御ポケ草子   作:詠み人知らず

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きまぐれで わがままで あきっぽい。 つくされるより つくすのが すきな いちぶの トレーナーに だいにんき


100万回生きたニャース

100万年も しなない ニャースが いました。

100万回も しんで 100万回も 生きたのです。

りっぱな こばんをつけた りっぱな ニャースでした。

100万人の人が そのニャースをかわいがり 100万人の人が そのニャースがしんだときなきました。 ニャースは 1回もなきませんでした。

 

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あるとき ニャースは チャンピオンの ニャースでした。

ニャースは チャンピオンなんか きらいでした。

チャンピオンは ポケモンバトルが じょうずで いつも バトルを していました。

そして ニャースをボールに入れずに バトルにつれていきました。

ある日 ニャースは とんできた きあいだまに あたって しんでしまいました。

チャンピオンは バトルの まっさいちゅうに ニャースを だいて なきました。

チャンピオンは バトルを やめて いえに 帰ってきました。

そして バトルコートの わきに ニャースを うめました。

 

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あるとき ニャースは 船のりの ニャースでした。

ニャースは 海なんか きらいでした。

船のりは サントアンヌ号で せかいじゅうの海と せかいじゅうのみなとに ニャルマーをつれていきました。

 

ある日 ニャースはサントアンヌ号からおちてしまいました。

ニャースはおよげなかったのです。

船のりが いそいでメノクラゲですくいあげると

ニャースは びしょぬれになって しんでいました。

船のりは ぬれた ぞうきんのようになった ニャースを だいて

大きな声で なきました。そして遠い ミナモシティのこうえんの木の下にニャース をうめました。

 

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あるとき ニャースは サーカスのクラウンのニャースでした。

ニャースは サーカスなんか きらいでした。

クラウンは 毎日ニャースを はこの中に入れて

ブーバーのかえんほうしゃで まるこげに しました。

それから もとのままのニャースを はこからとりだし はくしゅかっさいをうけました。

 

ある日 クラウンとブーバーは まちがえて ほんとうに ニャルマーをまるこげにしてしまいました。

クラウンは まるこげに なってしまったニャルマーを 両手にぶらさげて大きな声で なきました。

 

だれも はくしゅかっさいを しませんでした。

 

ニャースを まるこげに してしまったブーバーは こうかいしてマグマにとびこみ 消えてしまいました。

クラウンは サーカス小屋のうらに ニャースをうめました。

 

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あるとき ニャースは どろぼうの ニャースでした。

ニャースは どろぼうなんか だいきらいでした。

どろぼうは ニャースと いっしょに くらい町を ニューラのように しずかに歩きまわりました。

どろぼうは デルビルのいる 家にだけ どろぼうに はいりました。

デルビルが ニャースに ほえているあいだに どろぼうは 金庫をこじあけました。

 

ある日 ニャルマーは デルビルにかみころされてしまいまいした。

どろぼうは ぬすんだ おおきなきんのたまと いっしょに ニャースをだいて

夜の町を 大きな声で なきながら 歩きました。

そして いえにかえって 小さなにわに ニャースをうめました。

 

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あるとき ニャースは ひとりぼっちの マダムの ニャースでした。

ニャースは マダムなんか だいきらいでした。

マダムは 毎日 ニャースをだいて 小さなまどから 外を 見ていました。 ニャースは 一日じゅう マダムの ひざの上で ねむっていました。

やがて ニャースは 年をとって しにました。

よぼよぼの マダムは よぼよぼの しんだニャースを だいて

一日じゅう なきました。

マダムは にわの木の下に ニャースをうめました。

 

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あるとき ニャースは 小さなミニスカートの 女の子の ニャースでした。

ニャースは 子どもなんか だいきらいでした。

女の子は ニャースを おんぶしたり しっかり だいて ねたりしました。 ないたときは ニャースの せなかで なみだを ふきました。

ある日 ニャースは 女の子の せなかで あかいいと が 首に まきついて しんでしまいました。

ぐらぐらの頭に なってしまった ニャースを だいて 女の子は 一日じゅう なきました。 そして ニャースを にわの 木の下に うめました。

ニャースは しぬのなんか へいきだったのです。

 

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あるとき ニャースは だれの ニャースでも ありませんでした。

野生のニャースだったのです。

ニャースは はじめて 自分のニャースに なりました。

ニャースは 自分がだいすきでした。

なにしろ りっぱなニャースだったので りっぱな野生のニャースになりました。

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どんな めすも ニャースのおよめさんに なりたがりました。

大きなヨワシを プレゼントする コリンクも いました。

上等のコラッタを さしだす ニューラも いました。

めずらしい きのみを おみやげにする チョロネコも いました。

りっぱな こばんを みがいてくれる ニャスパーも いました。

ニャースは いいました。

「おれは 100万回も しんだんだぜ。いまさら おっかしくて!」

ニャースは だれよりも 自分が すきだったのです。

 

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たった 1ぴき ニャースに 見むきも しない 白いうつくしいニャルマー がいました。 ニャースは ニャルマーの そばに いって

「おれは 100万回も しんだんだぜ!」 と いいました。 ニャルマーは「そう。」と いったきりでした。

ニャースは すこしはらをたてました。なにしろ 自分がだいすきでしたからね。

つぎの日も つぎの日も ニャースはニャルマーの ところへいって いいました。

「きみは まだ 1回も 生きおわって いないんだろ。」

ニャルマーは「そう。」と いったきりでした。

 

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ある日ニャースはニャルマーの前でくるくると3回とんぼがえりをしていいました。 「おれ サーカスの ニャースだったことも あるんだぜ。」

ニャルマーは「そう。」と いったきりでした。

「おれは100万回も・・・・・・。」と いいかけて ニャースは

「そばに いても いいかい。」と ニャルマーに たずねました。

ニャルマーは「ええ。」と いいました。

ニャースは ニャルマーの そばに いつまでも いました。

 

ニャルマーは たまごを たくさんうみました。

ニャースは もう「100万回も・・・・・・。」とは けっしていいませんで した。

ニャースは ニャルマーとたくさんの こどもたち を自分よりも すきなくらいでした。

 

やがて こどもたちは 大きくなって それぞれ どこかへ いきました。

「あいつらも りっぱに なったなあ。」

と ニャースは まんぞくして いいました。

「ええ。」と ニャルマーは いいました。

そして グルグルと やさしく のどを ならしました。

ニャースは ペルシアンに ニャルマーは ブニャットに なっていました。

ペルシアンは いっそう やさしく グルグルと のどを ならしました。

ペルシアンは ブニャットといっしょに いつまでも生きていたいと思いました。

 

ある日 ブニャットは ペルシアンのとなりで しずかにうごかなくなっていました。 ペルシアンは はじめてなきました。 夜になって 朝になって また夜になって 朝になって ペルシアンは100万回もなきました。

朝になって 夜になって ある日のお昼に ペルシアンはなきやみました。

ペルシアンは ブニャットの となりで しずかに うごかなくなりました。

 

もう けっして ニャースは 生きかえりませんでした。




基本的にニャースは気位が高い性質がある。
ペルシアンのアローラの姿はトレーナーに懐いておらねば、進化しないということが言われておる。
マダムの元では進化しないまま死んでしまったのに、最後のブニャットの元ではペルシアンになっていたことから、このニャースはアローラの姿であると言えるのではないかのう。
わしの「博士」としての感想としてはこんなところじゃの。

100万回生きて100万回死んだ主人公のニャースは、 最後の最後には二度と生き返らなくなる。彼は生まれて初めて本当の意味で死んでしまうわけなんじゃが、たいていの読者は物語の終わりを知ったとき 他の物語同様に「めでたしめでたし」という気分になっているはずで、そこがすごいのじゃ。ニャースが死んでしまうのに はっぴーえんど じゃと心から思えるのだから不思議じゃのう。

評価
タマムシ大学携帯獣学部名誉教授 オーキド博士
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