで目野を一方的にボコボコにしていく。
金属の塊であるジャスティスロボの攻撃は一撃一撃が致命傷になり得、目野の顔はもはや誰だか分からないほどに血塗れのボロボロになっており、左腕も引きちぎられ、腹も痣だらけで内臓もぐちゃぐちゃに潰れていた。
だが目野は辛うじて息があるようで、ゆっくりと起きあがろうとしていた。
するとジャスティスロボを操縦していたモノクマが外に飛び出し、原始人の格好に早着替えする。
そしてどこからか巨大で原始的な槍を取り出し、それを目野目掛けて勢いよく投げた。
ザシュッ
モノクマが投げた槍は目野の心臓を貫き、目野はその場で息絶えた。
最期の最期に愛するメカとは全く関係のない方法で殺された目野は、絶望の表情を浮かべていた。
◇◇◇
最後に、腐和の首に首輪がつけられ、そのままチェーンでどこかへと引き摺られた。
腐和が連れられたのは、警官学校を模した建物だった。
そこで画面上に文字が現れる。
ーーー
コトダマ
【超高校級の警察官】腐和緋色 処刑執行
ーーー
腐和は、警官学校の射撃場のような場所にいた。
首輪で人型の的に拘束されており、顔面蒼白になりながら左右をキョロキョロと見渡していた。
腐和の左右には、ちょうど顔の中心を射抜かれた人型の的が置かれていた。
正面に視線を向けると、正面にはアクリル板の壁があり、その向こうには人物のパネルが置かれていた。
よく見てみると、腐和以外の、リカも含めた16人の姿を模したパネルだった。
さらに上を見てみると、小窓から警官の格好をしたモノクマとモノDJが見下ろしていた。
腐和が冷や汗を流しながら正面のパネルを見据えたその直後、モノDJが手元のスピーカーのスイッチをオンにする。
『役立たず』
突然、秋山の声で罵声が浴びせられる。
するとその直後、腐和の腹に銃弾で撃ち抜かれたような風穴が開き、腐和は大きく目を見開く。
腐和が目を見開いたまま恐る恐る腹を見てみると、腹には銃弾サイズの穴が開いており、そこから血が流れ出ていた。
さらに次の瞬間だった。
『無能』
『裏切り者』
『嘘つき』
加賀、古城、目野の声で罵声が浴びせられる。
すると今度は、3発の弾丸が撃ち込まれ、腐和の身体を穿つ。
腐和は、身体を撃ち抜かれた痛みで顔を歪めつつも、思考を巡らせる。
そして痛みの中、ようやく真実に辿り着いた。
彼等が放った言葉が、そのまま銃弾になっているのだ。
まるで彼女が今まで言葉の弾丸でクロを追い詰めていた時のように。
自分が仲間にしてきた事が、そのまま自分に返ってきたのだ。
因果応報。
まさに自分に相応しい末路だと、腐和自身も心の中で自嘲していた。
『人殺し』
『死ね』
『クズ』
『卑怯者』
『最低』
『愚図』
『消えろ』
『クソ女』
『木偶の坊』
『偽善者』
『臆病者』
今度は、今までの犠牲者達が腐和に罵声を浴びせてきた。
彼女に糾弾された恨みを、彼女に見殺しにされた無念を、全て言葉という弾丸に込めて撃ち抜いた。
弾丸を撃ち込まれる度に、腐和は血飛沫を上げる。
彼女から流れ出たものは、血だけではなかった。
腐和は、絶望の表情を浮かべながら涙を流していた。
言葉の弾丸は、腐和の身体だけでなく、心をもボロボロに傷つけた。
腐和の心が限界まで追い詰められた、その時だった。
『緋色ちゃん』
腐和の前に、聲伽が現れた。
聲伽は、満面の笑みを浮かべながら腐和に話しかける。
『緋色ちゃん、うちん事助けてくれんやったっちゃんね?…ううん、それだけやなかね。緋色ちゃんは皆ば殺したっちゃん。やけん……』
聲伽の言葉は、鋭いナイフに変わっていく。
聲伽は、笑顔を浮かべてナイフを握りしめながら腐和に一歩ずつ近づいていく。
そして、ナイフの鋒を腐和に突きつけた。
『さっさと死んで?』
聲伽は、満面の笑みを浮かべながらナイフで腐和の心臓を突き刺した。
その言葉を最後に、腐和はとうとう息絶えた。
その顔に浮かんでいたものは、底のない絶望、ただそれだけだった。
◇◇◇
「うぷ…うぷぷ……うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!!」
◇◇◇
「【超高校級の絶望】…貴方は必ず、私の手で……!」
…え。
…ねぇ。……て。
………おーーーーい!!!
「ん…?」
……夢、か。
ぼんやりとした意識の中、目を開けると目の前に白い色が広がる。
そのままゆっくりと頭を起こすと、新品の白い学習机が視界に映る。
どうやら私は、机の上で突っ伏して寝ていたらしい。
「お、やっと起きたぁ!」
明るい声がしたので振り向くと、私と同じくらいの歳の女の子が立っていた。
紺色のベレー帽を被っていて、帽子と同じ色のセーラー服を着た、水色のショートボブで青い瞳の女の子だ。
「早う行かな、入学式遅れるちゃ!」
入学式…?
…!
…そうだ、思い出した。
私の名前は
【超高校級の探偵】として未来ヶ峰学園にスカウトされて、今日は入学式に参加するはずだった。
…のだけれど、未来ヶ峰学園の正門を通ろうとした瞬間、意識が途切れた…ってとこだったかしら。
「…あら?ここは……」
椅子に座ったままあたりを見渡してみると、私が座っている座席と同じ収納できるタイプの白い椅子と机が数十個並んでいて、目の前には目の前には教卓と思われる机と巨大なボードが設置されている部屋だと気付く。
未来ヶ峰学園へのスカウトが決まった時、ホームページで下調べをしたけど、教室の造りはほとんど同じみたいね。
…という事は、ここは未来ヶ峰学園なのかしら?
ボードに『入学おめでとうございます』って書かれてるし…
でも、窓のシャッターが全部閉まっているのが気になるわね。
「ねえ!無視せんでよ!」
「あら、ごめんなさい。何が何だかわからないものだから、つい考え込んじゃって…」
本当、気になる事があると考え込んでしまう癖は治した方がいいわね…
「キミ、未来ヶ峰学園にスカウトされたっちゃんね?」
「え、ええそうよ」
「うちもばい!うちは【超高校級の幸運】、
「私は腐和緋色。【超高校級の探偵】よ」
Chapter.6 All We Need Is Justice ーGOOD ENDー
Next ➡︎ ジャスティスダンガンロンパX5 強くてコロシアイ再履修
《アイテムを入手した!》
『未来ヶ峰学園のバッヂ』
GOOD ENDクリアの証。
世界に16個しか無いものらしく、これが無いと未来ヶ峰学園の生徒とは認められない。
ーーー 生き残りメンバー ーーー
【超高校級の探偵】
【超高校級の幸運】
【超高校級のバレーボール選手】
【超高校級の獣医】
【超高校級の???】
【超高校級の美食家】
【超高校級のメイクアップアーティスト】
【超高校級の聖母】
【超高校級の考古学者】
【超高校級の魔術師】
【超高校級の機械技師】
【超高校級の大工】
【超高校級の音楽プロデューサー】
【超高校級のボーカリスト】
【超高校級のマフィア】ネロ・ヴィアラッテア
【超高校級の忍者】
残り16名
今更だけど推し教えて
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腐和緋色
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聲伽愛
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玉越翼
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小鳥遊由
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知崎蓮
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食峰満
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越目粧太
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聖蘭マリア
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古城いろは
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加賀久遠
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目野美香子
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館井建次郎
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秋山楽斗
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響歌音
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ネロ・ヴィアラッテア
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闇内忍
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リカ