偉大なる英雄を支えたい!   作:タク-F

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さて……本編では彰が修を連れて訪れた場所……その場所に待ち受ける人物達とは?


対談

 修の相談から1週間後……【かげうら】にて彰は修を待っていた。

 

「その……遅れましたか?」

 

「いや? 約束5分前だね。ここが予約した【かげうら】……まぁお好み焼き屋だよ。ちなみに今日調理してるのは元A級部隊の隊長ね? ただし()()()()()があるけどその内容については一切詮索しない……約束出来ないなら三雲君の質問には答えないし今後僕の訓練メニュー以外の取り組みを……B級昇格まで禁止するから。受け入れられる?」

 

「………………ッ! はい。お願いします!」

 

 修は彰の放つ鋭い雰囲気を察して頭を下げた。そして2人は入店した。

 

「わかった。あともう1件この話と別の話がある人物が時間差で来店する。一区切りついてももう少し付き合って貰うよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 連絡を終えた彰は扉を開け修と入店した。

 

「っと……来たぞ〜カゲ〜」

 

「お邪魔……します……」

 

「おぉっ! 来たな彰! 座れ!」

 

 影浦の案内に2人は着席した。そして当初の予定時間に合わせて2人の人物が来店した。

 

「来たのか彰……っとそこの彼が?」

 

「おまかせを頼む」

 

「もう来てたのか? 早いなお前ら……」

 

 来店したのは

 ・荒船隊隊長の【荒船哲次】

 ・来馬隊所属【村上鋼】

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だった。

 

「その……お世話になります……」

 

 修が周囲の存在感に気圧される中先に入店を済ませていた荒船と村上は既に注文済であり卓上を整理していた。

 

「じゃあ彰は麺はそばの広島風でソイツも同じで良いんだな?」

 

「頼む。手間かけて悪いな……」

 

「彰って珍しいよな。わざわざ広島風を注文する辺り気に入ってるのか?」

 

「確かどっちかの実家が中国地方だったらしくてその影響。ただまぁ食べ慣れてるのは間違い無い」

 

「なるほどな…………っと早めに本題に入るぞ? カゲのこともあるしな」

 

 荒船が切り出した事で影浦以外の空気が変わり影浦自身も調理を進めながら様子を伺う。しかし彰は重要な事を失念していた。

 

「悪い……紹介が遅れていた。まず俺の後ろにいるのがつい先日入隊したC級隊員の三雲君だ。挨拶をしてくれ」

 

「えっ……C級の三雲です。よろしくお願いします」

 

「よろしく。俺はB級の荒船だ」 

 

「村上……B級だ。よろしく」

 

「お好み焼きを調理しているのは影浦雅人……B級だがA級経験者。一対一(タイマン)ならこの場の誰よりも強いだろうな」

 

「オィ彰ァ! 余計な事を喋ってんじゃねぇ」

 

 影浦からの抗議が届くが彰は話を切り出した。

 

「誤解を与えない為に結論と特徴から入るが2人は問題無いか? 必要なら仕組みから説明するが?」

 

「俺は余計な事をしねぇなら構わねぇ。必要ならテメェで調べるなり実践しろ。それだけだ」

 

「彼の理解力次第だがひとまずは結論からだな。カゲの言う通り理解出来ないなら自分で調べる……それが一番だと思う」

 

「了解した。じゃあまずはカゲ……影浦と村上君はSE(サイドエフェクト)……所謂超能力の持ち主だ。正確には違うがイメージとして一番近い表現として今回は説明するけど、本部の資料室に説明されているモノがあるから自分で調べて貰えると助かる。場所は後日案内するから」

 

「超能力……ですか? あの……それって……」

 

「便宜上の表現と言った筈だ。カゲの能力は【感情受信体質】……すごく簡単な説明をするなら()()()()()()()()()()()()()()()って事だ。もちろんこの説明は名称以外は正確じゃないから違う所も多々あるが断言出来るのは自身に向けられた悪意には敏感だと言うこと。この意味……わかるよな?」

 

 彰が開けた一瞬の間……雰囲気を凍てつかせるには充分だった。

 

「興味本意での詮索をするな…………という事……ですよね。なら……いえ。止めます。それを口に出すわけにはいきません!」

 

 修は影浦へ頭を下げた。彰が求めた訳では無いが少なくとも自分が説明中に向けた感情がどう受け取られたかを理解した為だ。

 

「………………いいンだよンなこたぁ………………………………ッチ……調子狂うな……」

 

 謝罪に対しての気まずさから影浦も言葉を濁した。しかしその反応からその能力が便利なだけのモノではない事が充分に伝わった為だ。

 

「…………珍しいなカゲ。簡単に引き下がるとは思わなかった」

 

「初対面で真摯な対応をしたヤツを嫌悪して意味あンのか?」

 

「…………そうだな。お前がそう言うなら外野は何も言わない」

 

「理解したな三雲君? 優れた能力がある事は良い面だけではない……特に君の相談内容には……ね?」

 

「はい。心が……動きが読めれば強くなれる……そう思っていました……」  

 

 修は自分の考え違いに落胆した。しかし荒船は口を挟んだ。

 

「一概に間違いでも無いだろ? 俺を含めてカゲを狙撃出来た奴がどのくらいいる? その実績から目を背けるのも違うだろ?」

 

「当然カゲ自身の技量・実力があって成り立つ話で荒船さんはそれを前提に言ってる。決して片方を軽んじる認識はしないで欲しい」

 

「優れた能力と……実力と技量……だから……僕は……」

 

 修は香取との模擬戦後の仮想トリオン兵との自分の戦績を想起した。そしてこの説明で腑に落ちた事も少なからず存在していた。

 

「今川先輩……すみません……思い上がっていました。相手の動きが解れば強くなれる……そう思っていた自分が恥ずかしいです」

 

「荒船も言ったが()()()()()()()()()それはとても強い自信と言える。だから僕は三雲君の考えを否定はしない。考えるのは三雲君であり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。僕個人の好き嫌いとしてはその在り方を好ましく思ってるけどね?」

 

「今回の相談の件……もう少し自分で考えさせてください」

 

 修は彰へと頭を下げた。この過程で修の悩みが進展した事もあり大詰めを迎えた雰囲気だが彰はそれではいけないと考え直していた。

 

「ゴメン村上君。流れとはいえ君の事も語りたいんだが……」

 

「構いません。俺の場合はカゲのソレとは別方向なので……」

 

「済まない。村上君のSE(サイドエフェクト)強化学習睡眠……人間が深夜熟睡して行っている学習の効率が上がる能力……だな。こっちに関してはこの本を読むと解ると思う」

 

 彰はそう告げて一冊の本を手渡した。

 

「【睡眠の仕組み】……初心者にも比較的理解しやすい良い本だな。彰が資料室に追加して村上のファンやアンチが黙らされた時はビビったな」

 

「言葉で他人の精神を折りかけた瞬間だったしな……」

 

 影浦自身が軽く引いた程の出来事だったが修の入隊前の出来事なので修は反応に困っていた。

 

「こういう所が迅さんと別方向で上層部からの対応に表れてるしな」

 

「今川先輩ってそんな事をしてたんですね……」

 

 3人が口にした彰の行いは清濁合わせた実績の一つであり仮にも転生者である彰は把握しているSE(サイドエフェクト)とその所有者に対しての印象・評判は自分のアドバンテージ確保の為にも警戒しなければならなかった。

 

SE(サイドエフェクト)ってのは優れた能力だと思う。だけど()()()()()()()()()()()()()だからね。知人が貶められたなら、貶めた人間を僕は全力で排除するさ。そういう正義感は強い自覚もあるから。さて……」

 

 彰の言葉と視線は誰とも合わなかった。しかし修以外はその意味を察していた。しかし本題と大きく逸れたので軌道修正を行った。

 

「まぁ……色々語ったが優れた能力を所有していても使いこなせない事・そもそも相性が悪い事という事がこの世の中には存在する。ちなみにカゲの部隊も元A級だからってB級時代に無敗なワケじゃない。ソレが部隊としてか個人としての話なのかは君の想像と情報収集次第かな。参考までにカゲが苦手なポジションの相手って?」

 

「アァ? 射程持ち相手なら普通にうぜぇ。ファントムババァなんざ典型だ」

 

「ファントム……ババァ?」

 

「あの人か……」

 

「確かに相手が悪いな」

 

 影浦の返答に事情を知る人間は納得するがある意味では周知の事実だった。

 

「まっ……回避能力を伸ばす事も成長の方向性としては有りだし他を目指しても良い。成長のイメージやモチベーションがあるのは立派だからその気持ちと在り方は忘れないで欲しいし、手順や基礎さえ学べればあとは個人の話でもある。ちなみに3人は俺の考えってどう思う?」

 

「俺は他人の指導に興味は無い……が、基礎が疎かなのは論外だ」

 

「やりたい事……ソレを忘れず精進する大切さがある事は保障出来る。その形は人それぞれだが……」

 

「指導者の1つの形だな。実際ボーダーで弟子育成をしてる人間は何人もいる。その在り方は人それぞれだ」

 

 荒船の言葉を最後にこの日の目的の半分が達成された事を確信した彰は安堵した。しかし荒船には別件も存在しており……

 

「あっ……すみません荒船さん。この間防衛任務で使用して使った構成での使用感・相性・個人の趣向・実績を纏めた俺視点のデータを渡す約束でしたね。コレです。ログの解析は加賀美さんと行う事を勧めます」

 

「なるほど……ある程度実用的なデータでもあったな? わかった。後日ゆっくり調べさせて貰う。もし思い付いた構成があったらまた試して貰えるか? レイジさん以外だとお前しか実践出来る人間がいないからな」

 

「データの提供ぐらいお安い御用です。荒船さんの目的が目的ですから!」

 

 彰は荒船にメモリーを手渡すと共に固い握手をした。

 

「データ? 今川先輩って何をしてたんですか?」

 

「彰……あいつは時々防衛任務のヘルプに入ってんだ。今回はオレがこの店の都合で変わった。そン時に入れてたトリガーのデータを渡してるってトコじゃねぇか? 詳しい構成は知らねぇがあいつが器用なのは知ってンだろ?」

 

「しかもどうやら今回の構成は荒船さんの要望した構成じゃないか? まぁそれで任務をメンバーと連携出来るから凄い奴なんだがな」

 

「あっ……もしかして先日の僕が自主練するよう言われた日か……」

 

「君があいつの弟子になるなら間違いなくナニカを感じたんだろう。あいつは無意味な事はしない。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。今は思い当たる事が無いかもしれないがお互いを信頼する内は裏切らない筈だ」

 

 修が村上達から説明を受けている間に彰と荒船が話を終えていた。それを見て村上は席を立つが……

 

「荒船さん、村上君……申し訳ないがこの後の来客達が入店したらこの店を封鎖して警備をお願いしたい。この話は恐らく当事者達とカゲ……そして彼で下手するとボーダーの機密にも関わる話にもなりかねない。その会話の警備を頼めるのが2人しかいないんだ!」

 

「…………聞いてねぇが?」

 

「そこまで重要な話なのか?」

 

「来店するメンバーを見たら解る。だから……頼む」

 

 彰は詳細を語らずに頭を下げた。その件の理由すら話せない……説得も嘆願も難しいこのやり取りに2人の反応は……

 

「わかった。どんな話か詮索ほしないし警備もする。そこまで長話になるのか?」

 

「決裂したら5分弱で難航しても1時間以内で締める。まぁそこまで長くはしないつもりだから……」

 

「鋼がやるなら付き合う。誰も通さなけりゃ良いんだろ?」

 

「ありがとうございます! 助かります!」

 

 彰は再度頭を下げた。そしてその人物達に連絡を行う。

 

「あっ……お疲れ様です東さん。二宮隊の4人と合流できました? ………………わかりました。じゃあ全員でカゲの店にお願いします」

 

 彰が通話を終えると2人から質問が入る。

 

「東さん……はわかるが、二宮隊? カゲと揉めるのは想像出来ないのか?」

 

「逆だよ村上君。この問題は本来の関係なら絵馬君に話さないといけない。でも確証が無い。だから影浦隊の隊長のカゲ・そして立会い人に二宮隊の隊員と東さんを選んでる。理由は……悪いがここからは伝えられない」

 

「………………複雑な事情があるのは想像出来た。やるぞ鋼! カゲの為に協力してやろうぜ?」

 

「…………配慮ありがとうございます。悪いがカゲ……もう少し付き合ってくれ。ユズル君の為なんだ。ただ……推測ばかりで証拠が現状何1つ無いんだ……」

 

「二宮か…………チッ……面倒事にしたら全員叩き出す。構わねぇな?」

 

「その為の表の見張りでもある。その面は信頼してくれ。そして始まれば理由もわかる……」

 

 

 

 

 




はい!原作前に影浦周りの人脈を構築しました。でもこの関係が活きるのは……原作なら大規模侵攻以後なのでランク戦まで書いてみたいので応援して貰えると嬉しいです!

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