ありふれてないシノビ達 異世界で覚悟を示す   作:なんとなく考えて書いてみました

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平和とは新たな戦争の準備期間である

 

 眼を開けて浩介の寝顔を呼吸、体温、血圧を確認して身体の状態をチェック。

 

 シノビガミとの戦いが終わってから2日経過して私が眼を覚ましてから更に3日経過、合わせて5日経っても未だ眼を覚さない、師匠達が言うには「自然と眼を覚ます」と言っている、実際私は自然と眼を覚ました。

 

 師匠達も彼等の眼を覚ますために努力しているが、神の使徒相手に王宮を守ってくれた天之河、九尾を討ち払った雫、私と一緒にシノビガミと戦ってくれたカトレア フリード、今回の戦いの功労者である彼らは未だ眼を覚ましていない。

 

 私に他人を回復させる力は無い、だけど私に出来る事はしたいと師匠達に訴えてなんとか、浩介の身の回りの世話を勝ち取ることができた。

 

 このまま起きるまで見ておきたいがそうもいかない、

 

コンコンコンコン

 

 ドアをノックする音と共に聞こえてくるメイドの声

 

「起きています。直ぐに向かうので準備して待っていて下さい」

 

 正直に言えば身体は万全にはほど遠い、師匠達からも「なんで起きれてるの?」「え、こわ…」「はやく寝ろ」「あなた達何かしましたね!」「しらん」「怪物ぅ」などなど、いささか不名誉な言葉を頂いた、その後に自身の身体の状態を詳しく教えて貰い本当になんで目が覚めたんだ私の体ってぐらいに、ボロボロだった。

 

「まぁ、(浩介)が見ていますからね。腑抜けた私は見せられない。いつまでも、綺麗な私を見てほしい。さて今日も一日がんばりますか」

 

 寝巻きから人前に出ても恥ずかしく無い、けれど動きやすいドレスに着替えて民の為に気合いを入れる。

 

 

「こちらの件ですが、やはり食料は至急…」

「えぇ、国の倉庫にあるもの全て使って下さい。それと諸外国の貿易を…」

「復興の為のお金が…」

「復興特別費として国から算出します。教会は最後に回して下さい」

「はい、分かりました」

「周囲の森から魔物の被害が…」

「金の冒険者がいる筈です、彼等に特別依頼として貼り付けておいて下さい」

「お姫さま〜お花あげる〜」

「えぇ、綺麗な花ですね。とても嬉しいです」

「王女様、この様な老婆にまで気に掛けなくとも」

「いいえ、あなた方の様な人が居たからこそ、今のこの国が在るのです。だからもう暫く生きて下さい。幸せはきっときますから」

 

 夕方、王宮内の食堂にて、国の財務官、防衛官、トップの方々が、気付きを得て仕事に戻り、子どもや老人までもリリアーナに話しかけ笑顔になって、相談する人が居なくなれば目の前にある被害報告の山に眼を通し、朝食べ逃してしまった冷えた朝食を食べ、人材の派遣を選考し、サインが必要な書類を確認して、合わせて4、5個の仕事を同時に処理しながら。

 

 眼の前に座り美女と美少女に囲まれて「あ〜ん」をされている南雲ハジメに睨み付けられる

 

「初めに座っていたのは私ですし、後から座ってイラつかれても困ります」

「テメーのせいでどんだけ追いかけられたと思ってやがる」

 

 南雲ハジメに依頼したのは確か、、あった大結界の修復か、、、となると職人たちが弟子にしてくれとか、、、まぁいいか

 

「それは、とても大変でしたね。しかし、それ込みで報酬を渡しました、他に何かあります?」

「ねぇよ」

「なら、貴女の妻達に慰めて貰って、、、まさかですけど、私をその中に加えたいとか?」

「ハジメ?」

「ハジメさん?」

「ハジメ君?」

「なわけねぇだろ!」

 

「まぁ、どうでも良い事ですけど、あなた方の部屋は防音対策しっかりしてるんで、話ならそこでして下さい」

「ん、ありがとリリアーナ」

「すみません!ありがとうございます!」

「ごめんねリリィ、さ、行こっか」

「んーコレはやられたなぁ〜主どの」

「なんでだぁ!」

 

 ずるずると引きずられていく南雲を無視して仕事にもどる、次の書類は教会の復興ぅ?ゴミ箱へゴー、で次は、荒々しく扉が開き、つい先ほどまで別部屋で中村さんと横になっていた天之河が転がり込んでくる。

 

 荒々しく開かれた扉は、その役割を失い閉じることなくぷらぷらと動いている。

 

「リリアーナ!よかった城戸師匠はどこにいるか分かる?」

「…おはようございます天之河さん」

「おはよう!起きたら5日経ってて驚いた!仕事中に邪魔してごめんなさい!でもこっちも大変なんだ!ひも」

 

 天之河が壊した扉から入って来たのは彼の恋人である中村恵里、だがその眼は黒と碧のオッドアイ、彼女から放たれる殺意に反射で動きゴミ箱を蹴飛ばす。

 

「しね」

 

 その初速は、シノビを越えている、だが既に策は成った。

 

「比良坂機関 斎垣(いがき)

 

 ()りにくい場をつくることで、戦場のムードを操作する。

 

 ゴミ箱の中から溢れ出た紙屑が風によって食堂を舞い散り置かれている長机と長椅子が浮き上がり行く手を遮る壁をとなり檻を作る。

 

 机と椅子その素材は頑丈な石でありイメチェンしていたが中村さんの力だと壊せたとしても数分は稼げるだろう。

 

「で、なにしたんです?殺されそうになる程不埒な事でもしたんですか?」

「断じてして無い!って言うかアレは恵里だけど恵里じゃ無くて神籬(ひもろぎ)って忍法で」

 

「まさか」

 

「中身が違うんだ!」

 

 音を立てて石の檻が分解した。

 

 銀の翼を持った片翼の中村さんが飛び出て来る

 

 比良坂機関 神籬 一時的にその身に神を降ろすことが出来る、

 

 防ぐことは許されず避けることも叶わない、あらゆる物を平等に消す為に散らばる絶死の銀羽、

 

 銃弾を撃とうが剣で斬ろうが傷ひとつ、つかないであろう肉体

 

 対して、起きたばかりでヘロヘロの天之河と3日前に起きたけど未だ体はボロボロの私。

 

 たが、忍法(それ)さえ分かれば

 

「楽勝ですね。比良坂機関 禁術」

 

 呪的な罠を張り巡らせ、忍法を使用した者を傷つける。

 

「選ぶは当然、神籬だ」

 

 リリアーナを無視して天之河を狙い一歩進むが、床に散らばった紙のひとつひとつ全てが纏まり結界を作る、中村を囲んだ文字が浮かび上がり縛り付ける、電撃が流れ忍法が途切れ。銀翼がくすみ消え去り碧眼が黒眼になり力なく崩れ落ちる。

 

「で、本当に何があったんです?」

「俺と戦った使徒が最後に神籬って言い放って恵里の中に入ったんだ。そのことに気付けず刺されてぶっ倒れた。で起きたら元の恵里がいて着替えてたら使徒になって襲われた、って感じかな」

「なるほどそれで城戸を、、、、待って起きた時は中村さんだったの?」

「あぁ、そうだよ間違い無く恵里だった、演技とかじゃ無く、本当に恵里だった」

「となると天之河、此処に赤と青の二つのジュースがあります」

「んん?」

「それをこうします」

 

 ひとつのコップに纏める、表面張力によりギリギリのラインを保つ赤と青のジュースは混ざり合い紫色になる。

 

「コレが今の中村恵里の器の中の状態です。ふたつの魂が混ざり合いひとつになった。恐らく城戸であってもどうする事も出来ないかと」

「そ、そんな、、ど、どうしたら」

 

「そもそもその必要は無いかと」

「え?」

 

 座り込み未だ寝たフリをしている中村の鼻先をデコピンで弾く

 

「いったぁーー!」

「え、恵里!よかった!」

「こ、光輝ご、ごめんね、いろいろとさっきもだし、あの夜お腹を刺した時も」

「そんな事どうでも良い!大丈夫なのか!?どこか痛むところはあるか?」

「うん、城戸君に教えて貰ったんだけど、光輝の近くにいたら平気だけど離れると乗っ取られるって」

「と言うことは一緒にいればいいんだよな!なら」

「う、うん、だから」

「「同じ部屋で寝よう!」寝ても良いかな?」

 

「ふふ、同じ事考えてたね」

「そうだな、同じこと考えてた」

「リリアーナ、今俺がいる部屋だけどさ」

「どうぞご自由に使って下さい」

「ありがとうございます。リリアーナさん」

 

 中村と天之河は腕を組みながら

「俺が近くにいたら使徒になっても平気なの?」

「そうですね、あ!、、あ、、、あなただけの恵里(天使)です!、、、なんて!えへへ」

「がわいぃぃぃ!!」

 

 

 

「…こっわぁ」

 

 城戸にどうなるか教えて貰ったのに天之河が起きてすぐに距離をとった、考えていたのかな起きるまでの間、どうしたら四六時中ずっと一緒に居られるのか、、私も計算に入れていたのか、、

 

 

 私に好きな人ができたら、ここまで重たくはならない様にしよう、と心に決めラブラブしだした2人を叩き出す。

 

「ふぅ、ようやく落ち着いて」

「リリアーナ此処にいたのか」

「すーはー、、、、おはようございますフリード、ってあれ?もう帰るんですか?」

 

 吹き抜けになった天井からは、ドラゴンの姿が見えフリードの服は攻めて来た時と同じ服を着ている、

 

「あぁ、いくら向こうには清水が居るからとはいえ、5日は流石に長すぎた。魔人領がどうなっているか確認しないとな」

「なるほど、同盟の件ですが」

「それなら、君の弟と話した、いい王様になるなあの子は」

「私の弟ですよ。当然です」

「ふはは、、、、恐らく次私たちが会う時は」

「えぇ、最後の時かその一歩手前、王を裏切る用意はできていますか?」

「とうの昔、貴様の手を取った時に用意も覚悟も出来ているさ」

「それではまた」

「ああ、また」

 

 音はなく、風もなく、数十メートル近くの吹き抜けを跳び今回の王都侵攻戦争の一角であった、魔族最強はハイリヒ王国を飛び去った。

 

「ふーコレで作業を進め「リリィねぇ!いま大丈夫!?」えぇ、大丈夫ですよ、どうしました?」

「これ!あったかい焼き鳥と、、、ジュースとか!」

 

 脂が滴り落ち、じゅうと音がして月の光に反射してキラキラと輝く、隣のジュースは冷え切っているのか結露し琥珀色のジュースに白い泡がこぼれ落ちている。

 

「これジュースですか?」

「ジュースって言ってました!」

「…ならありがたく貰いますね」

 

 今までスープを飲んでいたが冷え切っていた、冷えても美味しいとは言え体は温かいものを求めていた。だからか涎が垂れ唾を呑み込む。

 

 まずは焼き鳥から

 

 箸を使わないで食べる。串を右手に持って、先端の肉を、上下の歯ではさむ。はさんだのち、右手を横に引いてズリズリととりにくとネギを一緒に串からはずす。ここに一種の野性味がある。これも焼き鳥の魅力の一つである。もし焼き鳥が、串に刺さないで、バラバラのまま食べるという様式の歴史をたどってきたならば、今日の栄光はなかったに違いない。野菜はシャキッと爽やかで肉はジュワッと噛みごたえがあり食が進む。今日という日はこの為にあるそう考えるまでに美味だった。

 

 次にジョッキに入ったジュースを匂いをかぐ、味わい方に答えはない、ワインもそうだが、皆が話しにする味や香りの説明は、あくまで基準であって、そう感じないとダメというものではない、味わう事で大切なのは、ただ真摯に眼の前の食事に没頭するのみ。

 

 琥珀色の冷たく泡立っている奴が上の方からどんどん落ちて来る、独特の苦味とシュワシュワと泡立ちながら、歯を冷やし、舌を冷やし、喉を鳴らしながら冷やしてくる。

 

 焼き鳥の濃い〜味とビールの独特の苦味が合わさり手が止まらない、そして、そして、

 

「〜〜ぷはぁ!くぅ〜うまい!」

 

「ふふ、美味しかった?」

 

「ん、んっ、ええありがと。それでどうしました?」

 

 口に付いた泡を拭き取り弟である、このご馳走を持って来てくれた王様(ランデル)に眼を向ける。

 

「うん、カバーストーリーの方だけど結構巷にまわってる。別の世界から来た悪い神をエヒトが倒そうとしたけど敗北して、善と悪に分けられ今悪のエヒトが世界を滅ぼそうとしているって話、結構盛り上がってる。それでお願いがあるんだけ「ダメでしょ」…うっダメ、、なの?」

 

「えぇ、あなたは王になるんですから」

 

「まだ王位継承した訳じゃないけど、、んっんっ、

 

リリアーナ、敵対したがる周辺諸国を其方の手で撃ち倒せ」

 

「分かりました。この命を持って最上の成果を上げて見せましょう」

 

 月が照らすなか、2人の王族が国の為に民のために世界に喧嘩を売ってかかる。

 

「リリィねぇもちょっとおかしく無い?」

「言われてみれば、命令されたのはコレが初めてですね。なんかちょっと恥ずかしいですね」

「ふふ」

「はは」

 

 世界に喧嘩を売るなら、最初に討つべきなのは間違い無くヘルシャー帝国

 

 侵入させてある根の情報によれば200師団の混合部隊(・・・・)に加えて推定500人のシノビ1個大隊、親衛隊の6名の中忍シノビ、それら全てと戦い勝てる実力を持つ帝国最強の皇帝ガハルド・D・ヘルシャー

 

 正面からは戦えない一対一でも今のガハルドだと負けるだろう奥義も使えるだろうし

 

 魔族の力は借りられない、

 

 師匠達の力は持っての他、

 

 勇者達の力を使えば国際問題だ、、

 

 力で勝てず、人数で勝てず、質も量も勝てない、、

 

 どう考えても負けしかない。

 

「なら、いつもと同じだ」

 

 手を汚して顔に泥を塗って

 

 卑怯、卑劣、恥知らず

 

 さぁ、全てを使って、全てに手伝って貰って

 

「国落とし、始めましょうか」

 

 

 広場で酒や肉で騒ぐ部下とまだかまだかと後ろから刺さる親衛隊の眼を背に受けギラギラと輝く月を見る

 

「くくく」

 

「なにか、ありましたか?」

 

 背後から声をかけて来たのは、この城の絶対の法、グリッド・ハーフ

 

 3の字をこよなく愛しこの国で3番目にシノビになり、3番目に中忍になり、第三連隊長であり、この部屋にも3番目に入って来た。変わっているが確かな実力でのし上がって来たちょび髭男。

 

「まぁな、今日はいっそう傷が痛む」

 

 服の下に刻まれたあの女に付けられた傷から血が流れ服が滲む。

 

「ガハルド様!血が!」

 

「気にすんな、今日はテメェの中忍祝いだぜ。どんと構えて今夜は無礼講、楽しむぞ、てか酒がねぇじゃねぇかほら寄越せ」

 

「は、はい!」

 

 新しい酒瓶を開けてコップに注ぐドゥオンドゥオンと音を立て透明のガラスは金色に変わる。

 

「今夜の挨拶はお前が音頭を取れ」

 

 そうして全員がお腹を空かせ集まっている輪の中に加わり用意されてある椅子に

 

1番目に座る皇帝その隣には修道服を着た女性が待機する

 

2番目に左眼に傷跡があり、長い髪を纏めている女が座り

 

3番目にグリッドが髭を触りながら座り

 

4番目に既に酒を飲み出来上がった女が座る

 

5・6番目に双子の男女が楽しそうに座る

 

 それを見てコップを掲げ、息を吸って

 

「で、では!今夜は俺の為にこのような舞台を貰い誠に感謝します!」

 

 その声に囃し立てる、この国における最強と最強に次ぐ実力を持つ3人の男性と4人の女性

 

「おー!」「ふれーふれー」「やれやれ〜w」「良いぞ良いぞ良いぞ」「一気!一気!うっぷ」「ついに俺達に後輩が!」「本当にですね!いよ今日の主役!」

 

「ですが!此処で止まるつもりは有りません!いずれ上忍頭まで強くなります!」

 

「「「「「「……」」」」」」

 

「あ、あれ?」

 

 この国、2番目の実力を持つ左眼に傷跡があり、長い髪を纏めている、中忍頭のルイが笑いを堪えこの場の理由を語る、

 

「言うなーw上忍頭つったら、ガハルドを越えるって事だぜw」

 

 上忍それが今のガハルドの実力。

 

「勿論知ってます!だからこそです!」

 

「くは、くはは、くは、は、は、!!!面白い!だがそれで良い!して何十年かける!!」

 

 それを越えるということは、

 

「5年!5年であなたに勝ちこの国の王になります!!」

 

 ヘルシャー帝国の王になる宣言

 

「やってみろ!!ハウリア最強キル!!」

 

「はい!!」

 

 ガハルドを相手に啖呵を着る男の頭には特徴的な大きな2つの耳、ハウリア族の男が牙を剥き出し笑う。

 

 広場にもウサギ耳を持っていたり翼を持っていたり、肌の色が違ったりまたまた狼人や熊人、魔人(・・)亜人(・・)()との多種族混合師団(・・・・・・・)

 

 

 実力主義の国だからこそ、其処に溝は無い。有るのは強さのみ

  

 それは力でも、速さでも、知恵でも構わない。

 

 教会ぃ?来るなら来やがれ、

 

 神の意志ぃ?そんなもんより俺らの意志だ、

 

 神の使徒ぉ?良い女だから側に置こう、

 

 

 そうやって作り上げた他の国にはない、

  

 正真正銘の実力主義の最強の軍隊!

 

 それを率いるこの(最強)

 

 傷が痛み血が流れる。

 

「来るなら来い、次は勝つ」

 

 

 月の光が世界を照らし、新たな戦争を今か今かと待ち侘びる。

 

 

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