刀剣乱舞 小噺 かりそめの撫子   作:一之瀬 萩

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交わり

 

『ねぇ、これってさぁ。同じところ、ぐるぐる回ってない?』

『敵の罠に嵌ってしまったようだ』長谷部も焦っている。

敵の落としていく艦札を頼りに行動範囲を狭めている…はずなのに、なかなか目的地に辿りつかない。

『急げ』と水心子がボソリと呟く。

口元をフードで隠しているが、聞こえるものは仕方がない。

長谷部も、加州も必死だ。

カランッと艦札が1を示した。

『よし、次は完全に右!あの角!』

『待て!加州!』

長谷部の声で立ち止まり、振り返ろうとしたその一瞬。

大きな影に隠れた。

左側から大太刀。

『な⁉︎』避けきれない!

敵の大太刀の攻撃が加州に当たる前に、ぐんっと首根っこを掴まれて右側の通路に放り出され、勢いのまま倒れ込む。埃がたって目が開けられない。

『…っつ!』

金属が何度かぶつかる音。

長谷部?と思って目を凝らすが、長谷部たちも他の敵と交戦してるのがわかる。

じゃ、俺を引っ張ったのは…

風が吹き、大太刀と向き合ってる人影がハッキリと浮かび上がる。

見慣れた薄汚れた布を被る人物と、最近顕現してきた自分の逸話に近い刀……

『え、なんで?』

『全く、危なっかしいな』

『加州、立てるか?』

被った布を翻し、加州を襲った大太刀を斬る山姥切国広。

尻もちをついたみたいな格好の加州を引き上げ、立たせる長曽祢。

『え?な、長曽祢さん?まんばちゃんもなんで⁉︎』

『それはこっちの台詞だ。なぜお前らが遠征先にいるのか』

『え?遠征先って……』

敵を倒し、加州に近づいた水心子。

『何だ?知り合いか?』水心子が問う。

『知り合いもなにも、別部隊の…』と言いかけてあっという間に敵に囲まれる。

山姥切国広たちが連れてきたと思われる敵と、この特命調査の敵で辺りが一層暗くなったように感じる。

『立ち話もさせてくれないってワケね』服に着いた砂埃をはたいて落とし、刀を抜く加州清光。

『とりあえず、殲滅させるか』風ではためく布を捌いて、刀を構え直す山姥切国広。

『推して参ろう』首や腕を鳴らして刀を低く構える長曽祢虎徹。

『何が起きてるのかさっぱりわからんが…』

『気を引き締めていこう、水心子』源清麿が水心子と並んで刀を構える。

『…どれだけ数を増やそうと主の仇なす敵に間違いない。一人残らず圧し切る!』長谷部が得意の速さで斬り込んでいく。

長谷部の切り込みで、みんな一斉に突入する。

え!え?ちょっと、ちょっと待ってよ!

切り込みかけるの、隊長である俺の仕事なんだけど!

『もー!特命調査の隊長は俺なのに!』

 

 

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