ありふれてないシノビ達 異世界で覚悟を示す 作:なんとなく考えて書いてみました
「以上が俺たちについてだ」
「あからさまに自分達について隠しましたよね」
「まぁ答えると言ったが、全部答えるつもりはない。あとは、自分らで見つけていけ」
「以上か?これ以上は「まだあります」…なんだ?」
手を上げた八重樫その顔には
「教えて下さい、私のクラスメイトの遠藤浩介は一体何者なんですか」
彼等は口を閉ざした。
口に手を当てて考えるように、
苦虫を潰したように、
流し眼で眼を逸らして、
頭をたたいて思い出すように、
自然と眼が集まった、彼等の中で最も情報を扱う人物に
城戸はゆっくりと口を開く。
「分からん」
…………
「「「は??」」」
「いや、ほんっっっと、に分からん、何でシノビガミに取り憑かれた?なんで自我を保ててる?当然調べたよ。
まず血筋を調べた、八重樫みたいに何かの特異性がないか。結果無かった。
ならば天之川みたく何かしらの異能の持ち主か、ただ影がすごい薄いだけで何も無かった。
シノビの家系かと資料を漁って見て遠藤の家はどこにも記載されてなかった。
仮説はいくらでも建てれた、だがそれが正しいと言える確信は無い。
俺らは一年近く遠藤について探って見た結果、分からないということがわかった。
けど、、、遠藤浩介は味方だ。それさえ分かってれば、まぁ大丈夫だろ」
「んぐ…それ、言われるとなぁ〜そうなんだけどなぁ〜そうなんだけどよ〜」
「あはは、、そうね。質問した私が言うのも何だけど色々と情報が複雑で」
天之川は頭を覆い机に突っ伏しそれを横目で見つつ頬をかく八重樫、一歩後ろで静かに遠藤について考えているリリアーナ
その中で、突如金属がぶつかる物々しい音が鳴り響きリリアーナ達の思考が止まる。
音の原因は城戸が取り出したスマホ、タッチパネルを触り音を止めると光が立ち上がりしばらくの沈黙ののち草薙が出て来る。
「定期連絡です。そちらの状況を教えて下さい」
「八重樫と天之川が使えるから色々と教えてるとこだ」
「ほんとですか!流石ですね!お2人の精神は普通の人と違いますからきっと強くなります。授業の内容はどんな感じですか」
「後ろ向いて自分の目で確かめて」
180度回転し八重樫達の方に向き眼を見開き頭の先からじっくりと観察する。
「なるほど、魔眼は抑えれてるし、液体も操れていますね、素晴らしいです!」
「あ、ありがと。けどまだ満足はできてない。もっと強くならないとね」
「だな」
「えぇ、そうですね、その調子で一歩ずつけれど確実に進みましょう。幸いお2人の前には目標となる強さを持つ彼等がいます。これ以上に強くなるのに最適な環境はありません。頑張って下さい!」
「はい!」
「あぁ!」
「で、そっちから何か連絡事項はあるか?」
盛り上がってきた雰囲気を台無しにするような冷えた声色で話しかけた城戸に「ないわ〜」という視線が突き刺さるが、草薙達はそれが平常運転といった感じでスルーしている。
「通信が使える時間は限られている、効率よく、情報を、伝達しろ」
「私達は計画通りに次の迷宮に挑みます。あと、フリードという魔族に私の名前を伝えて下さい。そうしたら、断章が2冊手に入ります」
「…分かった。他は」
「えーと、南雲くん達と合流して彼のお嫁さん達から鍛えて欲しいと要望があったので鍛えてるところです」
「はぁ??何無駄なことやってんだ。とっとと戻ってこい」
「無駄か無駄では無いか、それは私が判断します。それに、彼女達のその意志は少なくとも尊ぶべき物であり、あなたがとやかく言えることではありません」
「ゼロに何かけても変わらない、お前が今やってるのはそれだ、言い換える無意味な事してないで意味のある事をしろ、、、」
「貴方こそ、意味のある事をしては?出来ることなんて情報収集しか無いのに、未だ居所も掴めてないのに、のんびりとして、、、」
「「……あ゛ぁ??」」
比較的に温厚であり、怒っている姿もイラついている姿も見たことの無い2人が、正面きってぶつかりかけている。
が、2人の間に藤原の獣化した尻尾が挟まり彼女達の思考が停止する。
「時間は有限、効率良く、だ」
言葉を発した大和は手を草薙の頭に乗せ万力の力を込める。
「なにしや!っいだだだだ!!!!」
数秒、声を上げ続けたが最後には白目を剥き力無く床に倒れる、彼等は何事も無かったように話を続ける。
「で、そいつらは使えるのか?」
「…それは」
「せめて使えるようにしろ、じゃなきゃ俺らも庇いようがなねぇ」
「はい、、、分かりました。あ!危なかった魔族と同盟を組んだので、魔族と戦わ」
話の途中でノイズが走り通話が切れる、
「…と、いう事だリリアーナすまないが魔族との戦いに参加はできそうに無い」
「平気です。元々貴方達転移者にこの戦争に参加させるつもりはありませんから、それでは失礼します」
リリアーナが立ち上がり部屋から出ようとすると、気絶から回復した城戸が復活し呼び止める。
「待て、まだ断章のことについて聞けてないぞ」
「あぁ、そう言えばそうでしたね。その断章ですが………」
「「「「はぁ!?!?」」」」
太陽の光がギラギラと砂浜を焼く中で道を歩けば目を惹きつける美人たちが目にも毒な水着を着て無様に、大量の汗をかき荒い呼吸をして、打ち上げられた魚のように倒れている。
その中で黒色の長袖、長ズボンを着込み見るからに暑い格好をしているが、その体に汗ひとつ欠いておらず涼しい顔してスマホを見ている。
仲間からの苦言、それは当然のことだった。ただでさえ自分達は時間が無い、八重樫や天之川の2人も時間がかかるようなら切り捨てていた。
なのにも関わらず自分勝手な考えで彼女達を育成する、仲間の都合も考えず独断専行、正直なところ城戸以外の全員からの罵倒も覚悟していた。
帰ってきた返答は、「しっかりやれ」ならばこれは、答えなくてはいけない、彼女たちの成長を持って無駄ではなかったと証明しなくては。
「さぁ、立って下さい。まだノルマの1割しかこなせていません。皆んなには才能が無い、尖った何かも無い、特別と言えるものも無い、だからする事はただひとつ、ただひたすらに、私の課題を死に物狂いでこなすことです。そしたら、扉を見ることくらいはできると思います」
息荒々しく立ち上がり、草薙に向かって殺気を放つが、眼の前から消える砂煙も出ない魔力も感じない。
「またこれですか!背中お願いします!」
「うむ妾の背中は任せたぞシア」
「…香織!」
「、ユエ!」
互いの背中を合わせ、自身の死角を無くし武器を魔法を構えるが、
「そうじゃ、ありません!!」
横からの強襲、気付いたら吹き飛ばされていた、横に吹き飛ばされてようやく自分に何が起きたか理解する。
「何度繰り返したら分かるんですか。考えて下さい、ただひたすらにどうしたらいいか、どうするべきなのか、何も無い自分達にどうしたっ!」
涼しい顔でけれども激情的に、彼女達に説教を始める時に、草薙が消え頭があった地点にシアのドリュッケンが通り過ぎる
「クソです!」
「黙って不意打ちしたのは評価する。それ以上にほんの少しですけど、理解したみたいですね」
シアの背後に立ち回し蹴りを喰らわせ海の方に吹き飛ばす、それを見たティオが先回りし受け止め、すぐに反撃できる体制を整える。
「そうです!それこそ貴方達が私達、圧倒的強者に一泡吹かせ、その寝首を掻き切る可能性が出て来る、人数差によるゴリ押し!
絆や愛などさまざま言い方はありますが、互いを信じて背中を任せる、これはできて当然のことなんです。ちゃんとできる人たちなら、声を掛けなくても、アイコンタクトなんかしなくても、味方がどう動くのか、なんて考える必要がないんです。だって自分の体を動かすのに深く考えたりなんてないでしょう?」
「理屈はともかく、何をしたらいいのか理解することはできたのじゃ、あとは、頭と体に覚えさせるだけ、落ち着いて行くぞ」
「やったるっす!」
「ふっ、いいねその調子です。…さて、2人は宴会芸でもやってるんですか?やってるんですね」
草薙の眼の前には、くんずほぐれずに絡まった白崎とユエがいる。
「お互いに言いたいことがあるのはわかります。けれど教えを乞うてきたのはそちらです。そんなくだらないことに、時間を使わせるんならこちらにも考えがあります」
「ちがう、こいつが鈍いから」
「えぇ!?そっちが先に私の足踏んできたんでしょ!」
「安心していいです、心の底から協力したくない人がいると言うことは、私にもわかります。ですが、人は大人になるに連れてそんな人とも付き合って行ける技術があります」
取り出したのはそれなりの長さがある荒縄、先の方で輪っかを作りカウボーイのように回し始めた。
「まっ、待って分かった、協力するから止まって」
「そう!ちゃんとユエと協力するから草薙ちゃん待って」
「その気持ちがもっと早く出てきたら考えてまし、、た!」
姿が消え太陽照りつける砂浜で心地よい涼しい風が2人を過ぎ去る、
「「いったぁぁぁ!??」」
ユエと白崎の両手と両足、そして首が繋がっており、締め付けられる痛みで膝から崩れ落ちる。
「お互いの考えが違った場合さらにキツく絞まっていきます。それじゃ続きをしましょう。速さも力も上げて行きます。ついて来なかったら置いて行きます。迷宮攻略まで修行を続けます」
鈍い音が部屋に鳴り響き音の発生源である南雲は、頭を抑え転がる、それを見ながら三日月はため息を吐いて机や椅子の上、床にまでばら撒かれている機械を片付けている。
「いってぇぇぇ!」
「こっちを見ろ」
「分かってる!」
「なら早く始めるぞ」
三日月の手には南雲の手によって砕け散った三日月の義手、対する南雲の手には同じく三日月の手によりバラバラになった南雲の義手がある。
「よーい、、、スタート」
合図と同時に南雲は義手を作り直し始める、
(三日月の腕の部品の幾つかは、錬成して床の素材にした、部品がなければどんだけ速かろうと部品がなければ完成しな
「完成」
「え?」
南雲の顔が冷たい五指に掴まれ、視界を塞がれ鞭をし鳴らせるように体を空中に浮かせ床に叩き付ける。
「があっゲホッ、ゴッホ、、何っでどうやって」
「それは部品が無いのにどうやってってことかい?安心しろ、この通り傷ひとつないから」
見せるその腕は三日月の言う通り傷ひとつない、新品と見間違うほど綺麗だった。
「…もう一度だ」
「いいよ」
机を挟み互いの義手を取り外しゆっくりと机の中心に置き交換する。
そして、三日月は握り潰して南雲は錬成を使い壊して再び交換する。
お互いの手元には、破壊された自身の腕が用意された。
三日月は腕を机の上に乗せる。
南雲は、
「よーい、スタート」
宣言と同時に指輪から愛銃たるドンナーを取り出し引き金を引く、弾丸が発射されゆっくりと三日月の眉間に吸い込まれ
パシ、と言う軽い音で無い筈の腕で止められた。
「やっぱ、そう言うことか」
机の上には未だに残っている三日月の腕、
「考えれば簡単なことだった、服の中に似たような義手を用意してスタートと同時に装着、俺の視界を塞いだ後に壊れた腕を回収それでどうだ」
「まぁ正解、しいて言うなら似たようなじゃ無く同じ性能だ、何故かわかるか?」
「機械は限界を超えない」
「その通り、生身の体は培った技術で、必ず勝つ精神論で、または根性論で限界のその先に行ける。だが、機械に置いて限界を越すことはない。
絶対にだ、だからこそ、予備を作れ、予備の予備を作れ、予備の予備のそのまた予備を作れ、そしたら、普通の奴らには考えることができない俺たちだけの作戦が作れる。
分かったら、ものづくりを始めよう。迷宮攻略を始めるまで」