狂人との出会い
T県三門市……その街は地獄絵図に包まれた。未知の怪物と侵略者による破壊行為に街は深刻な被害を受けた。私の家族は怪物からの非難の際に崩れた瓦礫に巻き込まれて死んだ。
「どうして……?」
私の精神は暗闇に包まれた。
『シミュレーター起動開始』
訓練生であるC級隊員が正隊員であるB級に昇格する条件は使用トリガーの保有ポイントを【4000】以上にする事。私の使用するトリガーは1番人気の【弧月】。高い耐久性と攻撃力を兼ね備え、拡張機能として斬撃を飛ばす事も出来る万能武器。
「バムスター……殺す!」
相対する近界民は体格通り装甲は厚く動きは緩慢だ。だけど弧月はその装甲を切り裂ける。
「攻撃を躱して……解体する!」
まずは近界民の視界を外れる為に自分の軸足を利用して右へ駆け初撃を躱す。そして無防備な上を取る事で落下による剣戟の加速を用いれば
「……遅い!」
巨体に潰されないように上をとった。弧月は近界民の装甲を切り裂き撃破した。
『戦闘終了! 記録15秒』
「15秒か……横に飛ぶ行程と上を取る行程が余分なのかな? 時間の短縮をする為ならやっぱ弱点の眼を貫くなら正面から最速で振り抜くべきなのかな? でもそれが出来るのは射程のある弾丸トリガーか小回りの利くスコーピオンだけだよね? 弧月やレイガストじゃあそこそこ以上に重いのがなぁ」
時間短縮の為のイメージがリスク覚悟の速攻しか浮かばないのが辛い。そしてこの後何度もバムスター狩りに挑戦するけど【19秒】【ダウン】【13秒】【16秒】と安定して【15秒の壁】を超える事が出来なかった。
「疲れた。今何時だっけ…………ッ!? 【17:13】ヤバい! 早く帰らないと!」
私は4年前のあの日からBORDERと提携している児童養護施設で生活している。近界民に自宅や家族との日常を奪われた私達にBORDERは生活の基盤と環境を与えてくれた。これだけ聞くと戦時中の少年兵だけど、入隊したのは近界民と戦う意思を示した人だけ。BORDERは何1つ強制も条件の提示もしなかった。
「居残り訓練……やり過ぎた! 当番……間に合わせないと!」
急いで荷物を片付け基地を出る為の準備を整え【弧月のトリガー】を返却する。本来は持ち帰っても良いけど施設暮らしの私は管理が難しい事も多いし、B級に上がればそもそも問題は無い。だから生活を疎かにしない中で最速の昇格を目指したかった。その為には……
「ペナルティや違反でクビになったら……目も当てられな……あっ!」
「うわぁ!」
慌てて駆ける中曲がり角で人とぶつかった。どうやらお互い衝撃から尻もちをついたようだ。服装からC級なのだろう。
「イタタ……私の前方不注意でごめんなさい。お怪我はありませんか?」
「あぁ……いえ、大丈夫です。僕も避けられずすみません」
どうやら私がぶつかったのは男子隊員でトリオン体らしいから怪我はしていないのだろうが、悪いのは私だ。だから私は立ち上がり頭を下げる。
「優しい人なんですね。でも貴方が謝らないでください……っとすみません。急いでいるので失礼します。あぁでもお名前とポジションを聞いても?」
「三雲 修 攻撃手で訓練生。そちらは?」
「宮川 早苗 攻撃手で訓練生。同じポジションなら訓練で縁があるかもね」
私はもう1度頭を下げた。
「失礼するね。良い縁がある事を願うね」
私は三雲君と離れ今の自宅である擁護施設へと向かった。
「早苗ねーちゃん! 今日も勉強終わったらBORDERの話教えてくれよ! 俺はいつか大きくなったら近界民をやっつけて家族の仇を取るんだ!」
…………怖いなぁ。私は
「物騒な事をここで言うのは構わないけど絶対に外では言わないでね? じゃないと将来BORDERが人殺し組織になっちゃうから」
私はこの人に感謝をしている。だからこそ早く正隊員になって自分で稼いで自立したい。ゆくゆくはこの園に恩返しが出来たら……今は切実にそう思う。
「待っててね皆。私……すぐに昇格するから」
私は子供達の理想になる事を目指しつつも家族を失う切欠を作った近界民への復讐の炎を瞳に灯していた。
「いけないいけない。明日の登校準備を進めないと」
翌日の登校に備え提出課題の準備を始める。着実に迎える自立の時期を自覚している為に三門第一高校に進学し、現在個人総合1位に君臨する【太刀川 慶】さんが在籍する三門市立大学への進学でトリオン工学を学び、卒業を経てBORDERの開発部に就職する事が私の目標だ。
「BORDERで正隊員になって……就職して……お金を稼がないと。稼いであの日家族を奪った奴等を殺ずんだ!復讐する力は手に入れないと駄目なんだ!」
翌日早苗が登校するとクラスで噂を耳にした。
「ねぇ聞いた? ウチの学校の生徒が昨日警戒区域に侵入しようとしたって噂だよ?」
「聞いた聞いた! すんでのところで隊員に見つかって追い返されたって話だよね〜」
「命が惜しくないんだね〜近界民に襲われるかもしれないのにね〜」
「でもイジメの疑惑がある不良だよね? 消えても良かったんじゃない?」
『
噂話は警戒区域に侵入を試みた人物の話からその人物が不良という話に移行しようとする中で
【BORDER 隊員ファイル】
●【名前】 宮川 早苗(みやがわ さなえ) 女性
●【年齢】14歳
●【在籍期間】現在10ヶ月目
●【所属学校】三門第三中学校 (2年生)
●【パラメーター】 TOTAL 36
内訳)
・トリオン 8
・攻撃 5
・防御及び援護 3
・機動 7
・技術 6
・射程 2
・指揮 2
・特殊戦術 3
●【保有ポイント】 弧月 3360
●【保有SE】 映像認識 B(特殊体質)
詳細※) 音声等でもたらされる情報を自身の知識に基づき映像・立体的で認識出来る。BORDERの入隊テストにて判明。
※本人は自覚しておらず、BORDERは彼女に伝えていない。入隊時の経緯から大規模侵攻時のストレスにて発現したと推測される。
●【名前】 三雲 修(みくも 修) 男性
●【年齢】15歳
●【在籍期間】現在6ヶ月目
●【所属学校】三門第三中学校 (3年生)
●【パラメーター】 TOTAL 28.5
内訳)※レイガスト装備時
・トリオン 2.5(彰の特訓で僅かに上昇)
・攻撃 4
・防御及び援護 5
・機動 3
・技術 5
・射程 4
・指揮 2
・特殊戦術 3
●【保有ポイント】
・レイガスト 3741(現在使用中)
・弧月 2814
・スコーピオン 1456
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●備考)二宮・東隊長からの報告により要観察人物ではあるが、明らかに不当な昇格条件も堅実に達成の見込みを見せる。要観察の切欠も本人からの情報提供から行われたものの為情状酌量の案として通常の昇格条件を満たした場合検討をする事とする。
この新キャラ早苗ちゃんは没作の元オリ主ですが何故この2人が出会う事になったのか……それは次回より明かしていく予定です!
執筆意欲に繋がりますのでよろしければ感想等お待ちしています。
オッサム(原作前)修行編って見たい?
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書け
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興味無いYo