転生大賢者の冒険   作:怪盗218

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4章スタートです。ようやくあの人を書くところまでたどり着きました。感無量です。


4章 ロモス動乱
51話 3人目のアバンの使徒との出会い


青い魚が、俺とダイを乗せた小さな船の側を飛び跳ねている。

この魚は、カーゴの町で見たことがある。タタキ丼にして食べたら美味しいんだ。

 

ただ、それだけなら実に平和的な光景なんだが、魔王復活の影響なんだろう。

先ほどまで、俺達の船目がけて、『とつげきうお』が突進してきていた。『とつげきうお』は、前世でいうところのシイラを大きくしたような魔物で、ヘルメットのように見える頭で突進を仕掛けてくる。

 

それほど脅威を感じる魔物ではないが、こんな小さな船がその攻撃を受けると沈みかねない。ダイは、船の上で勇ましく剣を構えていたが、俺はこんな小さな船の上で接近戦をするのは御免だったので、接近する『とつげきうお』に閃熱呪文(ギラ)の魔法を放って遠距離から始末することで対応した。

 

そして、今ようやくその出没頻度が下がったので、ホッと息を吐いたところだった。

 

「あーあ。せっかく俺がやっつけようと思ったのに、ポップが全部倒しちゃうんだもんな」

 

「適材適所だよ。陸に上がったらいくらでもダイに手伝って貰うさ」

 

ダイが、自分の活躍の場が無かったことにぶーたれているから、フォローをしてやる。今は、船でデルムリン島を出発して2時間ほど経った頃だ。

 

「でも、ポップはロモス王国のある大陸から船で俺の島に来たんだろう? 瞬間移動呪文(ルーラ)で行った方が早かったんじゃなかったの?」

 

「いんや。確かに俺とアバン先生はロモス王国内にあるカーゴという町から船を使ったけど、あそこは半島の端だからな。そこから陸路でロモス王国に向かうよりは、海路である程度まで行った方が早いと思うぜ」

 

「そうなんだ。確かに、歩くよりポップが今やっているみたいにして、船で行った方が早いのかも知れないね」

 

ダイが、俺の右手から発せられている突風で船に張られている帆が大きくなびいている様子を見て言った。今この小船は、ちょっとしたモーターボートのようなスピードで波をかき分けて進んでいる。

 

「ポップって本当に色んな魔法を使えるよね。俺も、もっと魔法が上手だったらな……」

ダイが自分の手を見つめながら呟く。

 

「なーに言っているんだよ、ダイ。聞いたぜ。お前、アバン先生が倒し損ねたハドラーをたった一人で倒したんだろう? そんなの俺にだって出来ないぜ」

 

「うーん。じいちゃんはそう言うんだけどさ、俺その時の事あんまり覚えてないんだよな」

 

まあ、そうだろうな。まだあの力は意識的に出せるようなものじゃあないだろう。

俺は丁度良い機会だと思って、ダイに今後の方針を相談することにした。

 

「ダイ、今のうちに俺達の今後の戦いの進め方について話さないか?」

 

「戦いの進め方?」

 

「そうだ。さっきみたいにさ、俺が向かってくる敵を全て倒していたらダイは戦いの経験を積むことが出来ないだろう? だから、海上の今は仕方ないんだけど、陸に着いたら戦いのやり方を変えたいんだ。一言で言えば、ダイを育てるための戦いをしたい」

 

「俺を育てる? どういうこと?」

 

俺は、若干船のスピードを落としながらダイに言った。

 

「俺は、大魔王に勝つためには勇者の力しか無いと思っている。俺のような魔法使いじゃあ、絶対に大魔王には通じない。魔法力の桁が違うからな。だからダイには、ハドラーとの戦いで見せた力を意識的に出せるようになってもらいたいんだ。そのために、ダイの力を底上げするための経験をダイに積ませたい」

 

「ポップぐらい魔法が使えても、大魔王にはかなわないの? ハドラーには勝っていたと思うけど……」

 

ダイが、純真な目で俺を見つめている。……おいおい、お前、俺をいったいなんだと思っているんだよ。俺は呆れた目でダイを見返した。

 

「かなうわけないだろう? 相手は、魔界で神とまで言われている程の奴らしいじゃないか。たかだか15年とちょっとしか生きていない俺が相手を出来る奴じゃないさ。ハドラーにしたって、勝っていたのは魔法力だけで、接近戦を含めた総合力じゃあハドラーにも勝てないよ。あの時はお前やアバン先生が前線で戦っていてくれたから、どうにか形になったようなものだよ」

 

ダイは、俺の言葉に若干納得出来ていないかのように考え込んでいる。おい、考え込むなよ。悩む所じゃあないだろう。たかが人間が、何百年? いやもしかすると何千年も生きている奴に勝てるわけないじゃないか。勝てるとしたら、お前しかいないんだよ。聖母竜によって連綿と受け継がれてきた竜の遺伝子を持ったお前しか。

 

まだ微妙に納得していない様子のダイが顔を上げた。

 

「……うん、分かった。どのみち俺がポップより弱いのは確かだもんね。それで、俺はどうすれば良いの?」

 

「別に弱いことはないけど……。まあいいや。話を進めるぞ。どうすれば良いかってとこだけど、なに、特に難しいことはないさ。複数の敵が出てきたら、ダイにはダイのレベルに応じた数の敵を相手取って貰う。俺が一気に敵を全滅させるんじゃあなくてな。ああ、もちろん敵が多すぎたり強すぎたりする時は俺もダイをフォローするからな」

 

「何だ、そんなことか。だったら、俺もその方が良いよ。いつまでもポップに頼っていたら、アバン先生の役割を全部ポップに任せたままになっちゃうし。俺、またポップが手を切って死のうとしたら嫌だしさ」

 

「ばっ!? ――お前、それは言わない約束だろう!」

 

「そんな約束してないよーだ!」

 

約束はしてなくたって、あんな黒歴史みたいな過去は忘れろよ! 馬鹿ダイ!

 

――バッシャーン!!

 

俺達がそんな会話をしていると、急に俺とダイの間から『とつげきうお』が垂直に飛び出してきた。

 

――うぉ! いつの間に! ……え? ……垂直に飛び出してきた? 俺とダイの間から?

 

俺が嫌な予感を覚えて足下に目を移すと、見事に俺達の間にある船の底板が破られており、そこから大量の浸水が始まっていた。

 

「うぉお! 穴が空いているじゃないかよ! ダイ、何で気づかないんだよ!」

 

「そんなの、ポップが警戒していなかったからじゃないか!」

 

「お前が、おかしな事を言い出すからだろう! ダイ、お前降りろ!」

 

「嫌だよ! ポップが降りろよ!」

 

俺達がそんな見苦しい言い争いをしている間にも、船はどんどん傾いていった。

 

「うわ! マジで沈む! が、がぼがぼがぼ……」

 

「う、うわー! ポップ、何とかしてよー! ごぼごぼごぼ……」

 

この後、俺はすんでの所で氷系呪文(ヒャド)の魔法で氷の船を作ることを思いつき、どうにかこの危機を乗り切ることが出来た。

 

その2時間後、俺達はどうにかラインリバー大陸 ロモス王国南にある魔の森近郊の海岸にたどり着いた。

 

今思えば、氷で穴を塞ぐという手もあったなと思うが、その時はパニックでそこまで頭が回らなかった。

 

まあ、済んだことは良い。

 

明日は、この魔の森を探索しつつロモス王国に向かう予定だ。もちろん、その途中であの女性にも会うつもりだ。

 

 

 

~~~翌日~~~

 

 

「――氷系呪文(ヒャド)!」

俺の放った氷系呪文(ヒャド)で、『毒イモムシ』2体が一瞬で凍り付く。そして、空を飛んでいる3体の『人面蝶』のうち、2体を氷系呪文(ヒャダルコ)を唱えて氷の槍で串刺しにする。

 

俺は、残る2体の毒イモムシと1体の人面蝶はダイに任せようと考え、その戦いぶりを眺めることにした。毒イモムシは、その名の通り巨大なイモムシの外見をしている。怖いのは、『毒の息』だ。

これを食らうと毒が体を巡り、徐々に体力が減っていき最終的には力尽きて死んでしまう。人面蝶の方は、大きなモスラのような外見で顔が人間の顔になっている魔物だ。

 

「たー! ――大地斬!」

ダイの大地斬が、毒イモムシの1体の身体を一刀両断する。

 

後は、毒イモムシと人面蝶の1体ずつだけど、地上と空中の両方から攻められるのって地味に対処が難しいんだよな。

 

俺は、ダイはどうするつもりだろうと思ってみていると、咄嗟に近くの木の枝に足をかけ、空中に高く飛び上がった。そして、そのままナイフを人面蝶の腹の部分に突き込んで、地上に引きずり落とした。

 

しかし、そのダイが地上に着地する瞬間を狙って、残る毒イモムシがダイに『毒の息』を吐きかけた。

 

途端にふらふらし始めるダイ。これは危ないな。俺は傍観をやめて、残る1体の毒イモムシに氷系呪文(ヒャド)を放って息の根を止めた。

 

「大丈夫か、ダイ?」

 

俺はダイに駆け寄り、解毒呪文(キアリー)の魔法をかける。この魔法は、毒消し草と同じ効果を発揮する毒を解除する魔法だ。

 

「ありがとう、ポップ。着地を狙われちゃって、避けられなかったよ」

 

「そうだな。着地の瞬間は身動きが取れないからな。今回の場合は、毒イモムシの間合いの外に着地すると良かったな。後は、地上と空中にいる魔物を同時に相手取る時は、死角に入られないように戦闘時の立ち位置を考えないといけないだろうな。戦っていて、きつかっただろう?」

 

「うん。次は、その辺も考えて戦ってみるよ」

 

「ピイー、ピイー」

 

「ゴメちゃん。うん、毒はポップが治療してくれたから大丈夫だよ」

 

ゴメは、ダイの戦闘中俺の肩の上に乗って心配そうに眺めていた。そう、俺達はもうゴメが俺達の旅に付いてきていることに気が付いていた。

いや、俺自身はゴメがダイの鞄に潜んでいることはデルムリン島を出る時から知っていたんだけど、そのうち分かる事だろうと思ってあえてそれをダイに教えたりはしていなかった。

 

ダイがそれに気が付いたのは、海上で船が沈む沈まないの騒ぎをしている最中だった。

あの騒ぎの中、突然ダイの鞄からゴメが飛び出してきたもんだから、ダイもゴメが付いてきていたことに気が付いた格好だった。

まあ、ゴメも鞄の中に潜んでいたら突然海水が入り込んできたもんだから、そりゃあ驚いて飛び出すだろう。

 

「でも、ポップ。ポップの言っていたアバン先生のもう1人の弟子が住んでいるネイル村って、こっちの方角であっているの? そろそろ薄暗くなってきたよ」

 

「うーん。俺もアバン先生から大体の場所を聞いていただけで、実際にこの森に来たのは初めてだからな。あっているはず……としか言えないな」

 

俺はアバン先生から、この森の中にあるネイル村という村に昔指導した女の子がいるという話を以前聞いていた。もちろん、マァムの事である。

 

俺は、原作知識でマァムの事を知っている。

 

ピンク色の髪をしており、胸が大きい活発で優しい女の子という描写だったはずだ。細かな部分は忘れかけているが、胸が大きいと言うことだけはしっかり覚えている。

 

確か、原作ポップがいきなりそのマァムの胸を触ってひっぱたかれていなかったかな? ……俺はそうならないように気をつけよう。原作修正力という言葉もあることだし。いや、フラグじゃないからな、これ。

 

俺は、取り出していたコンパスを鞄にしまいながら周辺を見渡した。今は5の月の終わり頃だ。真夏という訳ではないが、この魔の森と呼ばれている森は、ラインリバー大陸の南の方に位置しているからか、どうにも蒸し暑い。俺はハンカチを取り出して、流れる汗を拭った。

 

「まあ、もう少し進んでみようぜ。少しずつ人が通った痕跡が増えてきているから、そんなに間違った方向には来ていないと思うぞ」

 

「うん、分かった」

 

「ピィー♪」

 

 

 

 

それから1時間ほど俺達は森の中を進んだ。既に日は落ちており、俺達は月明かりを頼りに歩みを進めていた。さすがに、そろそろ今日中にネイル村を見つけるのは諦めて野営の準備を始めようかなと思っていた時だった。

 

「――きゃあー!」

 

女性の悲鳴が遠くの方から聞こえてきた。俺は後ろを付いてきていたダイを一瞬振り返り、目で合図をした。

ダイも同じ考えのようだ。即座に俺達はその悲鳴の上がった場所に走った。

 

見つけた。

 

まだ遠目にだが、1人の女性が木の幹に座り込んでいる。そして、その前には『リカント』か? いや、他にもいるな。『バブルスライム』に、『人面樹』、『キメラ』が複数体というところか。

 

そのリカントが、座り込んだ女性の前で舌なめずりをしている。リカントは、青紫色の毛皮を持つ狼のような見た目をした魔物だ。その強靱な腕を振るわれたら、人間なんかひとたまりも無い。

 

俺は駆けながら、氷系呪文(ヒャド)を唱えた。途端に白い霧状の冷気が俺からリカントに向かって突き進んでいく。

射線上にある植物や地面が、氷系呪文(ヒャド)による余波でたちまち白く凍り付いていく。そして、その冷気がリカントに接触する寸前、奴はこちらに気付き振り返ったが、もう遅い。

 

一瞬でリカントは白い氷の彫像と化した。

 

俺は、直後にこの女性の前に移動した。チラッと女性に目をやると、出血はしていないようだが、何やら顔色が悪いぞ。もしかして、毒か? 

 

俺は前方に注意を払いながら、左手を後ろに突き出し、解毒呪文(キアリー)を唱えた。俺の左手から発せられた緑色の優しい光が女性を包み込む。

うん、やはり毒だったようだ。女性の顔色が途端に良くなってきた。

 

その時、もう1体いたリカントがこちらに突っ込んできた。俺は再び氷系呪文(ヒャド)を唱えようとしたが、直後リカントの側面にダイが蹴りを放ちながら登場したのでやめておいた。

 

残りの魔物は、ダイとやりあっているリカントが1体。それにバブルスライム1体、人面樹1体、キメラが2体というところか。

 

「大丈夫ですか? 毒は癒やせたと思いますが、他にどこかおかしな所はありませんか?」

 

俺は目線を魔物達に向けたまま、背後にいる女性に問いかける。

 

「は、はい。大丈夫です。……助けて頂いてありがとうございます」

女性は、意識がはっきりと戻ってきたようだ。声に力があるようなので、俺は大丈夫と判断した。

 

「では、直ぐにこの魔物達を倒しますので、そのままそこで待っていてください」

 

俺は女性にそう声をかけ、即座に魔法を唱えた。

 

「――氷系呪文(ヒャド)!」

まず狙ったのは、地表にいるバブルスライムだ。こいつは緑色のドロドロした粘性のスライムだ。おそらく、この女性を毒状態にしたのは、こいつだろう。動きが鈍いので、俺のヒャドによって一瞬で凍り付いた。

 

続いて、俺は真空呪文(バギ)の魔法を唱える。人面樹やキメラには、本来火炎呪文が一番効果的なんだが、ここは森の中だ。俺は周囲に引火することを恐れて、真空呪文を選択した。風の刃が人面樹の枝を全て打ち払い、2体のうち1体のキメラは体中を切り刻まれて落下してくる。

 

人面樹は、自分の手とも言える枝が全て切断されたことから、途端に戦意を喪失して逃げていった。

さあ、後はダイと対峙しているリカントとキメラ1体だ。

 

残ったキメラは、ダイの方が与しやすいと考えたのか、リカントとやりあっているダイに攻撃を仕掛ける。

 

俺はキメラだけでも排除しようかと考えたが、ダイが一瞬俺と目を合わせてきた。

その目が、(俺に任せてくれ!)と言っていると確信した俺は、おとなしく静観することにした。

 

キメラが、ダイに氷系呪文(ヒャド)の魔法を放つ。キメラから発せられた冷気が、上空からダイを襲うと同時にリカントがその強靱な腕を振るう。しかし、ダイはその両方の動きをしっかり観ていたようだ。

 

小柄な体格故のスピードを活かし、リカントの股の間を抜けてその背を取った。そして、リカントの背中を蹴りつけ、キメラが発した冷気の中にリカントを飛び込ませる。冷気によるダメージを受けて苦痛の声を上げるリカント。

 

それを余所にダイは、その場で飛び上がりキメラにナイフで切りつける。それは確実に急所をついたらしく、声を上げる暇も無くキメラは地面に落ちた。

 

残るはリカントのみだ。

 

凍傷によって動きが緩慢になったリカントの振るう腕をかいくぐり、ダイはナイフで何度も切りつける。

そして、とうとう限界を迎えたリカントは大地に仰向けに倒れた。

 

うん、完璧な戦い方だったと思う。つい先ほどまで、地上と空中にいる敵を同時に相手取る時の戦い方について課題があったというのに、もうその課題を克服した形だ。

ダイの最大の強みは、この成長力なんだろうな。

 

俺がそんなことを考えていると、突然木の上から声がかけられてきた。

 

「すごいわね、あなた。リカントとキメラを同時に相手して無傷だなんて」

 

そう声をかけながら木から下りてきたのは、1人の若い女の子だった。まだ自己紹介はされていない。だけど、俺は一目見て分かった。

 

……ああ、この子がマァムだと。

 

原作通りの薄いピンク色の髪。頭にはゴーグル。大きな胸。動きやすそうな服装。腰には銃のようなものを吊るしている。そして、大きな胸。

 

あれ? 俺、今2回言ったか?

 

俺が原作の主要メンバーであるマァムに出会えたことを一人感動していると、マァムはダイに向けた感嘆の眼差しから一転して、俺には険しい眼差しを向けてきた。

 

……え? どうして? もしかして大きな胸と2回思ったことがバレた? いや、そんなはずはないよな。

 

マァムは険しい眼差しのまま俺のもとへやってきて、「ちょっとあなた! こんな小さな子供だけ戦わせて、あなたは何をしているのよ!」と詰め寄ってきた。

 

しかし、急に詰め寄られて思わずのけぞった俺は、その場でマァムと一緒にバランスを崩してしまった。

 

「――わっ!」

 

「――きゃっ!」

 

2人して地面に倒れこむ。

 

いてて……。そうか、さっきの氷系呪文(ヒャド)で地面が凍ってたのか。どうりで……。俺はそんな事を思いながら立ち上がろうと右手に力を入れると、妙にフニャフニャと柔らかい感触が……。

 

あれ、なんだ? と思い、その手の先を見ると、そこにはお約束のようにマァムの胸があった。

 

「あ、いや、これは――」

 

「何すんのよ! このスケベ!」

 

その言葉と共に、マァムの強烈な平手が俺の左頬を襲った。

 

俺は遠のく意識の中で、原作修正力って凄いんだなと思っていた。

 

 

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