刀剣乱舞 小噺 かりそめの撫子   作:一之瀬 萩

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出陣不可

『出陣、出来ない?』

加州と山姥切国広が顔を見合わせる。

『政府の調査によると、この本丸の刀剣男士が特命調査に出陣しているため…と』

政府からの出陣が出来ない旨の調査報告書を読む山姥切国広。

『え?!特命調査の隊長は俺なのになー。まあ、…仕方ないっか』

『陸奥守たちが特命調査の天保の時代にいて、本丸からの出陣が出来ないみたいだな。だが、良かった。みんな無事ならそれで……』

書類に目を通していると、部屋の後ろの襖が開いた。

加州と山姥切国広が振り向くと、山姥切長義がそこに立っていた。

長義はなんの躊躇いもなく部屋に入ってきて、山姥切国広の隣に座った。

『主、今帰った遠征部隊の調査報告書と持ち帰った資源の一覧だ』

『あれ?長谷部は?』

『長谷部は帰ってきた遠征部隊の状況把握と負傷した刀剣男士たちを手入れ部屋に誘導していて手が離せない。代わりに俺が報告をするようにと頼まれたんだ』

隣にいる山姥切国広を避けて加州に話しかける長義

『報告は以上だ』立ち上がる長義を主が呼び止めた。

『何かな?…ああ、偽物くんの探索の話か。いや、疲れてなどいない。大丈夫だ』

『…』山姥切国広は真っ直ぐ主の方を見、加州は長義、まんばと交互に見ている。

『ただ、二度とこんな馬鹿げた出陣は御免だ。本丸に帰れなくなるなんて笑い話にもならない。そうだろう?偽物くん』

『…写しは、偽物なんかじゃない』

『俺の顕現が遅かったばかりに、俺の名前で顔をうっているんだから』

『…』

『まあまあまあ、2人とも!主の前で言い争いは良くないんじゃない〜?』

『俺こそが山姥切。それを間違えないでくれよ』立ち去っていく長義。

長義が出たところで長谷部が入ってきた。

『主、すみません。遠征から帰ってきた連中を相手にしておりましたので、長義に報告を頼んだのですが…』

『俺達も下がろう…主、騒がしくしてすまない』

『可愛くして待ってるから、また声かけてよね』一礼して部屋の出入口に向かう2振り。

『おい、待てお前ら。まさか主に…』

『ぜーんぜん。そんなんじゃないから』手を振り去っていく。

『主、何かあったのでは?…そうじゃない?それなら良かったのですが、余り奴らを甘やかさないでください。我々はあなたの刀、そしてあなたの敵を打つ刀ですから…え?陸奥守たちの消息が掴めたのですか?それは良かった。…山姥切国広達に迎えに行かせたかったが、出陣が出来ないと…。この長谷部、主命とあらばなんなりとこなしますよ』長谷部がニヤリと微笑んだ。

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