転生大賢者の冒険   作:怪盗218

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48話 死闘

 

「くっくっく……。作戦は決まったか? ならば、来るがよい! ここを貴様らの墓標にして――」

 

俺は、ハドラーのその口上が終わるか終らないかのタイミングで魔法を放った。最後まで聞いてやる必要はないだろう。先手必勝だ!

 

「――閃熱呪文(ベギラマ)(×3)!!」

 

魔力圧縮で、3倍の威力にはね上げた閃熱呪文(ベギラマ)だ。発動スピード、取り回し性能、そして高威力と3拍子揃ったこの魔法でまずはハドラーの力の底を見定める!

 

「小癪な! ――閃熱呪文(ベギラマ)!!」

 

ハドラーも、俺にわずかに遅れて閃熱呪文(ベギラマ)を詠唱した。俺とハドラーの放った閃熱呪文(ベギラマ)は、俺が先手を取った分幾分ハドラーに近い位置で激突する。

 

閃熱呪文(ベギラマ)同士の激突に、洞窟内に小さな無数の閃光が飛び散る。そして、徐々に俺の閃熱呪文(ベギラマ)はハドラーのそれを凌駕しはじめ、その閃光がやつを焼き始めた。

 

よしっ、行ける! 思った通りだ。先ほどのザングレイの力を吸収したといっても、やつは典型的なパワーファイタータイプだった。

決して魔法力の上乗せがされたわけではないはずと言う俺の予想は正しかった。

 

アバン先生とダイは、その激突している閃熱呪文(ベギラマ)の左右を、矢のような速度でハドラー目指して走り出した。

 

そう、ここで俺が求められている仕事はベギラマでハドラーに押し勝つことじゃあない。もちろん勝てればそれでいいが、勝てなくとも彼ら2人がハドラーにたどり着くまでここで閃熱呪文(ベギラマ)の押し合いを続けていれば、前衛の2人がハドラーに切りかかることが出来る。

 

俺は一人で戦っているわけじゃあないからな。パーティーとして勝利すれば良いだけだ。

 

「――ぬ!? くっ、ば、馬鹿な! アバンより強力だと!?」

 

ハドラーが、俺の閃熱呪文(ベギラマ)の威力に狼狽している。よしっ、もう少しでアバン先生たちがハドラーに接敵できる。

 

俺がそう考えていると、突然ハドラーが閃熱呪文(ベギラマ)を発動していない右手に力を溜めはじめた。何だ、何をするつもりだ? まさか、ハドラーが二重魔法詠唱の技能を使うのか?

 

「――消し飛べ!」

 

異様に膨れ上がった右腕部から俺目がけて何かが放たれた! 呪文か? ――いや、違う! これは闘気流だ!

 

俺は一瞬、逡巡した。これが呪文攻撃だったら、俺も呪文で対抗するつもりだった。そうすれば結局、アバン先生とダイが両手を俺との綱引きで拘束されたハドラーに優位に立てる。

 

だが、これは物理攻撃だ。

 

この物理攻撃に対抗できる俺の手持ちの呪文は、氷系壁呪文(アイスウォール)だけだ。それで防げるか? 防げるなら前衛の2人は有利に戦えるが。

 

「――ポップ!!」

 

ハドラーへの歩みを止めないまま、アバン先生が俺を振り返って叫んだ。俺はただアバン先生に名前を呼ばれただけだが、その声に込められた心の声を確かに聴いた。

 

(無理をしないでください)

 

即座に俺は決断した。ハドラーの闘気流による攻撃を、俺は飛翔呪文(トベルーラ)で飛翔してギリギリで躱す。

 

背後から聞こえる衝撃音に思わず振り返ると、闘気流は分厚い洞窟の壁を完全に粉砕していた。

 

……危なかった。おそらく氷系壁呪文(アイスウォール)では防ぎきれなかっただろう。

 

しかし、ザングレイの力を取り込んだとはこういう事なのか。元々魔法と武技をバランスよく身に付けていたハドラーがパワーファイターの力を一時的にせよ加えたことで、武技の奥義ともいえる闘気流を使いこなすようになった。

 

まさかハドラーが、片手で魔法攻撃、片手で武技攻撃という戦い方をしてくるとは。

 

俺がそんな事を考えていると、前衛のアバン先生とダイがハドラーに接敵した。

こうなると俺はハドラーに対しての闘い方を変更することになる。

ここからの俺の主な仕事は、前衛2人の援護だ。俺は頭を切り替えて、前衛の援護のための動きを始めた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

アバンとダイは、ハドラーに切りかかった。直前までハドラーは、ポップとの魔法戦闘を行っており、切りかかるには絶好の好機だったが、ギリギリでその魔法戦闘を終わらせ接近戦に切り替えてきた。

 

ハドラーは左右のヘルズクローを器用に操り、アバンとダイの攻撃を捌くと同時に逆に切りかかってくる。

ザングレイの力が加わったことで、先ほどアバンと剣戟を繰り広げた時より、確実に一撃一撃の強さが増している。

 

アバンは練達の剣技により、その攻撃をかろうじて捌く。しかし、アバンに比べると、剣術の技能の未熟なダイはその攻撃を捌ききることが出来ず、徐々に傷を負っていく。

 

かろうじて致命傷となる一撃だけは隣で戦うアバンがフォローして捌くことで、どうにかこの戦況を維持できていたが、この均衡は長く続かないと思われた。

 

「クハハハ! いじらしいではないか、アバン。弟子がそれほど大事か!」

 

ハドラーは、アバンとダイをヘルズクローで切り付けながら声を張り上げる。

 

「貴様のように、仲間を使い捨ての道具としか見なさぬ者には、永劫に分かるまい!」

 

その時、アバンは一瞬視界の中に一条の光の反射を感じた。そう感じた瞬間、アバンはダイに「後退です!」と声を掛け、ダイと共にいったんハドラーから距離を置く。

 

その直後、ハドラーの上空から13本の氷の槍が降り注いだ。ポップの氷系呪文(ヒャダルコ)による援護だった事は明白だった。

 

ポップと長い期間を共に過ごしたアバンだからこそ取ることのできる、無言の連携だった。

 

「――! 小賢しい!」

 

突如上空から襲い掛かった氷の槍を、ハドラーは舌打ちをしながらも巧みに両手のヘルズクローで打ち砕く。

しかし、ポップの攻撃は巧緻だった。おそらくハドラーから見てその氷の槍は7本に見えた事だろう。ポップは巧みに残りの6本を、7本の槍の射線軸上の背後に隠すことで、ヘルズクローによる迎撃をかいくぐらせることに成功した。

 

ズドドドドッ!!

 

「……グ、ガッ! お、おのれ……」

 

6本の氷の槍がハドラーの全身に突き刺さる。ハドラーの体表自体が大型化しパワーアップしていたためいずれも致命傷には至っていないようだが、確実に動きは鈍ったはずだった。

 

それを見てアバンが、再びハドラーに切りかかる。ダイも一瞬の判断の遅れはあるものの、ハドラーの背後から切りかかる。

 

ダイの怪我は、今のわずかな後退の間に既に癒されていた。当然、ポップによる回復魔法の行使のためだった。

 

「おのれー!! 消し炭にしてくれるわ! 火炎呪文(メラゾーマ)!!」

 

幾度かの攻防の末、ハドラーがアバン達に火炎呪文の上級にあたる火炎呪文(メラゾーマ)を放つ。直後、ハドラーの左手から凄まじい勢いの火炎が放出される。

 

しかし、その魔法の発動直前にアバンがダイに声をかけ、2人はすばやく後退する。代わりにポップが前に出る。

そしてポップは、右手を突き出し防御光幕呪文(フバーハ)を唱える。ポップの右手から放射された半球状の緑の幕は、ポップ達を優しく包み込んだ。

 

直後に着弾するハドラーの火炎呪文(メラゾーマ)。しかしその幕の外では業火がとぐろを巻いているが、幕の中にはその影響は一切及んでいない。

 

それを見たハドラーは歯ぎしりをし、それならばとばかりに、今度は右腕による闘気流を放出する。

 

「これなら、どうだー!!」

 

闘気流が射線上の地表を抉り取りながらポップ達に迫る。しかし、突如、防御光幕呪文(フバーハ)によって遮断された幕の中から一条の衝撃波が放たれその闘気流を迎撃した。

 

衝撃波によって両断された闘気流はポップ達の背後に分かたれた後、爆発する。

 

その衝撃波は、アバンが放ったものだった。そして、再びアバンとダイはハドラーに接近戦を挑むべく駆けだして行く。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

俺は、戦況が徐々にこちらに優位に傾いていっていることを感じていた。泥沼呪文(ドロヌーバ)の魔法でハドラーの足元を崩したり、氷系呪文(ヒャド)でハドラーのヘルズクローを氷漬けにしたりして出来た隙に、アバン先生とダイが切り付ける。

 

ダイ達が受けた傷は、即座に俺が回復呪文(ベホマ)で癒す。この繰り返しで徐々にハドラーを追いこんでいく。

 

こちらには、俺と言う後衛を担当できる人間がいるが、ハドラーには存在しない。

 

原作では、アバン先生しかハドラーと対峙していなかったが、ダイも含めて今は3人でハドラーと対峙できている。

いかにハドラーがザングレイの力を取り込んでいようとも、この違いは大きかった。

 

アバン先生は、魔力十分な状態で原作より確実に優れた剣を手にし、ハドラーを追い詰めていく。

ダイも、戦いの中で圧倒的成長を見せている。

 

そして俺は、そんな2人が致命傷を負わずに済むように立ち回り、もし負ったとしても即座に回復させられる立ち位置で戦っている。

 

俺は、まずはこのハドラーとの戦いに勝利する事だけを考えて、約10年もの歳月を修行に明け暮れて過ごしてきたと言ってもいい。

 

絶対にここでアバン先生を死なせず、ハドラーに勝利して見せる。

 

唯一俺が懸念していたのは、ハドラーの極大爆裂呪文(イオナズン)だった。

あの魔法だけは、自分でも有効な対抗手段をとることが出来ない。

幸い、極大呪文はその発動前の状態で一定の溜め行為を行わなければならない。

 

俺はその予兆だけは見逃さないよう、ハドラーを追い詰めて行った。

 

 

そして、その時は突然訪れた。俺の放った氷系呪文(ヒャダイン)が、ハドラーの右腕と地面を繋ぎとめる形で氷漬けにした。

 

それを見て、ダイが渾身の大地斬をハドラーの肩口に打ち込む。その代価として、ダイの手にしていた鋼の剣が折れてしまったが、その一撃は完全にハドラーの胸を裂き、鮮血を噴き上げた。

苦悶の声を上げ、ハドラーが口から吐血する。

 

そして、そんな隙を見逃すアバン先生ではなかった。とっさに剣を逆手に構え、ほんのわずか闘気を溜めたかと思うと、渾身のアバンストラッシュをハドラー目がけて放った。

 

「――グウオォー!!」

 

よし、決まった! アバンストラッシュが完璧な形でハドラーに直撃した。断末魔の叫び声が上がり、胸からは大量の血を噴水のように流し、ハドラーが仰向けに倒れこむ。

 

倒れこんだハドラーは、ピクリともしない。どうやら、やっと終わったようだ。

 

 

 

……後に、俺はこの後起こった事を心の底から後悔することになる。どうして、声に出して注意をしなかったのか。

その予兆は、ザングレイ戦の時からあったというのに……。

 

俺とアバン先生が、ハドラーの死に体と思われる状態を目にしても、なおも油断せず周囲に対する警戒を解いていない時だった。

 

ダイが、無警戒な状態でハドラーに近づいたのは……

 

「ねえ、ポップ。こいつ、悪い奴だったけど、一応お墓を作ってあげた方がよくないかな?」

 

「……その必要はない!」

 

――! 

 

その声を俺が耳にした時には、突如上半身を起こしたハドラーがダイに対してヘルズクローを打ち込む寸前だった。

 

俺は、ここから先の事をよく覚えていない。とにかくダイを救わなくては、と思い瞬間移動呪文(ルーラ)でダイの元に移動しダイを突き飛ばしたところまでしか。

 

俺が最後に見た光景は、俺の胸にハドラーのヘルズクローが吸い込まれていくところだった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「ポップー!!」

 

アバンの叫び声が、むなしく洞窟内に響き渡った。ポップに突き飛ばされた格好のダイは、その場で尻もちをついたまま、目の前で起こっている光景に動転している。

 

「あ、……ああ……」

 

「く……、くっくっく。はーはっはっは。これは良い! 都合よくこの小癪な小僧から飛び込んできてくれるとは!」

 

ハドラーは、右手のヘルズクローをポップの胸に深く突き刺したまま嘲笑する。ポップは、既に意識を失っているのか、だらんと脱力しておりピクリとも動く様子が無い。

 

「この小僧には、散々煮え湯を飲まされたからな! ……くっくっく。この小僧には、地獄の苦しみを味あわせてやらねば気が済まぬ! 喰らえ! ――即死呪文(ザキ)!」

 

一瞬ポップの身体がピクッと動き、そのポップの身体の周りを黒い霧のようなものが覆う。

 

「くっくっく。これで良い。これでこの小僧も、俺にたてついたことを後悔しながら地獄に行くことだろう!」

 

ハドラーは、腕を大きく振り、ポップをアバンの前方の地面に叩きつけた。

とっさにポップに駆け寄るアバン。

 

「ポップ! ポップ! しっかりしなさい!」

 

しかし、そんなアバンの懸命の声掛けも空しく、ポップは何の反応も示さない。ヘルズクローによって付けられた胸の傷からは、今も絶え間なく出血が続いている。

 

しかもその体には、即死呪文(ザキ)の効果なのか、黒い霧状のものがまとわりついている。

 

アバンは先ほどから回復呪文(ベホイミ)を唱えているが、その効果が現れる様子は見られない。まだ心臓はかすかに動いているが、その鼓動が徐々に緩慢になってきていることをアバンは絶望的な気持ちで見ていた。

 

「ポ、ポップ! ポップ!」

 

「ポップ君! 目を開けるんじゃ! まだ死んではいかん!」

 

「ピ、ピィイー!」

 

ダイとブラス、ゴメもポップの周りに集まり、懸命に声を掛ける。

 

「くっくっく。無駄無駄。俺のザキは、喰らった者を地獄へと誘う悪魔の囁きよ。その小僧は、未来永劫地獄を彷徨う事になるわ。 はーはっは!」

 

ハドラーは、必死にポップを救おうとする者たちを見下ろし嘲笑する。

 

 

 

不意に思い立ち、アバンは自身がいつも身に付けていた金のペンダントをポップの首にかけた。

このペンダントは、15年前に大事な女性から貰ったものだった。

 

それは、このペンダントがポップの命を繋ぎとめてくれたらと、まさに神にも祈る気持ちで行った行動だった。

 

 

 

 

 

ハドラーは、この戦いの勝利を確信していた。2つある心臓の内、1つをアバンに破壊されたが、まだ彼には1つだけ残っていた。

 

ハドラーは当初、アバンの弟子など眼中に無かったが、思いのほか手強かったと認めざるを得なかった。

 

特に、今死にかけている背の高い方の弟子だ。まさかこいつが、これほど強力な賢者だったとは。

ザングレイの力を吸収したことで万に一つも負けるとは思わなかったが、この賢者が全てを覆した。

 

攻めては的確に仲間を援護し、守っては傷ついた仲間を瞬時に癒す。思えば、15年前もアバンにはやっかいな魔法使いが傍についていた。その魔法使いには何度も煮え湯を飲まされたが、今この賢者をここで始末できたことで、ようやくその時の溜飲を下げることが出来たと考えていた。

 

そしてハドラーは、死にかけた弟子に対して無駄な努力を行うアバン達に、自身が既に魔王ではなく大魔王バーンに仕える魔軍司令であることを伝え、更に嘲笑する。

 

「くっくっく。いかにあがこうとも、もはや貴様ら人間ではたちうちできんわ!」

 

 

 

 

アバンは、ハドラーから大魔王バーンの存在を聞いた直後、後の事を次世代の者に託す覚悟を固めた。

 

先ほどまではハドラーに対して優位に戦いを進めていたが、それはポップと言う極めて優れた後衛がいてこその薄氷を踏むような戦いであった事をアバンは理解していた。

 

そのポップが重傷を負い、ダイは未だポップが倒れた衝撃から立ち直れていない。

 

アバンは、自身の力のみでハドラーを倒せると考えるほど、自身の力を過信してはいなかった。そのため、アバンはここで自身が成すべきことを明確に定めた。

 

そう、『ハドラーだけは、今この場で倒す。そして、さらにその背後に存在する大魔王の打倒に関しては、次世代に託す』という事を。

 

アバンは、意識の戻らないポップに目をやった。出血はどうにか止めることが出来た。しかし、即死呪文(ザキ)の魔法の効力が彼の身にまだ及んでいることは明白で、彼の身体の周りには黒い霧がとぐろを巻いていた。

 

アバンは、ダイの秘められた潜在能力を高く評価しつつも、侵攻を開始した魔王軍に対してはポップの力がどうしても必要だと考えていた。

 

かつて自身にマトリフがいたように、ダイにもポップが必要だと。

 

そして、何よりもポップには、生きて平和な世界を謳歌してほしいと思った。

 

そう考えたアバンは、瀕死の重傷を負ったポップを含めその場にいる全員に鋼鉄変化呪文(アストロン)の魔法をかけ、これから行う行為の余波が皆に及ばないようにした。

 

「ア、 アバン先生……。どうして……」

 

「アバン殿、早まってはいかん!」

 

「ピ、ピイィー!」

 

アバンは、ダイに卒業の証である『アバンのしるし』を渡し、これからの事を託した。ブラスには、鋼鉄変化呪文(アストロン)が解けた後のポップの治療を頼む。

 

そして、横たわるポップの傍には、自身がこれまで身に着けていた鞄を置いた。ポップなら、これだけで自分の思いが伝わるだろうという確信と共に。

 

(一緒に劇を見に行くという約束を守れずすいません、ポップ……)

 

その後、アバンはゆっくりとハドラーの前に足を進める。

 

「くっくっく。弟子との別れは済んだか、アバン」

 

アバンが弟子達に鋼鉄変化呪文(アストロン)の魔法をかけるのを、ニヤニヤと眺めていたハドラーがアバンを嘲笑する。

 

アバンはその挑発には乗らず、覚悟を決めた目でハドラーを見やった。

 

「……勝負だ、ハドラー!」

 

アバンは、裂帛の気合いと共に、剣を構えてハドラー目指して駆けた。……その真の狙いをハドラーに悟らせないように。

 

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