転生大賢者の冒険   作:怪盗218

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214話 閑話⑮ 氷の大賢者の足跡を追って その12 テラン

「あの尾根を越えれば、テランの里を象徴するテラン湖が見えてきますよ」

 

気球を操作するパプニカの兵隊さんが眼前の尾根の先を指差す。その言葉に、周囲の絶景を言葉もなく見つめていた俺は、顔を前に向ける。ゴオオッと気球を動かすための燃焼機器が上げる音をBGMに俺が前方を見つめていると、徐々に尾根の向こう側からテラン湖が見えて来た。湖は、太陽の光を反射しまるで鏡面のようにキラキラと輝いている。その鏡の表面には、周囲の山々の緑と青い空、それに白い雲が映りこんでいて、えも言われぬ美しさだった。

 

「ああ、テラン湖は今日も清廉な輝きを宿してますね。私は、テラン湖はこの気球から見るのが一番だとかねがね思っているのですが、皆さんはどうですかな?」

 

高度を落とすためだろう。気球の燃焼機関に備え付けられているハンドルを少しずつ絞りながら、兵隊さんがそう俺達に問いかける。

 

「そうね。底まで透けて見えるほどの美しさは、大陸一と言っても過言では無いわね」

 

「俺はあまり長居をしたい場所ではないなぁ。美味いものを出す店も少ないしな」

 

「はっはっは。ですが、この里の独自の文化を尊ぶ人達も一定数いますからね。かくいう私もその一人です。こうして時折、テランの里に仕事で行けるのを楽しみにしているんですよ」

 

人好きのする兵隊さんは小刻みに気球のハンドルを調整しながらゆっくりと高度を落としていく。どうやら着陸地点は、あの湖の畔に建っている小さな城の屋上のようだった。

 

 

 

「はい、着きましたよ。足元に気を付けてお降りください」

 

パプニカを朝に出発して、今は昼を少し回ったぐらいの時刻だった。城、というより大きめの邸宅のようにも見える建物に視線を巡らせていると、ここに常駐していた文官の方が俺達を迎えてくれた。

 

「ようこそ、テランの里へ。かつてこの城はテラン王国の王城でしたが、当時のパプニカ女王レオナ姫がテラン王国最後の国主フォルケン王に領土と居城を譲渡され、それ以来この地はパプニカの飛び地として管理しております。

 と言いましても、毎年9の月にこの湖で竜の神を鎮める鎮魂の儀式をする時ぐらいしか、この城は活用しておりませんがね」

 

「でも、そのレオナ姫は退位後この城を避暑地として活用していたんじゃなかったかしら?」

 

フェルンのその問いかけに、城の文官は「よくご存じで」と合いの手を打つ。

 

「おっしゃる通り、レオナ女王は次代が育ってきた事を理由に王位を退位した後、ダイ殿下を伴いよくこの城に滞在しておりました。その滞在の間、大魔王戦役時代の友人達を時折この城に招待し、旧交を温めたりしていたと記録が残っています」

 

「記録はそれだけかい? 俺が聞いた話では、この城から毎日旦那を連れて、リンガイアのチョコボレースに日参していたと聞いているがなぁ」

 

「そ、そのような記録は残っておりませんなぁ。何かの間違いでは?」

 

ロックの言葉に突然しどろもどろになる文官。くすくすくす。まあ、パプニカ王国が誇る名君レオナ女王のそんな一面は出来るだけ隠し通したいという気持ちも分からないでもない。しかし、レオナ女王、歳を重ねてもそのお転婆ぶりは変わらなかったようだな。心から同情するよ、ダイ君。

 

「それでは、里に続く門まで案内しますので私の後ろをついて――」

 

「ああ、その必要は無いぜ。この城の事はよく知っている。案内は不要さ。行こうぜ、フェルン、カナタ」

 

「え……? しかし、この城は改築を重ねていますので内部が複雑で……」

 

ロックはそんな文官にひらひらと手を振りながら「大丈夫だって。あ、ここまで連れてきてくれてありがとな」と、パプニカからここまで気球の籠の中に同乗してくれていた兵隊さんに言葉を投げかける。

 

俺もロックに習いここまで親切にしてくれた兵隊さんに謝礼の言葉を述べて、彼の背中を追った。

 

 

 

テランの里。かつてテランの王城だった城を南口から出た俺達の視界の先には、平凡極まりない田舎の光景が広がっていた。ここは、俺の知っている原作では、テラン王国という名の国だった。だが、原作を知っている俺だから言うわけではないが、懐古主義と呼ぶことが一番適切なように感じられたあの国が、あのまま国としての形態を維持し続ける事ができるとは思えなかった。

 

だからこそ、現に大魔王戦役から150年が過ぎた現在、国は消滅し管理者が不在と言って良い状態で里のみが残っている。

 

この里の長はポップ・マーカストンに連なる者が歴代の里長を務めている。もっとも姓はマーカストンではなく、彼の妻の一人であるメルルの方の旧姓であるグランマーズ姓を名乗っているが。

 

ポップ・マーカストンとメルル・フォーサイスの間に子供は男一人、女一人の計二人を授かったと記録されている。その二人の子供の内、男の方の名前はマリクという名で、ポップ・マーカストンの7人の子供の内でもっとも魔道の才能を受け継いでいると期待された子供であった。

 

だが、そのマリクは親友であるバルシード(父母の名はヒュンケルとエイミ)の魔界への旅に同行し、以後地上界の歴史の表舞台からは姿を消している。口さがない者達はバルシード、マリク共に魔界で命を落としたと口にするが、彼らが魔界に旅立って数年後にそれぞれオーザムとネイル村に見慣れぬ風貌の家族を伴い父母を訪ねる彼らの姿があったという目撃談が残っているため、彼らは生活の拠点を魔界に移しているだけ、という見解が一般的である。

 

なお、バルシードとマリクが魔界に向かう際には、ヒュンケルからは『鎧の魔剣』が、ポップからは『ブラックロッド』がそれぞれ息子に送られているため、現在地上界にそれらの武具は存在しない。もし存在していたら、それらもカンダタ盗賊団の盗難の対象になっていたかもしれない。

 

「やあ、お三方、旅行かね? 何もない里じゃが、ゆっくりしていってくんろ」

 

「ありがとうございます。空気もきれいだし、良い所ですね、ここは」

 

街道沿いで畑仕事をしている人の良さそうな住人が作業の手を止め、俺達に挨拶をしてくれる。

 

「はっはっは。竜の神様を祭った湖とグランマーズさんの占いぐらいしか見どころが無い所ですが、そう言って貰えると嬉しいですなぁ」

 

俺達はその住人に手を振りながら、街道を更に歩いて行く。家は本当にまばらで、これなら騒音による近所迷惑は心配しなくて良さそうだと、思わず思ってしまうほどだった。

 

今俺達が向かっている先は、先の住人の口から言葉が出たこの里の里長、グランマーズ邸だった。つまり、ポップとメルルの間に授かったもう一人の末娘ララ・マーカストンの系譜に連なる者の住居を、俺達は目指していた。

 

目的の場所は直ぐに見つかった。丘の上に色あせたワンポールテントが立っていて、その周囲には何故か、この牧歌的な風景からは似つかわしくないほどの大行列が出来ていた。

 

「今日のラッキーカラーは何かしら?」、「僕の運命の人にはいつ会えるんだろう」、などと、行列に並んでいる様々な人達が、上気した顔でそのように語り合っている。

 

「ははあ。里長の占いが評判とは聞いていましたが、これほどとは。最後尾はどこでしょうね?」

 

俺はキョロキョロと周囲を伺い、行列の最後尾を探す。しかしフェルンは、行列の出来ているテントの前で足を止めず「私が用があるのはそっちじゃないわ」と、道を外れて森の中に入っていく。ロックが俺を振り返り「ほら、ぼさっとすんな。こっちだぜ」と言うものだから、俺も慌てて茂みをかき分けてついていく。

 

 

 

10分ほど森の中を歩いただろうか。フェルン達に続いて藪をかき分けていくとぽっかりと開けた広場に出くわした。その広場の中央には、一見して猟師小屋のような木造平屋の家が。

 

「ここは……?」

 

「ふふ。ここは現在の里長の先代にあたるナーバラ・グランマーズの住居よ」

 

俺の問いにフェルンはそう応え、玄関らしき戸の前まで足を進めて更に口を開いた。

 

「ナーバラ殿。私です。フェルンです。いらっしゃいますか!」

 

フェルンの声だけが、小鳥のさえずりに紛れて木霊していく。

 

「留守……ですかね?」と、返事がない事を訝った俺がフェルンを伺うが、ロックが俺に任せとけ、とばかりにフェルンの前に出た。

 

「おーい婆さん! 生きてるか!? 耳が遠くなって俺達の声が聞こえなくなってるんじゃあ――」

 

「うるさいねっ! そんな大声を出さなくても、ちゃんと聞こえてるんだよ!」

 

突然扉の向こう側からそんな叱責の声が俺達に届く。ロックは思わず肩を竦めて俺の背後に逃げ込んだ。

 

「ふふ。無駄足にならずに済んで良かったわ。ナーバラ殿、入りますね」

 

そう声をかけて戸を開いたフェルンの後ろから俺とロックは恐る恐る続いて行った。

 

 

 

おや、意外と言えば失礼だが、想像していた以上に居心地の良い誂えの部屋だな。部屋の中はキッチンとリビングが一つになった空間になっており、キッチンからは何を煮ているのか、ぐつぐつとお鍋が噴き上がっている。そして壁一面には乾燥させた草花が吊るされていた。

 

リビングの中央にある安楽椅子には、肩程まで髪を伸ばした白髪の女性が腰掛けており、その目は俺達をじっと見据えていた。

 

「やれやれ、気持ちよく寝入っておった所を起こしおって」と、ぶつぶつと文句を口にしながらその女性が立ち上げる。そのまま彼女は4人掛けのテーブルを顎で指し、そこに座れと俺達を促した。

 

 

「久しぶりじゃな、フェルンにロック。全くフェルンはいつもこの老婆に紳士的に接すると言うのに、お前ときては……。少しは、フェルンの爪の垢でも煎じて飲むと良いわ」

 

「ははは。そう言うなよ、婆さん。俺もあんたの事は心配だったんだぜ」

 

「ナーバラ殿、こう見えてロックも、ナーバラ殿が息災かどうかを旅の間で気にされていたんですよ?」

 

「どうだか……」とロックをジト目で見つめた後、ナーバラという女性は俺に顔を向けた。

 

「お主には初めて会うのう。む……、もしやフェルン。探し物が見つかったのかい?」

 

「はい、おかげ様で。ナーバラ殿に戴いたラッキーアイテムの予言、役に立ちましたよ」

 

そうナーバラに応えたフェルンは、嬉しそうに長く美しい金色の髪を揺らした。

 

「ナーバラ殿。彼の名はカナタ。デルフィン島の出身です。そしてカナタ。この方がテランの里の先代里長、ナーバラ・グランマーズ。57年前のホルキア大陸沖の地震を予言した女性と言えば分かるかしら?」

 

57年前……! 聞いた事がある。ホルキア大陸の南で発生した未曾有の地震を、その発生の5日前に予言し、地震による被害を最小限に抑えた神託の占い師がいたと。

 

「ほっほっほ。あの時は世話になったのう。そなた達がたまたまこの里に滞留しておったから、迅速にパプニカに予言を伝える事ができたわ」

 

「はっはっは。そうだぜ、婆さん。もっと俺達に感謝しろよ」

 

「調子に乗るな、馬鹿もんが!」

 

ロックの脛を、ナーバラがテーブルの下で蹴りあげる音が聞こえる。

 

「まったく、すぐに調子に乗り追って。さて、カナタと言ったな。お主、今何歳じゃ?」

 

「え、歳ですか? 15、ですが……、それが何か?」

 

ロックから突然俺へと視線を投げかけたナーバラに、俺は若干驚きながら応える。

 

「15! ふぇっふぇっふぇ。儂の星読みの腕も衰えておらなかったようじゃのう。あの魔物達も危険を犯した甲斐があったというものじゃろうな」

 

「あの魔物達……? いったい誰の事を言っているんですか?」

 

その俺の問いかけに、ナーバラはただ「ひひひ……」と魔女のような笑い声を上げただけだった。

 

「さて、カナタ。儂の前に立つがよい。今日は久しぶりに面白い日となった。特別にそなたの星を読んでやろう」

 

「何が特別に読んでやろう、だ。前から一度で良いからポップ・マーカストンの星読みをしてみたかったって言ってたんだから、婆さんに取っては渡りに船なんじゃ――。――! ちょっ、だから水晶球を頭上に掲げるのは止せって! ったく、レックスだけじゃねえな。パプニカの女王と言い、あんたと言い、血の繋がりってのは恐ろしいぜ!」

 

両手にはっしと水晶球を掴みそれを頭上に掲げるナーバラを見て、ロックは椅子を後ろに引いて逃れようとする。パプニカの女王に、あんた……? どういう意味だろう? その様子を口に手を当ててくすくすと笑っていたフェルンが、俺に視線を投げかける。

 

「カナタ、彼女は里長の座を後進に譲ったとはいえ、今でも一族中最高の占星術使いと呼ばれているわ。きっとあなたにとって有益な星読みを得られるはずよ。お願いしてみたらどう?」

 

その言葉に一も二もなく頷いた俺は、テーブルを挟んでナーバラの前に移動する。ナーバラは俺が前に座ったのを見て、水晶球を所定の位置に戻した。

 

「ふむ……。では、カナタよ。そなたが今欲する星読みを言うてみよ」

 

「俺が今欲する星読み、ですか……? そうですね……。それでは、抽象的で申し訳ありませんが、俺が今求めている答えが何処で手に入るかを知りたいです」

 

 

「ほっほっほ。求めている答え、ときたか。良かろう。心穏やかに、無心のまま瞑目するがよい」

 

その言葉に俺は瞼を下ろす。カールの町を旅立ってから、もう3週間が過ぎた。もう少し、もう少しで答えが得られそうなんだ。その答えが得られたら、俺は俺の成りたいものを見つけられる気がする。

 

どれほど目を瞑っていただろうか。不意に耳に届いたナーバラの「もう目を開けてよいぞ」の言葉に、ゆっくりと目を開く。

 

「ふむ……。星読みの結果を伝える前に……、カナタ。そなた、実に複雑で多彩な星をその身に宿しておるのう。それは確かに、一族に口伝で伝わるポップ・マーカストンの背負った星と酷似しているように思える」

 

ナーバラの言葉を、フェルンとロックが耳をすまして聞いている気配を感じる。それを知ってか知らずか、ナーバラが続ける。

 

「じゃが、酷似はしておっても、ポップ・マーカストンとは別物じゃな」

 

「別物……ですか?」

 

密かに一致していると言われる事を予想していた俺は、ほんの少しだけ意表を突かれた。

 

「うむ、別物じゃ。世界に星の数ほどの人いれど、全く同じ人は存在せぬ。カナタ、お主の求めておる答えはもうすぐ手に入るじゃろう。じゃが、その答えはあくまでポップ・マーカストンにとっての答え。お主の答えではなかろう」

 

「ポップ・マーカストンにとっての答えで、俺のではない……」

 

「そうじゃ、その答えをお主がどうお主の中で昇華するか、が肝要じゃ。そうして初めてその答えは、お主の答えとなるじゃろう。……ポップ・マーカストンの生家のある町へ行くが良い、カナタ。いや、お主は行かねばならぬ。ポップ・マーカストンがお主を呼んでおるわ」

 

 

 

「……貴重な星読みをありがとうございました。ご助言に従い、彼の生家のある町へ行ってみます」

 

そうナーバラに謝意を伝えた俺は、ゆっくりと椅子から腰を上げる。

 

「へへへ、あそこならベンガーナの町を経由しても、あと3日もあれば着くだろうさ」

 

「あと3日……。そう、もう3日だけなのね……」

 

ロック、フェルン……。思えば、ロモスの町で彼らと出会い、それからはや3週間が過ぎた。その3週間を短い期間と捉えるか、長い期間と捉えるかは主観に左右されるのだろうけれど、少なくとも俺は、彼らと過ごしたこの期間を生涯忘れる事は無いだろうという確信がこの時あった。

 

「……フェルン、ロック。これまで一緒に旅をしてくれて、ありがとう。勝手な事を言っているのは重々承知しているけれど、最後まで二人が同行してくれると嬉しい」

 

「ふふふ。もちろん一緒に行くわよ、カナタ。最後にあなたがどんな答えを手にするのか見届けるまで、あなたから離れたりしないわ」

 

「へへへ、そういう事。こんな面白れぇ旅、久しぶりだぜ。あいつらも、大戦中にこんな風に旅をしていたのかなぁ。とっ、な、何でもねぇぜ、カナタ」

 

ぷっ、今さらながらにロックが、自分の言葉を取り繕うようにあたふたして視線を周囲にさ迷わせている。

 

「だ、だから今のは――。 ……? ん、これ、もしかしてポップの写真か、婆さん?」

 

ロックが傍のたんすの上に置かれた写真立てを見てそう問いかける。その言葉に俺とフェルンもどれどれ、と写真を覗き込む。

 

その写真立てに飾られていた写真は、どこかの校舎を背景にして十人ほどの男女がポーズを取って写っている写真だった。

 

「ふむ。それは、この里に移り住んだメルル・マーカストンの娘ララ・マーカストンが持ってきた写真じゃよ。ほれ、ここにそのララも写っておるじゃろう?」

 

そう言って、ナーバラは前列の左から3番目に立つ女性を指差した。どうやらこの写真は、ベンガーナ医療大学で毎年9の月に開催されている学園祭時の講師陣を捉えた写真のようだ。なるほど、ポップとメルルの娘ララは、一時、父母同様に医療大学で教壇に立っていたという事か。

 

「ああ、だからこいつら全員おかしな格好をしているのか。あの大学の学園祭は、当日に教師や生徒がおかしな変装をするので有名だからな」

 

「ふふふ。私も以前見た事があるわ。今からカナタがどんな変装をするのか楽しみね。これは是非見に行く必要があるわね、ロック」

 

「当然だな。カナタ、この写真のポップのように、バンパイアの成りそこないみたいな変装をするんじゃないぞ」

 

そのポップと俺を揶揄する言葉に、俺は苦笑いを浮かべながらナーバラの家の玄関に向かう。

 

「ご期待に添えられるかどうか分かりませんが、二人が見に来てくれるのなら張り切りますよ。あと、この写真のポップは、バンパイアの変装をしているつもりじゃないと思いますよ。これはきっと、BJのつもりなんですよ、彼は」

 

「「……BJ?」」

 

二人してきょとんとするその表情が可笑しくて、俺は思わず吹き出しそうになる。BJ。つまりブラックジャック。

 

そうですよね、先輩? 先輩が大学の面接の時に尊敬する医師の名で彼の名を上げたのをはっきりと覚えていた俺は、確信を持ってそう口にしていた。

 

 

 

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