ひたすらに頑丈也   作:覚め

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続編!
慧音先生はフライパンで叩かれるのか!
Α.叩きません。叩いたらその時点で色々と終わります。


第16話

人里

 

「で、ここ。」

 

「そう。でも貫太君って自分の苗字知ってるの?」

 

「んー…確か、かんかんだった気がする」

 

「…なんで知ってるの?」

 

「人里出る前から首にかかってた紙にあったから」

 

そう書いてあったとしても、俺の名前だけ決めて捨てたのかもしれない。あそこらへん名無しが多かったし。哀れみを禁じ得ないほどやばかったところだし。寺子屋みたいなのもたまに開いてたけど、誰も聞かねえし聞かせる気もねえし。

 

「ガチの苗字じゃない」

 

「多分途中まで育てて捨てたんでしょ」

 

「まあひどい」

 

「さて…ここ?」

 

「そこ」

 

「失礼します」ガラララ

 

「誰だ?」

 

「貫太と言います」

 

「…?」

 

「苗字変えに来たのよ」ズイッ

 

「妖怪と人間のセットか…変だな」

 

「変よ」

 

「変らしいですね」

 

変らしい。俺からすれば普通なんだが。しかしこの人が慧音先生かー。うん。見覚えがない。見覚えがなく、その上服装に覚えもない。人里で珍しい服を着ていらっしゃるから、結構わかると思うんだけどなあ。まあ記憶にないってのはそんくらいどうでもいいってことだね!

 

「まあ良い。で、名字は?探すから教えてくれ」

 

「かんかん」

 

「…いやふざけてないで」

 

「かんかんです!」

 

「あー…もしかして、こんな字か?」

 

「…?」

 

「嫺嫺…なるほど、これもかんかんなのね」

 

「で、下の名前もあってれば良いんだが」

 

「貫太」

 

「…ん?」

 

「貫太」

 

「貫太、と言うのは貫くに太いで良いのか?」

 

「そうよ!」

 

「なんで妖怪が答えるんだ…」

 

「そうらしいですよ!」

 

「お前はオウム返しをするな!」

 

「うぇっ」

 

「なにするのよ!!」

 

「何もしてないが!?」

 

「と、とにかく!嫺嫺貫太って名前で合ってると思うから」

 

「改名ね。普通は名字を変えるのは出来ないんだがな」

 

「なんで出来るのー?」

 

「死んだ扱いになってるからな。子供が里の外に出たって騒いでたからな」

 

「二つ名なくても有名じゃない」

 

「んはは!」

 

「…とにかく!新しい名字はどうするんだ?」

 

「風来坊」

 

「良いだろう」

 

「意外。何が風来坊だこの馬鹿とか飛んでくると思ってたのに」

 

「思ってたなら止めてこいよ」

 

「いやよ。かわいそうだもの」

 

「どうせ二つ名なら苗字にしてしまえとかそんな理由だろう!」

 

「なんでわかったのよ!」

 

「本当になんで止めなかったんだ!?」

 

「だって!だって!」

 

言い争いが始まった。まあ改名?と言うのは通ったんだし、それで良いとしよう。しかしなんだ。すごい変な匂いする。こう、なんだろう…変な匂い!臭い…わけではないと思う。が、匂う。これの正体はなんでしょうか…なんなんでしょう…?

 

「墨の匂いだな」

 

「墨?」

 

「ああ。これだ」

 

「黒色」

 

「わ、私にはきつい…」

 

「文明の香りだ!」

 

「嘘八百も良いところだわ!」

 

「もう良いもん!」

 

「なんでそっちが怒るんだ!?」

 

「あでっ」ドンッ

 

「あら?」

 

「ごめんなさい」

 

「…風見幽香では?」

 

「大丈夫?怪我したら自力でなんとか」

 

「あれは風見幽香だな」

 

「巫女に退治されるのはいやだから」

 

「本音漏れ出たぞ」

 

「ういー」

 

「分かったのなら良いわ。それじゃあ」

 

「じゃー」

 

「風見幽香ってあんな感じなのね」

 

「あれが噂になるわけか」

 

「通りで里を出て風見幽香に会いに行こうとする里の人間が多いわけよ」

 

「何それ私知らないぞ」

 

「…ごめんやっぱ嘘」

 

「帰りましょー」

 

「ま、死ぬのは畑に突っ込んだ時だし。気にしなくて良いか!」

 

「?おう!」

 

「じゃあ湖まで戻りましょう!」

 

「里の中で空飛ぶなよ。」

 

「分かってるわよ!歩いて来てるんだから!」

 

「そうだ!その…待て、それは流石に…里の外は空飛んで良いんだぞ?」

 

「うるさい!」

 

「いやうるさくない。」

 

また言い争いが始まった。今度は早く済んだけど。歩いて湖まで戻り、風来坊貫太となった俺が釣り糸を垂らす。垂らすと言っても、水に垂らすわけではない。正確に言うのなら、凍ってたので溶かすために垂らしてる感じだ。なぜだ。なぜ凍っている。

 

「あたいの氷結パワー、みさら」

 

「てめーか!てめーがやったのか!」

 

「ぃいっ!?」

 

「…で、名字はどうなったの?」

 

「風来坊に決まった。でさ姫、人里で貫太君が風見幽香とぶつかって」

 

「殺されるのでは?」

 

「身構えたわよ私だって!でも風見幽香は許したのよ…怖くない!?」

 

「恐ろしいわ…」

 

「糸凍って何も出来ねえぞ!」

 

「あたいの力が強すぎたか…!」

 

「マッチとっておいてよかった」ボッ

 

「どこからとって来たの?」

 

「慧音って人の家」

 

「!?」

 

「え、何?一体どういうこと?」

 

「盗んできたのよこれ」

 

「…まあ良いんじゃない?」

 

「嘘でしょ姫」

 

「え?」

 

「まあこんな物だし良いの…かな?」

 

「お、氷が水になっていく」

 

「あたいの力が〜!」

 

「よし釣ろ」カチンコチン

 

「貫太君が凍っちゃった!?」

 

「何て事するのよ!」

 

「だ、だってあたいの」

 

「知るか!直しなさい!」

 

その後、妹紅さんところに行って燃やされたのは言うまでもない。かなりきつーい熱さだったので、多分全力で焼いたと思う。少しは加減してくれたって良いじゃん。少しくらいさ。例えば…半分くらい。ねえ?…凍ってる時間が長いと俺死ぬんですけどね!

 

永遠亭

 

「何故〜?」

 

「凍ったらここに連れてくるでしょ普通」

 

「えぇ…?」

 

「なんでそんな解せない顔してるのよ。普通は普通よ」

 

「…ぇえー」




永遠亭のキャッチコピー
凍っても肌が全部焼けても口の中から触手が出ようとも治します!
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