ある日地球に出現した遺跡を調査した高町なのは、フェイト・T・ハラオウン、八神はやては遺跡の奥で少年を保護する。記憶喪失の少年は「智春」と名乗り、八神家の新たな家族として迎え入れられた。
それから10年。
成長した智春は八神はやてが設立した「機動六課」の一員としてレリックの情報を掴むために無限書庫を訪れた。危険すぎてだれも調べられない一般人には知られていない区画、「魔境」を探索中、智春は不思議な女性と邂逅する。意味深な言葉を残して爆散してしまった女性から渡された1つのトランクケース、そして鍵。「魔境」の最深部にある扉に鍵をはめ込むと扉が開き、中にいたのはユニゾンデバイスのような小さな少女だった。
「おはよう、トモ」
目の前の少女はそう言った。
その一言を聞いた瞬間、僕の中からいろいろな感情が溢れだしてきた。
歓喜、郷愁、後悔、悲哀。
いろいろな感情が混ざり合って、訳が分からなくて。
いつの間にか、僕は涙を流していた。
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目の前の、手のひらに乗るサイズの少女が眠そうに眼をこする。
どうにか溢れ出してくる涙をぬぐった僕は、とりあえず質問からしてみることにした。
「え……と。君は?」
「操緒のこと? 私は操緒。知ってる?」
「いや、知らないけど……」
「そう? それならよかった」
よかった?
「君は、どうして僕のことを知っているの?」
「さーて、どうしてでしょうか? 当ててみて?」
「いや、わからないから聞いてるんだけど……」
「もう、ノリが悪いな~トモは。考えるフリくらいはしたらどう?」
「そう言われても……」
なんだろう、さっきからこの子のペースに乗せられっぱなしだ。
「っていうか、いつまで人の裸を見てるのかな? そこは布でもかけてあげるのが男として当然なんじゃないの?」
「え? あ、ごめん!」
「まったく、こんな美少女を裸一枚で放り出すなんて……」
ブツブツと呟きながら僕が渡したハンカチで体を覆う少女……操緒。
体を隠し終わると彼女はふわりと浮きあがり、僕の制服の胸ポケットの中に入り込む。
「それじゃ、レッツゴー!」
「え?」
「え? じゃなくって。男でしょ? ちゃんとエスコートしなさいよ。それともヘタレのトモには無理かなー?」
「へ、へた!? なんてこと言うんだ!?」
「女の子の手を握ったことが無い? デートとかも行ったことないでしょう?」
「なっ!? ほっといてくれ!」
「はいはい。早く進んでよ」
「……むぅ」
操緒に急かされて部屋から出る。出来ればこの部屋の調査をしたかったけど、とりあえずはこの子の保護を優先かな。
「んー……はぁッ! 体おもー。重力ってやっぱり重いなー」
「重い? どういう事?」
「ん? 気になる? 実は操緒は昔幽霊だったんだよ」
「……あぁ、はいはい」
「あ、信じてないでしょー」
なんだか、だんだんこの子のことがわかってきた。人をからかって喜ぶタイプの人なんだろう。
その後も僕は操緒にいろいろなことを話しかけられながら魔境の入り口まで進んでいく。
それにしても不思議な感覚だ。
今日、それもついさっき会ったばかりのこの子相手にまったく緊張しない。むしろ、こうやって二人でいることが当たり前だったような気さえしてくる。
「にしてもトモ、その制服似合ってないねー」
「ほっといてくれよ。僕も自覚してるんだから」
そのまま操緒と雑談をしながら来た道を引き返していく。と言っても、操緒から話しかけてくるのを僕が返答しているだけだけど。
やがて入り口が見えてくると同時に、ユーノからの念話が入る。
『智春!? 聞こえる!?』
『ユーノ? 聞こえてるけど……』
『良かった! さっきから呼んでたけど一向に返事がなかったから! 大丈夫かい!?』
『あ、ああ。まさか魔境にジャミングがはってあったなんて……』
『なら急いで戻ってくれ! もう六課のみんなは出動してる!』
『! 何があったんだ?』
僕が現場に辿り着いたときには、空を無数のガジェットが覆っていた。
「はやても出てるのか……」
「お~! なんかうじゃうじゃいるね!」
結局、魔境から出た後急いでここまで来たから操緒も一緒に連れてきてしまった。
はやての魔法でどんどんガジェットが落ちて言っているけど、それでも数が多い。
「はやてでも落としきれない……あんな大群が街に突っ込んで来たら大惨事だぞ!?」
ユーノから聞いた話では、ガジェットは六課が保護した少女に向かってきているらしい。
ガジェットをこれほどまでに投入するってことは、スカリエッティにとってその少女はよっぽど大切なんだろう。
「さて、どうしたものかな……」
正直あれだけの数のガジェット相手だと僕は足手纏いだ。ここは大人しく保護した少女の護衛に回った方がいいか。
「あれ? どこにいくの?」
ガジェットに背を向けて少女を保護したと言うフォワード隊の所へ向かおうとしたところを操緒に呼び止められる。
「何処って、保護した少女の護衛に向かうんだよ」
「あれは放っておくの?」
「どうしようもないだろ? 僕にはあの数のガジェットと戦う術がないんだらか」
「……戦えたらいいんだよね?」
「へ?」
そう彼女が言って、僕が振り向いた瞬間。
操緒が僕に向かって突撃してきた。
正直すまんかった。
時間かかった割にすっごく短い……ごめんなさい。新生活で時間が取れなかったんです。昼勤→夜勤→昼勤のサイクルはついこの間まで学生だった作者にはきつかった。慣れるまでこんなに時間がががが……。
というわけで短いですがここまでで。次回はちょいとチート気味を予定してます。