ひたすらに頑丈也   作:覚め

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あくびしたら
歯が抜けました
みつお


第47話

博麗神社

 

「吸血鬼の眷属ね〜」

 

「アンタらそんな会ってないでしょ?なのになんで大事とかそういう言葉が出てくるのよ」

 

「え?ちゃんと会ってたよ?」

 

「妖怪と人の感覚は長生きなほどズレが生じますからね〜」

 

「ね〜!」

 

というわけだ。フランチャイルズからしたら495年と数十年程度の話であり、実質的には500歳という馬鹿みたいな年齢のせいで時間感覚がおかしくなっている。あまりにも嫌な奴だ。吸血鬼の眷属とやらはそんなことにも付き合わなきゃならないのか。

 

「ならんしなりたくないし」

 

「なんで〜?」

 

「お前なぁ…自分の姉に風呂からトイレまで全部見られてみろ。実質毎秒すっぽんぽんだぞ」

 

「それは嫌」

 

「だろう。俺も嫌だ」

 

「じゃあ妖怪になろうよ〜」

 

「隣にいる奴が許さん」

 

「隣にいる奴壊せば良いの?」

 

「そういうことではない」

 

「紫に頼めば中途半端な感じでいられるんじゃない?」

 

「あの人そんなことやらんでしょ」

 

「そうかしら?」

 

「…ん?」

 

「見つかってしまった」

 

「隠岐奈さん…」

 

俺を妖怪にしたい合戦に隠岐奈さんも参加してくるのか。いやしないだろうな。今はあの人たちで済んでるだろうし。そもそも俺があそこに立つことすら面倒くさい。傀儡同然になるっぽいし。なんで自分の周りは妖怪だらけなんすか…あ、そっか。親に捨てられたからか。

 

「なーんでみんな人間が嫌なのかね」

 

「私は妖怪が嫌よ」

 

「別に良いだろう。元人間と肩書きが着くだけだから」

 

「じゃあ苗字は元人間風来坊貫太だな」

 

「何言ってるんだお前は」

 

「名字を変えるくらいは簡単なのさ」

 

「…ま、私の部下にならないか」

 

「ならんね。霧雨さんと一緒なら考えてやっても良い」

 

「ではまずそちらから攻めるとしよう」

 

「…アンタいつ知ったの?」

 

「すり替えた。すり替えたって言っても…まあその記憶があるんだったらすり替えは起きてないだろうね」

 

「曖昧な記憶ね」

 

「変わったことは誰にもわからんからね」

 

「便利〜!」

 

「フランチャイルズは便利だと言っています」

 

「何を言ってるんだアンタは」

 

「…そろそろ命蓮寺に戻ろうかな」

 

「眷属にならないの?」

 

「残念ながら交渉の予約は埋まっている」

 

「え〜!」

 

「聖さんから不老長寿、お前から眷属、隠岐奈さんから部下。まあそういうこと」

 

「人気だね〜」

 

人気じゃねえんだよと言って自転車に乗る。乗る途中で気がついたのだが、不老長寿ってどうやるんだろうか。星さんに悪いことしたし…いや悪いことではないな。うん。なんで俺一瞬傾いたんだ?やっぱり涙は飾りじゃないんだな…外の世界もそう言ってる。

 

命蓮寺

 

「やっほ」

 

「あー…どうぞ」

 

「?」

 

「星さんがちょっと塞ぎ込んじゃって」コソコソ

 

「じゃあ時間が過ぎるまで門番でもしてようかね」

 

「良いとは思いますけど…」

 

「今日はみんなから人間やめないかって聞かれてさ」

 

「はぁ。」

 

「…そんなに人間ってダメかね」

 

「私は良いと思います。けど…」

 

「けど?」

 

「葬式に来た人みたいに泣きたくはないです」

 

「お〜正直で良い子」

 

「えへへ…」

 

「でも、どーすっかな」

 

「何がですか?」

 

「文脈ぅ。でも不老長寿か眷属か賢者の部下だよ。どうする?」

 

「不老長寿」

 

「不老長寿かぁ…ま、多分この三択の中で一番今までとは変わらんのは不老長寿だろうね」

 

「そうらしいですね」

 

「どうすっか」

 

「あの」

 

「?」

 

「聖さん」

 

「不老長寿、検討できませんか?」

 

「人のまま不老は有り得んのかね」

 

「不老になったら人ではないので」

 

「どうすっかな〜」

 

「う〜ん」

 

「…聞きましたよ。星が塞ぎ込んでる理由」

 

聖徳太子と話してる間のことは聞かされたらしい。ほとんど一輪が悪いという感じだったが…あれで靡かない貫太は男じゃない!とも言われてたらしい。何故だ…?まあそんなことは良い。どうすれば不老を避けられるのか…どうすればいいんだ。

 

「確かに…星の泣きつきで倒れなかった男はいませんでした」

 

「マジかよ男ってクソだな」

 

「まあ人とはそんなものですから」

 

「そんなものね。で、今の星の様子は一体?」

 

「あ〜、近づかない方がいい、とだけ言っておきますね。今ならいきなり襲ってでも不老にさせますね絶対」

 

「それは一体どんな様子なんだ」

 

「ブツブツと自分に何か言い聞かせてましたよ。ちょっと怖いですね」

 

「京子ちゃん、俺どうしたらいいと思う」

 

「えーっと…不老長寿になった方がいいと思います!」

 

「そこの唐傘妖怪」

 

「うぇっ!?ま、まあ私もその刀も悲しむから不老長寿みたいなのにはなって欲しいな〜って」

 

「霧雨魔理沙さんがいたら多分賛成してくれるんだろうけど」

 

「あの人確か魔法使いになりたい〜って言ってましたよ」

 

「ダメだこりゃ」

 

「ダメだこりゃって」

 

「どうすっかな〜」バンッ

 

「っ」ビクッ

 

「痛っ!」

 

「おっと」

 

「聖、貫太どこ!?」

 

「そこです」

 

「なんでそこに転がってるの!?」

 

「うるさい」

 

一輪がいきなり門開けたからでしょーが。しかしどうやら話は終わったようだな!フッ、帰って寝てやるぜ。と思えたらいいな!一輪の様子から見るに絶対そうじゃないもんな!うん、やばい。俺の人間生活がやばい。そんな気がする。気がするだけであれ。

 

「おーっす」

 

「あ、貫太…」

 

「貫太さん」ガシッ

 

「ぉおっ!?」

 

「お願いです。なんでもします。だから、どうか」

 

「わかったわかった、ちょっと落ち着いて。前回もこの流れで逃げたぞ俺」

 

「とにかく上がりましょうか」

 

「ねえ、なんか部屋の中に変な紙敷いたよくわからん部屋ない?」

 

「そんなものはありませんよ」

 

「星、ちょっと落ち着いて」

 

「ま、待ってよ。クソ力強え!」

 

「あの部屋は別ですよ」

 

「ちょっと待って!ねえ待って!?」

 

「では始めます」

 

「始めるって…何を?」

 

「…」

 

「ちょっと!?」




月刊聖コミック
「次回、星が立ち直りますよ!」
「1人に犠牲によって!」
「終わってなかったんですね…」
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