ありふれてないシノビ達 異世界で覚悟を示す 作:なんとなく考えて書いてみました
月明かりが無ければ、誰の眼にも映ることの無い奈落の底、深淵にて怪物たちの戦いが終局を迎えて行く。
「斜歯忍軍 鍔鑿組
機身のリミッターを外して行う超高速攻撃。
長時間に及ぶ精密機動に加えて暗密の使用、自らの命を削りながら、
知らない忍法を、見たことない忍法を、薄皮一枚で躱して、半ば壊れかけの剣で受け流し殺せなかった衝撃が血と共に流れ落ち地面に広がる。
荒い呼吸が更に強まる、折れた骨が身体を蝕む、流れる血の生温かさが吐き気を催す、
シノビガミが放ったのは鞍馬神流 神槍、ただし放ったのは、全方位から、壊れた剣、矢、槍、斧が神速の刺突なり襲い掛かる。
足の踏ん張りが効かず地面に膝が付く、フリードの助けは間に合わない、腕には錘がついてるのか動かない。
だが
神速の刺突が酷くゆっくりに感じる
「鞍馬神流
肉体に負荷をかけつつも、本来なら不可能な動きをとる忍法。
座り込んだ体制のまま跳ぶ、ゆっくりと迫り来る武器達を肩で逸らして、隙間に入り込み、膝で武器を弾き、1秒が数分と長く感じとれる程の時間が過ぎさり、自分の血溜まりに無傷で着地する。
死にかけという窮地が、絶対的強者が、譲ることの出来ない信念が、負けることの出来ない理由が、大事な人を助けたいからこそ、、、
爆発的に成長した。
だが、
「かほっーー」
その代償は多量の吐血、鞍馬神流と言う自身に使えない流派を使った代償、だが、今彼女の頭の中にあるのは、閉じていた筈の幾つもの可能性。
「フリード!」
「分かっている!隠忍の血統 鬼人 凶尾 悪食」
自身の獣を解き放ち、その肉体を強化する。
自らの傷を喰らい、新たな肉体を再生する。
近くに落ちていた魔獣を喰い肉体を再生しより強靭で頑強な鬼の腕を創り上げる。
【ハグレモノ 螺旋陣】
螺旋を描くように攻撃を行い、自身の周囲にいる者にダメージを与える。
螺旋はリリィに襲い掛かるが腕の振りと地面の蹴りで、バク転で後方に勢いよく跳ぶ、その下をくぐりフリードが鬼の手を殴り付け螺旋を散らし、もう一度振りかぶる、それに応じる様にシノビガミも腕を振りかぶり、お互いの顔面を殴りつける。
「ーーぉ、ぉぉおおりゃぁ!!」
腕を振り抜き吹き飛ばすが、煙のように姿が消える。
「ーっ、影分身!?」
「くそっ!どこだ!!」
リリィとフリードは背中を合わせて周囲の警戒をはかる、姿は見えない、むしろそれが気持ち悪さを引き立たせて行く。
「……時間はあとどれくらい残ってるの?」
【時間か】
周囲から声が響くその声すらも中性的な声かと思えば女の声、男の声にも聞こえ判別がつかず、エコーがかかったように耳に嫌悪感を残す。
「今あなたが顕現出来ているのは、封印である彼等がいないから、遠藤の精神状態が不安定だからの2つの理由」
【まぁ、そうだね】
続けろと言わんばかりに話を促すが周囲の気配が殺意が増える。
「先程までの神槍だったり螺旋陣とか凄かったけど、アビスゲートの龍星群の方が凄かった」
「確かに、だが龍星群はもともとかなりの大技だぞ」
「そうだとしても、技の洗礼さは無くなってる。特に螺旋陣なんかは軽かったでしょ」
「確かに、、そうだ」
「持って10分近くどうかな?」
【…流石、斜歯忍軍の名に恥じぬ分析能力だ、確かに残り10分近くだ。だが、貴様らを倒すのにもはや3分もいらない】
「来る!」
【ハグレモノ 彷徨】
神出鬼没の超技、実はそこにいた。
言葉は無い長年の戦闘経験が莫大な思考回路が同じ結論を出し背後を向き刀を鬼の腕を振るうが布を殴ったかのように感触が無い。
舞いの様に軽やかで滑らかその場で回転、綺麗に優雅に攻撃がいなされ、前のめりになった2人の頭はシノビガミに掴まれ、地面に叩きつけられる。紙を持ち上げるかのように軽やかに2人を持ち上げ再び地面に叩きつけ、その状態で光速で走り地面を削りながら奈落を進む、
「うぉぉっ!」
「りぁ!」
【ムダムダムダムダムダァ!】
極限の強化でも鬼の腕でも、抜け出すことができずに引き摺られ続けて、ついに奈落の端まで辿り着き勢い衰えずシノビガミが跳び投げつける様に壁に叩きつける。
2つのクレーターが出来上がり壁にめり込む自らの防御に徹してた故に致命的な怪我は無いが武器を回復の手段を全て失う。
「「ーーっがは!」」
肺への衝撃で酸素が取り込めず息が止まり集中が切れる全ての忍法が途切れる。
そんな無防備をシノビガミが逃す筈なく。
【特別に見せてやる、、、
奥義
月の光を呑み込み奈落に宇宙が展開される、、
指を動かせば星々はそれに従い動き出す、、
やがて、
光を放つ星々は螺旋を巡りて指先に集まり、、
極光を持ってその威力を世界にしめした、、
【…3分もいらなかったな】
壁は消え去り奈落は広がる、土煙が漂うなかシノビガミの眼の前には、魔族最強と王国王女の肉の半分が消し飛んだ姿。
一般人であれ、シノビであれ、どうすることもできない心臓も脳も消え去った。
確実な死
その凄惨さが、シノビガミの中にいる今なお叛逆していた遠藤浩介の膝が落ちた。
【……ふ、そうだ、お前が殺した、、お前がいるせいで、、、お前が生きているせいで、、おま「独り言か?シノビガミ?」…】
【…その状態で生きてるとはな。頑健だな。だとしても】
シノビが持つ単純な持つ強い生命力、単純だからこそ強い。
「庇ってくれてな。ハグレモノ 不知火
死者から出る燐を媒介に、より強力な炎を操る。
シノビガミに殺された魔獣たちの赤い血から、召喚した炎を纏った鳥が無数に集合しフリードの肉体に新たな鎧と武器を与える。
頭のてっぺんから足の指先までを、燃える炎が全身を覆い尽くし定着していく、
「今度はこっちの番だ」
奈落に一筋の閃光が奔る、
それは勢いを増し月の光しか無い、暗闇の奈落に火を灯す。
それは、シノビガミとフリードの戦闘の激しさの現れであり、次々と火が灯され奈落に暗闇は無くなった、灯火は広がり続け遂に奈落を飛び出し空中戦へ、更に魔獣たちの血から炎を集め剣と翼を創り夜の世界を煌びやかに照らす。
防戦すら出来なかったシノビガミと対等とはいかずとも確実に、強くなっている。
だが、強くなったとしても元々大人と赤ん坊よりも圧倒的に差がある状態
少しでも気を抜けば
「ーーはぁ、はぁ、はぁ、はっ!」
【そこだ】
首を掴まれ膝を打ち込まれ炎の鎧が揺れる、奈落に向かい落ちていく、その速度に炎の鎧がしだいに剥がれ落ちるが、フリードもタダで落ちるつもりは無いと鬼の手で掴まれている手を折りにかかる。
だが、折れなければ緩みもしない、それどころか首が締まり息が止まっていき力が抜けていく、
やがて炎が掻き消え鬼の手も人の手に戻り白目を剥き泡が出始めその姿を良く見ていた時、視界の端に映った死んだ筈の女の姿。
それは、視界を接続している遠藤浩介にも映り込みほんの少しだけ支配にあらがった。
【しまっ、】
奈落の底ギリギリで力が緩みフリードが手から離れシノビガミひとりで地面に激突する。
炎が燃え広がるクレーターから、ゆっくりとシノビガミは上がり眼の前にフリードを抱えているリリアーナを睨みつける。
「比良坂機関
比良坂の神妙なる技の残像は、力を持つ忍具となる。
自分の命を使った嘘、自分の命を顧みない無理無茶無謀の作戦と言えない自殺行為と同じ、だが、それが通れば
「全部オッケー」
【…貴様の仕業か】
「私以外誰がいるの?」
【そうだな。だがその状態で、この一撃を防げるか?】
その動作は、あの私の命を奪った奥義と同じ、身体は動けない防御は無理フリードは見捨てられない。
足りない、あと、あと一手欲しい、、、!!
「隠忍の血統 耳長 恩恵」
妖精からの贈り物。ちょっとした幸運、もしくは不幸がやってくる。
【奥義 は?】
クレーターから出来た亀裂は壁に到達し、たまたま地上まで広がり、たまたま落ちて来た岩がシノビガミを潰す。
「よし!後で雫の好きなタイプ教えます!」
「自分でおとすから必要ないよ。けど間に合ってよかった」
炎を吹き飛ばしながら、地上から落ちて来たカトレアは、周囲に黒羽を幾つも舞い散りながらリリィとフリードの隣に並び立つ。
「言っとくけど、かなり限界だからね」
「奥義撃てます?」
「一回なら」
「なら使い潰せますね」
「ーーねぇ!」
「ーーふふ、大丈夫です。貴方のおかげで一手足りた。そして、シノビガミお前は2手足りない。フリード!」
「儀式忍法 魔王降臨の法」
儀式忍法
それは、複雑な手順を踏むことで、世界に大きな影響を与える特殊な忍法
一つ目 「絡繰術」
科学技術で儀式のサポートを
二つ目 「刀術」
鬼の手を振るい、異界の扉を開く。
三つ目 「生存術」
命懸けで生き延びる
四つ目 「詐術」
呼び出す存在を騙り偽り契約を結ぶ。
五つ目 「鳥獣術」
獣を殺してその血で臓物で自らに祠を作る
六つ目 「召喚術」
一心不乱に呪文を唱える。
絡繰術 刀術 生存術 詐術 鳥獣術 召喚術以上の術を使い
魔王降臨の法
異世界より恐るべき存在を呼び出す秘法
これにより呼び出された妖魔は、奇妙な箱のような者の中にいる男、
「閉じ込めろ!
両手を前に出し、瓦礫を含め全てが四角の結界に閉じ込める。
【たかが中級妖魔如きに私が殺せるわけないだろ!!】
力だけで積もった岩を吹き飛ばし腕を勢い良く出す、、、、
何も起きず数秒経った、、、
「…不発?」
「いえ、違います。やはり匣男を選んでよかったですね」
匣男、中級妖魔に分類されるそれは、人々を匣の結界の中に閉じ込め、ゆっくり小さくさせて愉しむ妖魔、シノビにとっても強敵で作り出す匣の結界その中では、忍法は封印される。
「も、、う、限界」
祠が崩れるフリードが膝をつき匣男は匣の結界と共にゆっくりと姿が消え、無傷で佇むシノビガミがその場に残った。
【終わりか】
「…勘違いしてません?貴方は負けたんですよ。行った筈です。2手足りない」
【一足で埋めるだけだ】
歩くように軽く左足を前に出し地面を踏み締める、次の瞬間一瞬世界が歪み3人は奈落の端の壁に叩き潰され地面にひれ伏す。
「「「ーーっ」」」
何をされたのかわからない、一歩で世界が歪み気がついたらこうなった。指は動かず呼吸もままならない、私達の知らない忍法かそれともただ速すぎただけか、それを考える為の思考も、もはやまわらない。
だが、
「ーーーー」
【…ん?なんだ何かあるのか?まぁいい最後だ聞いてやる】
「3分過ぎましたよw」
【死ね】
鳴り響いたのは、肉を貫く音ではなく、剣を抜く音と鉄と鉄が削られる甲高い音、、
シノビガミのクナイを掴んでいるのは、月に照らされいつの間にか隣に立っていた斜歯忍軍の三日月の義腕
「この勝負は、リリアーナ達の勝ちで、貴方の負けです。シノビガミ」
リリアーナ達の前に立ち腰に刺した刀を抜きシノビガミの首元に当てている私立御斎学園の草薙
【貴「私立御斎学園 旧校舎管理委員会 特別教室」
旧校舎にある特別教室にもどり、修行をし直す。
今回は、敵を閉じ込めるという風に忍法を使いシノビガミの話を無視して突如姿を消す。
「3人とも無事ですか?」
返事が出来ず、喉から出るのは呼吸音のみ、腕も動かず精魂尽き果てているのを見て
「大丈夫そうだ」
(((おい!!)))
「なら、見ていて下さい。貴方達はシノビガミと戦い見事に生き延びました。きっと戦う前の自分と比べると何段階も成長したでしょう。だから、私達の戦いを見て下さい。それが貴方達を次の段階へと連れて行ってくれます」
空間にヒビが入り急速に広がりついに限界を超え世界が割れシノビガミと4人の影が奈落の底に降り立つ。
そして、一呼吸入れ
「「「「ーーやっと出れた!!」」」」
4人が閉じ込められていたのは虚数空間の中、ただし九尾を閉じ込めていた虚数とは別の場所、そこから脱出するのは砂漠の中から砂金を探すようなもの。
彼らは体感にしておよそ1年以上虚数を歩き渡りリリアーナ達の戦いで歪みを見つけ脱出した。虚数空間では肉体の年齢は取らないがそれでも、精神的疲労はある。
だが
すぐに状況を把握、本気で殺す為の準備を始める。
「「「「「「戦衣装」」」」」」
6人の身体を
黒く燃える渦の炎が
自らを傷つける風が
身体を溺れさせる水が
天から落ちた雷が
人を呑み込んだ空間が
覆い隠すほどの武器が
一撃で斬り払われ消失し戦衣装を背負ったシノビが現れた。
黒を基調としたスーツに手元には銀のアタッシュケースを持った城戸
白を基調とし群青を取り入れた制服と白いロングコートを羽織っている日本刀を持った草薙
雲が縫われた着物、左肩には大袖と呼ばれる鎧に桜紋、右腕から皮膚が落ち獣の腕を見せる藤原
粒子が彼の首から下を覆い装甲スーツを作り、頭の全体を覆う仮面を装着した三日月
スリットが入った左右非対称のミニスカートに、手が見えない程長い袖から除くお祓い棒を持つ八雲
紺を基調としたワンピース型の軍服に上から黒色のポンチョを羽織り、1本の槍を持った大和
「「「「「「シノビガミ ぃ!」」」」」」
武器はバラバラで統一感の無い服装、片腕に付いている腕章も全て違う。だが、彼らの心は一つシノビガミ "ぶっ殺す"だけである。
【シ ノ ビ が ぁ】
そしてそれは、シノビガミとて同じこと肉体を器も集め完全体のシノビガミに近づいて来た時に
「いくぞ!」
「「「「「おう!」」」」」
【ぶっ殺してやる!】
伝説的存在、全てのシノビの祖の器 シノビガミ
VS
シノビガミを倒したシノビ連合その頂点たち
その戦いは、空に浮かぶ月さえも見学しようと彼らを上空から覗いていく。
未だ戦いの夜は終わらない。だが終わりの時は近づいている。
神薙大佐さん お気に入り登録ありがとうございます。