屈辱を感じるわ…
というわけで困らないように主人公の名前は嫺嫺貫太(かんかん かんた)で。
霧の湖
「ふーんっ!」
「どうしたの?」
「人魚の癖して服着てる奴が目の前にいるから」
「私のこと!?」
「まあ、服着て水の中にってのは気になるよ私も」
「うそっ!?」
説明しよう。目の前の人魚はわかさぎ姫。何が姫なんだろうか、とか考えてはいけない。死ぬ。このでかい狼人間?は影狼さん。つーかその名前しか教えられてねぇ。うーん、無慈悲。草の根ネットワーク(BBS)という枠組みで一緒らしい。俺?俺はただの人間だからさ!
「しっかし貫太は飽きないねぇ。姫が貢いでくれるっていうのにさ」
「…俺が人の死体連れてきたらどう思うよ?」
「ご飯運んできてくれた〜♡って抱きついて死体食べるかな」
「絶対に無理」
「千載一遇に」
「価値観は常に世界基準に」
「変な韻を踏むな。足捻るぞ」
「足捻ったら泣き寝入りっす」
「つまらん」
「それはりゅ」
「よーし今から釣ろう!影狼の鼻を釣ろう!ほれ!それ!」グイッグイッ
「OH!!」
「外の知識を無闇に使うから…」
「いったぁ!自分は頑丈なだけとか言ってるくせに!なんで釣りの技術はあるのよ!?」
「朝から引っ掛けてたから」
「…」
言葉を失ったらしい。出す声もなく湖に映る自分を見ている。バカなのか、と声をかけたらバカなんじゃないかと言われた。知らん。そもそも頑丈なのが取り柄とは言ったが、頑丈なことだけが取り柄とは言ってない。奇跡的な生還力もある!
「でさ、気になってたんだけど」
「何?」
「あの館っていつからあるの?」
「あの館…あれ?」
「あー、私も気になってた。けどいつ出来たのか私にもわかんないんだよねー」
「僕も知りません」
「あっかーい…うわ、光の反射で目が!」
「…哀れだな」
「哀れ!」
「うるさい!…で、いつからあるの?」
「わからん」
「わかんない」
「…不思議〜」
「妖怪が住んでたら巫女さんが退治してくれるでしょ」
「私たちも危なくない?」
「なんてこった、そりゃ大変だ」
「人間で退治されないからって生意気な」
「他人事じゃないよ?貫太君はこっちに片足入れちゃってるんだからさ」
「そりゃ失礼、10日間以上洗ってない足が入ってる側なんて臭くてたまらんね」
「ぅっ…」
「…そんなに臭い?」
「ウチの湖で洗ってるはずなのにね」
「ドッキリだよー!」
「こっちに来なさい。鼻の中に水入れてやるわ」グググ
「合点承知…!!」ガシッ
「ぉぉお…?姫達ってそんなに力弱かったっけ?」グイ
「うわっふ!?」
結果から言うと、水の中に入れるのは失敗。俺は20m移動し、8秒間宙を舞った。俺の体重は軽くない。と思う。高さ的にはどれくらい飛んだんだろうか。着地地点…着水地点?にわかさぎ姫がいたから助かった。鼻の中に水を入れられたのはこちらだったわけだ。
翌日
「…なんか、空が変」
「なんでこう言う時に貫太君を守る影狼ちゃんがいないの〜?」
「金」
「現金!?」
「…なんか地味に赤いし…これくらいの赤さだったら巫女が来てもわかんなかったりして!」
「やっだなー!そんなことはなっひゅっ!?」
「異変の原因調べてるんだけど」
「ひゃ…さ…ぁ…?」
「とぼけないで。知ってるでしょ?それとも人質持ってるぞって言いたいの?」
「ち、ちが」
「あらよっと」ゲシッ
「!?」ドボン
「…後ろがガラ空きだぜ、嬢ちゃん…」キリッ
「そうね、確かにガラ空きね」
「アッ」
「で、異変の原因は?」
「多分、あっちの…怪し〜い、館じゃないかなって。あ、あは」
「ふんっ」ゲシッ
「おうふ」ドボン
「だ、大丈夫…?」
「ぐっごほっがっぼっ」
「だめだこれ!!」
水の中でしゃべれるわけねーだろ!…あ、俺泳ぎ方知らねーや。生きてたら教えてもらうか。影狼に。わかさぎ姫は身体の作りが違うからな。ほら…足とか。アレで地上に出てくるんだからな、驚くっつーか、度胸あるって言うか。
「っぬぅあ!」
「変な声!」
「…あれ、異変は?」
「まだ続いてるけど?」
「な、なんっつー…」
「もー、チャチャっと終わらせれば良いのに」
「それは無理」
「なんで?」
「館ごと来てるんだし、力強いでしょ」
「そんな理由!?」
「やだなー、俺の勘が当たりすぎて怖いぜー!」
「褒めてないし当たってもないし!氷の妖精落ちてるしっ!?」
「お、おのれ…!妖精にまで手を出すなんて、外道が…!!」
「実は私もさっきの巫女に襲われてて」
「許せねえ!純粋の擬人化をこんな目にするなんて!!」
「無視?」
「と言うわけで目覚めろ俺のなんかこう良い感じの力!!」
「妖精を触媒にするの!?」
「…ショクバイって何?」
「あ、教養がないとこう言う時に困るんだ…」
「こいつの腹押したら凍るとかねえの?」ペタペタ
「何…貼ってるの?」
「ケーキシール」
「???」
「たまに香霖って人からもらう」
「縁を切りなさい!!」
「なんで!?」
「良い?ああいう、変な人って言葉を具現化したような人とは縁を切りなさい!」
「なんでぇ!?」
保護者みたいな態度取ってんじゃねー!と思いながらも実は少し納得してたり。いきなり『従業員がいなくて困ってるんだー』とか、『ウチはご飯一杯がかなり安いんだが』とか言い出すからな。ご飯一杯が安いってどういうこっちゃ?
「あ、空晴れた」
「いや晴れてないね。ただただ赤いのが終わっただけだね。」
「ぬっはー!復活!!」
「お、起きた」
「…あれ?」
「多分なんもわかってねーな」
「かわいいねぇ」
「このシール…」
「気が付いたぞ」
「格好良い!!」
ウチのチルノは知識だけです。知識だけなんです!!だから!
なんでシールあるの?
とか、
チルノはなんでシール知ってるの?
とか聞かないでぇ!