ひたすらに頑丈也   作:覚め

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心ここに在らず
心どこに在るの
心家にありけり



第13話

霧の湖

 

「あー」

 

「あー」

 

「…あー!」

 

「何もすることがないと暇ね〜」

 

「暇っていうか、なんていうか」

 

「暇なのね!」

 

「そう暇!」

 

暇なのである。たまに魔法使いが来たり、変なことが起きたりするのだが。異変という異変は特になく、これと言ってやばいことが起きることもない。何をしても何もなく、暇なのだ。影狼さんのお腹に頭を乗せて30回眠れるくらいには暇なのだ。

 

「…」

 

「そーだ!虎を見に行きましょう!」

 

「赤い館に?」

 

「そうよ!」

 

「私の出番が減るっ!」

 

「だって地上じゃ使い物にならないでしょ」

 

「いや、そうだけど…」

 

「じゃ、行きますか」

 

紅魔館

 

「うす」

 

「挨拶くらいちゃんと出来ないの?」

 

「…ところでトラって動物が描かれてる絵がある本がある場所ってどこですか?」

 

「えっと…本ね。本ならあっちよ」

 

「ありがとうござまーす」

 

「ちゃんと言いなさいよ…」

 

「あの!」

 

「?」

 

「なんで私だけ門で止められたんですか!?」

 

「え…獣臭いから…?」

 

「け、け、獣臭くねーし!?」

 

図書館

 

「っしゃー」

 

「あら、お客様?」

 

…頭に羽っぽい何か!よくわからん服装に赤くて珍しい髪色!なんかよくわからんけど…よくわからん人!妖怪なのか、『ツケミミ』なるものか…気になるな。そういえばこの人って空飛ぶのに靴履いてるんだ。なんか違和感…影狼さんはいつも外だったしな…

 

「なんで靴履いてるの?」

 

「奴隷宣言!?」

 

「えっ」

 

「ば、パチュリー様〜!!」

 

「何よ」

 

「こ、ここ、この子!ませてます!!」

 

「ませてんのはあんたよ」

 

「無慈悲!」

 

「トラの本ってどこ?」

 

「虎の本?あー…つい昨日フランが壊しちゃったわね」

 

「えー?」

 

「でも確かこっちに…あった。外の世界にいる虎とは違うけど、これで満足してくれるかしら?」

 

「あざまーす」

 

「…で、なんであんな子がこの館に?」

 

「虎の本」

 

「違くて、なんで美鈴が通したのよ」

 

「…あぁ!」

 

「ふむふむ。トラは虎と書く。覚えれません」

 

「!?」

 

「んー、トラってなんか面倒な模様してるなぁ…」

 

「トラって面倒かしら?」

 

「しっかし角が生えているとは…まさか…角で刺した肉を保存するために洞穴に住んでいるのか…!?」

 

「面白い学説じゃない。聞くわ」

 

「パチュリー様!外の世界にいるトラに角はありません!仕事するかせめて本読んでてくださいこの本の虫!」

 

「あぁ!?」

 

…図書館って静かにしてなきゃいけないんじゃなかったっけ。そう思い注意しようとすると…すでにいなかった。どこへ行ったんだろうか。世の中には不思議がいっぱいとこの本に書かれているが、一番不思議なのは目の前にいたはずの人間が消えることだろう。

 

「トラって角生えてなかったんだ」

 

「あー、それ外の世界でもここのでもないただの魔界ってとこのトラね」

 

「ふーん…吸血鬼だ!!」

 

「判断が速い」

 

「で、えーと」

 

「レミリアよレミリア」

 

「…えんだら?」

 

「何もあってない」

 

「じゃあ普通のトラってどんなの?」

 

「普通…まあ外の世界の普通はこんな感じね。オレンジと黒が基本的な色で…」カキカキ

 

「ほほう」

 

「で、角は生えてない」

 

「なるほど」

 

「…しかし細いわね…咲夜より細いんじゃない?」

 

「細くて助かったことがいくつか…」

 

「いくつかあるの!?」

 

「この前の異変で矢を避ける時に」

 

「やり方がゲームのステ振りなのよね…」

 

「ところでこれなんです?この…隣に書いてある変な円の中に星が書いてあるやつ」

 

「魔法陣ね。それに触れると3Dで見れるのよ」

 

「ほーん」ポチッ

 

「ぐるるる」

 

「すりーでぃーってのはすごいですね」

 

「馬鹿、本物よ」

 

小さくとも大きい図書館で追いかけっこ。主にレミリアさんに抱かれて。いや担がれて?まあ良いや、とにかくレミリアさんが攻撃しないのには理由があるらしい。マカイってとこのホゴドウブツだからと言う理由だ。パチュリーって人に戻してもらうんだって。

 

「パチュリー!どこ!?」

 

「何よ」

 

「あれなんとかして!」

 

「ぐるるるるるる」

 

「はいはい。monomono」

 

「モニョモニョ言ってたな」

 

「私もあんまりわかってないのよ」

 

「で、勝手に出したの誰?」

 

「俺!」

 

「じゃあこの魔法陣に手をかざして。貴方の手が貸し出しの記録になってるから、貴方の手じゃないと反応しないのよ」

 

「はいはい」スッ

 

「よ、よし!」

 

「ところでパチュリーさん、ホゴドウブツって?」

 

「なんで急に…まあ、絶滅するのは可哀想だからってことで絶滅させないようにしましょうって動物ね」

 

「…今のトラっぽいのって」

 

「保護動物じゃないけど?」

 

「やべっ」

 

「…」

 

「まさかレミィ…貴女」

 

「しょうがないじゃない!私より大きかったんだから!!」

 

「理由にすらならないわレミィ。貴方はこっち来て」

 

「あ、はい」

 

「…mononomo」ドガンッ

 

「うぎゃ」ドンッ

 

「さて、読書の再開でもしようかしら」

 

「あれ結構飛んだな…」

 

パチュリーさん曰くあんなんじゃどーせ死なないと言う。死なないと言うより、あれで死ぬと吸血鬼の威厳とやらも消え去るのだが。もしあれで死ぬのなら毎日何回かそこらへんの水を掃除機で吸って吐き出したら死にそうである。従者の方が強くなるのでは?

 

「…ところで」

 

「ん?」

 

「あの変な人って、何?」

 

「変な…あ、赤い髪色の?」

 

「うん」

 

「あれは…そうね、名前通り小悪魔」

 

「小悪魔系女子でーす♪」

 

「…ほれ」バゴンッ

 

「いだぁっ!?」




バゴンッ(フライパンで鼻を打たれる音)
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