無題   作:白ノ宮

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以前の作品の設定を変更して作ったので初投稿です。


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ピピピ...と目覚まし時計が声を上げる。

 

布団の中からもそもそと手が伸び、フェザータッチで目覚まし時計を止めた。

 

そのまま布団を引っぺがしてベッドの端に追いやる。

 

カーテンの隙間から陽の光が差し込む。

 

欠伸を噛み殺しながら伸びをして、カーテンを開けることで陽の光を全身に浴びて眠気を飛ばす。

 

「...うん。今日もいい調子」

 

そんなどこにでもいるような普通の少女、暗城レンの高校生活が今日からスタートする。(実際は二日目)

 

─────

 

高校の制服に身を包み、軽く髪を整える。

リビングに行くとテーブルには一万円札が三枚ほど置いてあった。

 

2カ月分の昼食代かと考え、手に取ると下に紙切れが一枚あり、そこには驚くべきことが書いてあった。

 

『一週間分の昼食代です。栄養のあるものをしっかり摂ってね〜

by両親より』

 

「やっぱり多すぎ...」

 

お金の価値観が相変わらずおかしい両親に半ば呆れながら一万円札を財布に入れて他の二万を自分の部屋の貯金用鍵付き小棚に入れた。

 

両親共に中堅規模の会社を経営しており、ほとんど家にいないため、その分お金をつぎ込めばいいと思っているのか矢鱈とお金を渡してくる。

 

そんな両親の元で育った子供は親と同じくお金の価値観がおかしく育つだろう。

奇跡的に少女は一般的な価値観をもって成長することができたので、こうして両親に呆れているという訳だ。

 

彼女とてそれもまた一つの愛の形だと理解している事を見れば少し大人っぽいところがあると言っていいのだろう。

 

手首につけた腕時計を見ると本来の出発予定時刻よりも大幅な余裕があることがわかる。とはいえ、家でゆっくりするという選択肢は少女の脳内にはない。

電車通学で長距離での移動になるので時間の猶予はあるに越したことはないのだ。

 

冷蔵庫から牛乳を出してコップに注いでレンジで温め、ココアパウダーを注いで即席ココアを完成させて摂取する。これで必要分のエネルギーを補給できた。

コップに水をためて流しに置いておくこうすれば長時間家にいなくても汚れがこびりつく事は無い。

 

玄関で靴を履き、履き心地を再度確かめて問題ないことが分かるとバッグを持って誰もいない廊下に

 

「いってきます」

 

と声をかけて家を出た。

鍵を閉めてから門から出ると丁度隣の家からも誰かが出てきた。

 

チラッと目を向けると、同じ高校の生徒だとわかる。

しかし、上がジャージで下が制服のスカートという登校時としては奇抜な組み合わせに度肝を抜かされる。

 

ピンク色の長い髪にピンク色のジャージ。

そんな組み合わせの割に顔は下を向いており、服装の豪胆さと姿勢の控え気味なその相反性に思わず小声で「うわぁ...」と呟く。

 

相手はこちらの反応は聞こえなかったのかそのまま駅に向かう進路をとった。

 

ひとまずお隣さんだし声でもかけてみるかという気持ちでそのピンク色の生物へ急接近する。

 

「おはようございます、後藤さん」

 

呼びかけと同時に肩をポンっと叩くと後藤という苗字の少女はビクゥッ!と静かに驚き、動きを止めた。

 

そして油をさし忘れたブリキの人形のようにギギギ...とこちらを見る後藤さん。

 

「お...おはようございますっ....」

 

ほぼ小声といってしまってもいいぐらいのか細い声で挨拶を返す彼女は、なにか調子が悪そうだ。こちらを見たのは一瞬で、そこから視線があっちこっちと暴れまわっている。

 

通学を共にしていいかを聞くと後藤さんは快く了承(相変わらず目が合わないが食い気味に了承してくれたのでおそらく快い)してくれたので、一緒に行動することになった。

 

 

 




SS投稿初心者ですよ、私はね。
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