一人暮らししてる女の子にアレコレしてるらしい…
霧の湖
「なにこれ」
「執事の募集。興味があったら来ても良いわよ」
「らしいぞばんきっき」
「なんで私?」
「ぼーいっしゅだから?」
男らしい、という意味で言ったぼーいっしゅだが、目の前にいる銀髪女にはウケが悪かったらしく、少し機嫌が悪くなった。だいたい、教養のない俺に何かさせる時点で間違えているのだ。魚を売るくらいだな。俺がやってやれるのは。
「じゃあ、それだけでも良いわよ」
「断る!」
「…そう」
「ったく、香霖堂行けば良いのに」
「縁を切りなさい」
「何が縁だ。円くれ」
「これさ、あの赤い館の執事って事だよね」
「そうなんじゃね?」
「まさか執事がわからないから断ったとかなんじゃ」
「さ、流石に!ヒツジは分かるわい!」
「…し・つ・じ」
「ごめん噛んだ。忘れて」
「じゃあ執事の意味は?」
「えっ?えーっと…」
「わかんないんでしょ」
「そうだよわからんよ!」
「なんで怒るのさ」
「頭バカにされたから」
「あたいも分かるぞ!なんかみんなバカにしてくるんだ!」
「だよな!」
わかさぎ姫が頭をちょっと出して何か言っている。聞こえないぞ?いつもはヒレビンタとかいうくせに…ばんきっきはなんか笑いを堪えてるし。…あ、口止まった。何言ってたんだろ…なんだろうか。歌でも歌ってたのか?
「何言ってたの?」
「2人ともバカ」
「チルノォ!」
「おう!」
「人里の寺子屋行こうぜ」
「…嫌!」
「だーっ!ダメか!!」
「そもそも妖精って寺子屋行けるの?」
「私が行けるから良いんじゃない?」
「ほえー」
「まあ、時々私も行ってるからねぇ」
「え、影狼ちゃんも?」
「私はねぇ…美味しいお団子食べるために行くかな!」
「やっぱり犬だな」
「妖怪の山に犬っぽい天狗がいるって聞いたし、すり替えてもバレないんじゃない?」
「天才」
「…ちょ、ちょっと?」
「ではこちらも気が付かないのでは…?」
「逆転の発想だね」
「ヤバい、世界の頭脳を揺るがしてしまうかもしれん‥」
「あたいも揺るがす!」
「なんてことだ…」
「これほど幸せそうな馬鹿は初めて見るよ」
「え、私は?」
「…」
「無視!?」
「なんてことはいいんだ。釣りをしよう」
「ていっ」カチンコチン
「んふふ、竿凍っちまった」
「あたいとあそべ!」
「赤い色した館が暇人だってよ」
「でかした!」ピュー
「さて…」
どなたか、火が扱える魔法使いはおりませんか。どうやらいないようですね。驚き。この幻想郷…かなり世界が狭い。自然解凍を待つしかあるまいて。とか待ってたらわかさぎ姫が…ぺっ、となんか違うのが出そうな感じで魚を取ってきた。同族だろ…?
「これは姫として如何なものなのか…」
「それを焼いて食べてる時点で共犯よ」
「…俺は妖怪に脅されて仕方なく」チラッ
「今なんで私見た?」
「ふー、ふー。はい、あーん!」
「これじゃ脅されたも通じねえぞ」
「うーん、有罪」
「裁判するまでもなく真っ黒ね」
「ええっ!?」
「まあ戴くけど」
「…ねえ、気になったんだけど」
「ん?」
「貫太君は…栄養って気にしなくていいの?」
「エイヨウ?」
「人間って栄養が偏りすぎると死ぬっていうよね」
「エイヨウ…?太陽みたいな奴か?」
「あ、だめだこいつ」
「思い込みによる身体への影響はすごいわね…!」
「よくわからんが、そのエイヨウが偏ると俺死ぬの?」
「死ぬ!」
「死ぬ!?」
「と、いうわけで!貫太君には特別に野菜を」
「知らんのか、野菜を食べすぎると尿路結石になって死ぬ」
「そんな物は栄養の摂りすぎによって起きるから大丈夫だよ〜」
「うぅ」
結論から言おう。野菜不味い。しかし古の人々はこう言う。良薬は口に苦し。こんな感じだったと言うことしか覚えてはいないが…とにかくそんな感じに言うのだ。なんて奴らだ即刻死ね。ただ影狼さんの毛布は結構気持ちよかった。冬に重宝しそう
「ぁー」
「まだ解けないのね」
「むしろ糸の方も凍ってない?」
「…冬?」
「まだ冬じゃない、せめて秋」
「速い秋だな」
「と言うことは…」
「アレね」
「何かあるの?」
「いや、俺今年からこの枠組み入ったからよく知らん」
「特に何もなし!」
「ないっ!」
「…ないんだ」
「同情するよ」
「するなぁっ!!」
「うるさい。口の中にベロ入れた後もう二つの頭使って耳にもベロ入れるぞ」
「ちょっとキモい」
「うん、私も吐き気してきた」
「ちょっと姫!今のが良くて私の(自主規制)の教育はなんでダメなのよ!?」
「いやあ、アレは自重ができるかなあって」
「私だって出来るけど!」
「いや、貫太君が…ね?」
「…私が請け負うわ…!」
「我慢の話してるんだけどなぁ」
「また(自主規制)の話してる」
「貫太君!?」
「でも、前回の異変はデカかったよね〜」
「デカいって言うか…博麗の巫女よりも金髪の魔法使いがあの赤い館に侵入したとかの噂でいっぱいだよ」
「あれ、貫太君。なんでそんなこと知ってるの?」
「影狼さん」
「ええっ!?」
嘘は言ってない。本当だ。影狼さんは…なんか知らんが甘味ばっか食ってる!その姿を偶然にも妖精から聞いた俺の秘技は無論関係なく。わかさぎ姫とか知ってそうだし。その要請から聞いただけなんだなこれが!!
「…妖精か」チッ
「舌打ち!?」
「口止めしとくべきだったわね」
「妖精を使った盗み見…対価は?」
「魚2匹…だったかな?」
「やっす」
「俺の夕食代消えたから安くはないかな?」
「あ、2匹で暮らしてるんだ」
「マグロだったのに」
「マグロ!?」
「あ、ここでは鯉をマグロってことにして美味しくいただいてるの!」
「あ、なるほど…」
「え、鯉?鯉ってあの…アレだろ。別名サ」
「わー!わ、わー!」
「…違う常識で楽しく暮らさせようとしてる?」
「し、知らない方がいいこともある…んだもんっ」
尚、紅魔館の銀髪女は噂の香霖堂を訪ねた。不審者情報(ばんきっきが出した)とそっくりだった為、一つの間も置かずに扉を閉め帰ったらしい。
なんか最近変な人多いなー、と言う程度に香霖堂の主人は感じている。