偉大なる英雄を支えたい!   作:タク-F

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奔走した彰の打った手は?


モールモッド攻防戦

『すみません今川先輩! 学校にトリオン兵が現れました! 僕は動きます!』

 

「三雲君!? どういう事だ三雲君!」

 

 彰は突然の着信と【門】発生の通信対応に追われた。しかしこの2つの現象は同じ出来事の別視点の報告な為同じ対応で済んだ事は幸いだった。

 

「嵐山……部隊を動かせるか? アドレスは三門第三中学。お前の弟妹が通う中学だ! どうやら近界民……トリオン兵が出たらしい。現在居合わせた訓練生の三雲君……俺の弟子が交戦するつもりらしい! 十中八九返り討ちに遭うから至急救援の手配を頼みたい! お前が頼りなんだ!」

 

『三門第三中学だと!? 俺達が向かう! 彰は今何処なんだ!?』

 

「悪いが基地だよ! この訓練生の訓練トリガー使用の対応に当たる! 不幸中の幸いまだ交戦前だ。今なら無断じゃない可能性もある! 緊急門関連のトラブルなら後手に回れない!」

 

『…………急ぎ対応する。こっちは任せてくれ!』

 

「頼む!」

 

 彰は嵐山に依頼を終えた。そして……

 

「俺の戦いを始めよう…………本部長! 緊急事態です!」

 

 彰も自分の戦いに赴く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チィ゙ッ……市街地の中学に【緊急門】か……面倒な事態だ。動かせる部隊を至急動かさねば!」

 

「本部長すみません! 至急報告が3点あります!」

 

「今川か!? しかし現在市街地に【緊急門】発生の対応をせねばならん。可能ならあ「その【緊急門】に付随する報告です!」なんだと!?」

 

 彰は司令室に駆け込み忍田に直接報告に来た。事態の切迫になりふり構えない。

 

「三門第三中学に【緊急門】発生し生徒が危機に瀕してます! 現在訓練生……三雲君が恐らく無謀を覚悟してトリオン兵と交戦を始めるつもりです! 報告後嵐山に動かせる部隊派遣を依頼し嵐山隊が対応すると返事を得ました! 訓練生の基地外トリガー使用許可を!」

 

「馬鹿言え! そんなモン違反に決まっとろうが! 「民間人の命がかかってます! 学校規模からトリオン兵次第では数十じゃ済まない犠牲が出ます!」むぅ……!」

 

 鬼怒田の規則遵守と切迫した民間人の命の危機……まさに天秤にかけねばならない事象が発生した。

 

「今川隊員に確認しよう。三雲訓練生は()()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()

 

「連絡時点では恐らくまだ……と思われますが、現在は使用している可能性は高いです。学校内見取り図とトリオン兵出現場所次第では俺でも移動前に起動する可能性は高いです」

 

「……………………そうか」

 

 城戸の重い言葉が空気を重くする。現在BORDERは選択を迫られている。

 

【民間人を犠牲にして規則を遵守させる】か

 

【規則を破ってでも民間人を救う】か

 

 の2択だ。組織としては前者を、人間の感情に基づくならば後者を選択する可能性がある。本来ならば圧倒的に前者が選択されるがB()O()R()D()E()R()()()()()()()()()()()()()()()()()()。人情を軽んじればスポンサーからの資金提供やマスコミの印象操作というリスクも存在していた。

 

「わかっているな今川? 三雲訓練生には処分を下す。しかしその為の情報が現在は存在しない。現在が非常事態であり人命の切迫というが問題の全容すら不明。故に嵐山の報告を元に情報を精査して判断を下す。ただし必要があれば迅の手配を行おう。三雲訓練生を事態終息後この場へ出頭させる事。コレが我々の行える最大の譲歩だ。これより先の譲歩は無い」

 

「!? ありがとうございます!」

 

 彰の想像と異なる言葉に感謝を示す。しかし今この場の全員に出来る事は無い。事態の終息を祈る以外は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 司令室で彰が直談判をしていた時とほぼ同時刻に修は校舎に侵入したモールモッドに相対していた。

 

「相手はバムスターよりも格上。僕じゃあ絶対に勝てない。だとしても!」

 

 屋上への道を背に修はレイガストを構えた。

 

「射程が長い相手との戦い方は懐に潜り込む事。さっきの不意打ちで鎌の切断は出来た。つまり上手く攻撃を当てればダメージは通る。僕でも狭い通路で懐に入って全部の鎌を切断すればあるいは……」

 

 しかし修の存在を認識したモールモッドの挙動は大きく変わった。完全に目標が修に設定された事を理解した。

 

「気配が変わった!? ……でも!」

 

 彰が促したランク戦を想起した修だが明らかに想像よりも鋭い反応に緊張が強くなる。

 

「狭い通路で大きな武器を持つ相手と戦うなら懐に入るしか無い。でもさっきみたいな不意打ちはもう通用しない。通路が狭いから横を抜けて背後を取るには速度が足りない……」

 

 モールモッドの攻撃が鋭い。一撃でレイガストに無数の罅を入れた。

 

「一撃で!? このままじゃあ時間稼ぎもッ!?」

 

 修の思考は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。しかしモールモッドの1撃がその思考を破綻させた。そして生じた致命的な隙が勝敗を分けた。

 

「ガハッ……」

 

 距離を詰めたモールモッドが2本の腕を振るい1度目にレイガストを、2撃目に戦闘体を破壊した。

 

「そんな……」

 

 戦闘は終わった。修を脅威と認識しなくなったモールモッドは生徒が逃げた屋上を目指すべく移動を始めようとしたその時だった。

 

「やっぱ負けてんじゃん修。様子を見に来て良かった」

 

「空閑!? どうしてここに!?」

 

「どっちでも良いだろそんな事。手を貸すよオサム。お前には恩がある。それにオサムには知り合いのBORDER隊員に合わせて貰わないといけないからさ。トリガー起動(オン)

 

 遊真は修からトリガーを奪い起動した。

 

「どうして空閑がBORDERのトリガーを!?」

 

「トリガーの仕組みはわかってるからな。それと危ないから動くなよオサム……すぐに片付けるから」

 

 モールモッドは戦闘体になった遊真を標的に定めた。2本の腕を遊真へと伸ばす。

 

「悪いなモールモッド……お前の動きはわかってる」

 

 遊真は攻撃を掻い潜り上を取る。刃を纏わせたレイガストが天井を蹴って加速した1撃で頭部を斬り裂いた。

 

「嘘だろ……トリオン兵を1撃で撃破なんて……ッ! 危ない空閑! 最初に落としたトリオン兵が!」

 

「おっ……上がって来てたのか。追撃せずに終わるのは楽で良いな」

 

 遊真はレイガストを構え横薙ぎにして斬り裂いた。

 

「同じトリガーでこんなにも違うなんて……」

 

『それは遊真とオサムのトリオンの差だ』

 

「トリオン兵!? 新手か!?」

 

『はじめましてだなオサム。私はレプリカ……遊真の御目付け役だ。この騒動を受けやって来るBORDER隊員に不要な誤解を与えないよう事態終息の提案をする為に姿を現す事にした』

 

「珍しいなレプリカ。お前が出てくるなんて」

 

『時間は無いぞ遊真、オサム。今から言うシナリオを叩き込み実行するのだ』

 

 現れたトリオン兵の【レプリカ】は遊真の関係者で事態の穏便な解決を望んでいた。そして以下の提案がされた。

 ①対外的にはモールモッドは修が撃破したと説明する。

 ②遊真は校舎2階で逃げ遅れた生徒だと説明する

 ③現在屋上に避難している関係者を校内のシェルターに急ぎ避難させること。

 ④後から来るBORDER隊員には遊真を会わせない事(未だBORDERと遊真の信頼関係が構築されていない為)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嵐山隊現着した! これより状況の把握を行い残るトリオン兵を掃討するぞ! まずは報告にあった南校舎だ!」

 

 援軍として現れた嵐山隊が報告を受けたモールモッドを索敵・撃破する為に突入を試みた頃には遊真によって撃破された後だった。

 

「…………それにしても静かですね。とても襲撃中の学校とは思えません」

 

「手遅れで無ければ良いが……急ぐぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 南校舎に到着した嵐山隊を修が出迎えた。

 

「BORDERからの援軍部隊の方ですか? 僕はBORDERC級隊員【三雲 修】……隊務規定違反を承知でしたが襲撃してきたトリオン兵と交戦し撃破しました。現在この南校舎に避難していた生徒はシェルターに避難しています」

 

「そうか! 君が今川の話していた三雲君か! 今川から依頼を聞いている! まさか撃破してくれていたとは素晴らしいじゃないか!」

 

「………………嵐山さん? 彼の申告通り違反生です。黙認してはいけません」

 

「その件に関しては嵐山さんに連絡があるんじゃない? 上層部がこの異常事態を認知していない訳じゃないし、何より僕達に部隊派遣を依頼した彰が手を打たない訳が無い」

 

 嵐山隊所属の【木虎 藍】は違反者の修に鋭い視線を向けていた。しかしそれを制止したのは同隊所属の【時枝 充】だった。

 

「時枝先輩……甘いのでは?」

 

「そうだな……トリオン兵が撃破されているなら確認してみるか」

 

 嵐山は彰からの連絡を確認した。すると未読メッセージに新着メッセージが届いていた。

 

『嵐山達の到着後に三雲君が交戦していたら加勢して欲しい。もし仮に撃破されていたらトリオン兵の回収と三雲君を本部に連れて来て欲しい。既に三雲君のトリガー使用の件は上層部への連絡済で、事態収束後嵐山隊の報告に基づき判断すると本部長名義で指示が出ている』

 

「…………どうやら既に手は打ってあったみたいだな。敵増援を考慮し俺と充で校内の被害状況の確認と調査を行う。木虎は三雲君が保護・避難させた人物を彼と共に当時の状況を聞いてくれるか?」

 

「……………………わかりました」

 

 不満を残しながらも木虎は了承した。修に対する対抗心や嫉妬を残して……

 

 




ようやく機能してなかったタグが活用できた……(嵐山さんと同期入隊設定)

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