ありふれてないシノビ達 異世界で覚悟を示す 作:なんとなく考えて書いてみました
賑やかな繁華街、子どもの元気な声、客引きの賑やかな声、お店のいい匂い、おめかしして恋人との逢瀬を楽しむ人、この世界に来て数ヶ月たぶん元の日本でも変わらない賑やかなのは楽しい。
「あーやばい、意識飛んでた」
眼の前に広がるのは自分から流れた血と瓦礫の山、綺麗な街並みも無ければ賑やかな人々の行き交いも無い、そこにあるのは、見るも無惨な圧倒的強者による世界の蹂躙。
「流石リリィ有能だなぁ」
魔族との戦いが始まった時点で避難勧告をしていた、それに慌てず落ち着いてお互い助け合いながら行動できた国民も優秀。そのおかげで、最悪の事態は避けられてる。
ああ、汗が肌に引っ付いて気持ち悪い、血で服が汚れてるお気に入りだったんだけどなぁ。
終わったらお風呂に入ろう、たっぷりと、1時間以上ゆっくり1人で入りたい、美味しいご飯も食べたい、カロリーなんて気にせず。出来れば米とか、愛子先生の話だと湖畔の町にあるって言ってわね、リリィに頼めば持ってきてくれるかしら。次は軽く運動して汗をかこう軽い運動、そうねロードワークとかで終わったら、もう一回お風呂に入ろう今度はみんなとお話ししながら恋バナなんかも良いかも。そしてベッドに飛び込んで馬鹿みたいに寝よう、あぁ今日はよく寝れそう。
あとは、そうだな
「カトレアに会いたい」
「ーーーガァァァァァ!!」
「頑張ろう」
足に乗っかっている瓦礫を吹き飛ばし剣を杖にして立ち上がる。
月の光が消え尻尾が落ちてくる、自分を浮かして、九本の尻尾が頭上から落ちてくる無いに等しい隙間を剣でそらして弾いて握る握力が無くなくなり剣が滑り落ちる、が無理矢理こじ開けた穴を通り抜けた先に
九尾が口を開けて待っていた。
噛みつき、回避
「しまっ」
撃たれたのは舌、ただ伸ばすそれだけで空間を消し飛ばし回避に遅れた左腕がごっそりと消滅する。
「〜〜っ!!!」
肉が飛ばされ獣の爪に抉られたような断面を晒して、左腕は白い骨と桃色の筋肉、黄色の神経やズタズタに切断された血管など無惨に展開していた。
歯を食い縛り絶叫を喉で殺して、無視できない痛みを無理矢理無視して、頭から流れる血で赤く染まる視界で九尾の顔を捉え、攻勢に出る為手放した剣を眼で動かす。
「来い」
剣を引っ張り持ってくる、残り少ない眼で第3の手を造り出し剣を掴み斬りつけるが、その巨体に比べると八重樫が振るう剣は爪楊枝程の小ささ、結果薄皮一枚を斬るだけに終わり、瞬きの間にその傷は無くなる。
「ああクソ」
死角からの尻尾の一振りは、回避も防御も許さず住宅を幾つも破壊しながら城壁に叩きつけられクレーターを作る。
「ーーッ」
身体がきしむ骨も何本もいかれた、眼が痛い、物が二重・三重に見える。これが彼等が言っていた危険信号か、進行していき最終段階になったら私は死ぬ。
「ああいやだほんとに嫌だ」
時間は残されていない。だから短期決戦それしか無い、、、
眼の前の九尾のエネルギーが口元に集まり、超高質量・高密度に凝縮・高速回転しそれを中心としてクレーターが広がる、間違い無くアレが九尾の奥義の一つその威力は言うまでもなく国ひとつ軽く滅ぼせる。
「
浮雲が集まり幾つもの雷が八重樫の新たな左腕を創り上げ一つにまとまり、効果範囲は狭いが、その小さな領域で圧倒的な威力を宿す。いま自身が放てる全てを賭けて
「お前!どこ向いてる!!」
九尾は後ろを向いていた。
その先には、
避難場所である王宮があった。
「っ!」
その表情は嗤っていた。
「おまえぇ!!」
考えろ!考えろ!
どうする、どうしたら、どうすれば、
考えるな!守る為に動……
「いや、これで終わらせる」
雷となった腕を振り上げて発射段階に移行、浮雲からの最後の補給、右腕で左腕を握りしめ支えて九尾に向け槍へと造り替え射出する。
「落ちろ!!」
放たれた槍は、光の速度で音の壁を突破しその軌跡に空気の輪を生み出しながら、防御として展開していた尻尾を焼き消しその肉体に深い傷を与えた。
が、
九尾を止めるに至らず、臨界限界まで溜まったソレを
王宮に向かって放った。
瓦礫を、大地を、空間すらも削りながら突き進む、
「信じる…しかない」
王様や教皇、その他の重鎮たちは、教会総本山にて神の神の思惑通り動く為に向かって行った。
王宮の一室は、慌ただしくなり周囲の騎士たちも警戒体制をとっている。が、
「おい!王子は何処だ?!」
「な!?急いで探せ!なにかあってからでは遅い!」
「城内全て探せ!」
「まて!あれは!」
「あんなものどうしたら」
親衛隊は姿を見失った。
控えていた騎士達は誰も見なかった。
宰相達は人知らずナイフを自身に突き立てた。
王は最後に娘と息子に恥じない為その命と引き換えに教会を落とした。
「国民を任せます。貴方の役目を果たしなさい」
姉からの初めての頼み事、自身に重たいナニカがのしかかってくる、ずっと姉の背中を見て成長してきたと思っていた、けど違った、姉の背中に守られて来たんだ。
狂った周りの貴族から、狂い散った父から、戦争する他国から、意見ひとつで全ての民の命を背負うことになるこの身分から、
だが
「せまってくるぞ!!」「にっにげろ!!」「ばか!押すな!」「キャァ!」「邪魔よ!」「だれだおしたのは!」「お母さんどこ!!」「は、離れろ!!」「ふざんけんな!」「大丈夫だ、そばに居ろ!」「騎士は何処なんだよ!!」「勇者様!!」
「落ち着けぇ!!」
その一声は世界から音を消した。
荒れ狂う風を、崩れ落ちる建物の音も、人々の声も、魔獣と思われる狐の嗤い声も、うるさかった心臓の音も、迫り来る破滅の音も、
声の主は誰だと、全ての人が上を見た、
そこには、煌びやかであるも落ち着きがある服に腰ひとつ剣を携え、頭にはこの国の王の証である冠が
眼の前に迫り来る死を恐れず、高らかにこの世界にいる全ての人に届けと宣言する。
「怖いか、不安か、恐ろしいか、
だが安心しろ!
何故かって!!何故なら!!
この国の新たな王!!
ランデル・S・B・ハイリヒが来たからだ!!!」
その宣言と共に腰に下げていた剣を引き抜く、
なんの変哲もない剣、言ってしまえば何処にでもある剣。
だが、
その剣は過去のシノビ達が創り上げた一品
妖刀、聖剣、神剣、霊刀、全てに共通する事
この剣には、魂が宿っている。
「消えろ」
一振りその一振りで迫り来る死を消し去った。
「「「「ーーぉ、おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」」」」
そしたら、祭りを開こう古き王への追悼と新たな王の誕生の大きな祭りを開こう。
だから、もう少しだけ待っていろ。
すべてを、終わらせてくる。
さぁ化け物よ、覚悟しろ」
九尾とランデルは、突如として姿が消え破裂音がハイリヒ王国中から鳴り響く、
王宮の広場に巨大な映像が流れ出す。
そこには、化け物と対峙する様にランデル・S・B・ハイリヒと八重樫雫の2人が映し出された。
「あんまりこう言うのもアレですが、私もう無理ですからね」
「ふっ、安心しろ、俺もだ。出来ることなら、横になって寝たい」
「なら、頑張りましょう」
「ああ、頑張ろう」
「話は、終わったか」
その声は、2人は声を出していないこの場にいて、2人は声を出していない、となると。
「貴方、話せたんですか」
「話す意義が無かったからな」
「今はあるってのか?」
「その通りだ。私は貴様らの事を理解する、その上で圧倒的パワーにて潰す。何故なら強き者の嘆きこそ私の唯一の楽しみだからな」
「クッソみてぇな楽しみだな。まぁいい」
「同感ね。理解したところで何か出来るわけない」
「「勝つのは、俺たち、私たちだ!!」」
「来い、強き者達よ我が全てを持って嘆きの底に沈めよう」
2人は弾丸のように飛翔する。
自身に飛び込んでくる2人の強き者のに歓喜し持ちうる、尻尾を振るう。唸るような音を立て人ひとりを簡単に潰せる威力が9本それぞれが意思を持つ蛇の様に迫る。
「古流忍法
根来衆の開発した戦闘結界。修羅界を顕現させ、殺戮の場を生み出す。
古流忍法それは、戦国時代に存在した22の古流流派の総称いずれも強力な忍法が揃っているが現代では滅び廃れた存在。だが過去シノビガミに戦いを挑んだ過去のシノビだからこそ使える。
「尻尾9本、斬撃」
一振りで9本の尻尾が甲高い音を立てて弾く、生じる衝撃波は周囲の空気を歪めて雲が激しく舞い踊る。
「風よ風よ、激しく舞い、炎に呑まれろ」
土が飛び石が浮き壊れた住宅が空を飛び、彼らのいる上空ではサイクロンが九尾を襲う。
「火災旋風」
下の炎が竜巻状の渦で、燃え上がり火災で発生した熱気が上昇し冷気と混ざり合い要因によって発生。旋風の温度は1000°Cを超えるとされる。
尻尾で全身を包み込む事で防ぎつつ先程のようにエネルギーが溜まっていく。
「閉じ込める閉じ込める閉じ込める」
鼻から血が流れる、けど私が九尾を倒せる一撃はもう放てない。だから任せる。言ったよね倒せるって。
「王様!」
台風の頂上その目の中心から剣の光が反射し振り上げた剣に込められているのは九尾の奥義
「まだ、まだ、
古流忍法
古流忍法
古流忍法
古流忍法
乱神 自分の肉体を活性化し、剛力を振るう。
鬼門 妖魔を弱体化させる結界術。
月影 体術の粋を尽くした妙技。
鳴神 雷を自身に落とし。その身に纏う。
「ーーぐ」
口から血が流れるはっきり言ってバカみたいなドーピングだ、風の竜巻より血管を流れる血の音がわずらわしい、心臓の音がうるさい。触れる炎より脳と肉体が熱い。
けどまだ足りない。
「古流忍法
自分の身を捨てて、神のための一撃を放つ。
「待たせた」
自らの身を一本の剣として、九尾の元に落ちる、風に雷気が流れ電流と磁界が発生しレールガンの原理でさらに加速、
残り5メートル
だが、九尾に気づかれ尻尾による迎撃を強化した肉体で致命的な攻撃を薄皮一枚で避けて更に加速、流れる血を筋肉で止めて、もう一段階加速
音を超えた
残り3メートル
九尾の顔が見え嗤っている。
光になり
残り1メートル
光を超え
「絶対防御 奥義
展開された結界内では瞬きのたびにめまぐるしく変化し、平衡感覚を神経を体のあらゆるものが狂い始め剣を握る手も放し
「奥義破り」
「な、、んだと」
この奥義はコイツらには見せてなかった。初見で奥義を見破ったというのか!?
これはランデル自身にも分からないことだが、剣の中に内包されているのはシノビガミに挑み続けた最上位のシノビ達、当然九尾とも戦い奥義も見ている。
たが、この説明は蛇足だろう。
放しかけた剣をにぎりながら振り斬る
ランデルの一撃は、
天より落ちる断罪の光
そう表現する他ない天と地を繋ぐ光の柱。触れたものを、種族も性別も貴賎も区別せず、一切合切消し去る無慈悲なる破壊。大気を灼き焦がし、闇を切り裂いて、月の光で九尾を薙ぎ払った。
が、
「はず、、した」
あと少し、ほんの少しだけ、剣を振るえたら、体は反動でひとつも動かない眼で追いかけることと口を動かす事がせいぜい、竜巻で閉じ込めて肉体を強化して限界を超えて吹き飛ばして、、、
貴様も言ったよな!倒すと!!
「うるさいな、分かってる分かってるよ」
鼻からも眼からも血が流れ落ちる、、、
火災旋風の炎と風が肌を髪を巻き上げて、雲が歪み巨大な積雲が出来上がり雨が降り落ち服が濡れていく。
言葉に内在する力 言霊
声に出した言葉が、
現実の事柄に何らかの影響を与える
いざ、いかん
「黄金の門が開き
流れる桜が
煌々と祖を統べて
血の漍にて流れたまえ
燦々と威光が煌めき門が開く
名もなきナニカが顔を隠して覗いてく
風が荒れ、雷鳴が轟き、大地が揺れる
世界に新たな川が流れる。
「奥義
虚数と言う人が持つ潜在意識にある集合的無意識に存在する虚数空間
虚数空間から垂れ流されている虚数エネルギーを一点集中、4本の尻尾で支え狙いをすます。
世界の見え方が赤、青、黄と幾つも姿を変えてその一撃は放たれた。
虚数空間という無限に溢れるエネルギーと、名もなきナニカの衝突
その余波は空間が歪み世界が揺れる
そして、
少しずつ押し込まれて行く無限のエネルギーとガス欠なのに限界を超えてボロボロの八重樫とランデル
「それが貴様らの限界だ」
落ちゆくランデル、崩れゆくや八重樫、誰がどう見ても疲労困憊の満身創痍、もうすでに倒れてもおかしくない。
だがその瞳には、諦めなんて微塵も感じられない。
それどころか、、
「「限界それがなんだ、、、
何度でも何度だって!!超えるだけ!!」」
「奥義破り!憑依術!」
憑依術
自身の精神を誰かの肉体に移す技術、
この場合は自身の精神を剣の中に入っているシノビと入れ替える。先程の奥義を破ったように、
「……あー…」
指、足、動かない、口動く、
剣を滑り落とし、肺に酸素を入れ、噛み締め吹き飛ばす。
狙いを逸らさず、
九尾の防御をくぐり抜け
虚数空間に繋がる門を破壊した。
「いけえぇぇぇ!!八重樫ぃぃぃ!!」
「おぉっりぁぁぁ!!!」
川のように流れる桜の花
もう一度奥義を撃つより先にこの攻撃が当たる回避は無理だな。防御は防御ごと砕かれる。
使える全てを使った油断はしなかった、いや、ほんの少しあったかも知れないが、それでも奥義が消された時点から油断は無くなった。
持ちうる奥義を全て使い戦った。
ならばかける言葉はひとつ
自らの肉体が消えるのを感じる
ああ、、、、
「また戦おう」
力なく空から落ち続ける2人は顔を見合わせ
「「2度とやらん!!」」
その返事に何が面白いのか噴き出すように笑い出し。
「くは、くははははは」
その姿は消え去った。
かろうじて残っていた大結界の上で横になり力無く崩れている。
「これで終わりか?」
「いや後、リリィたちが」
「なら、もう終わりだ。姉が行ってるんなら何ひとつ心配する必要は無い。心配するだけ無駄だ」
「信じてるんですね」
「はっ!信じてなどいない。知ってるだけだ、例えどんな相手でも民が後ろ居るなら負けない。絶対にだ」
「…………」
「おい、ぁ〜寝てんのか、俺も…眠く…なって…きた。俺は…勝ったぞ。リリィ姉さんも…とっとと勝て」
落ちてきた剣が結界に突き刺さり、勝者を讃えるように月の光が2人を照らす。
月は照らす無慈悲に勝者にも敗者にも死者にも弱者にも強者にも、ありとあらゆるすべてを平等に、
【乙なものだな。異世界の月というのも】
月を嗜みながらどこからか取り出した盃を飲む姿は、妖艶で可憐で優美で端麗、それをみれば、画家は絵を描き、彫刻家は石像を創り、詩人は詩を書き、俳人は俳句を詠み、狂信者は改宗するだろう。
【そうか、終わりにするか】
眼下にいるのは血だらけで立っているのもやっと先程の問いにも答えれない程息も絶え絶えいつ崩れてもおかしく無い。
その場にあるのは自分の為に命を投げ打ち守ってくれた魔獣の死体、それでも防げずに右腕が削られ疲労を隠せない、肉体の再生すら出来ない。
魔王軍最強の魔族フリード・バグアー
創り上げた武器の全てが悉く壊れ、頭に乗せている王冠はヒビが入っている。手に持っている武器すら半端に折れている。地面には大量の血が流れている。
ハイリヒ王国王女リリアーナ・S・B・ハイリヒ
だが2人の眼は絶望は映らず
「上等!」
「やってみな」
「「シノビガミ!!」」
たからかと叫ぶ、希望を持ってカミに挑む。
山の影さん 伊能 忠敬さん お気に入り登録ありがとうございます。
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