禪院護(ぜんいんまもる)
特級呪術師
伏黒恵の異母弟
容姿 恵とそっくりの顔 サラサラした黒髪
術式 術式コピー(乙骨憂太と同じ)
膨大な呪力を有している
東京校
制服の形は憂太と同じ白い制服
武器 日本刀
禪院美香(ぜんいんみか)(享年10歳)
特級禍呪怨霊
変幻自在な底なしの呪力
守に取り憑いている
容姿 茶髪に切れ長の金色の瞳
呪霊の時は里香ちゃんと同じ見た目で色が黒
指輪を媒介にしている
禪院冬夜(ぜんいんとうや)
真希と真依の弟
術式 投射呪法
呪力量は多い方
二級呪術師
護の親友 護に過保護
容姿 真希とそっくりな顔 髪は短い
武器 片手剣
ー禪院家ー
上座で酒を飲んでいる男が冷たく言い放った。
「お前には兄がいる。母親は違うがな。お前の兄はお前とは違い、相伝を継いでいる。五条の小僧に囲われて、姉と平和に暮らしているようだがな。相伝でなくても、術式があると思って引き取ったのになぜ、お前は呪力があるのに術式が使えない?」
「申し訳…ございません」
(僕には兄がいるのか…。そいつは平和に暮らしてる?なんで僕はこんな苦しい思いをしなきゃならない?辛い。姉さん。助けて姉さん。)
「まあいい。少しは役立て。」
言い放つと同時に禪院直毘人は部屋を出て行った。
(部屋に戻るか…。兄がいるなんて、しかも自分とは違って恵まれてらなんて聞きたくなかった…。)
部屋に戻る道のりで女中達が陰口を叩いていた。
「あの子、護様よ。術式がまだ、使えないんだって。」「嘘でしょ?」
「禪院家に引き取られたのに…」「呪力があるだけまだマシよね」
(クソ!なんで僕だけこんな目に…。母さん、寂しいよ。会いたいよ。)
ー2年前ー
「ねえねえ、母さん!僕の父さんってどんな人なの?」
「あなたのお父さんはあなたそっくりの容姿をしているのよ。」
「父さんは一体どこにいるの?」
「あなたのお父さんは私たちを捨てて、出ていってしまったの。」
母親はそう言って目を伏せた。
「母さんには僕がいるよ!」
「あなたは優しい子ね。」
コン!コン!コン!
ドアが乱暴に叩かれた。「誰かしら?」
彼女は立ち上がって、ドアを開ける。ガチャ
「どちら様?ッッ」
ドアを開けると外には数名の黒服をきた男達が立っていた。
「こんにちは。私たちは禪院家のものです。息子さんをお迎えにあがりました。」
「どういうこと!なんで私の息子を!」
「あなたの夫が我々に売り払いました。分かったら黙って渡してください。禪院家に逆らったらどうなるか。あなたも分かっているでしょう?」
「あ、あぁ。そんな…」
「母さん、どうしたの?この人たちは誰…?」
黒服たちは護を見た瞬間、舌舐めずりをしながら近づいた。
「おやおや。随分と綺麗な容姿で。あなた様を迎えに参りました。さあ、禪院家に参りましょう?」
男は告げると共に護に近づき、手刀を落とし気絶させる。
「な、あなた!いきなり何をするの!」
「うるさいなぁ。呪力がほとんどない落ちこぼれは黙っててくださいよ。あぁ、ご当主様の優しさでこれを渡しておきます。」
お金の入ったスーツケースを玄関に置くと男たちは出ていった。
「あぁ、ごめんね。護。私に権力があれば…」
伏黒護はこうして禪院家に入ることになった。
ー現在ー
(はぁ、いつまでも忘れられない。母さん、今どうしてるんだろう。)
女中達の陰口を気に留めずに縁側を歩いていると横から来た同い年くらいの男の子と追突してしまった。
「わあ!」「え!?」 ドターン
「あ、ご、ごめんなさい。大丈夫ですか?」
「お、おう!大丈夫だ!俺の方こそごめんな!俺は禪院冬夜!お前は?」
「あ、えっと。禪院護です。」
「敬語じゃなくていいぜ?同い年っぽいしな。」
「分かった。よろしく冬夜。」
「おう!よろしく護。にしても、こんな家にいて初めてアイツ以外に良いやつとあったな〜。」
「え?僕良いやつ?アイツって、誰?」
「いや、ちょっとしか話してないけど普通に良いやつだよ。お前。アイツっていうのは俺の一応幼馴染的な存在だよ。今から会いに行くんだけど、お前も一緒に来るか?」
「今日初めて会ったやつなのにいいの?」
「だって、俺らもう友達だろ?」
「友達…。うん!僕も会う!」
「おう。ちなみにアイツの名前美香って言うんだけど、お前と結構気があいそうだな。」
「お、女の子なの 僕、ここに来てからほとんど同年代の子と会話してないから緊張するな〜」
「大丈夫だろ。俺と普通に話せてるし。」
二人で歩きながら喋っていると、襖の前についた。
「みーかー。入るぞー。」 ガラガラ
「ちょ、冬夜!流石に女の子の部屋なのに返事を待たずに入るのは…」
すると前から鉄板が飛んできて、冬夜の顔にクリーンヒットした。
「イテー!何するんだよー」
「勝手に入っておきながらよく言うわね!せめて、返事ぐらい待ちなさいよ!」
「悪かったって。」
「全く。ところで、隣の子は誰?」
「あぁ。今日仲良くなった護だ。多分、お前と気が合うと思うぞ。」
「はじめまして。禪院護です。よろしくお願いします。」
「私は禪院美香。敬語はいらないよ。こちらこそよろしくね。護。」
「あっ、俺ちょっとトイレ行ってくるわ。2人でなんか話しといてくれ。」
「冬夜は元気だね。美香ちゃんは冬夜と付き合いが長いの?」
「まあね。幼馴染よ。残念ながら、恋愛感情は湧かないけど。あなたは禪院家に連れてこられた感じ?」
「うん。僕の父さんが禪院だったらしくて、僕を売ったらしい。」
「売ったー!?酷いわね。さすが腐った人間の集まり禪院。私でよければいつでも相談に乗るわよ?」
「美香だけじゃなくて、俺にも相談しろよ?護。」
いつのまにかトイレから戻ってきたのか、襖の前に冬夜が立っていた。
(2人は僕の味方をしてくれる。でも本当のことを言って嫌われたらどうしよう…)
「護!俺はお前の味方だ!」「私もよ!」
「実は…」自分には相伝を持って売られていない兄がいること。術式が使えないこと。禪院での扱いが酷いことを話した。
「これは酷いな。よし!今日から護は俺が守る!」
「ちょっと冬夜!それは私の役目よ!」
「2人とも僕のこと失望しないの…?」
「むしろ、なんでそう思ったのよ!」
「だって、僕…」 「護、その感情は間違ってない。だからそんなに自分を責めるな」
「そうよ。この家ほんと腐ってるわね。にしてもその兄一体誰なのかしら?私がとっちめてやりたいわ!」
「2人ともありがとう…!」
護の目尻から涙がこぼれていた。冬夜と美香は護を抱きしめた。
「これからは私がいる。だから、安心してね。」
「おいおい、俺たちだろ?」
その日、3人は夜遅くまで喋って、一緒の部屋で寝た。
次の日も次の日も3人は一緒に過ごした。次期当主候補である冬夜はちょくちょく当主に呼び出されることがあるため、護と美香は2人の関係がどんどん強まった。
護は誕生日が1番憂鬱だった。女中や他の男たちから嘲笑われたり、暴力を受けることが1番多い日だったからだ。だけど、今年は違った。
護は朝一番から冬夜と美香のそばにいた。次期当主候補である冬夜に表立って逆らう者はいない。
「お誕生日おめでとう!護!はい、これ俺からのプレゼント!」
渡されたのは千歳緑のマフラーだった。上質な素材でできている。
「ありがとう冬夜!」
「おう!んじゃ、ちょっと俺は当主に呼ばれてるから行ってくるな。」
冬夜を見送った後、美香がバックの中を漁っていた。
「護、はい!これ誕生日プレゼント!」
渡されたのは小さな箱に入れた小包だった。
「わー!ありがとう!嬉しい。開けても良い?」
「うん!」恥ずかしそうな表情をしながら、美香が頷いた。
中に入っていたのは指輪たった。青色の石が綺麗に輝いている。
「指輪?」
「そう!護!これは婚約指輪よ!私と護は大きくなったら結婚するの!」
「分かった!僕と美香はこれでずっと一緒に入られるね!」
「うん!冬夜に自慢しましょ?」
「冬夜どんな反応するかなー?」
「当主様。何か御用ですか?」
「なに、最近術式の使えない甚爾の息子と仲が良さそうだな?お前は当主候補でもあるのだ。自覚を持て。」
術式を使えないという言葉に冬夜は苛立ちを覚えながら、直毘人を睨みつけた。
「俺の親友を馬鹿にしないでくださいよ。それにアイツは術式は使えなくても、呪力量が膨大だし、刀を使って活躍してるじゃないですか?この前だって、俺はアイツに勝てませんでしたよ?」
「やはり血筋か。もう帰って良いぞ。」
(少し考える必要があるな…)
「おかえりー!冬夜ー!この度僕たち婚約することになりましたー!」
「おぉー!おめでとう!これはめでたいなー。」
「うふふ、羨ましいでしょー?」
「あぁ。まっ、俺には別嬪な許嫁がいるらしいからな!性格は知らんけど。」
2ヶ月後
「一級呪霊が逃げ出したぞー!」「戦えるやつは!?」
「今、みんな出払ってます!」
禪院家の戦える人材が誰もいない日に飼っていた呪霊が逃げ出した。中にいるのは戦えない女中と護と冬夜と美香のみだった。
呪霊の買っていた場所は美香の部屋に近く、護と冬夜は急いで美香の部屋に向かっていた。
「クソー!なんでこんなことに!」
「美香の部屋が呪霊の飼っていた場所と近すぎる!急ぐぞ!」
「うん!頼むよ。美香ちゃん。無事でいて!」
やっとの思いで美香の部屋に着くが部屋の中は血まみれになって、中央には首が斬られて事きれていた。
「嘘だろ…?」
「美香ちゃん…!?」
呆然とした表情で美香のそばに寄っていく。近くには美香を殺したと思われる呪霊がいた。
「おい、護、近くには呪霊が!」
呪霊が護に気ずき攻撃をしてくる。切り傷ができるが気に留めないで美香のそばにいく。
「美香ちゃん。死んじゃダメだ。死んじゃダメだ。死んじゃダメだ…!」
呪詛のように呟いていると誰かが護の足を掴んでいた。
冬夜は焦ったように叫ぶ。
「まさか、美香!」
「ま も る 大人になったら!けっこんするぅぅぅ!!!!」
そばにいた一級呪霊は特級禍呪怨霊となった美香に一瞬にして払われた。
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