ひたすらに頑丈也   作:覚め

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天邪鬼<俺は悪くねえぞ


第31話

命蓮寺

 

「日常〜」

 

「そこら辺の日みたいな今日はほんと良いですよね」

 

「お手頃な時間」

 

「マミゾウの尻尾があればなあ」

 

「変化の能力…」

 

「あー…聖はどこ行ったの?」

 

「週に一回のバイク点検って言って香霖堂へ」

 

巫女に禁止されるべき、そうは思わないかい?と思ったが割と遠回りをしつつ人里を避けているので音はそんなに聞こえないらしい。んー、やはり人里か…人里が巫女の出動基準…かと言って妖怪も妖怪でスキマ妖怪の出動基準になり得る…うーむ、むむむ。

 

「あ、ぬえ」

 

「何?」

 

「ぬえの正体不明って欲しいものに見える奴でしょ?」

 

「んー、まあ」

 

「じゃあやって。多分マミゾウの尻尾に見えるから」

 

「…膝枕なら」

 

「マミゾウ」

 

「…」

 

「マミゾウ」

 

「仕方ないなぁ!」

 

「よっしゃ」ゴロンッ

 

「…何に見えてます?」

 

「大きい酒缶に頭を乗せてる貫太」

 

「私は宝塔に頭を乗せてるように見えます」

 

「嘘でしょまた無くしたの?」

 

「お恥ずかしながら」

 

「良い加減にしないとナズーリンに愛想尽かされるよ?」

 

「それだけはどうか…」

 

ぬえの膝がマミゾウの尻尾になっている様子だ。言葉にするとなかなかにユニーク。ユニークとはどんな意味なのかと思い辞典を開いたがなかったのは良い思い出だ。と言うかどんな意味なんだユニークって。ぬえに聞いても多分わからんだろうし。

 

「ところで」

 

「どした?」

 

「あれ何?」

 

「…客です」

 

「俺の目には金髪魔女が見えるんだが」

 

「幻覚ですね…」

 

「じゃあなんだよあれ」

 

「霧雨魔理沙さんで」

 

「そう言ってんでしょうが」ゲシッ

 

「んげっ」

 

「どしたの魔理沙さん」

 

「ん?ああ、知り合いの墓探してんだ」

 

「名前は?」

 

「瑠衣冠 五関(るいかんごせ)だ」

 

「へー…瑠衣冠なんて名前ないけど」

 

「バレたか!」

 

「本当は?」

 

「聖の身体能力に関する魔術書を…」

 

「何冊盗んだの」

 

「五冊…」

 

「最後の晩餐くらいは選ばせてやる」

 

「来年の定食」

 

「そうか。じゃあ閻魔様に来年までに生き返らせてくれって言うんだな」

 

「いやいやいやいや!違う!あ、あはは…」

 

「?」

 

「…マスター」

 

「させませんよ?」スッ

 

「!?」

 

「貫太に傷つけたら私たちが怒られるからさ…大人しく捕まろうよ」

 

「捕まるですよー!」

 

「お、リリー」

 

「春です!」

 

「よし、春に泥棒を働く不届ものは花粉で退治だ」

 

「花粉!?」

 

その後、数十分による密室花粉によって魔理沙の目と鼻はそりゃもう悲惨なものになったのである。悲惨も悲惨。地獄絵図である。否、地獄絵図で済むのだろうか…阿鼻叫喚。まあ二つ合わさってそんくらいだろう。リリーよよくやった。うわお前何花粉にかかってんだ

 

「けふっけふっ」

 

「やりすぎたのですよー」

 

「やりすぎじゃなかったら拳が出るぞ」

 

「ぅう゛〜」

 

「生きてたのか」

 

「ゔぇっぐしゅっ!」

 

「無理せず休め」

 

「ぞゔずる゛」

 

「おいこいつ熱もあるんじゃねーか?」

 

「ゔぇ〜」ゴロンッ

 

「終わった」

 

「春ですよ〜」

 

「何が春だコラ。季節的な春だけにしろ」

 

「香霖が良い…」ボソッ

 

「ぬえ!出番だぞ!」

 

「いや、言動までは無理だよ」

 

「じゃあ残念だったな」

 

「…っ!冬の奴ならこの花粉もとびゃっふぅ!」

 

「哀れな奴だ」

 

「ずずっ…冬の奴に会いに行ってくる」

 

「おう行ってこいや」

 

「ぅ〜…」バタンッ

 

「おいこいつ」

 

「お客様用の布団を出すのですよ〜」

 

「オメーは里周りに挨拶して来い!」

 

「今からするですよ〜」

 

「立春すぎて二日経ってんだぞ!」

 

「そんな〜…うぇ!?」

 

「行って来い!」

 

「い、急ぐのですよ〜!!」

 

「行ったか」

 

「…ごめん、泊めて」

 

「しゃーなし」

 

まあ、あれなら里中に春を巡らすのもそうかからないだろう。と言うか何故二日間も引きこもってたんだ。解せんな。とりあえず魔理沙さんは布団に埋めるとして。永遠亭に連れて行くのが良いか、永遠亭に来てもらうのが良いか…うーむ

 

「頭ぼんや」

 

「黙って寝ろ」

 

「う゛〜」

 

「来てもらうかぁ」

 

「そう思ってもう呼びました」

 

「ありがとう星さん」

 

「いえいえ」

 

「宝塔探してる途中なのに」

 

「ヴッ」

 

「来ました〜」

 

「早いっすね」

 

「それが売りなので!で、患者さんは?」

 

「これ」

 

「…花粉症の患者を外で寝かしてる…?」

 

「ダメだっけ」

 

「いやまあ良いですけど。とりあえず花粉の薬出しとけば良いんですよね?」

 

「うん」

 

「ゔぁっくしゅ!」

 

「わあすごい」

 

「それでは…わあすごい腫れてる…腫れてるって言うか何これ?腫れた上で腫れてる?」

 

「やっぱ行かないとだめかね」

 

「これ私じゃどうしようもないですよ!」

 

「連れて行く袋とかないしな」

 

「あ、麻袋ならありますよ」

 

「よくやった鈴仙」

 

「あ、名前」

 

「あれ、てゐだっけ?まあ良いや」

 

「…」

 

「私もついて行くよ」

 

「そんじゃぬえもよろしく」

 

「じゃあ行きますか!」

 

永遠亭

 

「え、何この花粉の量」

 

「どうすか?」

 

「…」

 

永林先生曰く『こんなもん普通の人が生涯かけて吸う花粉の量の5倍くらいよ!』とのこと。とりあえずこちらも5倍にしてことなきを得た…らしい。すげーな薬。ま良いけど。とにかく、九死に一生を得た魔理沙さんだが。魔術書を返してもらってない。ので袋を漁る

 

「それは?」

 

「こいつの袋。泥棒してたから」

 

「そう」

 

「んー…あ、これかな?」

 

「あー、私わかんない」

 

「ぬえもわからんか」

 

「…私、ちょっとなら分かるわよ」

 

「本当!?」

 

「まあ、本当にちょっとね。スタンダードな魔術書を重ねがけしたものを一気に発動できるようにしてるだけだから」

 

「つまりそれはすごいのでは?」

 

「すごいわよ。私が2本の腕で50本の弓を使うくらいには。」

 

「へー」

 

「…まあ、この二十冊じゃないかしら」

 

「数低く見せてやがった」




永林<え、え〜?照れちゃうな〜?
してる永林先生見たい。
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