「東京から来た人吉善吉です…よろしく」
転校生登場。一見細身に見えるがその肩幅は非常にガッシリとしており、日夜鍛えていることが伝わってくる。
イケメン転校生にざわつくクラス内へとアイドル張りに可愛い「よろしく」とダメ押しで叩き込んだ彼は、教師の指示のもと中央に空いている席へと腰を下ろした。
「ねえねえヒトヨシ君!」
「む、どうしたロリっ子、飴が欲しいか?」
隣の席の小さな子供が頭のアホ毛を揺らしながら話しかけてくる。人吉は鞄の中から袋に包まれた小さな飴を取り出して差し出した。今朝お母さんが鞄の中にいれてくれたものである。
隣席のロリっ子は喜んでそれを受け取った。
「え、ありがとう!…ってそうじゃない、まず私の名前はロリっ子じゃなくて不知火半袖だよ!」
「失礼をしたね半袖ちゃん、んで俺になにか聞きたいことがあるのかな?」
「えっと…どうしてヒトヨシ君はここに転校してきたんだい?」
人吉少年はにやりと表情を緩める。そして顎に手を添えると「約束を果たしにきたのさ」と答えた。
「約束?」
「ああ、さっきの全校朝会で立っていたおっぱいの大きい生徒会長がいるだろ?小学校を卒業する時アイツとした約束だよ」
「小学校卒業って…もう忘れちゃってるんじゃない?」
「アイツが俺とした約束を忘れるはずがないさ、眉毛を賭けたっていい」
「ふぅ~ん…ねえ、それってどんな約束なの?」
「…」
人吉少年は何か言おうと口を開いたがすぐに閉じてしまう。不知火はそれを見て不思議そうな表情を浮かべたがすぐに彼の背後でプルプルと震えている生徒会長を見てその理由を察したらしい。
「残りは後ろにいる奴に聞いてくれ」
「は~い」
背後から感じる雰囲気、間違いない、3年間経ってもまるで変わってはいなかった。
「善吉…なのか?」
「…ああ、そうだよめだかちゃん、お、おひさ~」
その場に立ち上がり振り返る善吉、ロケットの如く飛んできて胸部へと命中する黒神めだか。薙ぎ倒される机と椅子。ざわつく教室内。
黒神めだかという一人の少女を独力で護りきる、そんな無謀とも言える約束をして3年間の間修業を積んだ人吉善吉少年の戦いが今始まる。
「……」
生徒会室にて人吉善吉は心底堪能していた。内心「コイツ本当に去年までは中学生だったのかな」とか思いながら抱き着く黒神めだかの肌の温もりと柔らかさをじんわりを感じていた。
「めだかさん、大変いい思いをだせていただき本当に感謝しております」
「ん?なんの話をしている?」
涙をこらえながら彼女の肩に手を添えて体を離す人吉。本当はもっと堪能していたかった。というかハグよりももっと先のことを好きなだけしたかった。今、この場で!3年間の溜めに溜めていた欲を理性で抑えつける。
「めだかぁ、俺ぁ…約束を果たしにきたのさぁ!」
「ああ、3年間待っていたぞ!何も話さなくとも貴様の身体が修行の成果を教えてくれている!」
「…ッ…!!」
「俺なんか触れなくてもお前がどんだけ成長したかわかるもんね、」なんてセクハラが口から飛び出しそうになったが下唇を噛んでそれを堪える。
「…その肩にかかってる奴、なんでもいいから一つ俺にくれよ」
「ああ、貴様のために温めておいたぞ」
「まだ誰も決まってねえじゃねえかよ」
今現在、最強の生徒会執行部員は決まっていない。