ありふれてないシノビ達 異世界で覚悟を示す   作:なんとなく考えて書いてみました

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力とは…!!

 

 湖の上を走りながら大和と藤原は、ブルックの町を横目に先に進む。

 

「はぁ、こんな時期に遠藤から離れたく無いんだが」

 

「奥義の暴走とか起こってそうだよね」

 

「確かに、はぁ誰がいなくなったんだっけ?」

 

「清水」

 

「ぁ〜あのいや〜ほぇーふーん」

 

「何が言いたいの?」

 

 大和は藤原の前に立ち止まり、その眼には苛立ちが隠しきれていない。

 

「いやいや何も初々しいなぁ〜と」

 

「死ぬ?」

 

 腕に槍が握られて藤原の首元に槍の穂先がありその先端は少し突き刺さっている。

 

「ハッハッ」

「分かってて言ってるよね、本気で殺すよ」

「分かった。謝罪する。槍を下ろせ」

「ふん、先に行ってる」

 

 突風と共に大和の姿が消え、手で首を抑えた藤原がいる。

 

「はぁ、突っついた事は謝るがその槍はマジで勘弁してほしかったな」

 

 突き刺さった喉からは赤では無く緑の血が地面に流れ落ちる。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 王国から勇者達のために与えられた部屋で4人のシノビが情報の交換をしつつコレからの動きを考えている。

 

「…想定の範囲と言えば範囲ね」 

 

「そうですね。想定では六花は何冊か盗られてると思ってましたけどあなたが調べて一冊だけですか」

 

「そうだな。知る限り一冊だけだ。ま、残りは解放者の住処にあるはずだ」

 

「場所をまとめると樹海、火山、海、洞窟、地下、教会、渓谷、そのうち地下と渓谷は踏破済み残りは5つ、魔族はどこを踏破したんですか?」

 

「魔族が踏破したのは洞窟だ、六花はそこで手に入れたと思われる」

 

「分かった、で!三日月、城戸の精密検査は終わったのか?」

 

 城戸の血や皮膚を試験管に入れ機械の操作をしていた三日月が戻り結果を言う。

 

「結論から言えば、まだ大丈夫だ。と言ってもコイン一つ入れるだけで崩壊しかねない、戦衣装を使わず忍法の使用も抑えとけ」

 

「ふーまだ大丈夫ね、それ聞いて安心したぜ」

 

「これからは二人組(ツーマンセル)で行動しましょう」

 

「そうだな、戦衣装を使ったて事はそれなりの敵が出てくるわけだからな」

 

「私も賛成、単独行動は避けた方が良さそうね」

 

 3人は顔を合わせ城戸を見る

 

「俺の心配か?」

 

「「「シノビガミと戦うんだ肉壁は多いに越した事は無い」」」

 

「はい!ゴミ〜!2度と信じるかこのチーム」

 

 両手を上げて後ろに倒れる城戸

 

「次に魔族が狙うのは何処だと思う?」

 

「…オルクス大迷宮。理由としては1番攻略しやすいからな。次点でグリューエン大火山だ」

 

「じゃあオルクスは終わってるしグリューエンからスタートだね」

 

「私と三日月で行きます。城戸と八雲は遠藤について下さい。何かあった場合直ぐに連絡を」

 

「分かった。いつ出る予定?」

 

「最高でも10日以内には出発したいですが」

 

「今は遠藤のバランスが不安定だ。少なくとも今はまだ見守っておきたい」

 

「だね」

 

「うーん六花断章 ハグレモノねコレも遠藤に頼んだのか?」

 

「して貰ったよ、けどなんの反応も無かった、から、今ハグレモノである私が全力で解こうとしてるとこ」

 

「はぁ、ミレディさんのとこには無かったからなぁ、迷宮にあるって仮説あってるかどうか怪しくなってきたな」

 

「記憶覗いたんでしょ。分からないの?」

 

「ミレディさん達がアレ(エヒト)との決戦に負けた後、シノビ達は最大の敬意を払って別れ、シノビガミとの血戦に行ったからなぁ」

 

「分からない…と」

 

 情報の交換がひと段落すると狙ってたかのようにノックの音が鳴り響く。

 

「どうぞ」

 

「失礼します」

 

 入ってきたのは先程まで遠藤を看ていたリリィ右手のお盆に人数分のカップと甘い匂いのするクッキーが置かれている。

 

「あ!クッキーだ!ありがと〜」

 

「どうぞ。まだ眼を開けないけど浩介は大丈夫なんですよね」

 

「今は疲労で横になってるだけ。暫くしたら目を覚ます、ただ問題は記憶だ」

 

「記憶ですか?」

 

「そうだね。なんせ記憶じゃ私たちを殺そうとしてしまったんだ。どう遠藤が捉えるか、分かり易いでしょ」

 

「忘れさせる事は」

 

「出来ますが。それをした所でどうにもなりません。いつか思い出してしまうんですから」

 

「それじゃあ」

 

「記憶に無い可能性に賭けるか、乗り越える可能性に賭けるかどっちかだ」

 

 彼らはそう言ってクッキーや紅茶を手に取る。

 

 リリィは口を閉じ考えるように腕を組み右手の人差し指を動かす。

 

「分かりました。コレで失礼します。いろいろと考えることができたので」

 

「いい事だ。止まって考えるより動きながら考えた方が効率的だ。それが誰かの為なら自身が思うよりもよく考えることが出来る。それがす

 

「そろそろ師匠面辞めた方がいいですよ、城戸 要さん

 それでは、改めて失礼します」

 

 そう笑顔で言って部屋を去る。

 

 部屋の中は様々な感情が表に出ている。茫然、驚愕、期待、感嘆、次の瞬間城戸の周りが歪み手に持っていたクッキーが砂のように崩れ、笑い出す。

 

「おいおいマジか!嘘だろ!お前ら教えたりしてないよな!」

 

「当たり前でしょ。姓は言っても氏は言うわけが無い」

 

「つまり、調べ上げたってことか私達の眼を掻い潜って。凄いな、久しぶりに鳥肌が立ったぞ」

 

「しかも城戸ですからね。抜き取ったのは」

 

「いや〜遠藤を化け物、化け物言ってたけど充分リリアーナも化け物だな」

 

「前より弱くなってるとは言え情報の分野で城戸を出し抜いた訳だから。いや本当すごいな」

 

「あの感情が全部遠藤にいくとなると…どうなる事やら」

 

「う〜っわ!弟子が俺の想像を超えるとこんなに嬉しくなるのか!ニヤニヤがとまらねぇ」

 

「負けてられません。行きましょう。私達が出来る事を全力で」

 

「だな」「賛成」「勿論」

 

「せめて、統一しません?バラバラだとカッコがつきませんし」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 藤原と大和は愛ちゃん親衛隊に入れておいた分身と合流する事に成功、その後、自分達の特技を使い清水幸利を捜索その中でいくつかの情報を集め北の山脈地帯に入りボロボロになっていた冒険者の集団を救い出し探索を止め町に戻る事に。

 

「ありがとうございます。本当にありがとうございます!」

 

「いえ、大丈夫です。怪我人がいたら助けるコレは当たり前の事ですからお礼はもう必要ないですよ」

(大和どうするこんな事になるとは、お前の情報って嘘だったのか?)

 

「そうですよ。それにそんなに畏まらないで、もっと気楽に接してください」

(分からないけどフードを被った集団が山の中に入ったのは確かだし)

 

「それより早く山を降りて怪我を治さないと急ぎましょう」

(となると単純に間違ったのか、はぁ)

 

「そ、そうですね!早く皆さんを横にさせないと」

 

 ウルに着くと、唯一意識があったクデタも緊張の糸が切れたのか倒れ速攻で町の医者に見せ全員をベッドに寝させ、合流場所である料理屋に足を運ぶ。

 

「あれ?ここってこんな解放的だっけ?」

 

「さぁ?覚えてねぇ。それより清水の方に関しての情報がようやくまとまってきたし明日はあの山を踏破するか」

 

「もし見つからなかったら城戸の力を借りますか嫌だけど」

 

「だな」

 

 明日の予定について話しドアを開けると重っ苦しい雰囲気になっていた。料理を食べていた人達は小刻みに震え、小さい子は涙を浮かべ声を上げず母親の服を掴んで、母親も震えながら「大丈夫よ」と頭を撫でている、2人は思い出す嫌な記憶を。

 

「ンッンみなさん!お待たせしました!旅の手品師FUGI⭐︎ワラの登場で〜す!」

 

 周りの人達は、おっかなびっくり藤原の方に顔を向ける藤原は眼で「早く行ってどうにかしろ」と大和に伝える。

 

 大和は頷きそれを出どころであるVIP席に足を進めるカーテンをして個室にしている中に入る。

 

 中には椅子に座り震えている騎士団員、白目を向いて倒れている人、顔を青ざめ震えているクラスメイト。その中で席に座りこの世界にない筈の銃を持つ白髪の男と金髪とウサ耳女。コイツらか

 

「おいそこの白髪。外で子どもが泣いていた今すぐそれを解いて謝れじゃないとぶん殴るよ」

 

「大和さん…」

 

「畑山先生ちょっと待ってて、今このキチガイと話してるから」

 

「…そうか」

 

 白髪の男、南雲ハジメは、溜息を吐き肩を竦めると〝威圧〟を解いて食事を再開する。

 

 一方、愛ちゃん先生は何故かハジメに話しかけようとしたので大和が割って入り抱きしめて席に座りその上に愛ちゃん先生を乗せる。

 

「や、大和さん!?」

 

「遅くなってごめんね、先生ちょっと人助けしてたら遅くなって藤原なら外で子ども達をあやしてるから後から来るよ。すいませーんいつものお願いしまーす」

 

「そ!そうでわなくて。は、離してください恥ずかしいですから!」

 

「ダメだよ〜。先生あのキチガイと話そうとしたでしょ。優しいのは良い事だけど、頭がイカれてる人には、イカれてる考えがあってイカれてる奴らは自然と惹かれ合う。こんな奴と話すのは辞めといた方が良い、コレは私の為とかじゃなく先生の為だから」

 

「そうだな、そいつの言うとおりだ俺はたまたま会っただけ。このままメシ食ったら大人しく宿に戻るさ」

 

「どうして……」

 

「ん?畑山先生なんで悲しむの?いくら優しいからってこんな見ず知らずの人を」

 

「見ず知らずの人ではありません!南雲君は私の大切な生徒です!」

 

 大和の拘束を抜けてハジメの方を向く。

 

「なぐも?誰それ?そんな奴クラスにいた?」

 

「え?」

 

「南雲君です、南雲ハジメ君です。クラスメイトですよ!」

 

「ん〜?」

 

 その場にいたクラスメイトからも愛ちゃん先生からも驚きの眼で見られる。

 

 大和は首を傾け思い出そうとしているが出て来ないのか、ハテナマークを頭に浮かべる。

 

「ん〜、私のクラスにこんな厨二病患った人なんていたかな」

 

「ヴッ」

 

「ハジメ!?」

 

「草薙が穴だらけになった原因だよ」

 

「あー!!あー?うっすらとぉ〜ダメだね本当にいたぁ?」

 

 カーテンを開け藤原が中に入ってくるハジメを一瞥した後

 

「隻腕の魔王とか呼ばれてそう。すみません肉お願いします」

 

「グァ」

 

「ハジメさん!?」

 

 胸を抑え倒れるハジメにユエとシアが寄り添いラブコメチックな雰囲気を出しその場にいるシノビを除いた全員は目を白黒させる。

 

「そんな事より、清水の情報なんかあった?」

 

「…え?い、いや特に無かったけど」

 

「そっか。となると北の山脈に目星をつけてって感じかな」

 

「だな、アイツらによればそれぽっい服を着た奴がいたって言ってたからな」

 

「うーんこのままサッサっと行きたいんだけどなぁ、多分いるよね?」

 

「まぁほぼ99.9%の確率で」

 

「うぼぁ」

 

 運ばれてきた骨付き肉を骨ごと噛み砕きながら、汁が赤くグツグツと煮込まれた激辛を口の中にいれてじっくり堪能しながらその場の空気を無視して明日の話をする2人。

 

 向こうではハジメの周りの女性について銃について話し合っている。が何やら揉めているらしい。

 

 暫くして藤原が3本目に突入、大和の1杯目が終わろうとした時、ハジメは席を立ちユエ、シアを連れて2階に上がって行った。

 

 他のクラスメイトも皆一様に沈んだ表情で、その日は解散となった。

 

「…ねぇ彼、謝らなかったね〜」

 

「そうゆう考えなんだろ、俺さえ良ければそれで良い邪魔する奴は誰であれぶっ殺すって言う。ありきたりでありふれたくだらねぇ奴だ」

 

「うーん」

 

「辞めとけ、辞めとけ、面倒くさくなるだけだ」

 

「でも先生多分ついていくよね」

 

「あー、…はぁあの人には恩がある仕方ないか」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 今私は新しく浩介が好きな紅茶をお菓子を本を用意して部屋に戻る。

 

 国に与えられた部屋は今私の分身が変化して使っているので浩介は私の部屋で寝かせている。

 

 数日は寝たままであり揺らしても起きる気配は無く、ついさっき何の前触れもなく眼を覚ました。

 

 寝起きは眼をシパシパとさせ私がいることがわかったら驚いてベッドから落ちそうになって面白かった。

 

 寝顔は年相応いや、もっと幼く見えほっぺをつつくと少しだけ不機嫌そうになるのが可愛い。

 

 からかうと顔を赤くして恥ずかしがるのが愛おしい。

 

 出来ることが増えると笑顔で私に話しかけてくるのが愛くるしい。

 

 髪に隠れて時々しか見えなかった眼はドキドキした。

 

 今の髪を切った姿で微笑んで私を見た時はカッコよかった。

 

 真剣に話を聞く横顔は凛々しく綺麗だった。

 

 寝ていた彼も良かったけど起きて話す内容も決まってないけど2人でどこかに

 

「あーダメ、私、私はこの世界の住人、彼は別の世界の住人なんだから彼が欲しいなんて考えるなぁ〜〜よし!行きますか」

 

 片手で頬を叩き考えをリセットしてドアを開ける。

 

「おはようございます。浩介、気分はどうです?」

 

「うん大丈夫、むしろ寝過ぎて頭が重いよ」

 

「ふふ、よく寝てましたからね」

 

 遠藤は椅子に座り窓から入る太陽の光に当たってボーっとしている。

 

「ご飯は重いので軽いお菓子とか待ってきました」

 

「ありがとう」

 

 はにかみながらお菓子を食べ始めるが少ししてまた上の空になる。

 

「どうかしましたか?すごいボーッとしてますけど」

 

「うん、じ実はさ多分だけど掴めた…んだと思う俺の奥義の概念」

 

「ほんとですか!…それはよかったずっと悩んでましたからね。けど2度とあんな事はしないで下さいね。さっきも言いましたが1週間近く寝てたんですから」

 

「は、はい。それは本当にすいません」

 

「ふー、まぁ良いですけど、それで何が気になってるんです?」

 

「あはは、やっぱりわかる?」

 

「わかりやすいですからね。それだけじゃないことぐらいは、話してくれますか?」

 

 眼を下に向いて考えている前髪が眼を隠していた時の浩介の癖、話す内容に戸惑いを感じる時の。

 

「俺さ、見たんだ気を失ってる時に昔の出来事で何が起きたのかは分からないけど、一つの国を滅ぼしたシノビの姿を」

 

「まぁ居るでしょうね。それぐらいの力は今の私達も、持っています」

 

「うんだからさもっと上手く使えるようにならないとなって」

 

「力を持つ者の責務ですね」

 

 その眼には、覚悟と薄っすらとある恐怖、自分の力が暴走して見た惨劇を引き起こしてしまわないかと言う恐怖。

 

「ふふ大丈夫ですよ。その時は私が止めて差し上げます。絶対に被害なんて出させませんから安心してください。なんせ貴方より早くその概念に踏み込んだんですから」

 

「む!いや俺のは強すぎたから至るのが遅くなっただけで負けてないよ」

 

「ん?負け犬の遠吠えですか。どうぞどうぞ幾らでも吠えて下さい。紅茶が美味しくなります」

 

「ぐっ、な、なんか性格が城戸に似てきたよね」

 

「!?ゲッホ、ケッホ」

 

 気管に紅茶が入り盛大にむせる。

 

「大丈夫!?」

 

「い、いや大丈夫です」

 

「ご、ごめん流石に言い過ぎた」

 

「いいえ、私の方こそ」

 

「「…」」

 

 互いに顔を見合わせて数秒沈黙が漂い変な空気になるが。

 

「ぷふふふふ」

「くくくくく」

 

「「あはははははは」」

 

 同じタイミングで笑い始めた。

 

「うん、もし俺が暴走した時はお願いするね。リリィ」

 

「ええ、お任せ下さい。女王として、友として、誓いましょう。浩介」

 

 




「ふふ、本体とのリンクがあるせいでずっと悪夢見てました」
【同居人がずっと唸ってて寝付けなかった】

【「シノビコソコソばなし〜」】

「というわけで少し寝ます」
【待て待て待て、寝たいのはこっちなんだが?】
「いや殆ど寝た気がしなくてようやく本体が起きたのでゆっくり寝れそうなんですよ」
【それは私もだが?】
「なら今回はもうコレで終わりにしましょう」
【だな】

【「次回 上級妖魔…?」】

「すー」
【zzz】
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