ありふれてないシノビ達 異世界で覚悟を示す 作:なんとなく考えて書いてみました
渦巻く砂嵐の中、周囲には魔物の死体が山積みになったものがいくつもあり1人の青年がまた新たな死体の山を作り上げ眼下に膝をついて三日月を見上げる魔族を見下ろす。
「妖魔を創り上げた事は素直に評価する。俺も長年研究していたが失敗作しか創れなかった。が、もう解析は終わった。まだ何かあるかい?あるなら是非見せてくれ。君らが先ほど魅せてくれた。二つの流派を組み合わせた忍術でも良いぞ。…………ただ、もうないと言うなら、、、殺して良いか?」
大砂漠その熱波は、40度を超えるだがその瞬間確実にマイナスまで下がり。手が足が口が震えだす。
「折れるなぁ!!貴様らぁ!!折れた瞬間俺たちは死ぬ!!実力が上なのは知っていただろ!!人数はこちらの方が上!!あいつだって体力が無限に有る訳じゃない!!諦めるなぁ!!まだフリード様が戦ってるんだぞ!!諦めるなぁ!!」
「「「うぉぉぉぉぉ!!!!」」」
体中ボロボロ血が流れ武器が折れている人も何人もいるがその眼には闘志が宿っている。
「闘志だけで何とかなるほど俺が弱いと思っているのか?」
その瞬間、頭上から一つの影が落ちてきて砂煙を上げる。
煙がはれ、ボロボロだが笑っているフリードが出て来る。
「思ってないさ、何一つ技術、肉体、精神その全てが俺達を遥かに凌駕している。だからこそ
「フリード様!!」
「中々良い啖呵だった、思わず笑顔が出るほどな」
「それは、良かったですね」
突如空が暗くなり大量の赤い血が降り注ぐ、10を超える竜の死体が空から落ちて来る。
「来たか」
カツカツ、と空の怪段を降りてくる。草薙の服、刀には血の一滴もついておらず、呼吸も乱れていない、冷徹に冷静にその眼は眼下にいる。魔族に降り注ぐ。
「はは、もう暫く空の旅を楽しんでいても良いと思いますよ」
「どんな旅も1人より2人と人が多いい方が楽しいですから。誘いに来ましたよ」
「、、、うーんすみません生理的にちょっと」
「ぶははははははは!!!振られてやんの!!!なにしやがる!」
三日月の太ももにクナイが刺さった。
笑い声が無くなり互いに一触即発、指の動きひとつ見逃さない程の集中その時
ボバッ! と、そんな音を立てて砂嵐を抜け出した車が出て来た。
第三者の介入により戦場に生まれた、状況を把握する為の空白の時間
だが、彼女達に言葉は要らなかった。
「フリード様!女が消えました!」
「ここは任せる!私は、迷宮に行く!!」
妖魔を展開する為に取り出した一枚の紙を起動するがトス、と言う軽い音と共にフリードの体を一本の剣が貫いた。
「絡繰術 機忍 ハグレモノ 彷徨」
神出鬼没の超技。実はすでにそこにいた。
三日月は力を込めそのまま刀で斬り裂くが
「血霞」
一瞬だけ自らの体を血の霧に変え、敵をとらえる。
「隠忍の血統
三日月は分身を踏み台にその場から離脱、残された分身は両手両足を拘束され首を切られ崩れる。
「フリード様!」
「問題ない、先程と変わらんここは任せたぞ」
「「「は!」」」
竜に乗り空に高く羽ばたき草薙の後を追う。
「草薙、、、さて邪魔者は居なくなったな。鞍馬神流 神槍!」
手から刀を落とし右足で蹴り抜くそれは神速を超え集団を襲う。
「「「鞍馬神流 神槍!」」」
互いの神速の刺突がぶつかり合い周囲に大量の砂煙があがる。
「ふふふあははははは、やはりすごいな君らは!見てくれよこれ!ぼろぼろだ!!」
煙が晴れると其処には神槍を打ち出した足は砕け口からは血を吐く、満身創痍の三日月が出て来る。
「神槍は相打ちのはず、どういう」
「知りたいか、なら教えてやる。今は六大流派とされている。斜歯忍軍、鞍馬神流、ハグレモノ、隠忍の血統、比良坂機関、私立御斎学園、何故分けられているかそれは、互いの技術の拒絶反応だ!!ゴホッゲッホ」
咳とともに血も流れ出すが彼の話は止まらない
「それを今俺が体験している。体はボロボロ足はイカれた頭は釘が刺さりハンマーで殴られている様に痛い!
だが、何事にも当然例外はある、斜歯忍軍では機忍を作り上げ無理やり他流派の技を使える様にした。他では無理やり血を混ぜ込んだり、装備を強奪し代償を払い使える様にした。がだ、君らのその技術は何なんだ!ノーリスクで他流派を使用して、挙げ句の果てに他流派同士の忍術を組み合わせ奥義に近づけた!素晴らしい!!是非君らについて知りたい!!だから、、本気で行こう」
立ち上がり腕を伸ばす。緩慢な動作だが誰1人動く事ができず、それを眺めいた。
「もうすでに奴はボロボロだ!今!攻めろ!!」
叫びにも似た声が響き金縛りが解けたかの様に槍をつがえ、剣を持ち、魔法を構える。
だが
それより速く、三日月は動いた。
「奥義 範囲攻撃 絡繰術 超電磁砲」
それは、まさしく光の波濤。
闇を引き裂く光の一閃は、直線的な軌道を描く
進行方向にあるものは、何一つ残らない。
絶対不可避。音速を凌駕して亜光速にまで達した爆光が、砂漠の荒野を飲み込み。巨大渦巻く砂嵐を吹き飛ばす。
時を少し戻す
三日月 ◼️◼️
機械を扱うのが得意でよく教師や同級生から何かあった時に頼りにされていたし以前は、故障したエアコンを数分で直していたのも見た事がある。友達もそれなりにいて常に物事の中心的存在では無かったものの、一歩後ろで楽しく話をしていたのを覚えている。
「怪物…2人ともそれから最も遠い存在と思うけど、むしろあなた達の方が怪物っぽいわよ」
そのことを伝えると、八雲達は引き攣った笑みを浮かべどうしたものかと手元にあるお菓子を食べる。
「まぁ、何が言いたいか分かるよ私も最初それで騙された立場だし」
「厄介なことに、彼は自身がイカれていることを知ってる、故に普通の振る舞い方を理解し、その異常性を隠す事ができてきた」
「アイツは観るもの全てに理を見つけ、その手からは理を創り上げる。幻を現に空想を現実にその為なら人体実験したり、シノビの力を使い法を破ることさえ厭わなかった」
「第一級殺人罪、第二級殺人罪、暴行罪、傷害罪、共謀罪、証拠隠滅罪、誘拐拉致監禁罪、死体損壊罪、死体遺棄罪、その他諸々、、」
「…なら彼がこの場にいるのは超法規的措置ってことか?」
「彼が殺して来た人間の殆どが第一級犯罪者でありシノビガミを復活させようとしていた裏切り者達だった、、だから彼は無実ね。実際彼が殺した人は裏切り者だけだったし
……けどそれは建前、本音は、彼が創り出す道具は対シノビガミ兵器として有用だったから」
「三日月の根幹にあるのは、自身の興味を満たしたいだけ、その為なら人体実験すら厭わない」
「生まれつき罪悪感と言うものを感じない、人を騙しても殺しても何も感じることはない。純粋悪の人のフリをしてる怪物だ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
バチバチッ
砂を踏み締めながら未だ放電している右腕を無視してプレゼントをもらう子どものようにスキップしながら進む。
辿り着き周囲を見渡すといまだ帯電し意識を飛ばしている魔族たち、だが中には気絶してもこの場を通すまいと三日月の足を掴む魔族もいる。
掴まれた手を踏み潰し、意識の無い魔族の前で話しかける。
「安心して良い、君らはしっかりと足止めの役割は果たせる、なにせ30人近く居るんだ。サンプルは多いに越したことはない」
熱を排出する音とともに右腕が落ちる、衣装術で偽装していた皮膚が剥がれ落ち金属色の肌が見える、神槍を放った右足からは未だ絶え間なく血が流れ激痛で死の危険を訴えているが、気にする事なく汗を拭い笑顔で魔族を集める。
その姿は間違いなく人の皮を被った怪物だ。
グリューエン大火山の火口近くマグマが煮えたぎり皮膚が焼けそうになる程熱い
(もうすでにあの女は迷宮内にいる、最短ルートを行ったとしてシノビで有る彼女に追いつけるかいや無理だ。なら無理だと言われた最短ルートで五分五分に持っていく!)
「白竜、ここで良い後は言った通りに頼むぞ」
相棒にそう言い深呼吸を2、3回したのちマグマに飛び込む。
一方、先に迷宮に入る事ができた草薙が選択したルートは、真っ直ぐ走る。
(呑気にマップを作ってる暇はありません。稼げた数秒これを有利に使わせて貰います。)
刀を鞘に納め、懐からクナイを一本取り出し走る。
壁があるなら突き進み、マグマがあるなら斬り進み、くしもフリードと同じ最短ルートを選択した。
ドガン!
迷宮の最奥静かな空間に鳴り響いた2つの音
「追い付いたぞ!」
上から落ちて来たからこそ先に、横からマグマを斬り裂き現れた草薙を視認することに成功したフリードはそのまま攻撃を仕掛ける。
「私立御斎学園 特別教室」
だが、三日月の情報で上から来ることを知っていた草薙は、一手早く行動を終えていた。
「しまっ」
地面から湧き出た光にフリードと草薙は飲み込まれ、人が居なくなった空間に瓦礫が落ち砕ける音が周辺に響き渡った。
「それが三日月なら草薙は一体どんな怪物なの?」
「まず、3人にとって草薙ってどんな人間に写ってる?」
「えっと」
3人は顔を見合わせ考える、八重樫と天之川は学校生活で見た感じた事。リリアーナは、シノビとして会ってみて城内で聞く彼女の評価。
草薙 ◾️◾️
誰とでも分け隔てなく接し教師、他クラス、多学年にとどまらず地域住民ですら彼女のことを知っており、面倒見が良く相談に乗り真剣にアドバイスしている所をよく見た。そのせいか一時期休みの時間に長蛇の列が出来ていた。それはここ、異世界でも変わらず恋愛相談から政治について仕事環境についてなど多岐に渡り様々な階級の人が彼女に話しているのを見た。
「優しくて他人に寛容で親切で人を疑う事がなく他人に尽くす人で性善説を心の底から信じてる、超がつくほどのお人好し。おおかたそんなとこだろ。言いたい事は」
「違いますか?」
「俺も同じだけど」
「まぁ普通に過ごしていたら気づかないのは無理もない。どちらかといえばリリィなら分かりやすかもね」
「わかるの?」
全員の視線がリリアーナに向く。
右手の親指の爪を唇にあて思い返すため眼を閉じる。
(彼女の行動、私が見て感じた事まず、王様との会談での1ヶ月の考える時間を作った事、次、知りたがっていた浩介をシノビに勧誘、1人での修行に限界を感じていた私に同じく修行の成果を確かめたかった浩介を当てた、次仲違いした彼らをまとめる、王宮内では、多くのクラスメイトたちの信頼をされていた。貴族内の評価も高く南雲さんの悪口を言った貴族を一言で没落させてる。
「……恐らく、無自覚での催眠に似た何かを使っているのでは?」
「正解!
って言いたいけど少し違う催眠をしてるわけじゃ無く、彼女は「ただその人の言葉に真摯に耳を傾けて話しを聞いてるだけ」だそうだ」
「「「???」」」
「憶測だが、草薙は人の心の声を本心を聴くことが出来る。聞こえてしまうが故に草薙は、応えてしまうなぜなら」
「「「超がつくほどのお人好し」」」
「そう、だから洗脳じゃ無い彼らは草薙に話したい事を話しているだけ。その事を知り彼女が答えているだけ」
「、、それだけですか。それだけでこれ程の影響力を手に入れたと」
「もし俺らが草薙と一対一での話し合いをするってなると1分以内に終わらせる。
何故ならそれ以上話すと国家機密の事から心の奥の奥、誰にも話さないと約束した友達との言葉も話しそうになる」
「そんなことあるがあるの?」
「ふふ、そう。そんなことがあるの。わかってきた?彼女の異常性、
「草薙は、正しさの奴隷じゃ無い、人間誰しもこうありたいこうなりたい理想が有るそれは大抵成長するにつれ挫折を積み重ね消えていく。だがアイツを見ると話すと期待してしまうんだ、自分も今からでもこうなれるんじゃないかと、目指せるんじゃないかと、その光に群がって次第にその数を増やし、、、いや辞めておこう、まぁとにかく正しさが服を着てあるき、正しき言葉を吐き出し、正しい心を埋め込んで、まさしく誰もが求める正しさの怪物だ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
木造建築を主体とした作りだがそこそこの広さ、1番前には一つだけだが、そこから一つ一つ列をなし合計40台の机が並んでいる。その机を挟んだ両壁で2人は睨み合っていた。
「あなたは、私達と争いたく無いんですね」
「は?」
武器を下ろしてこちらに歩み寄る、
「来るな!」
底知れぬ恐怖と共に放つ鞍馬神流 神槍だが敵地着弾する前に消える。
「なっ!」
「無駄です。ここでは戦闘は禁止されています。無論、私もあなたに攻撃は出来ません。もし出来てしまった場合にはペナルティを受けます。逃げる方法は一つこの空間からの脱出することだけです」
先程から振るう剣も全て見えない壁により弾かれる。
「…どうやら本当のようだな。で、ここに連れてきた理由はなんだ」
「話をしませんか」
「こちらには何一つないそもそも我らが王の敵の「私達はシノビガミを倒した実績があります」っ!?」
「彼らから魔族のシノビについて報告を受けた時少しだけ違和感を覚えました。そしてその違和感はあなた方にあった時確信に変わりました」
光を背に受けている為、逆光となり彼女の表情は窺えないだがその眼は爛々とこちらを見て、誰にも話してない秘密を簡単にこじ開ける。
「魔王はシノビガミに操られているのですね」
反射だった、すぐに否定の言葉を
「何を言って「突然倒れ数日経って目が覚めたら性格が変わっていた、か、確かにシノビガミなら簡単にできるでしょうね。トップをいきなり狙うのはシノビガミらしく無いけど…」
「訳のわからない事を抜かすな!」
バレてる!?何故!その事を知るのは俺を含めて2人だけ、2人が裏切るはず無い、王国の王女か、王子かあの帝国の戦争バカかどちらいや今は、
「どちらでも無いです。私があなたと話して知った情報です」
心を読むのか!?
「どうされました?顔色が悪くなってますけど」
いや心を読んでる訳でわ無いの、、か、、、いやその前に
「本当、、なのか、シノビガミを討伐したのは?」
「えぇ、私の魂に誓って嘘はついてないと言わせて貰います。もちろんあなたが信じられないというなら手を取ってみて下さい」
出された手に悪意は無い、あるのは誠意のみ
ゆっくりと出された手を握り返す。
「あ」
「あ?」
「すみません。想像の倍以上キツかなるかも」
突然脳裏に流れ込む存在しない記憶、すぐ手を離すが途切れず脳を焼く
「あァ゛??」
痛みが無くなり眼を開き周囲を見渡す、さっきまでの部屋が無くなり、多くの武器が地面に刺さり人が怪物が血を流し屍となっている荒野で対面している、6個の影と膝をつく1つの影、互いに血が流れボロボロだが、何があったか分からないし、知らないだが膝をつく影はシノビガミであり見下す6人のうちに先ほど見た2人がいるのがわかる。
理解した途端、蜃気楼のように消え教室と草薙が現れる。
「どうでした?」
その眼は、問い掛けるように
「…ひとつ聞きたい俺達がシノビガミと戦って勝てるか」
「無理ですね」
即答だった。
そしてフリードは納得したように理解したように椅子に座る。
(いいのか、言ってしまって。だが彼等は異世界からの勇者、カトレアからの報告ではシノビガミを相手に圧倒していたのは知っている。だが…だが‥)
「お願いだ。魔王様を救ってくれないか」
「分かりました。ともに頑張りましょう」
同じく即答だった。
迷うことなく躊躇うことなく、
口だけの約束、裏切る可能性もある
だが彼女の姿を見てその考えは捨てる
「はは、少しは考えたりしないのか。もし俺が裏切ったりしたらとか」
「それは正しく無いから」
「え?」
「正義とか悪だとか人として大切な事とか正直私はどうでもいいと思ってます。だって、人は平気で嘘を吐きますし、厚顔無恥で自身の行いを悪だと言わない、上に居る人ほどクソが詰まってる。勝者が正義、敗者が悪、なんていう人もいる。だから私は、私の正しさに従い行動します。だから、私はあなたを信じます」
正しさに従い動き続け、その過程で裏切られても、見捨てられても、騙されても、
やがて彼女の元に光を求め人が集まり数を増やし彼女の光に焼かれ多くのシノビが命を落としていった。
彼女の光は余りにも強すぎた。そう、太陽に近づき翼を焼かれ死んだイカロスのように。
だが、この事件の後、いつもと変わらず正しさを示し続ける彼女を見た事により証明されたことになる。
仙猫さん ネビロスさん 神無月朔夜さん クウガゼロワンさん 自分に何ができるかさんお気に入り登録ありがとうございます!
引き続きお楽しみ下さい。